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帝国は反撃する③

「こんなのが最強なのかい。噂はあてにならないね」

吐き捨てるように男は言った。

「でもさ、妖精を引き連れているんだよ。弱くはないよね」

否定するように女が言った。

「さっきからさ、なんなんだ」

不満を隠しもせずクボタが問う。

「あんたの実力を量っていたのさ。聞いた話だと相当強いってことだから。でもダメだね。精神が弱すぎる。いくら強くてもこれじゃあね」

「確かに……、否定できない」

「おいおい肯定しちゃったよ。どうするね?」

「私たちが派遣されるわけね。あ~あ、使徒だって言うから期待はしてだんだけどね。出番があるのを喜ぶべきか期待はずれを嘆くべきか……」

女は諦めの表情を隠さない。

「何を期待していたのか知らないが。あんたらは一体……」

「見てわからない?」

そう言われてクボタは初めてその正体に気づく。

「失礼した。『白服』だったとは」

「そうだよ。これから世話になるっていうのにさ、戦闘のときのかっこよさはどこにいったんだろうね」

「うっ!……」

シャーディにそう言われてクボタはかなりのダメージをうけたようだ。

「本当に大丈夫なのか? かなりきつくなるのに」

「リーダーの指示だもんね。仕方ないよ」

白服の二人はこれからのことを思い描いて悲観するのだった。


「こっちだ。こっちだ」

かなりの傷を負った住人たちが次々と運ばれてくる。

「まだ来ます。いけますか?」

「ダメなんて言えるわけないでしょうか。気にしないでさっさと運んできて」

「しかし……」

「いいから!」

闘いが始まって間髪いれずに聖女のもとに怪我人が運ばれてくる。

「大丈夫なのか?」

さすがに休みなしに治癒魔法を使いまくる聖女が心配になった大賢者は休むように何度も忠告するのだが聖女は聞く耳をもたない。

「ここももう持ちません。はやく避難を」

兵士が避難するよう呼び掛けるが聖女は応えない。

「怪我人を放っておけるわけないでしょう。残るわ」

「しかし……」

「いいから持ち場に戻れ。ここはわしが食い止める」

大賢者に促され兵士は最前線に戻っていく。

「聞いたわね。動ける人はさっさと避難して。そんなにもたないわよ」

「聖女様を残して我々だけで……」

「いいからはやく! ここにいるのはほとんどが非戦闘員なんだから。どっちにしろ役に立たないんだからはやく逃げて!」

「どうかご無事で」

聖女の叫びにも似た声に動ける者は動けない怪我人を抱え、後ろ髪をひかれるような思いで避難する。

それを見届けた聖女は力を失ったように片ひざをつく。

「もうだめかもしれない」

あきらめたように呟いた聖女にもうほとんど魔力は残っていない。たつこともままならない。

「あの馬鹿は……、少しやすんでおけばいい。そのぐらいは抑えてみせる」

大賢者は力を使い果たさんとする聖女を思いやりながらも迫りくる敵軍に向かってありったけの魔力をぶつける。

響き渡る大音響、その音を聞きながら聖女は力尽きようとしていた。

「情けないですね、これぐらいでへばるなんて。聖女の名が泣きますよ。でもまあいいですよ今は、後は我々が引き受けます。しばし休息を」

囲い混む敵軍を蹴散らしてここまでやって来たワンブラスは聖女に会うなりそう言い放った




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