――エピローグ――
「――と、これが私の知る限りの二代目の時代に起きた二代目十二属性戦士――通称『神聖の十戦士』の物語だ」
照明によって淡く照らされた薄暗い一室。そこで、ハンセム博士は回転椅子に座って目の前にいる十四人の十二属性戦士に昔話を行っていた。長きに渡る昔話を終え、一服するようにハンセム博士が傍の机上に置いてある紅茶を飲み干す。空になったカップをソーサラーの上に置いて、深く息を吐いた所で、六代目十二属性戦士の一人――雷属性戦士の鳴崎雷人が口を開く。
「まさか……あの初代伝説の戦士のおよそ半数が、二代目の時代には天寿を全うするでもなく、襲撃にあってその命を散らしていたとは……」
「ひどい、あまりにひどすぎるよ……」
雷人の義妹である六代目光属性戦士――明見輝光が、義兄の白衣の裾をぎゅっと握ってその小柄な肢体を震わせる。
「聞いた事がない苗字があるはずだぜ……」
壁際で背を預けて腕組していた六代目岩属性戦士――崖淵爪牙が、納得の頷きを見せる。
「ここでも……オドゥルヴィア達が裏で暗躍してただなんて……」
その近くにいた六代目火属性戦士――炎耀燐照火が、信じられないといった様子で驚愕の表情を浮かべて顔を俯かせる。
「鳳凰一族は……フレムヴァルトを滅ぼされて、この国に逃げ果せてたんだね……」
六代目水属性戦士――霧霊霜雫が、辛そうに表情を歪め、胸元に添えていた拳に無意識に力が籠る。
「だが、それだと無事だったはずだろ? なんで、この時代にはいないんだ?」
爪牙の斜向かいにいた六代目闇属性戦士――嵐暗夜が、ふとした疑問を投げかける。
それに続くように、今度は六代目風属性戦士――旋斬楓が声をあげた。
「問題はそれだけに留まらないわ。途中で聞いた、二代目の時代よりも更に以前の時代の文献――アレは何?」
その視線が向けられる先は、勿論この話を行ったハンセム博士へと突きつけられる。
それにつられるように、この場にいる全員が今一度博士を見やった。
大勢の視線に中てられ、ハンセム博士が答える。
「……あぁ、私の先祖が書いた文献でな。語るのも恐ろしい――邪神族に関しての実際に起きた出来事がまとめられているのだ。もしこれがなければ、七皇族の存在は……人々の記憶から永遠に抹消されていたかもしれない。それほどまでに、彼らの存在は大きく、同時にその喪失も大きかったのだ」
「皇族は……本当にもう一人も残っていないの? これによれば、少なくとも序列一位と二位の子孫はどこかにいそうだけれど」
六代目時属性戦士――鎖神時音が、悲し気に問いかけ、自身の意見を述べる。その声に、ハンセム博士はくるりと回転椅子を回して彼らに背を向け、デスクに両肘をついた。
「……さてな。現在の時代において、彼女達の一族の所在は掴めていない。私も全てを知っている訳ではないのでな」
それを最後に、この場は一気に静寂に包まれた。あれ程までに矢継ぎ早に飛び交っていた言葉の応酬は、一時の終了を迎えたかに見えたが、その静寂を破るように、六代目毒属性戦士――猛毒雲菫が切り出した。
「それにしても驚いたわ。まさか、あの東西南北の地で戦った相手が、嘗て二代目の時代に眠りから目覚めた神龍達だったなんて……」
そう、この時代、六代目十二属性戦士は既にその変わり果てた姿と化した神龍達と再戦していた。一度は二代目に敗れ封印され、二度目は六代目に敗れ、そして倒された。
「だが、どうして神龍の封印が光と影の計画の封印条件に関わってたんだ?」
「確かに……まだ謎は残るわね」
雷人の疑問に、顎に手をやった楓が考え込む。
「にしても、冥霊族……出逢った事はないけど、めちゃめちゃやばいやつらじゃん……でも、この時代では一人も見かけた事ないよね?」
再び静まり返りそうになったところに、六代目砂属性戦士――石吹細砂が冥霊族に関する意見を口にする。
