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「拘りますね?」

「いや、武器ナシでいきなり分からないものと戦えって普通は言わないでしょ?」

「いえいえ。時代は色々と回りますが……あれ?……んー。まあ仕方ないですね」


 何かを言おうとしていた感じですが、撫子が言葉を飲み込んだのは分かるのですがその理由は勿論分からず。

 そして、ロボットが歩きをしているにもかかわらず気にせずにまたもヘルメットの中に入ってきます。


「あ、ちょっ。中に入って来ると前が見えないんだよ」

「知っていますよ。でも、武器が欲しいんでしょ?ちょっと待ってくださいね、多分何かしらあると思うので……んー、武器、武器……」


 そういいながら、自分が見ている画面は文字が凄い速さで流れるのですが、かなりのスピードで流れるのでそれを見ているだけでちょっとだけ眩暈を起こしそうになる事に。

 そんなこっちの事情なんて気にしていない撫子は何かをすると、さっきと同じようにスルッと目の前から抜けて、お腹に降りるのは今まで通りかと思ったのですが、今回は肩の上に移動してきます。


「いつも乗っている頭の上が本当は良いんですけど、ヘルメットがまだあるので今日はここで我慢しましょう」

「そういえば、いつも頭とかお腹とか乗っかっているけど何か理由があるの?」

「いえ、何も?ただ座り心地がいいというか色々とやりやすい位置ってだけですよ?」

「やりやすいって何を?」

「別にいいじゃないですか。とりあえず、今遺跡をパパっと走査したのですが一応このロボットの居た場所の先に武器があったのでそれを持って行きましょう」


 撫子がそういうと、ピピピっとチュートリアルでやっていた時と同じように視線を誘導する音。

 そしてその画面の先は真っ暗なのですが、その暗闇の中に今までも見ていた二重丸が出ている状態。

 とりあえず今歩いている場所から動く形なので多少の踏み外しなどがありそうなものですが、そんな些末な事があるはずもなくそのまま普通に歩みを進める事に。


「そういえば」

「止まる時は、歩いた時と一緒で考えればいいんですよ?」

「まだ何も言っていないんだけど?」

「大体聞きたいことぐらい私でもわかりますよ」

「そういうものかな?」

「まあ、そういうものです」


 一年とは言わないまでも結構長く一緒にいるのでこういうところはツーカーの感じで話が進むわけですが、真っ暗な場所を進んだ先は今までと違って光が降り注がないので真っ暗な中という感じなのですが、うっすらとそこに何かがある事は分かります。


「真っ暗でも見えるものだね?」

「そういうカメラでしょうからね」

「あー、そういえばこの視線も多分ロボットの顔があるところのだよね?」

「基本的にはそうなりますね。時間があればメインカメラ以外にサブカメラ、サイドカメラ他にも色々とあるみたいなのでそれの説明もしたいのですが……」

「してくれると助かるよ?」

「とりあえず、赤い空をどうにかしてから時間のある時でいいじゃないですか。カメラなんて」

「いや、視線の話だから結構大事だと思うよ?」

「あっれぇ?こんなに慎重派でしたっけ?」

「慎重派かどうか聞かれるとちょっと微妙な所はあるけど、普通じゃない?」


 喋っている間にも一応頭で想像をしっかりしていたのがフィードバックされているみたいで、目の前に近づき壁があることが分かるわけですがその横にあるものに自動的に右手が動きます。


「ささ、ご所望の武器ですよ?」

「うん。武器だね」

「コレで戦えますね」

「……結構撫子はせっかちさんかな?」

「え、武器があったら戦えますよ?」

「いや、うん。そうだね」


 この躊躇(ためら)いは年齢によるものではないと言いたい所ですが、歳を取ると何でもかんでも勢いでいけなくなると巷で聞いたことはあったのですが、自分もいつの間にかそういう側になってしまっている事にこんな状態になりながらハッと気がつくことになるとは思っていなかったのですが、人生何があるか分からないもので。


 ここまで色々とお膳立てされてしまって、動かないというのは無いだろうという気持ちも少しだけですが自分の中に沸いていることも確か。

 浮かれた気持ちに近い小さな興奮だけで失敗したことなんていくらでもあった人生だったので、次の足が出ないという気持ちも知らない訳ではないのですが何となく顔は見えていないけど撫子は大丈夫って顔をしてこっちを見てくれている気が。


「武器も持ったし、ってこの武器なに?えーっと、丸い棒?」

「流石に棒は渡しませんよ?」

「そうなの?」

「武器で調べましたからね」

「あー、うん。その感じだと棒は普通に見つけたのかな?」

「いえ、ここから出てそこら辺の木を引っこ抜けば、武器になるかなーと思ったのですが、ロボットの方から非推奨と叱られました」

「え?ロボットから叱られるとかあるの?」

「あー、そういう余計な事は考えないでいいんですよ?」

「余計な事を撫子が言うから気になるんでしょ?」


 喋りながらもロボットの右手には丸い棒のような何かを持った状態になったので後はここを出て赤い空の原因と対峙することになると思うのですが、どうやって?と考えていると、ピピピっと便利な音。


「武器も持って、後はこのチュートリアルの通りにすればいいですよ?」

「まさか本当にチュートリアルで戦うの?」

「戦闘のチュートリアルも必要でしょう?」


 ありがたい事ですが、今できる事は何もないのでとりあえず画面に従ってみましょう。



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