表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/22

【11】 ら、ラブコメ!?

「はぁ……疲れた」

調理担当では無かった(まこと)が皿を洗った後

風呂に入ると言う事になり、ウンディーネが浴槽に張ったお湯に純が浸かっている

曰く「家の主だから」という事らしいが、単純に流魅るみやレインがテレビゲームにハマっているため先に入る事になっただけである

「これで良いのだろうか……」

純は思う

昨日、念願叶い水の精霊ウンディーネとコンタクトを取り、契約し、異能力を手に入れた

しかしながら手に入れた力は予想外の透明化

おまけに課された宿命は『救世』

触れているものを透明化にする力で世界を変えろとは何事なのか

「まぁ……俺は新たな力が覚醒したから、敵に勝てたのだがな……!」

誰にとも無く呟き、誰にとも無くにやける

実際は能力に覚醒などはしておらず、ただ、透明化の力が強くなっただけである

それも強化原因は不明の偶然による能力の拡大だ

辛勝、と言えるだろう

「唐突に襲って来た敵に臆する事無く立ち向かった事による能力の強化……ふむ、主人公らしいものだな!」

なんの根拠も無かった

昨日能力を得て今日戦闘

明らかにペースが早い

おまけに純は能力を強くして、流魅との強力もあり、戦闘に勝利した

倒したダークエルフ、レインは仲間になり、今では同棲中

「ちゃっかりお料理対決で危険物作りやがって……」

レインと同時に炭化した夕飯を思い出してまた疲れる

本当に濃い二日間になっている

「はぁ……」

疲労で、溜息を付く

風呂に入るといろいろな事を考える


ガラッ


唐突に、浴室のドアが開き、反射的に純はそちらへ目を向ける

そこには、群青の髪とラピスラズリのような美しい碧眼を持つ美女、ウンディーネ

「は、ははっ、ははっはっ……」

不気味な声を上げるのは純

「失礼します」

当たり前の用に浴室に入って来るウンディーネはタオル等で体を隠す事は無く、換気扇を回していなかった事だけが唯一の救いで、湯気が不可視の空間を作り出していた

「ななななななんんで入って来ているうううううう!?」

純は焦りつつウンディーネに問う

だが、ウンディーネはおかまい無しに男子高校生の横で、発生させたシャワーを浴びつつ答える

「そろそろお湯が冷める頃だろうと思って見に来たんです」

「湯加減最適だけど!?ってか、水を司る精霊なら入らなくても温度調節くらいできるだろう!?」

「感覚が狂って透水純が入っている時に水を沸騰させる可能性もありますよ?」

「だからって……!」

「見られたくないなら透明になればよいのでは?」

「見たくもないんだ!」

「あぁ、そう言えば両者透明になったら半透明に見えるんでしたか」

つまり、ウンディーネを透明化した場合は純の姿は見られてしまい

純が透明化するとウンディーネの姿は消えない

そして両者が透明化を使うと両者半透明で見えてしまう

いつまで湯気が持つかわからない時間上、早く答えを導きださねばならない

「俺は出るからな!」

「あ、動かないでください」

純が下半身のみを透明化させた状態で浴槽を出ようとした時に、ウンディーネが制止をかけた

「な、なんだ!?」

「動くと茹でます」

「Why!?」

「話があるからです、そこで止まっていてください」

ウンディーネはシャワーを発生させ続ける様で、湯気は耐えないのだが、純は突如動けない状況になった

拘束具などを使わずに、武力を持って相手を動かなくさせる

所謂『拘禁』だ

「ふぅ……」

ウンディーネは溜息を交えつつ体を洗い、純へ言葉を続ける

透水すきみまこと、あなたはどうして能力の拡大に成功したのですか?」

「え?」

一瞬、ウンディーネの声の無機質さに純は耳を疑った

業務的なその問いに、純は戸惑う

「ど、どうしたんだ……?能力の覚醒など主人公には当然の事だろ?」

純の浸かっているお湯の温度が上がる

「あつっ!?」

「正直に答えてください。あなたは、何により力を増幅させたのですか?」

「し、知らない!」

「では、あなたの能力拡大の前の行動、心理は?」

「なんでそんな事——」

「あなたが強くなった原因を知れば、蒼波(そうは)流魅るみの強化に繋がります」

やはり、どこか感情が抜けたかのような物言いを続けるウンディーネ

純は咄嗟に考える

確かに流魅の異能が強くなる事は良い事だが、恐らく、ウンディーネの真の目的は違うのだろう

なにせ、強くなるきっかけを聞くのであれば流魅も同席している状態で聞くのが一番手間が省けるからだ

ウンディーネの真意はどこか……

相変わらず、隠し事が多い事に疑問を抱くが、純も流魅の強化を信じて答える

「敵が来ると聞いて俺のモチベーションが上がった。それによって能力が強化された可能性が高いだろう」

妙な考えである

そもそも物体を透明化する力である純のモチベーションが上がり『触れていないものも透明化できるようになる』ことは、能力の強化といえるのか

確かに能力の質は上がっているが、わずかなモチベーションの変化でここまで劇的な変化が起きるとは考えにくい

「……」

ウンディーネは黙り込み、考える

「もしも仮に、モチベーションが影響したのであれば、蒼波流魅も決してモチベーションが低かった訳ではなかったはずです」

確かに言う通り、流魅も強くなっていないといけない

だが、流魅は今回の戦闘でより多くの水を活用している面があった

もしかしたら流魅自身が実感していないレベルで強化は起きていたのかもしれない

「……なぁ、ウンディーネ」

「なんでしょう?」

「そろそろ……のぼせそうなんだが」

純は、顔を赤くしつつ訴える

「あぁ、失礼しました」






「くふふ……ウンディーネしゃん見っけちった!」

夜闇の下、半壊した時川ときかわ高校屋上にて、少女の声が闇に吸い込まれた

少女の姿は闇に溶け込むような黒い服で金色のツーサイドアップの髪が月明かりを反射して、奇妙な格好でありながら現送的な美しさを持っている

「決着を着けるときが来たみたいですね!ウンディーネしゃん、待っていてくだしゃいね!」

少女が歓喜のような声を上げると同時、低くうなるような獣の声が唸る

月光の下、トラック程のサイズで純白の体躯を持つ巨大な生物——ホワイトドラゴンが、翼を広げて唸ったのだ

「ブランクたんもやる気満々なのでしゅね。……よっと」

少女はホワイトドラゴンの背に乗り、背中に掴まる

「飛びなしゃい」

校舎から巨大な白の塊が飛び立ち、闇夜に吸い込まれた


少女の名は、ファム


フランスの竜使いだ





こんちわ 永久院悠軌です

ラブコメイベントですが、少しだけ不穏な空気

新たなる敵の出現


少女の言葉の意味、そして様々な関係性

この話、20話くらいで終わりそうです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