遭難35日目〜
初めての探索を終えて拠点に戻った二人は休憩と食料調達に数日を費やし次の探索に備えた。
準備ができた二人は今日から反対側の探索へ向かう。
「じゃあ出発しようか」
「はい。今度は水場が見つかって先へ進めると良いですね」
「できれば島を一周したいねえ」
二人は足に気を集中させて早足で進む。
前回探索した側とは地形が少し違って、今回の探索では砂浜や森が多かった。
そろそろ日が暮れてくる頃かなと言ったところで二人は沢を発見した。
「沢だ!」
沢を見つけて駆け寄る二人。
「やりましたね!これで移動距離をかなり伸ばすことができます」
「うん!足に気を集中させて進むことにもかなり慣れてきたしもしかすると島を一周できるかも知れないね!」
その日の夜は沢の近くで野営をすることにした。食料は魚の干物と食べられる野草や木の実である。
トーマは第2回目の膝枕に緊張してあまり眠れなかったとか。
次の日、日の出とともに出発する二人。
トーマは歩きながら森を眺めているとふと違和感を感じた。
「ん?なんだか森のあの場所だけやけに開けていない?」
「本当ですね。何かあるのかも知れません。行ってみますか?」
「行ってみよう」
二人は森へ足を進める。
数分歩いたところでその場所に到着した二人は目を見張る。
「これは!」
「村・・・ですか?」
二人が見つけたものはいくつかの小屋のようなものが朽ち果てて自然とほんとんど同化ている廃村だった。
「どうみても人工物だね・・・でもみた感じ人が使わなくなってかなり年数が経っているように見えるね。山の上からみた時は全然気がつかなかったよ」」
「海からここまで人が踏み固めたような道もありませんでしたし放置されてから数年というレベルではなさそうですね」
「何か使えるようなものがないか探してみようか。何があるかわからないから一緒に探そう」
二人が探索を初めてからしばらく経ち、奥の方にある石造の倉庫のような場所を探索している時だった。
「これは・・・斧でしょうか?」
「こっちは鉈じゃないか?かなり錆びているけど・・・」
錆びていて非常にわかりにくいが、斧と鉈、それに加えて銛のようなものを発見した。
「どうみても使われていないから前の持ち主には悪いけど拝借して行こう」
「まさかこの島に人が住んでいたなんて・・・」
「これだけ大きい島だから何かはありそうな気はしていたけどね。俺の故郷でもこの島の話は聞いたことがなかったからかなり昔に人がいなくなったんだろうなあ」
それからしばらく廃村を探索したが他にめぼしいものは見つからなかった。
廃村の探索にかなりの時間を費やしてしまった二人はその日はそれ以上進むことやめて一度沢に戻り翌日から探索を再開することにした。
翌朝、探索を再開する二人。
「あそこの廃村以外にめぼしいもは見つかりませんね」
「そうだねえ。もしかするとあの廃村から島の中心へ向かった方向に何か残ったりしているかも知れないね」
「それはあり得ますね」
「時間があれば探索してみたいね。今回の探索はひとまず海岸線を優先しようか」
しばらく足を進める二人
「太陽の位置とか山の位置的に拠点の反対側はすぎた気がするなあ」
山と空を見上げながらトーマはそう予想した。
「であればもう少し進めば前回探索した場所まで着くかも知れませんね」
「ちょっとペースを上げてみようか」
気を足に集中させて早足で進んでいた二人だがさらにペースを上げて進むこと数時間。
「ここはもしかしてだけど前回探索した場所じゃないか?」
「なんだかみた記憶がありますね」
「印を何箇所かに付けておいたから探してみようか」
前回の探索の記憶をたどりながら印を探す二人。
「ありました!」
「お!じゃあやっぱりここは前回探索をした場所だったんだ!」
「そうですね!ここから1日進めば島を一周して拠点に帰れますね!」
「おお!ゴールが見えてくるとなんだかやる気が出てくるなあ!」
二人は現在地がわかったことに少しテンションを上げながら、そこで野営をすることにした。
次の日、拠点へと出発した二人は夕方頃拠点に到着した。
「到着ー!」
「島一周成功ー!」
二人はバンザイをしながら喜び合う。
「島を一周しただけなのになんだかとんでもない達成感だよ!」
「右に同じです!この島の全貌も見えてきましたね!」
「わかったことは島は徒歩3日で一周できる大きさ。沢は合計2本。途中に廃村ありだね」
「気を使っての移動で徒歩3日なので島にきたばかりの頃の私たちでは倍くらいかかっていたかも知れませんね。そして今回の探索の戦利品は廃村で見つけた斧と鉈と銛ですね!」
「金属部分はサビがひどいから明日あたりにでも石で研いでみようか」
「使えるようになれば拠点の整備などに使えますね」
「拠点の周りの森を整備したりして見通しをよくできればより安全性も増すだろうし、切り倒した木は建材として使用できるから斧や鉈があればできることが本当に増えると思うよ。銛は魚を突いたりできるかなあ」
「魚を突くのは難しそうですね・・・。でも槍のようにして自衛にも使えますね」
「魚突きはやったことがないからできるかどうか・・・。さて、もう夜になってしまうから海に沈めっぱなしだった罠を二手に分かれて見てこようか」
二人は罠からとってきた魚を鍋で煮て食べ、3日ぶりの拠点で安心して眠りについた。
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