「そうだな、これも月牙って奴が冥霊界へ行った事と関係してんのか?」
従妹の言葉に、爪牙が更なる疑問を加える。
「……可能性はゼロとは言えへんな。ただ、気になる事がある」
そう言って、六代目幻属性戦士――玄朧夢幻は腕組をしてちらと視線をある人物へと向ける。
そこにいたのは太陽のように神々しく、包容力溢れる雰囲気を醸し出す少女――光陽斑希――の、アンドロイドだった。
彼女は先ほどからずっと黙りこくったまま、主であるハンセム博士の隣で佇んでいる。
「……月牙っちゅー人は、この斑希って子の魂を迎えに行ったんやろ? ほな、肉体が蘇ってへんのはおかしな話ちゃうか?」
「確かに、夢幻の言う通りだ……二代目の時代でも、斑希は蘇ってねぇ。いや、そもそもここにアンドロイドとして存在してる以上、冥霊界から魂は戻ってきてねぇって事だ」
夢幻の言葉に、六代目暗黒属性戦士――嵐白夜が核心を突く。
「それってつまり、月牙さんは……失敗したって事?」
六代目草属性戦士――草壁葬羅が一気に表情を翳らせる。
その言葉に、雫が反応した。
「冗談でしょ? それじゃあ、ミーミルさんや妃愛さん……彼女達の子供は会えなかったって事?」
「……なぁ、ちょっと気になってた事があるんだが」
先程から一人考え込んでいた雷人が声をあげる。
「何?」
楓が応じると、雷人が続けた。
「……今の時代の国王に関してなんだが……」
「国王って……神崎零国王陛下でしょ?」
「二代目の時代、夢鏡王国を治めていたのはリスマード王家だよな? だが、今の時代にリスマードの名が付く人間はいない」
「……た、確かにそうだわ。ど、どういう事? ま、まさか……三代目の時代に何かあったの!?」
それを聞いて、楓もハッと何かに気付いたように目を見開く。
「わ、私に訊かれてもわからん! 私だって知りたいくらいだ!」
「……神崎、妃愛……」
ぼそりと、葬羅がその名前を口にした瞬間、空気が一段と冷え込んだ気がした。
「あ――」
まずい事を言ってしまったかと、葬羅が顔を上げるが、もう遅い。
「え、う、うそでしょ!? ま、まさか国王陛下が?」
「わ、分かりません……ですが、同じ苗字……ですよね。それに、確か国王陛下も陰属性の力を使っていたような……」
楓に詰め寄られ、葬羅は焦ったように両手を胸元まで上げて体を仰け反らせて数歩後退する。
「は、博士! 月牙って人の顔写真か何かないのか!?」
照火が声を張り上げ問い詰めるが、ハンセム博士もこればかりはお手上げだと言わんばかりにその場に立ちあがる。
「む、無茶言うな! 何年前の事だと思ってるんだ。現存してたら、それこそ一大事になる! あの地で起きた過去の出来事は全て葬り去――あっ!?」
と、そこで、彼は本来口にする予定のなかった言葉をうっかり滑らせてしまった。
「あ、あの地で起きた……出来事?」
輝光が、純粋無垢な眼差しで小首を傾げる。
「てめぇ……まだ何か隠してやがんな!?」
腕を捲り、今にも飛び掛かっていきそうな凄みを見せる白夜。
「お、教えなさいハンセム博士! 三代目の時代に、何があったの!?」
そんな彼を必死に食い止めつつ、楓が肩越しに博士に尋ねた。
「よ、止せ! わ、私はこれ以上は何も知らんッ!」
十二属性戦士達にじりじりとにじり寄られ、ハンセム博士は観念したように白状する。
だが、それを簡単に信じる程、彼らは素直ではなかった。
「嘘よ! 少なくとも、この地で……いえ、この地とは別のどこかで何かがあったのは明白じゃない!」
菫が声を張り上げ叫ぶ。
それに続く様に、六代目氷属性戦士――氷威残雪が声を上げた。
「そうッス! ロムレス学園だって、この時代には存在すらしてないッス! そもそも、あの書物や博士の話だと色々辻褄が合わない事が多すぎるッスよ! 俺達が今いるのは空中都市。だけど、博士達が話してるのはどう聞いたって大陸上での出来事ッス。場所が異なる……おかしいじゃないッスか」
