突破口③
「あれは塩分が弱点なんだよね。だったらちょうどいいのがいた。いましがた呼んできたから戦わせるね」
「呼んできたって?」
「オヌシ、召喚術が使えるのか? 妖精の身でそんな術を身につけるとは……」
突如現れた見知らぬ妖精が見せた召喚術に驚く大賢者
「そんなに驚くこと? まあこれができたから今まで生きてこれたんだけどね。ここじゃあこんな術でも使えなきゃ生きていけないよ。あいつらがここに来て無茶無茶したからね」
「苦労したんだな」
その言葉の節々にその妖精が味わってきた苦悩を感じたクボタは思わず同情の念を示す。
「でもそれも終わり。お兄さん強い人でしょう。あいつら倒してくれるんでしょう? この地を解放してくれるんでしょう? 協力しない手はないでしょう。さっさとやっつけてよ。こいつを貸すから」
「貸してもらってもなぁ。使い方がわからん」
「魔力を貸してもらえればこっちでやるよ。今までそのお姉さんに任せてきたんでしょう。お兄さんこんだけすごい力持っているのに全然つかいこなせてないし。ダメだよ、自分で使えるようにしないと。ちゃんと見といてよ、こうすればいいんだ」
「なんでダメ出しされているんだ。もっとも使いこなせてないのは事実だけど……。ごめん、おれ自身よくわかってないんだよ」
「しょげるのは後にして。あれを倒すよ」
妖精に施され気を取り直して敵に立ち向かうクボタ。
「さあ、己の力を解放しろ、殺れ、『デカラシ』あれを消してしまえ」
妖精の指示に従いデカラシと呼ばれた生命体は行動を開始する。
生命体の行動に一瞬怯んだような仕草を見せた敵ではあったがなんのきもなしに生命体に攻撃を仕掛ける、だが次の瞬間急に苦しみ出す。
「あれは何をしたんだ?」
「自分に触れたものを攻撃したんだ。あれは自分に攻撃を仕掛けるものの弱点を瞬時に解析して相手が苦手とする物質を身体中に放出するんだ。この場合は塩分だね」
「なんかすごいやつだな」
「でもね。それしかできないんだ。だから単体では防御しかできない。あとはさっさと止めを刺してね。それがお兄さんの役目」
「どうやって? 実体の無いものに対する攻撃手段なんてもっていなんだけど」
「魔力を貸してくれって言ったのはそれ。僕がやるから手伝って言いたかったの。というわけで」
そういうと妖精はクボタの体にとり浸いた。
「えっ」
驚くクボタをよそに妖精はさっさと作業を進める。
「さあ、覚悟しな。今までの恨み晴らさせてもらうよ」




