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【19】 炎の魔女

ジャンヌ・ダルク

かつてフランスをはじめとするヨーロッパ諸国で起きた大戦争、百年戦争にて勇敢に戦った女性

この名は一般人でもほとんどの人が聞いたことあるはずだ

歴史書には、敵であるイングランド側の兵士に捕らえられ、魔女であるという冤罪で焼かれて殺された。と、書いてある

だが、それは世界の常識の範囲内に存在する歴史での話

事実、ジャンヌ・ダルクは魔女だった

それも特に強力な魔術を行使でき、女性でありながら戦線で活躍するだけの力量があった

彼女は、同時イングランド側で行われていた『死霊術ネクロマンシー』を確認し、止めるべく戦った

だが、止めることはできず、捕縛され、火刑に処された

そんなときに、ジャンヌにウンディーネと同じ四精霊の一体、炎を司る精霊、サラマンダーが現れた

ジャンヌを焼くために放たれた火の中に現れたイモリは、ジャンヌに力を与えた

その力は、『体を炎に変える能力』と言うもの

ジャンヌは火柱のなか自らの体を炎に変え、そのまま逃走した

イングランド側はジャンヌの遺骨の発見はできなかったが、特に何も考えず、ジャンヌは死んだとした

数日後、死霊術士ネクロマンサーたちが焼死体で見つかった

原因は不明。イングランド側は強力な戦力を失い、その原因は不明なので、死霊術士同士のいさかいとした

無論、表向きの歴史には死霊術士の存在すら書かれていないのだが

この、ジャンヌが死霊術士を倒す話はまこと流魅るみもウンディーネから聞いていた



だが、現在、彼らの目の前には死んだはずのジャンヌ・ダルクを名乗る少女がいる

「不老不死、嘘じゃないですよ?」

ジャンヌと名乗る少女は右手を純に向ける

ボウゥ……

「……!?」

少女の肘から指先まで、右手が炎に包まれた

魔法でも自らの体を焼けばただではすまない

この少女が、ジャンヌ・ダルクであることを純は理解した

「さて……うちのファムさんが中途半端な戦いをしまして、申し訳ありませんでした。確実に殺すように言っておいたのですが、彼女には無理だったようです」

ジャンヌは丁寧に詫びるが、言っていることが支離滅裂だ

「なぁ……お前は本当にジャンヌ・ダルクなのか?」

純は戸惑いながらも、ジャンヌに声を掛けた

流魅とレインの咎めるような目で睨まれるが、純は気にしないで相手の答えをまつ

「はい。ジャンヌ・ダルクですと言ったでしょう?能力も見せました」

「ジャンヌ……お前は何故俺たちを殺そうとしている?」

ファムは科学に恨みがあり、世界を滅ぼそうとしていた

それを阻止しようとしているウンディーネたちを殺そうとしていたが、失敗した

純はてっきりファムが今回の騒動の全ての黒幕と考えていたが……

「わたしの目的は、純粋な殺害です。邪魔なウンディーネさんを倒す。それだけですよ」

「何故殺す!?」

純はあまりにも単純な答えに苛立ちを覚えて声を震わせた

「……何故って?それは、わたしが不老不死だからですよ」

ジャンヌは語る




彼女は火刑を逃れた後、死霊術士を殺しに行った

その時のジャンヌはまだ能力に馴れておらず、高位魔術を行使できる黒魔術師たちに悪戦苦闘を強いられた

そして、その戦いの最中、彼女は『死霊術』の呪文を受けた

死んだものの魂を再び肉体に戻すことで、精神はなく、たましいだけが固く肉体に結び付いた状態で蘇らせることができる死霊術は、生きるものにつかうと、魂を強く肉体に結びつけ、離れなくする

