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18話 責任持って面倒見るから!

「自然支配派……?」


 魔法少女オーラさんの口から出た妙な言葉に私は首を傾げる。


「えっ? 何それ?」


 どうやらキラナも知らなかったみたい。


「はい。主にエルフの国の……」


「あ、オーラさん待って!」


 難しい話を始めそうな気配があったオーラさんを、私は慌てて止める。


「分かりやすく、簡単に説明してくれると助かるんだけど……」


 特にキラナのために。


「分かりました、簡単に説明します」


 オーラさんは頷いて、改めて自然支配派についての説明を始めてくれた。


「エルフの国の人達の考えのひとつに「自然支配派」という考えが存在します」


「あくまでも考えのひとつなんだね」

「そうです。全員が同じ考えではありませんが、数は多いです」


 キラナの質問にオーラさんが簡潔に答える。


「つまり……エルフの人達の大体は自然支配派の考えを持っているんだね? そもそも、その自然支配派って?」


「簡単に説明するならば……自然支配派とは、この世のありとあらゆる自然現象を管理するべきと宣言する人達のことです」


「だいぶスケールが大きいね……」


 それって、大精霊の仕事じゃん。


「でも、それ大精霊の仕事じゃないの?」


 キラナも同じ反応してる。


「ねえオーラちゃん、その自然支配派の人達って何をするの?」


「この世に蔓延る魔物達や、更には様々な属性を司る精霊までも支配し……果てには、大精霊に成り代わろうとしているそうです」


「成り代わる!?」


 オーラさんのとんでもない話に、私は思わず声を大に驚いてしまった。


「あの、つまりそれって……!」


「はい。もしエルフにシロボシ様の存在を知られたら、生まれたてのシロボシ様は恰好の標的になります」 


「かなりヤバそう……」


「まだ技術が足りないとはいえ、捕まるのは危険です。なので、この街に近づいてくる自然支配派の冒険者を……」


「待って! まだ処分は保留で!」

「分かりました」


 でも、大精霊に成り代わろうとする存在の放置はかなりヤバいかも。


 不死身の大精霊なら人生お気楽とか考えてたけど、下手な行動したらマズイことになるかも……!



 ……ん? 精霊を支配するって、初対面のギルさんもそんなこと言ってたような……



 まさかギルさん……その自然支配派の話を聞いたから、精霊の力を手に入れるために私達に襲い掛かって来たの!?


「精霊を支配かぁ……あっ! 確か黒龍のギルさんも最初にそんな話してた!」


「!」


 あっこらキラナ!


「キラナ!」

「うわっ!?」


 私は慌ててキラナに飛び掛かったけど、時すでに遅し。


「シロボシ、急にどうし……」

「キラナそれ以上はストップ!」

「あの……シロボシ様、キラナ先輩、黒龍のギルというのは……」

「この街に住んでる黒龍がそうだよ」


 キラナーっ!!


「かしこまりました。では、黒龍のギルも排除してきます」


 ほらーーっ!!


「うわーっ!? オーラちゃん! ストップ! ギルさん攻撃したらダメだよ!」


「オーラさんダメ! 彼はもう私が成敗したから! 心の底から反省したから!」


「ですが……」


「シロボシ様の言う通りです」


 無表情のまま困惑するオーラさんの前に、シリウス師匠が姿を現した。


 そのシリウス師匠の隣にはギルさんの姿もあった。


「よりによってなんでこの場に連れて来たの!?」


「この場だからですよ。話の流れでギルが矢面に立つだろうと思い、ギルを連れて来ました」


 シリウス師匠に連れてこられたギルさんはブルブルと全身を震わせている。もしかしてギルさん、さっきの話聞いてた?


「ギル、謝罪なさい」


「あ、あの……ごめんなさい……」


 シリウス師匠に促され、ギルさんは素直な謝罪を口にした。


「シロボシさんとの出会いで、力を得ようとしたことが間違いだと気付きました……」


「そうですか。さようなら」


「オーラさん待ってー!!」


 ステッキを振り上げたオーラさんを、私は全身を使って食い止めた。


「ギルさんのことはしっかり面倒見るから! お願い!」


「しかし……」


「先輩からもお願いするよ! ギルさんはまだ子どもだから、多めに見てあげて!」


「……分かりました」


 私達の必死な説得に、オーラさんは何とか納得してくれたらしい。あー良かった……


「オーラさん、私達の街を気にかけてくれるのは嬉しいけど、こういう物騒なのは前もって説明してほしいな……」


「分かりました」


「冒険者もいじめたらダメだよ!」


「もうしません」


 オーラさんは私の約束事に素直に頷く。



「それに、冒険者達はアンダ様が片付けてくれたようです。私の出る幕はもうありません」



「嘘でしょ!?」


 アンダさんこっち来てた冒険者片付けちゃったの!?

 そもそもさっきアンダさんが言ってた用事って冒険者のことだったの!?


「冒険者は大丈夫なの!?」


「大丈夫です。命はまだあるようですから」


「命以外は無事じゃないってことじゃん!」


 急いでアンダさんの元に行かないと冒険者達の命が危ない!

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