表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

112/347

第111話 ステータスボードを見せられない理由

長い砂のダンジョン地下十三階。


「スキル、発破魔法ランク5っ!」

「はあっ!」


綾子さんと人志さんが二人で協力してゴブリンより二回りほど大きなマスターゴブリンを打ち倒す。

俺は相変わらずそれをふたりの後ろで見守るだけ。


さすがにそれでは気が引けるので消滅していくマスターゴブリンをみつめながら、

「今度魔物が出てきたら俺も戦いましょうか?」

訊いてみるが、

「まだ佐倉くんにはちょっと荷が重いんじゃないかな」

人志さんはやんわりと否定した。


「そういえば佐倉くんてレベルいくつなの? 訊いてなかったわよね」

「えーっと、レベルですか?」


うーん……なんて答えようか。

本当は38027だけど正直に言うわけにはいかないし、となるとやっぱりここは……。


「俺のレベルは……99ですけど」

最高値である99と答えておく。


「えっ!? レベル99っ!?」

「うっそーっ!?」

自分たちのレベルよりも俺のレベルが高いことが信じられないといった顔をする二人。


「本当ですよ。だから俺も少しは魔物退治に協力させてください」

「し、信じられないなぁ」

「そうよ。レベル99のプレイヤーがナスビモドキに簡単にやられちゃうとは思えないわ」

それは油断していただけなんですよ、綾子さん。


「ねえじゃあ、佐倉くんのステータスボード見せてくれる? そうしたら信じるわ」

「え……ステータスボードですか」

それを見せたらすべてを知られることになってしまうので元も子もない。


「いや、それはちょっと……」


俺が難色を示すと人志さんと綾子さんはお互いに目配せをして優しく微笑んだ。

そして、

「ふふっ。強がらなくていいのよ佐倉くん。レベルが低くても別に恥ずかしいことじゃないんだから」

「そうだよ。誰だって初めは弱いんだから徐々に強くなっていけばいいんだよ」

二人は訳知り顔で俺の肩に手を置く。


どうやらレベルが低いのを隠すために俺がステータスボードを見せまいとしているのだと誤解したようだった。


「いえ、そうじゃなくて、俺だって魔物と戦えるんです」

「その気持ちだけありがたく受け取っておくよ。ありがとう佐倉くん」

「そうそう。だから魔物との戦闘はわたしたちに任せて。アイテムはあとでちゃんと三等分するから安心してね」

「いや、だから……」

「さっ、先を急ぎましょう」



……まいった。

ステータスボードを見せないという行為が裏目に出て俺は二人からレベルの低いことにコンプレックスを抱えたシャイボーイだと勘違いされてしまったらしい。

『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』

という小説も書いているのでとりあえずブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 微笑ましい夫婦にレベルを教えられないと言う佐倉にとっては魔物よりも、そちらの方が強敵かも知れないですね!
[一言] とてつもなく申し訳ないな…
[一言] 良い夫婦で何よりですね(*´∀`) それだけに、何だか言い出しづらい( ̄▽ ̄;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