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第七話


「入夏。ちょっと良いか?」


都鳥くんに話し掛けられるのは珍しい。


「どうしたの?」


泉宮くんと学食で食べてると思ったから、驚いた。


教室に泉宮くんの姿はなかった。



「葵の機嫌が過去最高に悪い。何か心当たりはないか?」


一時間目から四時間目の授業を受けて、何かあったのかな。


それとも、家とか?塾とか?


都鳥くんは心配、してるのだろうか。



「都鳥、お母さんみたい。」


世話焼きで過保護のと付け足して、お弁当のおかず食べる彩ちゃんは、楽しげだった。


秋が深めいて本格的に寒くなって来たので、教室で食べていた。


「やめろ。」


鳥肌が立つ、と都鳥くんは腕を擦った。


泉宮くんは学食で椎奈さんを含め、女子三人と食べてるのかな。



「私は心当たり、ないけど。」


「入夏となんかあったんだと思ったんだが、当てが外れたか……。」


ふと、昨日の事かと、思い至る。


「泉宮くん、カラオケに誘って欲しかったみたい。」


「カラオケ?」


都鳥くんは首を傾げた。


「あぁ……。真緒と初めて行った次の日に、泉宮にカラオケ行った事あるか聞いた。アイツも行った事、無さそうだったから。」


彩ちゃんは納得がいったのか、そう話した。


「……拗ねてんのか。で、何歌ったんだ?」


「歌ってない。」


「は?」


「ドリンクバーと、食パンを一斤使ったデザートを食べたよ。」


「一曲も?」


「うん。」


都鳥くんの表情から頭に、クエスチョンマークが浮かんだのが分かった。


「カラオケに何しに行ったんだ?飲み食いするだけなら、割高だろ。部屋代が無駄になる。」


と言われた。


行ってみたかったという、私と彩ちゃんの感覚は、分からないみたいだった。




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