閑話休題:GIA入庁教育補助資料(第2講)
記録部講師代行:ヴィアルカ
この講義は、“地球”と呼ばれる世界からやってきた、あるいはその記憶を持つ者たちに向けて編纂されました。
もしこの文書を手にしている君が、「なぜこんな記録が読めるのか」と疑問を抱いたなら──君はすでにGIAに触れつつあるのかもしれません。
ここでは、君たちからよく寄せられる「世界観の違い」や「現地での生活」にまつわる疑問に、私たちなりの言葉で答えていきましょう。
◆ よくある質問(地球世界由来の記録閲覧者より)
Q1. この世界は、僕たちの世界とはどう違うんですか?
A. 君たちの“地球”では、物理法則がすべてを支配していると聞いています。
こちらの世界では、物理法則のほかに“選ばれし偶然”や“存在の意志”が働くことがあるため、
空は裂け、言葉が重力を持ち、時間が逆行することさえあります。
君が「ありえない」と感じたことほど、この世界ではありふれているのです。
Q2. どうして私がこの記録にアクセスできたのですか?
A. GIAの記録は、意識の共鳴領域を通じて選ばれた者に届く仕組みになっています。
君の世界でそれを“夢”と呼ぶか、“偶然開いたページ”と呼ぶかは自由ですが、
この文書を読み終える頃には、すでに“入口”は開いていることでしょう。
Q3. GIAにはどんな人がいるんですか?
A. 本部・各支部あわせて約12万人の職員が在籍しており、うち約3割が人間以外の存在です。
君たちのように他世界から来た者たちも多く在籍しています。
共通言語の使用、重力や呼吸環境の調整、文化干渉の緩和措置などが行われています。
Q4. 地球の通貨は使えますか?
A. 一部の支部では変換ポスト(Temporal Currency Converter)を通じて、地球通貨を一時的に“クレム”に交換することができます。
ただし為替レートは極めて不安定であり、かつ“感情値”が反映されるため、同じ1万円でも人によって価値が変動します。
なお、本部では物資配給制度が主であるため、通貨の必要性は限定的です。
Q5. 記録は誰が管理しているのですか?
A. 記録は、記録部に所属する職員によって保管・分析・編纂されています。
すべての記録は時系列順ではなく因果構造順に格納されており、未来の事件が先に届くこともしばしばあります。
そのため記録部職員には、“時間順の理解を疑える力”が求められます。
Q6. GIAに入るには何が必要なんですか?
A. 必要なのは、**この記録を読み続けることができる君自身の“意思”**です。
君が読んでいるその目が、すでに審査の一部なのですから。




