表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
53/54

終わらない戦い

今回の作戦では、地方各地から募ったフロルゴ団員を二つのグループに分けて配置していた。一方はマルシ率いる作戦実行班、もう一方は今後の帝国側の対応に応じて行動する待機班に分けられている。待機班は野営地に野宿しており、150人ほどが全員食料を持参して、野営に臨んでいる。そんな野営地に騎士団の紋章を掲げた集団が迫っていた。



クイルは野営地に着いた瞬間に魔法念唱を始めた。

「煉獄の炎よ、連なり、全てを焼き尽くせ《連鎖炎獄》」

クイルにより放たれた炎は、野営地にいたフロルゴ団の人々を焼き殺していった。炎は人から人へと移り、身体すらも焼き尽くす。クイルの放った魔法を誰も止めることができない。クイルはただただ眺めていた。何も抵抗できぬまま燃え尽くされるフロルゴ団を。

「効率悪いな、もう一個増やすか。」

もう一つの新たな魔法を放とうとした瞬間、目の前からフロルゴ団の人々が消えた。


!!


「何が起こった…?」

周りにいる部下は消えていない。フロルゴ団のみが消えている。

「ラムスか。」

そう呟くと、部下の一人が質問して来た。

「?、報告にあったラムスさんって、こんなに大量の人をワープさせるのは無理なんじゃ…」

「多分盟約だろうな。おそらく奴がもうすぐここに…」

クイルが言い終わる前に、クイルの前にラムスが現れた。

「殺されに来たのか?」

クイルの質問に対しラムスは答えた。

「いや、自首しに来た。」

「…は?」

突然の自首宣言にクイルの脳は一瞬停止した。

「何でだよ、殺せなくなっちまうじゃねーか!」

クイルは怒りをあらわにすると同時に、膨れ上がった膨大な魔力が収縮していく。

「チッ、初めからこれが狙いだったな?」

「ふっ、正解。まぁ、俺以外の奴は本気で反乱を起こして勝てると思ってたけどな。」

「その感じだと俺の盟約の弱点も知ってるな?」

「ああ。殺害の許可が降りた時のみ体内の魔力の限界を超えて使うことができる。ただ、降参の意思があるものは殺害の許可が無効になり、殺害が出来ない。ってところか?」

「正解だ。」

クイルは部下にラムスの両手を縛るように指示を出した。




《罪人輸送中の馬車内にて。》

馬車内で二人は向かい合って座っていた。

「どうして急に自首なんかしたんだ?お前の目的はまだ終わってないはずだが…」

バルトルは聞いた。

「もう、勝てないと悟った。それだけだよ。」

マルシは答えた。

「そうか…。」

しばらくの無言が続いた。静かに揺れる馬車の中で、先に口を開いたのはマルシだった。

「お前に伝えないといけないことがある。この国の未来に関わるかも知れない。」

「…?どういうことだ?」

「バルトル、お前は十数年前から発現し始めたアルガ帝国民の証である、体に刻まれた紋章について知っているか?」

マルシは服を捲り、腹部にある紋章を見せた。

「いや、知らないけど…それがどうかしたのか。」

「この紋章は支配の魔法が書かれた魔法陣だ。」

「!?、そんなバカな…アルガ帝国は相当な人口がいるんだぞ。仮に魔法陣だとしても全員に付けるのは不可能だ。」

「魔力探知を使えばわかるはずだ。微弱に流れる魔法陣の魔力が。」

「…確かに、少し魔力を感じる。でも、誰が何のために?いや、どうやって発動するんだ?」

「おそらく主となる魔法陣に大量の魔力を流し込めば、俺たちの体についている子機が発動するんじゃ無いかなと思う。」

「…その主となる魔法陣は何処にあるんだ?」

「魔法陣は俺がさっきまでいたあの部屋にある。頼む、魔法陣を回収して悪用されないように持っていてくれないか。」

「俺が悪用するかも知れないぞ。」

「いや、お前には使えない。発動には大量の魔力がいると言ったが、到底人間の魔力では全く足りない。」

「そうか…分かった。俺が回収しておく。」

二人はそんな会話をしながら留置所までの道のりを進んだ。

次回「トルア•モルド」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