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遭難91日目〜

 この無人島に漂着してから3か月程経過し、拠点の建設、土器や罠、そして武器の作成、さらに気の強化とこの島での生活に順応してきた2人はついに森の中の探索を試みることにした。

 探索には危険をともなうが、サーベルタイガーに襲われた経験を踏まえてこの島に更なる脅威がいないか等の把握をした方が良いのではないかと考えたのだ。


「今日から森の探索だね」


「はい。ついにこの島の全貌を知る時が来ましたね」


「満を辞してって感じだよね。もうこの島に来てから3か月くらいたつからさ」


「当初は助けが来るのではないかと期待していましたが、ここまで来てしまえば助けがこないことを想定した動きもしていくべきですよね」


「一度船が見えたわけだから希望がないわけじゃないんだけどねえ。一番重要なのはこの島にサーベルタイガー以上の脅威がいるのかっていうところだよね」


「そうですね。サーベルタイガーが食物連鎖の頂点であることを祈りましょう」


「サーベルタイガーが一番の脅威だったらミーアさんがやっつけてくれるから安心なんだけどねえ」


「ふふふ。任せてください。もう戦う覚悟と準備はできています」


 ミーアはサーベルタイガーに相当な恨みがあるようで不敵な笑みを浮かべながら気を激らせるのだった。

 そんなミーアを見てトーマはビビりながらミーアを決して怒らせまいと心に誓った。


 それから2人は事前に立てていた計画を再確認する。

 この島は徒歩三日で一周できるほどの大きさで沢が2本あることから沢を境界線とし島を円と見立てて三分割にして3区画とし、それぞれの区画を探索すること。

 まずは拠点近くの沢と拠点から徒歩1日程の場所にある廃村近くの沢の間を1区画目として探索すること。1区画目の探索が終わった次は拠点近くの沢の反対側を2区画目とし、最後に廃村側の沢の反対側を3区画目として探索を行う。


「島の大きさから考えて1区画の探索の目安は10日くらいがいいと思うんだけど実際やってみないとわからないね」


「そうですねえ。中心にいくほど山があったりして足場がよくないと思いますので探索のスピードは落ちると思います。あと拠点側の区画はすでに探索を終えている場所も多いと思いますので早く終わりそうですね」


「そうだね。一度山にも登っているし。今まで過ごしてきてサーベルタイガーに一度しか遭遇していないことを考えるとこの区画は縄張りの外の可能性が高いね」


「と言うことは他の2区画に縄張りがあると言うことですね」


「その可能性がかなり高いね。まあ生息数が極端に少ない可能性もあるから色々想定して探索しようか」


 そんな会話をしながら1区画目を探索する2人。

 想定していた通りで1区画目は森や山があるだけで特に何もなくサーベルタイガーのような脅威になりそうな魔物に遭遇することはなかった。かかった日数は特に何もなかったため7日である。


 1区画目を探索し終えて保存食が減ってしまったことから2人は5日ほど食料調達や保存食作りに費やした。準備を終えた2人は2区画目の探索を開始する。

 2区画目の探索を開始してから三日目、2人は猪を見つけた。


「あれは・・・猪だ」


 大きさは1m前後の普通の猪だ。この島に来てからたまに見かけることはあったが小柄な動物とはいえその突進が凄まじいことは常識であったため手出しはせずにいたのだ。


「今なら狩れると思うけどどうする?」


「いけると思います。やりましょう。猪食べたいです」


 ミーアの目はすでに獲物を見る目となっていた。

 そんなミーアを見てトーマは思う。ミーアさんなんか日に日に肉食系女子になっていっていない?と。


「じゃあちょっとやってみようか」


 それから2人は猪狩りを開始した。方法は至ってシンプルで気で身体能力を向上させて追いかけるだけだ。

 猪に気づかれないところまで距離をつめた2人は一気に駆け出した。

 先に猪に辿り着いたのはもちろんミーアだった。猪はミーアが近づいて来たことに気づいてすぐに逃げ出したがミーアのスピードは凄まじく一瞬で猪に詰め寄ると持っていた槍で脇腹をひと突きした。


「ぶるるぁぁああ!」

 猪が悲痛な叫び声をあげる。


 その後すぐにトーマが追いつき、だめ押しの突きをお見舞いしたところで猪は地面に倒れこんだ。


「おぉ、簡単に仕留めることができたね」


「やりましたね。美味しくいただくためにまずは血抜きをしましょう」


 動物の解体なんてあまりしたことがないトーマとミーアは雑ではあるが作業を開始していく。


「食べられない分は拠点に戻って干し肉にしてみよう」


「そうですね。サーベルタイガーより美味しいと思うので今夜のご飯が楽しみです」


 2区画目は拠点から近いため、その日は狩った猪を持って戻り干し肉の作成や調理を開始した。干し肉といえども作り方がよくわからないので燻製のようにじっくり燻して水分を飛ばしている。

 その日の夜は猪の串焼きと野草で臭みを消した猪鍋にだった。


 猪肉にかぶりつくトーマ。さらに猪鍋も食べていく。


「うまい!鳥もうまかったけど猪は肉厚で旨味もあってかなりうまいぞ!精がつくね!」


「美味しいです〜!猪鍋も野草でうまく臭みを消せていて、さらに煮込んだことによってお肉が柔らかくなっていて最高です!探索で体が栄養を欲しているのでありがたいですねえ」


 鳥の次は猪を食べることができて大満足なトーマとミーアであった。


 それから2区画目の探索は順調に進みサーベルタイガーに遭遇することもなく、探索を終えた。

 残るは今2人が生活している島の反対側、3区画目だけである。


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