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【16】 油断していると精霊でも危ないぞ

「あなたは——わたしには勝てないのです」

四精霊の一体、水を司る精霊ウンディーネが呟き、攻守逆転に出た

「分身」

ウンディーネはさらに言霊を発し、自分の持つ力を見せる

ウンディーネが大気中に水を発生させ、それらの形は少しずつ人形になっていく

そして、完成する

輪郭だけでなく、色合いまでも完全に再現されているウンディーネの分身が10体程、生み出された

「こ、こんな技まで隠してたのでしゅか!?」

フランスの竜使い、ファムが驚愕しながら後退する

「昔の戦闘では見せませんでしたね。あの時は必要が無いと判断していましたから」

今のウンディーネは、『自分を守ってカウンターに出る戦い』だったのを止めて、『自分から攻撃していく戦い』に変えている

今までは殺さないように最低限の応戦で抑えてきたが、もはやそれでは周辺の山が破壊される一方と考えたのだ

「わたしの分身は」

「わたし自身と同じだけの力を持ちます」

「わたしは水を司る」

「水を体にする事ができる」

「全ての分身が本物であり、偽物」

分身は一人一人ファムに向かって挑発している

「ぐ……でも、ずっと目で追い続ければ良いもんね!!ブランクたん!ブレス!」

ギシャアアアアアアア

白竜が吼え、火炎放射を撃ち出した

「残念です」

ウンディーネを含め分身たち全員が一斉に水の球を撃ち出して火炎放射を止めた

やはり、水蒸気が立ち上る

「にゃああああ!?視界が!」

「これで本物がわからないでしょう」

霧の中からウンディーネが飛び出す

右手には氷の剣が握られていてその切っ先はファムに向いている

ウンディーネはそのまま剣を両手で持って突きを放つ——が

「おおっと!」

ファムはどこからとも無くメタリックに輝くダガーナイフを取り出してウンディーネの突きを刃で斜めに逸らした

さて、長剣の氷の剣の切っ先が逸れている状況

ファムが持っているのはダガーナイフで、この状況、ファムが有利だ

ファムは瞬時に間合いを詰めてダガーナイフをウンディーネの胸に突き立てた

「……!」

音も無くナイフを突き立てられ、一種苦悶の表情を浮かべたウンディーネだが、次の瞬間には水蒸気となって霧散する

「残念でしたね」

今度はファムの背後からウンディーネの声が聞こえて、ファムが振り返る

「どうせこっちも分身でしょ!」

パン!

ウンディーネが攻撃をする前にファムが振り返る勢いをそのままに雷撃を放った

空気が爆ぜる破裂音と共に真っ白な閃光が駆け抜けた

「……電流が利くとでも?」

ウンディーネは瞬時に水の盾を生み出して電流を地面へと受け流していた

「な、なんで!?水は導電性が高いはず……!」

ファムは雷撃が確実にウンディーネへの攻撃になると信じて、炎ではなくあえてこちらを選んだ

だけど、残念ながら世の中そううまくはいかない

「純水は導電性は低いのです。電気抵抗の大きいものでありながらも大気よりは導電性が高いので、電流を弱めつつ地面に受け流す事が可能なんです」

導電性の高い物質を使っていたら地面に電流が流れたとしても、地面を伝ってウンディーネに雷撃の余波がヒットしていた

水を司り、純水やその他の『水』を発生させられるウンディーネだからできる対処法だった

「まだ行きますよ」

「こちらです」

ウンディーネの姿がさらに霧の中から2人飛び出して三方からファムを囲む

1体3で迎撃を行なうと言う状況は、攻撃三倍の法則で1が不利になる

どの方向から攻撃されるかわからない時、勝算のある行いは——

「あまいでしゅ!」

ファムがナイフを突き刺すように構えながらウンディーネのうちの一人に突撃する

当然、残り二人がそのファムの背後を襲おうとする……が

ドンッッ

鈍い音が響く

白竜が長い尾で一人を吹っ飛ばした音だ

——攻撃をして陣形を崩す事で応戦できる

「分身が使える状況で本物も混ざって攻撃する事にメリットは無い!もう一人のウンディーネしゃんも本物じゃないでしゅ!本物は、霧の中に居るはずでしゅ!」

ナイフを突き刺したウンディーネと白竜に吹っ飛ばされたウンディーネはどちらも偽物で、霧散

ファムは霧の中に飛び込み、ウンディーネの姿を探る

「みーつっけた!」

現れた人影を片っ端からナイフで貫く

1体、2体、3、4、5……

「どこでしゅかねぇ……ブランクたん、ブレス!」

白竜が火炎放射を行なう

灼熱の炎が一気に水蒸気を上空へと蒸発していき、視界が拓ける

「……」

そこには、無言で佇むウンディーネが一人だけいる

「じゃあね、ウンディーネしゃん」

白竜とファムに挟まれて居るポジションのウンディーネは無言で両手に氷の剣を発生させてファムを見つめる

「ブランクたん。最大級の火力で、ウンディーネしゃんを蒸発させちって」

ファムが命令し、白竜が咆哮をあげる

「フレア」

ボオウウウウウウウウウウウッッ!!

白竜が凄まじい勢いのフレアをウンディーネに放ち、ファムも大量の火球を撃ち込んだ




燃え盛る陽炎が揺らめき、低い燃焼音だけが周囲に聞こえる

「……楽しかったでしゅ。さよなら」

ファムが炎に背を向けて立ち去ろうとする

「別れはわたしが言いますよ」

ウンディーネの声が周辺の大気を揺らす

駆ける音

ファムの背後に氷の刃が迫り、あとわずかで貫くと思われた

「待ってたよ!」

ファムが振り返りながら腕を振り、ウンディーネの氷の刃を砕きながらダガーで振り払う

「……!」

「えいっ」

ファムが一歩を踏み込み、ウンディーネに刃を突き立てようとした

「……ってあり!?」

ファムが握ったナイフが空中で止まっていて、ウンディーネまで届いていない

「た、確かにあたっているはず!」

右手で突き出したナイフは、空中〝何かに刺さった〟かの様に止まっている




可視化ビジブル

空中、その場所に手が現れる

次に腕、肩、全身像が見える

「ったく、ウンディーネ。失敗してんじゃんか」

透水すきみまこと……!?」

「誰でしゅ!?」

ファムとウンディーネはそれぞれ驚愕し純を見ている

純はファムのナイフの刃を握り、血を滴らせながら言う





「俺は、『水の精霊の申し子(ウンディーネ・ナイト)』透水(アクア)だ!!」









どうも、永久院です

更新遅れまして申し訳ありません

諸事情でこれからも遅れるかもしれません


戦いはヒートアップします

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