「……う、うぅ、そ、それは……」
いよいよ後には引けなくなった様子のハンセム博士が、うなされるように呻き声をあげる。どう切り出したものか、考えあぐねているらしい。
すると、そんな彼に救いの手が差し伸べられた。
「皆さん、落ち着いてください。ご主人様の心拍数上昇を確認。これ以上は危険と判断します」
それは、ハンセム博士が作り出したアンドロイド――斑希だった。端正な顔貌をしている彼女は、表情一つ変える事無く、どこか一点のみを凝視したまま、淡々とハンセム博士の容態を述べた。
それを聞き、楓が食い下がるように言い返す。
「ふ、斑希さん……あ、あなただって月牙さんの事が心配でしょう!?」
と、その時、彼女が口にした"月牙"という名前が、斑希に異変をもたらした。
「……月牙。げ、月牙? う、うっ……!」
耳にした言葉を脳内で反芻する内、その彼女の脳内で異常を来し始めた。斑希の身体が痙攣を始め、関節部辺りからスパークして火花を散らし出す。それを見て、ハンセム博士が血相を変えた様子で声を荒げた。
「い、いかん! 楓止めるんだ! この斑希には脳内データをコピーして移植してあるんだ。あくまで記憶には制限をかけた状態でな。それを無理に呼び起こせば制限が外れてしまう!」
「それの何がいけないのよ!」
一見いい事のように思えるが、確かに彼が慌てふためく様に、目の前の斑希の様子は尋常ではない。
すると、暫し躊躇っていた様子の博士が理由を口にした。
「……記憶が、上書きされてしまうんだ。もしそうなれば、当時の彼女の記憶は……古い物から、消えていく事になる」
「そ、そんな……」
理由を知ってショックを受ける楓。
呆れた様子で顔に手を突く雷人が声をあげる。
「何でそんな面倒な事をしたんだ、博士」
「……すまん。私の知的好奇心がそうさせたんだ。だが、研究を続けていく内にその事実に気付いてな。慌ててプロテクトを施したと……そういう訳なんだ」
「そうだったのね」
時音が納得したように軽く相槌を打つ。
「……はぁ、斑希。すまないが、紅茶のおかわりを貰えるだろうか?」
博士が一つ溜息を吐いて、斑希に命令を下すと、頭を抱えて呻いていた斑希が突然すっくと平静を取り戻す。
「……畏まりました、少々お待ちください。すぐにお持ち致します」
まるで本当に心のないアンドロイドのように能面の顔つきとなった彼女は、丁寧な所作で踵を返すと、この場を後にして姿を消した。
それを見送ったところで、ハンセム博士が眉間を摘まむようにして深い息を吐く。
「……全く、お前達の好奇心にもほとほと呆れる」
「博士にだけは言われたくないな」
ハンセム博士の小言に、照火がジト目を向ける。
それを言われては返す言葉がなかったのだろう。思わず鼻で笑う。
「……確かにな。だが、先程も言ったようにこれ以上私の口から話せる事はない。他を当たってもらえるだろうか?」
「ほ、他って言われたって、誰から聞けばいいのよ!」
困り果てたように菫がぼやくと、突然背後から声が聞こえてきた。
【――ここにいたのですね、十二属性戦士の皆さん】
「うわッ!? る、ルナー様!? び、びっくりさせないでほしいッス……」
突然の第三者の声に、この場にいる誰よりもオーバーなリアクションをした残雪が、逸る胸元を押さえるようにして、背後に立つ月の神――ルナーに言う。
占い師のようなローブ姿の彼女は、目深にうさ耳付きのフードを被っており、首からは月の装飾をあしらったネックレスを提げていた。長い銀髪を靡かせ、切り揃えた長い前髪で、その目元はあまり窺えない。
【失敬ですね、人をまるでお化けか何かのように……。どうやら、お困りのようですね】
不服そうに唇を尖らせるルナーに、思い出したように楓が声をあげる。
