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File : Project G.O.D. 17

——傍観者機構 活動開始

——接続……成功



 隔離フロア室内。対象サナを視認。対象、椅子に座り、スプーンを持ったまま小皿に乗った料理を見つめている。目を細めながら口元を小さく開けている対象。

 対象サナの視線を感知。サナは小皿から目を離し、ぎこちない笑顔をこちらに向ける。

「おかえりなさい。大丈夫だったみたいですね。それとも私の思い違いだったかな」

 サナは再び料理に顔を向けて目を細めた。

「駄目ですね。一人になった途端、食べられなくなってしまいました。何でかな、もう怖くなんか無い。辛くなんか無い筈なのに」

 対象はそう言いながら、スプーンで料理をすくう。

「あなたが見てくれているのですから、頑張らないと、ですね」

 サナは料理を口に運び、ゆっくり噛みしめ出した。

「ん……やっぱり、美味しい……美味しい、ですよね」

 対象サナ、再び料理を口に運び、少しずつ食べ進めていく。

 食器の音だけが響く室内。

 テーブルに水滴が落ちる。対象サナは食べ続けながら涙を流していた。

 サナは涙を拭おうともせずに食事を続ける。

 対象の手が震えだし、スプーンがテーブルに落ちた。

「ああっ……うぁっ、ああああっ!」

 対象サナ、自身を抱きしめながら俯く。

「もう、嫌……嫌、嫌ぁっ!! 私は! 私は……うう……」

 サナの泣き声が小さく響き続ける室内。自身を強く抱きしめる対象サナ。

 対象サナの声が小さくなり、そしてサナの息づかいだけが室内を満たし始める。それからサナは顔を上げ、自身の手で涙を拭った。

 出入り口扉開閉音。対象ミヤビを視認。

「ただいまっ……あれ、全然食べてないじゃない」

 ミヤビはテーブルに近づきながら、サナに声をかけた。

「あ、いえ……なんだか今日はあまり食欲が無くて」

「そう? でも無理して食べちゃ駄目よ。残しておけば後でも食べられるから。残ったやつは検査終わってから食べましょ」

「はい、じゃあ、ごちそうさまです」

 対象ミヤビ、サナを沈黙したまま見つめ続ける。そしてサナの頭に手を添えると、サナの髪をグシャグシャにしながら撫でた。

「わっ、先生! なっ、何ですか!?」

「元気出た?」

「へ?」

「そんな顔しないの。せっかく可愛いんだから、しっかりなさい」

「え、あ、はいっ」

「私はこれ片づけて研究室に戻るから、サナは検査の準備をしておいて。今日は久しぶりに私が立ち会うからさ」

「え? そうなんですか? じゃあ残念ですね。せっかく寝られると思ったのに」

 ミヤビは料理を片づけながらサナに目を細めて視線を送る。

「ほう、そんな事を言うなら、絶対寝られないように耳元で官能小説を朗読し続けてあげる」

「冗談です、ミヤビ先生が一緒でとても嬉しいですから勘弁してください」

「はいはい、それじゃ、また後でね」

 対象ミヤビ、片づけた料理を片手に出入り口扉へ移動し、室内より退出。対象ミヤビを視界から消失。

 対象サナ、自身の髪を整え、そのまま髪を指に絡めた。

 サナは出入り口扉を見つめたまま沈黙。暫くして頭を小さく振り、椅子から立ち上がる。

「私、お風呂で体を消毒してきますね。でも毎回面倒なんですよ。いちいち体全部を消毒液で綺麗にしないといけないから」

 対象サナ、室内扉へ向かう。扉開閉音の後、対象サナを視界から消失。

 室内に動作反応及び生体反応無し。



——傍観者機構 接続停止





管理番号_20160805 管理者名_若葉代理

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