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帝国は反撃する④

ワンブラスが参戦したことで戦局はいくぶん持ち直した。が、多勢に無勢、白服一人で持ち直せるものではなかった。

「大賢者殿は治癒は使えるのですか?」

「ワシとて賢者を名乗っている以上使えないことはない。だがな」

ワンブラスの問いに大賢者は微妙な言い回しをする。

「言いたいことは理解できるがワシに聖女の代わりは無理だからな」

「やってもらいますよ。私がきたのは敵を殲滅するのではなく無関係な住民を助けるためなんですから」

「……、仕方ない、耐えられるのか?」

「愚問ですよ。できなければ来ませんよ」

「では行ってくる。ここは任せた。死ぬでないぞ」

「アルビーを手伝ってやってください。あいつにとっては今までで一番困難な任務でしょうから」

「わかった」

簡単に返事をして大賢者はその場を後にする。それを見届けたワンブラスは敵と対峙する。

「白服とはいえ相手は一人、数で押しきれ」

敵の指揮官は命令を下す。

「やれますかね、あなた方が戦った全ての相手よりも私は強いですよ」

気合いを入れ直したワンブラスに対し圧倒的に有利であるはずの敵軍はある種の恐怖を感じていた。


「で、先生は近々戦闘になるだろうからと?」

「そう、エリン王女を巻き込まないために偽の依頼をだして脱出させたわけ。事情を説明したところで残るっていうでしょ」

なぜこんなことになっているのかとクボタの問いに白服は答える。

「まあ事情は理解した。だが納得できないものはあるけどな」

「どういうところ?」

「なぜエリンの所在がバレた。町の住人には気づかれていなかったとおもうが」

「気づいていたと思うよ。あの人たちは味方だからね。あえて気づいていないふりをしていたんだよ。余計な気を遣わせないようにね。でもね、スパイがいたんだよ。そいつがばらしたんだ」

「誰だ?」

「それは気にしなくていい。戻ることはないんだから」

「そういうわけには……」

「そういうことなの。あなたの役目はエリン王女の身の安全を確保すること、そのために私たちは来たんだから。自分の仕事に集中して」

「わかった、そうするしかないのか。で、どうすればいい」

「教会本部へ行く。そこなら安全だ。ついでにあんたの本性も明らかにしてもらう。あんたが本当に使徒なのかも含めて」

「使徒だって? 」

「そうだろう。神からの指令を受けているんだろう。お見通しだ」

「さすがに最上神官ってところか。どこまで知っている?」

「ほんのうわべだけさ。あんたの口から語ってくれるとありがたいね。教皇様の前でね」

「ことはオレの一存ではすまなくなっているんだな。わかった。行こう」

「助かる」

白服二人の先導のもと一行は教会本部に向かう。

「ねえ、ヤスト、あなたは一体?」

「エリンもシャーディもわかっていたんだろう。詳しくは着いてから話す」

「会話の最中悪いがあいつらはつれていけないぞ」

「何で? あの子達も仲間なのに」

「魔獣はだめだ」

「魔獣じゃない。聖獣だよ。神官なのにわからないの?」

そう言われて二人は真っ青になる。

「これはとんだ失礼を。お詫びいたします」

土下座するように頭を下げる白服二人、怒るエリンをなだめようとしたクボタはふっと違和感を感じる。

「エリン、静かに」

(「この先に大多数の生体反応あり。警戒レベル黄、注意されたし」)

クボタの脳裏にアラートが鳴り響く。


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