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第112話 アイテム交換

長い砂のダンジョン地下十九階にて。


「ふぅ~。さすがに疲れたわね」

綾子さんがひたいの汗を拭いつぶやく。

足元にはマスターゴブリンの群れがドロップしていったアイテムが三つほど散らばっていた。


「そうだね。じゃあ今日はここで休むとしようか」

「ええ。そうしましょ」

人志さんと綾子さんは上薬草と爆弾石を拾いながら言う。


「佐倉くんもそれでいいかい?」

「あ、はい」

俺も足元に転がっていた魔石を拾って人志さんに手渡した。


丸一日かかって地下十九階まで来た俺たちは順番に仮眠をとるためシートを地面に敷くと寝袋を用意する。

「最初は佐倉くんと綾子が寝ていいよ。おれが見張りをするから」

「いつも悪いわね、人志」

「いいんですか?」

「うん。遠慮しないでどうぞ」


人志さんの言葉に甘えて俺と綾子さんはそれぞれの寝袋に潜り込んだ。



☆ ☆ ☆



四時間後、眠りから覚めた俺と綾子さんに代わって人志さんが寝袋に入る。

今度は俺と綾子さんが二人で見張りをする番だ。



すぅ~。すぅ~。


静かな寝息をかく人志さんを横目に綾子さんが、

「佐倉くん。これあげるわ」

ポシェットから取り出した万能薬を俺に差し出してくる。


「え……でも俺、状態異常は放っておけばそのうち治るので別にいいですよ」

【状態異常自然回復】というスキルがあるためどんな状態異常も治すことの出来る万能薬は俺には必要ないのだが。


「駄目よ。もし毒とか麻痺で動けない時に魔物に襲われたらどうするのっ。死んじゃうわよ」

「は、はあ……」

「だからこれ取っておいて。ね?」

綾子さんは半ば強引に万能薬を俺の手に握らせる。

ちなみに万能薬はポーションやハイポーションと同じような容器に入った液体だ。


「あー、ありがとうございます」

いらないんだけどなぁと思いつつもせっかくの厚意を無下にはできないので一応お礼を言うとありがたくそれを不思議な袋の中にしまった。


「あっ、じゃあ代わりといってはなんですけど綾子さんにはこれをあげますよ」

そう言って俺は不思議な袋の中からガラス玉のような球体を渡す。


「わぁっ、すごくきれいね。でもこれなぁに? 初めて見たわ」

「ドラゴンの宝珠です」

「ドラゴンの宝珠?」

「はい。といってもどんな効果があるのか俺も知らないんですけどね」


サンドドラゴンを倒したらたまたまドロップしたアイテムだ。

俺は識別魔法は使えないので使用方法などはまるでわからない。


「貰っていいの?」

「はいどうぞ」

「じゃあ遠慮なく貰うわね。ありがと佐倉くんっ」

使い道の分からないアイテムを押しつけたような形になってしまったが綾子さんは心底喜んでくれているようなのでよしとしよう。



このあと起きてきた人志さんとともに三人で食事をとった俺たちは再び地下深くへと歩を進ませるのだった。

『Sランクパーティーを追放された鍛冶職人、世界最強へと至る ~暇になったおっさんは気晴らしに作ったチート武器で無双する~』

という小説も書いているのでせめてブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 人の良さはどっこいですな(*´∀`) 未識別アイテムは他人に渡すというのがパターン?
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