【13】 平穏……?
透水純の学園生活は平和に終えた
昨日半壊した校舎もレインとウンディーネが直したのか元通りに戻されていて、生徒や教師はかなり困惑していたが、昨日のガラス粉砕からここまでを『ポルターガイスト現象』で処理して、普通の学校生活が取り戻された
今日も一日中窓の外の青空を眺めて、ウンディーネから忠告が来るでも無く終わったのだ
ただ、時折褐色肌の巨乳先生が廊下を歩いているなどで、学校の中はピンクの話題で騒いでいた
「なぁ!あの巨乳の先生、保健室の先生だってよ!」
「うおお!sneg!?こ、これは、なんか怪我したら凄い治療を——!」
「いくぞオメェら!Follow Me!!
「「「「HsHsHsHs!!」」」」
放課後、ホームルーム終了と同時に何かに吹っ飛ばされるような勢いでクラスの男子の数人が教室を飛び出して行ったのを見て、純も溜息をつく
「……まったく、世界が騒がしくなってきているな……」
なんで普通に出来ないのか
「レインさんの仕事が終わるまでわたしたちも帰れないんだよね……?」
流魅が呟く
レインは今、保健室の先生としてこの時川高校に滞在しているので、そちらの仕事がある
帰宅するときは急襲に備えてある程度の戦力を固めた状態で帰るのが良いため、レインの仕事が終わるまで純や流魅の帰宅も安全とは言えないのだ
さて……どうするのか
「保健室の仕事手伝って、さっさと帰れるようにするか?」
純が流魅に聞く
おそらく事務職は任されていないはずなので、保健室の利用者を全員処理すれば良いのだ
「そうね、いくわよ!」
鞄を掴んで教室をでる
純と流魅が並んで歩いているのはこの高校では見慣れる光景なので誰も突っ込まないが、影からの言葉は多い
「クソッ……流魅嬢があんな厨二病に毒されているなんて……!」
「ツンデレでわがままなお姫様が……!」
「あの透水とか言う奴、ただの厨二病じゃねぇのか……?」
……。
「外野が俺を罵倒して来る……か」
「下らない事言ってないで早く行くわよ」
流魅と純は走る
校庭で行なわれる体育で怪我人が発生した時にすぐに行けるように時川高校の保健室は一階にある
「……」
「……」
今、保健室に面した廊下で純と流魅が立ち止まって保健室入り口を呆然を遠目で見ている
「俺が一番に入るんだ!」
「馬鹿野郎!俺が特攻する!」
「本当に噂通り巨乳の先生だな……!」
「てめぇ男は喧嘩で勝負だ!」
「上等だ!」
やいのやいの
保健室の中では安静に寝ている人もいるだろうに廊下では誰が一番最初に入るのかを争い殴り合ったり、ドアの隙間から中の様子を伺ったり、すこぶるカオスな光景が広がっている
「あれだけ喧嘩していたら怪我人増えて全員保健室入りしそうだな」
「止めないとわたしたち帰れないんじゃ……?」
「止めれないだろうし、どうせそのうち終わるだろ」
「それにしても保健室の中に入れない……」
校庭に面した外からまわる為に下駄箱に行き、上履きから土足に履き替えて移動する純と流魅
「……」
「……」
「俺が最初に話しかける!!」
「貴様のコミュ力で足りるものか!ここは英語の試験で89点を取った俺が……!」
「馬鹿が!英語なんかつかわないだろ!ここは古典オールAの俺が!」
「てめぇら下がっていろ!女は頭脳じゃなくて体に引かれるんだよ!根暗の文化系共は引きこもっていろ!」
「「しねええええええええ!!」」
校庭サイドも絶賛戦闘中だった
この学校、なかなか騒がしい所がある
だが、確かにレインは人間離れした美貌
無理も無いのかも知れない
「保健室に行くのは難しそうね……?」
「いや、簡単だろう?」
「あんなに喧嘩しているのにどうするのよ?」
「お前、俺の能力忘れたのか?」
「……あ、そうか」
純は静かに集中し——
スッ
透明化する
誰も見ていなかった為問題は無い
二人は歩いて、喧嘩に巻き込まれないように要人しながら歩いた
幸い、保健室の入り口は開いていたので普通に入れる
「靴は脱いでおくか」
「そうね」
透明化した靴は外に置いておく
保健室の中はマキロンやオキシドールが入った薬品棚や冷蔵庫、ガス湯沸かし器、カーテンで囲まれたベッドが二つと応急処置用の机、身長を測る計測器等々のものが置かれている
その中、机で書類を書いているレインに純が声をかける
「レイン。来たぞ」
「お手伝いしに来ました」
「……。純と流魅ね」
透明化したまま声をかけたので一瞬レインが警戒をするが、すぐに警戒を解く
「仕事が終わらないと帰れないと思ってな。何か手伝う事あるか?」
「いえ、ないわ」
保健室の外から見られている可能性もあるので誰にも悟られないように書類を書きながら答えるレイン
「校長がわたしを出張として書類処理してくれたから、もう帰れるわ」
校長の行為はわりと悪い事だったりする
レインを高校に入れたり、諸々
「さ、これを提出したら帰れるわ。だけど、この部屋を出るのは難しそうね」
「俺が出して来るか?」
「レインさんも透明化してみんなで脱出するのが良いんじゃない?」
「あぁ、そうするか」
保健室から唐突に人が消えた事になるけど時川高校の連中はそう言う事は気にかけない
「透明化」
純は呟いてレインを透明にする
……。
「純、異能の名前変えた?」
「変わったわね。どうでもいいことだけど」
「えぇい無駄口叩くな!ずらかるぞ!」
保健室を退散してから書類を校長に渡し、帰宅している
「ところで、レイン回復魔法とか使えるのか?」
「生体を癒すのは可能よ。でも消失した腕とかを復元するのはやっぱりそれなりに時間がかかるわね」
「なるほどなー……ところで、建物とかも直せるんだよな?」
「え?」
「いや、学校とかだって昨日は結構ボロボロだったのに直ってたじゃんかよ」
「それはわたしが直した訳じゃないわ。わたしはあなたたちと行動を共にしていたでしょ?」
「それでは、誰がやったんですか!?」
「おかしいぞ、レインたちが直したんじゃ……?」
純はウンディーネが直したのかとも考えたがウンディーネは水を司る精霊
建物の修理は可能か否か
いや、そもそもあのウンディーネが高校を直すだけの時間はあったか
「ヤバい事が起きているのかも知れない!急いで帰るぞ!」
「そうね」
「何が起きているのよ、もう!」
こんにちは 永久院です
最近忙しくて更新が…
連休なので頑張りますよ(予定なき悲しさ)
さぁ、もうすぐこの水属性もクライマックスです
一応、水属性の純は戦います




