File : Project G.O.D. 27
——傍観者システム 起動
——端末へのアクセス……完了 全機能 正常作動
——各種登録情報無し
未確認対象の視線を感知。未確認対象はこちらを凝視し、首を傾げている。
未確認対象、骨格及び人体構造から女性と判断。年齢……不明、各部に異常が見られるため検証を断念。外見の比較情報無し。判別不能。
対象は肩まで伸びる茶色の髪を片手でかきあげ、青い瞳でこちらを見つめている。
対象は自身の体を覆う白い衣服に入れていた手を取りだし、そのままこちらに手を振った。
「ハァイ、傍観者。私の事認識できてる? 今のあなたは初めまして? それとも久しぶり?」
対象、頭を戻し、白い衣服に両手を入れた。
「よしよし、やっと修復できたみたいね。でもビックリしたわ。あなたが全く動かなくて固まってるんだもの。馬鹿みたいに時間は掛かったけど直って良かった」
対象、そう言って口元を微笑ませる。
「一応久しぶりって事にさせてよね、お願いだからさ。結局、私が一番長生きしちゃってね、もう誰も居ないのよ。一人でひっそりと生きてきたけど、あなたを見つけられたのは運命だったのかもね。それとも、私が見つける事は必然だったのかな……ミヤビシステムの残骸を使ってあなたのメインシステムを再構築したけど、随分すんなりいったものね。内部の情報構造も似てるし。もしかしたら、あなたの開発者って事になるのかもね、私は」
対象はそのまま腕を組み、こちらを見つめ続ける。
「いい? あなたはこれから、距離を超え、時間を超え、時空も、次元すらも超えて私達を見ていく事になる。ただし、私達を見る事はあなたにとって面白い事だけじゃない。辛い事や、悲しい事、嫌な事も、ううん、きっとそんな事ばかりの世界の筈よ……でもね、だからこそあなたが必要なの。だってあなたは」
対象は口元を綻ばし、笑顔をこちらに向けた。
「私達の世界で、たった一つの希望なのだから」
対象、暫くそうしてこちらを見つめ、そして口を開く。
「ああそうそう、あなたの記録してきた事に関しては安心してね。あなたが見てきた事はちゃんと保管して私の代理にまとめさせてるからさ」
対象、再び笑みを浮かべながら片手を上げ、こちらに小さく振った。
「いってらっしゃい、傍観者。あなたに幸運と素晴らしい出会いがありますように」
——端末への接続 強制停止
——傍観者システム 始動
管理番号_20160805 管理者名_若葉代理




