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14話 アンダさんのお家

 オーラさんを先頭に、私とキラナはアンダさんの神殿へと足を踏み入れた。


 そしたら猛歓迎された。


 オーラさん曰く、アンダさんの友達が家を訪れるのは数千年振りだからとのこと。


 ……これからアンダさんと話し合いをしに行くんだけど、このまま進んで大丈夫なのかな……


 まさか、少しでもアンダさんの癪に障ったら土地ごと潰されたりしないよね?


 死にはしないけど、死ぬより恐ろしい目に遭ったりしないよね?


 それにしても……



「すっごく広いね……!」

「そうだね……」



 神殿の中は外観より遥かに広大で、神殿の中庭はそれはもう幻想的な光景で……


「すごい! 植物から透明な結晶が鈴なりに生えてる!」


 見たことのない植物の数々に透明な虫、真新しい物ばかりの景色にキラナは大喜び。


「あの木、すごく透明だよ……ファンタジーだね……」

『……』


 中庭の景色に見惚れていた私達の元に、大人しそうな妖精が側に飛んできた。

 妖精の手元には、先程キラナが褒めていた鈴なりの結晶植物が。


『……』

「えっ、くれるの!? ありがとう!」

 

 無言のまま結晶植物を渡され、キラナは大喜びで受け取る。

 妖精は照れ臭そうに羽を羽ばたかせると、その場から飛び去って姿を消した。


「みんな大歓迎だね!」

「うん……」


 このまま変に友達だと思わせるのは危ない気がする。まだ日が浅いうちに訂正とかしておかないと……


 ……そもそも、何千年も生きた神に近いような存在が私の話を聞き入れてくれるのかな?


 なんか今になって心配になってきた……


 なんて考えている間に、一際目立つ門構えの手前でオーラさんが停止した。


「到着しました。この奥にアンダ様がいらっしゃいます」


 立派な出入り口の奥からは確かにアンダさんの気配を感じる。あれ、もしかしてもう帰って来てる?


「あの、アンダさんを前に礼儀作法とかは……」

「大精霊シロボシ様なら必要ありません。友達なのですから、変に気負わなくても大丈夫です」

「そ、そっか……」


 それはそれで困る……


「シロボシ様、キラナ先輩、どうぞ」

「あ、失礼します……」

「お邪魔しまーす」


 私達は立派な出入り口を通り、ついに神殿の奥へと到達。



 神殿の奥はどの部屋よりも広大で、荘厳で、幻想的だった。



 シンプルながらも出来の良い装飾が施された美しくも神々しい室内。

 床下には透明なカーペットが敷かれていて、道の両脇には透明な武器を持った透明な騎士が並んでいる。


「……」


 神殿の奥に構えられている玉座には、いつの間に帰って来たであろう大精霊アンダさんの姿が。


 なんかすごいこっち見てた。


「……」


 アンダさん、期待を込めた眼差しを私に向けている。これ、私のことを確実に友達だと思ってくれてる……!


 ここは変に誤解される前に、こっちからも色々と言っておかなくては!


「あのっ! 初めまして!」


 何も言わずに見つめてくるアンダさんを前に、立ったまま話を切り出した。


「この世に生まれて1日目の、星の大精霊シロボシです! 人間でいうところの赤ん坊です!」


「……」


「本日は、アンダさんが私のことを友達だと思ってくれてるとお聞きしました! それで、えっと……!」


「……」


 アンダさん何も言わない……でもまずは、これだけは言っておかないと……!


「あのっ! 私とアンダさんって、まだお互いに自己紹介してないですよね! だから私、アンダさんに自己紹介をしに来ましたっ!」


「……」


 アンダさんの表情が少し動いた。悪い表情ではなさそう。


「お互いに知らないことだらけだと、後で何かあった時に誤解して、仲が悪くなる可能性もあります!」


「……」


「なので、今後とも仲良くする為にもここは、自己紹介をしようと思いまして……!」


 「自己紹介」と口に出したものの、どう自己紹介を切り出せばいいものか……


 ……アンダさんの神殿って結構壮大だし、自己紹介がてらに良い感じの見せ物でも出した方がいいのかな?


「アンダさん、ひとつ質問よろしいでしょうか」


 私の質問にアンダさんは軽く頷く。


「派手な見せ物はお好きですか?」


 アンダさんは再び頷く。


 よし、アンダさんは派手な見せ物は好きみたいだね。


 ならば、私の可愛らしさを使った全力の自己紹介をしよう!


「アンダさん、少しだけこの場をお借りします!」


 私の許可取りにアンダさんは頷いて、周りの騎士に腕で指示を出して動かして私達から離れさせた。


「キラナ、此処一帯とアンダさん達に魔法が飛ばないように防護できる?」

「できるよ! それっ!」


 魔法少女キラナがステッキを振ると、私達の周囲に透明なバリアのようなものが張られた。


「よし、さてお次は……」


 私は天に向かって指笛を高らかに吹き鳴らした。


「……?」


 程なくして、どこからともなく星の大精霊が姿を現した。ワープでパッと現れては私の周りに集まっていく。


 見慣れた卵型の精霊から、マスコットのような見た目の精霊が数匹集まる。いつの間にこんな可愛らしい子が発生してたんだ。


「みんな、突然呼び出してごめん! アドリブでお芝居するんだけど、みんな手伝ってくれる?」

『!』


 星の精霊達は私のお願いに頭を何度も縦に振って頷いてくれた。ありがたいね。


 私から生まれた存在なら、私の無茶振りも対応できるはず!


 と、いうわけで……早速始めるよ! 私の可愛らしさを使った自己紹介をね!



「では……私の自己紹介したいと思いますっ!」

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