表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/37

閑話休題:GIA入庁教育補助資料(第1講)

『入庁希望者への概要説明抜粋』




提供部門:GIA本部管理局・人事教育室


監修:GIA本部記録部 オスカー・ヘイズ




1. GIAとは


正式名称は「グローバル・インシデント・アライアンス(GIA)」。


世界各地で発生するあらゆる形態の事件・異常現象・災害・犯罪に対し、情報の集約・調査・記録を担う多国籍連合機関である。




各地の支部はそれぞれの地域や文化に合わせて運営されているが、記録の保全は本部直属の中立部門によって統括されている。


この記録資料群は、その最終段階に位置づけられる。




2. 入庁条件について


GIAは、世界各地の教育機関、研究施設、軍政組織、治安機関などからの選定・推薦・招請および自薦によって人材が集められる。




選考対象となる人物には、以下のような傾向がある:




・特定分野における高度な観察・分析能力を有する者


・犯罪・災害現場において冷静な判断ができる者


・科学、魔術、信仰を問わず、理性を最優先とする姿勢を持つ者


・一定の記録保持訓練に耐えた者




なお、かつて被疑者であった者が選ばれる例もある。


「記録の重さ」を知る者であれば、過去の経歴を問わず招かれることがある。




3. 配属と階級制度


GIAには多様な役職が存在するが、主に以下の5つに大別される。


なお、各職にはGIA内部で用いられる古語(GIA語)による正式呼称があり、以下に併記する。




記録者(Viarka)


 事件の現場で記録を行い、報告文書の作成や記録庫の保全を担う中核的な存在。


 GIAの記録理念を最も体現する職であり、判断よりも“構造”を残す技術が求められる。




捜査官(Trenvar)


 現場への初動対応、被疑者の確保、証拠収集などを担当する実動部隊。


 物理的な危険への耐性と、冷静な観察力の両立が求められる。




解析官(Zeydran)


 毒物、魔術、心理、法科学などの専門分野に特化し、捜査および記録を支援する知識職。


 現場には出ず、支部内部での活動が主となることも多い。




連絡員(Feirune)


 各地の支部間、または外部機関との連絡・調整を担う。


 語学・交渉術・宗教観の理解が求められ、最も「人」と向き合う職でもある。




管制官(Droskel)


 記録の統合、照合、封印を担う記録制御の最高権限職。


 GIA全体の記録体系を理解していなければ務まらず、担当者は限られている。




これらの職位は、基本的に適性と必要に応じて配属されるが、


実際には複数の職を兼任する者も多く、記録者でありながら現場に赴く者や、捜査官でありながら記録文書を起案する者も存在する。




また、職位間に明確な階級の優劣はない。


GIAにおいて重要なのは、どの任務に就いていたかではなく、


「どれだけ未来に耐える記録を残したか」である。




4. 福利厚生・生活環境


GIAは軍属機関ではないため、構成員には一定の自由と尊厳が認められている。


以下は基本的な制度の一部である:




・全支部に24時間対応の食堂・医務室・静音区画を設置


・一部支部には瞑想庭園・温泉区・個人観測室なども完備


・曜日や暦によらず、記録負荷に応じた循環休暇制度を導入


・独自通貨制度が採用されており、支部内で生活を完結可能


・小型生物の同伴可。ただし「人語を解する存在」は許可制




なお、Viarkaの多くは支給された空間の一角に“沈黙の棚”を設け、


誰にも知られない記録を、そっとそこに置いているという。




5. 補足:記録部からの私信


GIAは、誰かの正義を叶える場所ではない。


誰かの命を、誰かの記憶を、ただ確かに記録する場所である。


そこに価値があると信じる者だけが、この扉の前に立つ。




もし君が、この記録集の続きを“自分の手”で残したいと願うなら、


以下の手順に従い、入庁意志を示せ。




書式の定まらない一枚の紙に、自身の名を記し


日没直後の灰が漂う場所にて


「何も書かれていないポスト」へ、封をして投函すること




それだけでいい。届くかどうかは、君の記録力次第だ。健闘を祈る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