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魔導師高専編(予兆)

「おや…お久しぶりです。カリラ•ホランさん。」

部屋の中に一人、大量の書類に囲まれながら作業を続ける女性の元へ、11、12歳ぐらいの少女が現れた。

「久しぶりだね、校長。」

「《理(ことわり)》である貴方が何故人間界に?」

「ちょっとした気まぐれだよ。それよりさ、見せてよ、新入生のリスト。」

「それが目的ですか…貴方の望むような生徒は居ませんよ?」

「それは見てみないとわからないよ。」

校長は机の引き出しから数枚の紙を取り出した。

「今年は少なくてね、24人でしたよ。」

「では見させてもらおうか。」

ホランは校長から紙を受け取り、一枚一枚目を通した。一通り見終わってから、一人の生徒を指差した。

「この生徒でしょ、入学生の中で今一番強いの。」

指差された生徒の名は『ミッド•バルデンスト』。一家全員が魔術師の、魔術師の名家だ。

「正解です。なんでも、近距離戦を得意とする剣士に近い魔術師でしてね…なかなか才能がありそうでした。」

「ふーん…ま、今年も当たり(◆◆◆)は居ないか…ごめんね校長、邪魔した。」

「いえいえ、いつでもお越しください。」

校長がお辞儀をし、頭を上げた時にはホランの姿は消えていた。

「世界の《理》が何であんなに自由奔放なんだろうね…」

校長は安堵のため息を漏らした。目の前にいたカリラ•ホランと言う存在。魔術師なら一目見ればわかる。あれと敵対してはならないと。

【カリラ•ホラン】

冒険者ギルドの創設者。この世界に冒険者という職業を作ったのもホランだ。ホランは人間を超越した存在である。簡単に言えば人間と神のハーフの様なものだ。ホランの前では敵対するという概念すらない。ただ従うしかないのだ。服従か死か。対峙したものに与えられる選択肢は二つのみだ。


「あんな化け物勝てるわけがない。」

魔力探知するまでもない。体内から溢れ出す魔力があたり一面を埋め尽くすほど広がっていた。

「はぁ…」

再度校長は安堵のため息を漏らした。


コンコンッ


「?、どうぞ。」

ガチャという音と共に一人の女性が入ってきた。

「久しぶりに帰ってきて…何の用?ティラ。」

「実はさ、入学させてもらいたい人がいて…ママなら何とかできるよね。」

新章【魔導師高専編】開幕

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