つまり、不死身だ

彼女は死霊術士に『死ねない』呪いをつけられた

それだけではない

体を炎に変える能力は、燃やした体をもとに戻す際に、契約時の肉体に戻すようになっていた

つまり、『老いない』

不老不死の呪いをうけた彼女は、なんとかして敵である黒魔術師たちを倒すことに成功したが、その後生き続けた

そして、考えた

孤独と言うことについて

彼女の仲間は、戦争で死んだ

知り合いもみな、時がたち、老いて死んだ

孤独が彼女を包み込み、数百年の時が過ぎた

そして、彼女は願った

もう一度、同志たちと再開したい、と

同志たちと生きていけたのならどんなに幸せか、と



「死ねないんですよ。わたしは」

ジャンヌは饒舌に語り続ける

「仲間を取り戻すべく、わたしは百年戦争の犠牲者の墓から、同志たちの魂をもらった。共に生きるためだ」

そう、墓を破壊したのはファムでもない

他ならぬ、ジャンヌだ

「例えこれから何年生きるとしても、仲間の魂と共ならば不足はない。そして、それを邪魔しようとするウンディーネは、殺すに値する」

ジャンヌはもう、昔のジャンヌ・ダルクではなかった

死霊術により、魂は肉体から離れずに存在するが、精神は黒魔術により腐敗しきっていた

「埋葬された多くの死者の霊魂を所持するのは危険です。あなた自身がそれらの魂に乗っ取られるリスクもある。今すぐ霊魂を戻すのです」

ウンディーネは説得する

ウンディーネには、墓を壊したのがジャンヌ・ダルクであることはとっくに気付いていた

だが、ウンディーネが昔、別の人間に『ジャンヌ・ダルクを倒して欲しい』と言って契約を切り出すと、拒絶された

倒せるわけがないと、その人物は記憶を消されてもいいから戦わないと言った

ウンディーネは、ジャンヌの名を隠して契約することにした

それが、本人にとっての不安もなく、最良の判断と考えたから

流魅と純もまた、ジャンヌが敵である事は知らされていなかった。

「ジャンヌ・ダルク。あなたはもう、休みなさい」

「死ねないんですよ……ウンディーネ。それに、同志と別れるつもりはない。止めたいなら止めてみせるといい!

ジャンヌは叫び、言霊を唱える

魔焔化フレアリンク

ジャンヌの全身が燃え上がり、光を放つ

くぐもった声で、ジャンヌは言う

『わたしは悠久を生きる過程で体を炎に変えるだけでなく、炎を体に変えることもできるようになった。その力、見せて差し上げよう』

炎の体は、流魅が水に神経が通っている感覚なのと似ていて、炎を自らの体として操れる

『ハアアッ!!』

人の形の炎は5m程に巨大化し、炎の拳をウンディーネに叩きつけようとした

「水獣、放水!」

流魅が指示し、炎の拳に向かって水を撃ちつける

シュゥゥウ

水は炎を消すことはできず、炎とぶつかった瞬間に蒸発する

「水もきかないようね……!」

レインが地面に両手をつき、集中する

「ロック!」

レインの目の前の地面が大きく抉れて炎の向かって飛ぶ

岩は炎を通過して穴を開ける

『分身』

ジャンヌは呟き、炎がいくつかに割れ、地面に降りる

一つ一つの炎が人のかたちとなり、兵士になった

ジャンヌは体を炎に、炎を体に変えることができるため、炎の一部を自らの体として、動かすこともできる。ウンディーネの水の分身と同じようなもので、それぞれの分身に意思があり、神経は通らないため痛覚等は共有されないが、コンビネーションは操れない

「水人!」

流魅は降り注ぐ雨を集合させて水の兵士を作り出す

「透明化!」

純はここで、自分達の姿を透明化させる……が

『透明化の、能力者ですか。確かに透明ですが、残念ですね!泥の大地じゃどこにいてもわかりますよ!』

「……!」

ジャンヌ本体が打ち出した火の玉を純が透明化しつつ間一髪でよける

『さて。分身、突撃!』

「水人行けぇえ!」

互いの戦力がぶつかる

「透明化!」

純は水人たちも透明にする

『なるほど……撹乱効果はありますね』

「流魅!レイン!ウンディーネ!一回俺のところにこい!」

純が叫び、仲間たちを集める

透明化している状況だと、仲間は透明に見えるのだ


木陰に集まり、息を潜めて会話する

「ウンディーネ、大丈夫か?」

「はい……」

思えば、ウンディーネはファムが死んでから元気がない

精霊として、命が無くなる戦いにしたくなかったのだろう

「ウンディーネ、あとどれくらい魔力ある?」

純は聞く

「言ってもわかりにくいでしょう……この周辺に湖を発生させる程度なら可能です」

「よし……」

さすがは精霊、すさまじい魔力である

「流魅、まだ戦えるか?」

「余裕よ」

流魅もまだ戦えると言うが、異能は多生なり体力を使うので、強がりな流魅は本当のことを言ってるとは限らない

だが、甘えさせてもらう

「レイン、お前もまだいけるか?」

「ダークエルフをなめてるのかしら?全然平気よ」

「頼もしいな」

純は作戦を考える

湖の量の水人で挑んでも、あの火力には焼け石に水だろう

レインの魔術も、本体への攻撃は難しい

極端な攻撃不足、やり方は……


「俺の予測が正しければいいんだが……やってみるか」

純は、一つの仮説を立てて、次の作戦をたてた








ジャンヌ・ダルクとの戦いですね

彼女の過去と、現在

戦いです

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