CASE 029: 七番目の鐘が鳴るとき
記録者
GIA北東第三区支部
オリヴィア・マース
基本情報
事件名: 七番目の鐘が鳴るとき
発生日時: アイオス暦1514年9月17日 午前7時00分
通報者: 教会付司祭 ベルン・クロステル
事件場所: シュレイン旧区 ベルグ教会鐘楼
事件状況: 解決
被害者:
名前:ルカ・フェイジル
年齢:17歳
職業:鐘楼奉仕生
住所:シュレイン旧区 東棟修道寮B室
死亡時刻:午前6時30分頃
死因:頸椎骨折による即死(落下による打撃)
事件概要
毎朝六時に七つの鐘が鳴らされるシュレイン旧区のベルグ教会で、鐘楼奉仕生である少年ルカ・フェイジルが死亡しているのが発見された。
遺体は鐘楼の中段階段から転落したような姿勢で倒れていたが、不自然な痕跡と足場の配置から事故とは考えにくいと判断された。
鐘楼には通例として奉仕生一人のみが上がるため、監視記録は存在しなかった。
しかし、教会の“鐘の音”に不審な変調があったことから調査が進められ、
鐘の構造内部に設置された小型足場と、被害者の最後の行動を示すメモが発見されたことで、事件は急展開。
最終的に、同じ奉仕生だった**ノエル・ギャロウ(16歳)**が犯人であることが判明した。
現場到着と検証
07:00 通報受理、GIA北東支部へ即時対応依頼
07:30 オリヴィア・マース調査官が現地到着、鐘楼内検証開始
07:52 鐘上部内部に隠された木製簡易足場を発見、手製のロープ痕確認
08:15 足場裏から「鐘の響きが正しくない」と記されたメモ帳を回収
08:40 ノエル・ギャロウの私室より、被害者の所持品および工作図面を押収
09:10 聴取開始、供述により動機と手口が判明
現場検証の結果
被害者は鐘を鳴らす直前、上部構造に設置された不自然な木製足場に登っていた
その足場には不安定な踏み板が仕込まれており、意図的に崩れる設計だった
足場と鐘の構造は、ノエルが事前に制作したものと一致
被害者の残したメモには「ノエルが鳴らした鐘は、どこか音が歪んでいた」との記述があった
犯人の特定と供述
ノエルは最初は「事故だった」と主張したが、証拠開示と追及により以下のように語った。
犯人の供述
あいつは……ルカは、音に“正しさ”を求めすぎていた。
俺たちは同じ鐘を鳴らしてるのに、
彼はいつも「違う」と言った。
「お前の鐘は狂ってる」って。
俺なりに工夫してたんだ。
音を柔らかく、祈りのように響かせたくて、鐘の内側に布を張ったりした。
でも彼はそれを“汚した”って言って、
全部引き剥がした。俺の工夫を。
俺はただ、音を、俺の音を残したかっただけなんだ。
なのに、あいつはそれすらも許さなかった。
だから、あの日……あいつが鐘に登るのを見て、
俺はあの足場を“少しだけ”削った。
少しだけ、壊れればよかった。
でも、全部崩れた。
……鐘は、きれいに鳴ったよ。
裁判結果
アイオス暦1515年4月1日、GIA北東管轄裁判所にて以下の主文が下された。




