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抗う者

何が起こったのか。ほんの数分の出来事で、状況を理解できていない者がほとんどだ。目の前で家族や友人がフロルゴ団に囚われ、恐怖と困惑の中で様子を伺うことしかできなかった村に取り残された住民。村にも数名のフロルゴ団が監視役として村に残っている。




その男は取り残された住民たちの周りを徘徊していた。

「お前ら、変なことすんじゃねーぞ!」

誰も自分に逆らわない、絶対的な権力を手に入れた。小さな空間で優越感に浸る男の名はサエジャ。フロルゴ団の一員で、団の中ではトップクラスの戦力である。今回はマルシが人質の方についたので、サエジャがマルシの代役として村に残った。

「…何だ?」

この空間内に自分に逆らえる者がいない、まるで王様のような気分のサエジャに、一人の少女が近寄った。

見た目は10歳前後で、桜のようなピンク色の髪が特徴的だ。少女の名はユラ。シェンラーの姉である。

「ママと…シェンラーを…返して…ください…。」

恐怖で震える右手を左手で押さえながら、今にも消えそうな声でユラは言った。

「ああ。用が済んだら返してやるよ。それまで大人しく待っとけ。」

サエジャは軽く受け流した。相手はまだ子供だ。大人に立ち向かう勇気があるわけがない。そう思っていた。だが、ユラは違った。真剣な眼差しでサエジャを見つめ続けた。



ユラが一人で脅威に立ち向かう中、ユラの思いに共感した者たちが動き始めた。住民たちは今、子供以外は全員手をロープで結ばれており、近くの住民同士で協力しながらロープを解いていった。ユラがサエジャを見つめていた間、サエジャもまたユラからの視線を感じ警戒した。

「大人しくしてろと言ったのが聞こえなかったのか?俺が剣を抜いていないうちに元の場所に戻れ。」

少しづつユラの目に恐怖の涙が浮かび始めた。その時、十数名の勇敢な若者が立ち上がった。

「うおおおおお!」

雄叫びを上げながら全員が他の敵などはすべて無視してサエジャに捨て身で突進した。皆が拳を振り上げ殴りかかろうとした瞬間、サエジャは剣を抜き、ユラの顔の前に突き出した。

「逆らったらどうなるか、しっかり教えておいた方がいいようだな。」

サエジャは剣を振り上げ言った。

「俺たちに逆らったらこうなるから、しっかり覚えておけ!」

ユラ目掛けて剣は振り下ろされた。脅しなどではない、本物の殺意をユラは感じ取った。

(避けられない…)

剣がユラに触れようとした瞬間、激しい衝突音が辺りに響き渡った。


「!!」


(何だ、何をされた!?)

激しい衝突音と共に、サエジャは吹き飛ばされた。サエジャが急いで剣を握り直し、顔を上げた時、敵の正体がわかった。

「お前は…マカン!」

「お前は確か…サエジャだったか?」

「…。」

一目見ただけでわかった。目の前のマカンは村にいた時の穏やかなマカンではない。息子に対する不安から、心に余裕のない極限状態のマカン…。もっと言えば、ブチギレたマカンだ。元々戦闘能力が高かったが、マカンが穏やかな性格だったため今までは脅威として感じなかったが、今のマカンなら多少の犠牲など関係なく、サガンのためなら大量虐殺もしかねない。そんなふうに思えるほど、マカンは威圧感を放っていた。


「お前に一つだけ聞く。答えによっては命はないと思え。」

「わ、分かった。質問は何だ…?」

「サガンをどこへやった?」

「ここにはいない。隣町の建物の中にいる。」

「嘘をついたらどうなるかわかってるよな。」

「あ、ああ。もちろんだ。」

「詳しい場所を教えろ。」

次回「救出」

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