突破口②
「塩分なんだよ。あいつの弱点だ」
「塩分だと?」
「人間が持つある種の成分ってのはそれだよ。汗に含まれているんだ」
「なら」
「無理だよ、量が少なすぎる。効果的だが殺すには全然足りない。もっとももう死んでいるんだろう」
「それがな、完全に死んだと言い切れんのじゃよ。いわば生き霊ともいえるかもしれんな」
「なんだよそれ、それだと話が変わってくる。どこかに本体がいるということか?」
大賢者とクボタはレイスみたいなのを相手にして戦いといえるのかどうかわからない状態に陥りながらもこの状況を何とかしようと会話をしていた。
「生きているのなら相手できるから。とりあえずそいつの居場所を探そう」
そんな会話に聖女が割り込んでくる。
「自分でやってくれ。それぐらい出来るだろう」
ついさっきまでクボタの聖女に対するいい評価がここで下がっていく。
「婆さん、あんたもだ。わかっているならそういう方向で動いてくれ」
「すまん、ワシとしたことが。あの姿になるとな、とてつもなく魔力を使うのじゃ。よって今のワシは普通の魔法使いでしかない。あまり役に立ちそうもない」
「まったく、雁首揃えてこんなんかい」
こっちだってダメージくっているんだぞ、とクボタは愚痴りたい気持ちを抑えてなんとか相手の攻撃をかわしていく。大賢者と聖女はクボタがなんとかしてくれるだろうとひたすら防御に徹していた。
そんな状況のなかクボタは違和感を感じていた。相手が出す邪悪な雰囲気によってエレノアは戦意を完全に戦意を失っていた。にもかかわらずその邪悪な雰囲気とは別の妖精の雰囲気を感じていた。
「どういうことだ。別になんかいるのか?」
そんな事に気をとられてクボタは相手の攻撃交わし損ねた。
「しまった」
しかし相手の一撃を食らってもクボタはダメージをうけなかった。
「塩分のおかげか」
クボタの体はこの一連の行動と緊張感によって汗まみれになっていた。
「だがこのままでは」
さしものクボタにも疲れが見えてきた。
「どうすればいい?」
クボタは一人考え込む。
「お困りのようだね。助けがいるかい?」
「誰だ?」
「そこで縮こまっているお姉さんの同類だよ。ぼくもこいつのおかげで動けなくなっていたんだけど大賢者が助けてくれた。だから助太刀するよ」
「できるのか?」
「こいつを倒せる仲間を呼ぶから。あなたのおかげで戦う方法が見つかった」
「「だったらお願いする」
「うん、頼まれた。今から呼ぶからそれまでに耐えてね」
そう言うとそれは何か召喚の儀式のようなものを始めた。




