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【14】 帰宅

「—―ウンディーネ!?」

まことは家に帰ってドアを開けると同時に叫んだ

純の後ろには息を切らして帰って来た流魅るみとレインの姿もある

校舎の修理の謎をウンディーネに聞くべく急いで帰って来たのだ

家からはウンディーネの返事は聞こえず、静寂が広がっている

「お、おい!居ないのか!?」

「ウンディーネ様!?中を調べるわよ!」

「ま、まさか……!?」

急いで玄関を上がり、家中を手分けして探す

リビングやダイニングキッチンの陰、風呂場や各部屋

全てを見渡しても、ウンディーネは居なかった

「どこだ!?」

「——どうかしたのですか?」

唐突に、ウンディーネの声が聞こえて純たちが振り返る

「探し物でしょうか?」

「ウンディーネ!?」

「ウンディーネ様!?」

「ウンディーネさん!?」

玄関からウンディーネが入って来ていた

いつも通りの姿で、騒がしく動いていた純たちに不思議そうな目を向けている

「どうして居なかったんだ?」

「ご無事ですか!?」

「どこに行ってたんですか!?」

一斉に言われて困惑するウンディーネだが、すぐに答える

「洗いものが終わったら学校に向かうと言ったじゃないですか。学校から帰って来たんですよ。あなたたちが先に帰ったようだったので、後から気付いて帰って来たのです」

「「「あ……」」」

ウンディーネが学校に来る事など完全に失念していた3人(1名は人外)はその考えを理解したときに完全に固まった

焦りすぎて失念するのもほどほどにしてほしい

「まったく……」

ウンディーネも溜息をつく

「取り敢えず、全員の帰宅が確認できましたから……」

ウンディーネは言葉を止めて、思考する

脳裏にやるべき事を思い浮かべて整理しているのだ

そして、結論を導きだす

「モノポリーをやりましょう」

……。

…………。




さて、リビングにて世界的メジャーボードゲームモノポリーを囲む面々

まず最初にサイコロを投げたのは青き美女、ウンディーネ

「……1ですか」

船の形の駒を一マス進めて溜息をつく

「わたしの番ね」

次は流魅

サイコロを振り、転がったサイコロを見る

「5。結構進める!」

車を模した駒を進めて、サイコロはレインにまわる

「はいっ!」

レインもサイコロを投げて、3マス進める

「次は純の番よ」

「おう!」

レインに言われて純は袖をまくり、サイコロを投げる

「……フッ、1か……まぁ、よかろう。幸先がいいとは言えないが、始めの一歩を踏み出す事で人間は決意を宿すのだからな」

遠目でクールを装って呟きつつ、何故か部屋に飾ってあったチェスのブラックのルークを一マス進める

「透水純、ここは先ほどよりわたしの領土となりました。滞在費を払ってください」

「えー……」

「無駄な抵抗は止めたほうがいいですよ?この場にはこの場のルールがあるのです。死にたくなければ大人しく滞在費を払って頂きます」

「あー。わかったわかった!」

実に物騒なモノポリーである

何よりも物騒なのはここにいる面子は一人を除いて実際にそれらを出来る事だったりする




さて、破壊力たちのモノポリーは終わり

「お腹が空きましたね」

「空腹よ」

「今日の料理当番は純じゃない??」

純としてはモノポリーに参加していても精神的に削られるだけだったので早々に立ち上がり、調理場へ向かおうとする

「フッ、この調理場の堕天使の異名を持つ俺の料理、貴様らに見せてやろう!」

「早く作ってよ」

「あ、そうだ、ウンディーネに聞き忘れてた事があるんだ」

純は調理場に向かおうとした足を止めて、ウンディーネの方を見る

「ぶっ壊れた高校を直したのは、ウンディーネなんだよな?」

「はい?」

「やっぱりか、そうだよな。いや、それならいいからさ。夕飯適当に作って来るから」

「あ、あの……」

ウンディーネは質問をよく聞き取れなかったので聞き直したのだが、それを純は勘違いして解釈した


(高校が直っていた……?そう言えば修理は忘れたけど……)


ウンディーネの脳内で思考が巡り、一つの答えが出る

(まさか……!?)



時川ときかわ高校を直したのはウンディーネではない

ウンディーネは強大な魔力を持ち、水を司ってはいるが

人間が作り出した建築物を修理するような力は無い










夕食は終わり、寝静まった透水家

純の部屋の押し入れからウンディーネが出て行った

(……あいつ。トイレでも行ってくんのかな)







文字数少なめで御贈りしました

そして始まるクライマックス


戦いは、熱く燃え上がります

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