帝国は反撃する⑤
「敵か?」
「どうした? なにがあった?」
クボタがふと呟いたことに白服二人が反応する。
「この先に生体反応があった。数からみてどこかの軍勢だろう。味方とは思えないが……」
「これも見破られたのか?」
警戒を強める一行だったが
「大丈夫だよ。敵じゃない」
シャーディが能天気に思えるような感じで声をあげる。
「敵じゃないって、どうしてわかる?」
「嫌な感じがしない。何かを探しているような感じ、まだこっちには気づいていないし。むしろ味方になってもらったほうがいいと思うよ」
「どういうことだ?」
「戻ろうよ。このままだと後悔すると思うんだ。私たちだけ逃げても……」
「何を言っているんだこの子は。もしもう戦っていたとしたら……、今までのことがすべて無駄になる。王女さえ無事なら」
シャーディが戻ろうと訴えるが白服たちは聞く耳をもたない。
「シャーディ、何か感じているのか?」
「あのさ、2つあるんだけど。どっちのことを言っているの?」
「2つって?」
「ヤストとシャーディが感じたのはたぶん別々のものだよ。一つは確実に味方になってくれる、もう一つはやり方次第」
クボタはシャーディに問いかけるも答えたのはエレノア、その答えに一行は混乱する。
「行こう。どうなるかはでたこと勝負」
「そんなんでいいのか? もっと確実な方法を」
クボタはあえて遭遇することを提案するが白服はその提案を否定する。
「あんたら強いんでしょうが。白服なら覚悟を決めてみせろよ」
「俺らの役目は敵の殲滅ではない。護衛対象者を傷つけることなく送り届けることだ。戦わずにすむならそれにこしたことはない」
「だったらなおさら……」
「なおさら……、何?」
「ちょっと、あれ何?」
クボタと白服二人との間に口論が発生しそうになっていたところにエリンが割ってはいるように叫んだ。
「ワイバーンがあんな大群で」
「町に向かっている?」
「あれ、人が乗っていないか? どうなっている?」
エリンが指差した方向を見上げた一行の目は町へ押し寄せるワイバーンの群れを捕らえていた。
「戻ったほうがいいような気がする。いや戻る」
クボタはそう言うと町の方へと歩き出す。
「おい、待てよ」
白服たちの制止を無視して歩き出すクボタを追いかける残りのメンバー
「仕方ないかな」
「どっちにしろ追いかけないと、指示はエリン王女の安全を確保することなんだから。ほら行くよ」
女の方の言葉に従って白服たちも後を追う。
「あの中にエリン王女がいたというのか?」
「はい、確かに。白服様がいらっしゃったので大丈夫かと思われますが」
「よし、気づかれないように追尾しろ」
アヴェインはクボタら一行を追いかけていく




