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80.別れの季節
雪解けの季節、赤い車が道を行く。
「ま、こうして話してると色々あったな」
帰路に着く旅の途中、運転をしながら赤眼の男が告げた。
「せっかくシルファちゃんと仲良くなれたのにねぇ」
「リネアさんに教わった料理、美味しかったです」
「制服姿を見られないのが残念よぉ」
春先には本国へ戻るリネアの言葉を受け、少し寂し気な表情をしたシルファが言う。
「仕方がないですよ、お仕事なんですから。写真送りますね」
「楽しみにしてるわぁ」
平生より多少無理をして間延びした調子で女が答えた。
感慨深い表情をしている青い髪の男、物珍し気な表情で窓の外を眺めている少年。
一同を乗せた車が徐々に春へと向かっていった。