「あ、そうだ! る、ルナー様は知っていますよね? 月牙さんは息子さんなんですから、その後の行方……安否がどうなっているのか!」
それを聞いて、一気にルナーの声のトーンが落ちる。
【……申し訳ないですが、あの親不孝者の事に関して、今私の口から言える事はないです】
「……ルナー様。だったらせめて、これだけは訊かせて下さい……初孫には会えたんですか?」
楓が食い下がるようにさらなる質問を加える。
【……それを聞けば、満足して頂けますか?】
「少なくとも少しは」
真剣な面持ちでこちらを見やる楓。不意に周囲を見渡せば、他の十二属性戦士も似たような思いのようで、こちらを見ていた。
その視線に根負けしたのだろう。ルナーは観念したように深く息を吐くと、口を開いた。
【……分かりました。答えはイエスです……ですが、それ以上は私の口からは――】
【あら、いいじゃない】
と、更なる第三者が後方より姿を現す。一瞬だが、周囲の明るさが一段上がった気がした。
その人物は、太陽を思わせる眩いオレンジ髪を靡かせ、太陽の装飾をあしらった髪飾りをカチューシャのように頭につけ、くるんと曲がったアホ毛が一歩歩くたびに意思を持ったように揺れていた。
神々しいオーラを放つ今の彼女ならば、確かにミーミルの言うように"自己発光"しているとも言えるかもしれない。
【ね、姉さん。どうしてこちらに?】
その人物――太陽神フィーレに、妹のルナーが尋ねる。
すると、フィーレは人差し指を顎下に宛がって虚空を見上げ唸った。
【う~ん……なんとなく? 散歩中に可愛い愛娘が道で迷子になっていたものだから、連れて来てあげたのよ】
そう言って彼女が一歩横にずれると、彼女の背に隠れるようにして立っていたアンドロイドの斑希が、申し訳なさそうに肩を落としている姿があった。その手元にはソーサラーに載せられた紅茶入りのティーカップがある。
「申し訳ありませんご主人様。頼まれていた紅茶です」
「あ、ああ。すまないな」
まさか、紅茶を注ぎに行っただけで道に迷ってしまうとは予想外だったのだろう、戸惑い気味にハンセム博士が紅茶を受け取る。
だが、彼がぎこちない様子を見せていたのは、何もそれだけに限った事ではなかった。
【ふふっ、ハンセム博士……わたしの娘を大層便利に使い倒してくれているみたいじゃない?】
怖いほどにこやかな微笑みを湛えてこちらを見やるフィーレに、ハンセム博士がギクリと全身を硬直させる。
「こ、これは……その、だな。り、リハビリも兼ねているのだ。ぼーっとその場に立ちっぱなしでいるよりは、体を動かした方が、アンドロイドの稼働区域も錆びつかずに済むからな!」
殆ど言い逃れに近いごまかし。それをフィーレもどこか心の中では理解しているのだろう。細めていた瞼をゆっくり開け、その太陽の色を思わせる灼熱の双眸を鋭く光らせる。
【ふぅん……まぁ、ここはそういう事にしておきましょうか……】
それから彼女は、視線を十二属性戦士へと移した。
【それで、三代目の時代の話……だったかしら?】
「ど、どうしてそれを!」
この場にいなかったはずのフィーレが知っていた事に衝撃を受ける時音。
【あら、わたしは太陽の神よ? 神族であるわたしに、隠し事が通用するはずないでしょう? まるっとすべてお見通しなんだから】
「そ、それじゃあ、フィーレ様が三代目の話を教えてくれるんですか!?」
楓が期待に胸を膨らませるように鼻息を荒くして身を乗り出す。だが、彼女は勿体ぶるように首を捻った。
【ん~……わたしじゃあちょーっと難しいかしらね。だ・か・ら――】
【へ?】
急にこちらに視線を向けられ、ルナーは気の抜けた声を漏らしてしまう。そうしてる間にも、姉に詰め寄られて背後を取られ、両肩に優しく手をかけられる。
【うふ、ルナー……お願いね?】
