3.日常
翌朝、目を覚ましたシェルアードの腕の中に金髪の少年があった。
椅子に座りながら本を読んでいる青髪の少年が告げる。
「俺のベッドで寝落ちしてんじゃねーぞ。テメェ、ホントに酒癖が悪いな」
「す、すまぬ・・・」
彼女の声に腕の中でうごめく金眼の少年が呻く。
「おはよう、師匠。背骨が折れそうです・・・」
「うおおおーー!?いつからそこにおった!!」
「昨日から・・・」
一晩中抱き枕代わりにされていたエルの言葉にシェルアードが腕を離して飛び退く。
「今日はワシ等が薪割りの当番じゃ!日照が始まるまでに支度しておくのだぞ!」
慌てて二人に告げた長い黒髪の女が部屋を出ていった。
部屋といっても扉の代わりに簡素な仕切りがあるだけの洞穴ではあるが。
「めんどくせー女」
「シェラは真面目なんだよ。何にでも」
エルの言葉にバーズが机に置いてあるシナモンを口にして告げる。
「涙ぐましい努力だな」
「おいガンシュート!ちんたらやってんじゃねぇよ!とっとと運んでこい!!」
バーズが赤毛の男に怒鳴る。
「うるせぇ!割るのが早すぎんだよ!お前もうこっち手伝え!!」
ガンシュートの声に青髪の少年が手斧を置いて丸太が積んである方へ向かう。
「そこにあるノコギリを使え」
その言葉を無視してガンシュートが持っていた巨大な斧を奪い取るとバーズが言った。
「こいつで一気にぶっ叩けばいいんじゃぁねぇの!」
手にしている木製の部分が砕け散り、刃だけが丸太に食い込んでいた。
「力加減を考えろ!!ノコギリ使えっつったろ!!人の道具壊しやがって!!これじゃ余計に手間が増えただけだ!!」
「バカみてぇに怒鳴るなよ。薪にできりゃいいんだろ」
金髪の少年に向き直るとバーズが叫ぶ。
「エルー!レーンウォーグ取ってこい!!」
「もう、ノコギリでやってよ!!」
叫び返したエルにバーズが叫ぶ。
「それじゃ物資も時間も足りねぇ!使えるモンは使っとけ!」
「そもそも一人じゃ持てないんだよ、あの剣」
ぼやいた少年がシェルアードを連れて居住している洞窟へ向かった。




