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ギルド結成!目指せギルドホーム!

自宅に帰ってきた零は、さっそくVRヘッドセットを装着してVNOの世界へとログインした。


「集合場所は、コンコルディアのギルド管理施設前ね」


そう呟いてテレポートスクロールを取り出したレイだったが、この時の彼女は「VNO初の公式大会でトップを争った有名人」になることの真の恐ろしさをまだ知らなかった。

転移した瞬間に周囲のプレイヤーたちから「あ! 大会のレイだ!」「あの飛翔剣どうやるの!?」「握手してください!」と怒涛の質問と囲み取材の嵐に見舞われ、集合場所にたどり着く頃には精神的にヘトヘトになっていた。


「はぁ……はぁ……。さて、ここら辺のはずだけど……」

「おーい、レイ! こっちこっち!」


遠くから聞き覚えのある親しい声が響く。声のする方へ向かうと、そこには懐かしい面々がすでに勢ぞろいしていた。


「みんな、ごめん! 遅くなっちゃった……」

「気にすんなって! カイゼもさっき着いたばっかだからさ」


爽やかに笑って手を振るのは、どう見ても暑苦しい筋肉モリモリの重戦士アバターだ。

PN:ライカ


「……相変わらず色物みたいなアバター使ってるね、ライカ」

「失礼な! 見た目通りの『ATK極振り』ビルドだよ! ロマンだろ?」


その隣には、いかにも職人といった風情のコック帽をかぶったプレイヤーが立っている。

PN:バスタ。


「お疲れレイ。遠くから見てたけど、すげー勢いでプレイヤーに絡まれてたね」

「全くだよ……。ところでバスタ、なんで料理人の格好してんの?」

「いや〜、やっぱレイのゲームすごすぎるわ! 料理した時の味覚の再現度がリアルそのものなんだよ。試行錯誤のし甲斐がありすぎてたまらんね!」


開発者としては最高の褒め言葉にレイが密かに誇らしさを感じていると、その横で何やらモコモコした小動物を抱っこしているプレイヤーが目を輝かせた。

PN:アイ。


「なにそのペット? 可愛い!」

「あ、これ? モンスターの町【ズーマル】で【テイマー】に転職して捕まえたモンスターの『マイ』だよ! まだ戦闘では役に立たないけど、マスコットとして最高なの!」


そして最後の友人へと視線を向ける。シンプルな革鎧を纏った、きわめて標準的な剣士アバターだ。

PN:オニオン


「……オニオンは、めちゃくちゃ普通だね」

「普通で悪かったな! これが一番落ち着くんだよ!」


「で? これからみんなどうするの?」


レイの問いかけに、マッチョのライカがニッと笑って答えた。


「やりたいことはあるんだけど、その前にさ……私たちで『ギルド』作らない? うっかりしてたらレイとカイゼが他の大手ギルドにスカウトされそうだし、身内だけで組んだ方が絶対に気楽でしょ!」


「あ、それには大賛成!」


気心の知れた仲間たちとのギルドなら、変な気遣いも要らない。他のみんなも賛同して頷いている。


「よし、決まり! ……で、ギルド名とリーダーはどうする? 優勝したカイゼがリーダーでいいんじゃない?」

「ちょっと待ってよレイ! なんで私なの!? ここはゲームの創造主様がリーダーをやるべきでしょー!」


意見が綺麗に割れたため、急遽多数決を取ることになった。


結果――レイへの投票:5票(全員満場一致)。


「……もう、しょうがないなぁ。じゃあリーダーは私が引き受けるね。それと、ギルド名は――【シーカーズ】でどう?」


「【シーカーズ】冒険者たちか!世界観にもぴったり!」


満場一致で好感触を得られたため、一行はそのまま街のギルド管理公社へと向かい、申請手続きを行うことにした。


窓口の受付嬢NPCに書類を提出すると、彼女は丁寧にお辞儀をした。


「申請を受理いたしました。ギルド【シーカーズ】の皆様、今後のご活躍を心より期待しております。……つきましては、ギルドホームのご購入はいかがでしょうか? 現在、新しい冒険者に向けたセールでお安くなってます」


「ちなみに、この街で一番ランクの高い最高級ギルドホームっておいくらなんですか?」

料理人のバスタが軽い気持ちで尋ねる。


「お目が高いですね! こちらの最高級物件は、現在なんと大特価で『1億G』となっております!」


「「「「「1億――――――!?!?」」」」」


全員の叫び声が公社内に響き渡った。


「こちらの物件ですが、ギルド専用の最高級炉を備えた鍛冶場、最新設備もついてる厨房、さらにテイムモンスターを放し飼いにできる庭園に修練場などもついてます!」


受付嬢の説明を聞けば聞くほど、みんなの目が輝き出す。まさに自分たちのためにあるような夢のホームだ。


「……でもこれ、少人数ギルドが最初に狙うような金額じゃないでしょ……」


レイが頭を抱えるが、アイがふと思い立ったようにレイとカイゼを見た。


「ねえ、でもレイとカイゼって、昨日の闘技大会で上位だったし……実は結構お金持ってるんじゃない?」


「流石に1億なんてあるわけ――」


レイとカイゼがそれぞれのステータス画面で所持金を確認し、息をのんだ。


「……2人合わせて、9200万Gある」

「嘘でしょ!?」


闘技大会の優勝・準優勝賞金、さらに前日にガーゴイルの討伐報酬などを合わせると、異常な額の金貨が貯まっていたのだ。


「え、じゃあ手持ちのドロップ素材とか換金アイテム全部売ったら、ワンチャン届くんじゃない!?」

カイゼが興奮気味に言ったが、計算してみたレイは首を振った。


「うーん……換金アイテムを売っても、あと2,300万Gくらい足りないかも……!」

「うわーっ! 一番生々しく惜しい金額!!」


絶妙に届かない金額に全員が頭を抱えかけたその時――オニオンがニヤリと不敵な笑みを浮かべた。


「ふふふ……そこで提案ですよ」


「なに? オニオン」


「実はさっき言おうとしてたこの後の予定に関係するんだけど……昨日散策してるときに、街の外れで多分未攻略のダンジョンを見つけたんだよ!」


「「ダンジョン!?」」


レイとカイゼの声が重なる。


「そう! 未攻略のダンジョンなら、手付かずの宝箱や高価なレアドロップが眠っているはず! そこで不足分をサクッと稼ぎ出せば……あの1億Gの夢のギルドホームが手に入る!!」


「「「「おおおおお――――っ!!!」」」」


目標は明確になった。

結成したばかりのギルド【シーカーズ】の初陣は、夢のギルドホーム資金をかけたダンジョン攻略へと決定したのだった!


---

ライカ

レイの友人の1人。

ゲームになると色物キャラをよく使う。

男勝りなしゃべり方をする。

大体火力に特化しているがプレイスタイルは冷静。


バスタ

レイの友人の1人

料理が好きで食べるのも好き。

戦闘中は結構感情的になる。

プレイスタイルは近距離職。


アイ

レイの友人の1人

ゲーム内だとけっこうはっちゃける。

頭がよく何でもできるがたまに抜けている。

プレイスタイルは安定タイプ。


オニオン

レイの友人の1人

ほかのメンツに比べるとこれといった特徴はない。

それでも彼女らにとってはかけがいのない友人である。

プレイスタイルは安定タイプ。

複数人同時にキャラ付けして動かすのって難しいですね…

全員リアルの友人をもとにしています。

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