またあの笑顔だ。太陽のように眩しくも、鋭い紫外線のように差してくるそれに、ルナーが慌てた様子で意見する。
【そ、そんな! 姉さん! わ、私があの話をするのですか!?】
【あの話はあなたも十二分に関わっているのだから、知っているでしょう?】
【そ、それはそうですけど……ですが、あまりに――】
姉に痛い所を突かれ、一気に勢いを削がれるルナーが顔を俯かせていく。その声が段々と小声になって消え行こうとしたところで、フィーレが遮る。
【――この子達には知る権利がある。そうは思わない?】
先ほどまでのにこやかな微笑みはどこへやら。急に真剣な面持ちとなって、真っすぐこちらを見据えてくる姉の顔と声に、それ以上の反論の言葉が浮かばず、ルナーは盛大に溜息を漏らした。
【……はぁ、分かりました。洗いざらい吐けばいいのですよね?】
【そっ、溜まってるもん、全て吐き出しちゃいなさい】
「……なんか、言い方が汚いんだよなぁ」
太陽の神、月の神の二柱の会話を傍で聞いていた暗夜が、呆れたようにジト目を向ける。
と、ルナーが一歩前に進み出る。
【……十二属性戦士の皆さん、私に少しばかり時間をください。覚悟を固める時間が……欲しいのです】
「わ、分かりました」
楓が六代目十二属性戦士を代表して意思表示をする。
その答えを聞き、ルナーが微笑んだ。
【……ありがとうございます。明日……城下町にある私の占いの館へお越しください……そこで、三代目の時代をお話しします】
そう言って、この場は解散の運びとなった。
あまりに思いつめた表情をしていたルナーの顔が、暫く十二属性戦士の頭から離れなかった。
翌日。
約束通り、十二属性戦士はルナーが住む占いの館を訪れていた。
趣ある扉が開き、ルナーがフードから覗く長い銀髪の横髪を揺らしながら彼らを招き入れる。
【さて……紅茶でもお持ちしますか】
そう言って、ルナーが目をやると、宙を浮遊したティーカップとポットが、青い生地に白銀の刺繍をあしらったテーブルクロスの敷かれた丸テーブルの上に、ゆっくりと置かれた。
【お砂糖はいりますか?】
どこから取り出したのか、両手に砂糖入りのガラス製の入れ物を持って、ルナーが微笑を浮かべる。
「あ、そ、そこまでは……じ、自分達でやりますので」
【あら、そうですか……ふぅ。すみません、少し緊張してまして】
時音が厚意だけを受け取って、それぞれの属性戦士の座るテーブルの前にガラス製の入れ物を順番に回していく。
「い、いえ……私達も一体どんな話を聞かされるのか、気が気じゃないと言うか……」
【ふふっ、そうですよね。先に言っておくと、今回の話も想像を絶する話が多くなるかと思うのです。気が滅入る事もあるかと思いますので、その際は気兼ねなく仰ってください】
「わ、わかった……」
雷人が今一度ゴクリと息を呑み、乾く口内を潤そうとさっそく注がれた紅茶に口をつける。
【それでは、お話ししますね。まずは……どこから話していきましょうか】
そうして、口を開いたルナーが話し始めた三代目伝説の戦士の時代の物語。それは、二代目の時代に勝るとも劣らない、悲しくもあり、それでいて確実に前に進むための物語。六代目である彼らにも関わる物語のプロローグであった……。
というわけで、エピローグを入れて今回のⅤの話は終わりです。忙しくて更新頻度がぐんと下がってる時期もあったりして時間がかかってしまいましたが、どうにか終わらせられました。
まぁ、シリーズは続くので次はⅥに入る事になります。
三代目ではどんな話が繰り広げられる事になるのかは、読んでからのお楽しみということで。
ただ、Ⅵは三代目の話というよりは、成長した二代目と、結成前と結成後の三代目の話という流れになるので、前半はあまり三代目は出てこないかもしれません。
次回は登場人物の設定を載せます。多分、めちゃ長くなります初登場キャラも多いので……。




