遭難3日目〜
沢の上流で夜を明かした二人は明るくなってきたと同時に早速下山を開始した。
下山なので行きより早く進むことができ昼前と思われる頃には砂浜に辿り着くことができた。
「ふう、やっぱり砂浜は開けていてなんだか安心するね」
「そうですね。昨日は初めて森で夜を過ごしましたけど結構怖かったです・・・」
「ミーアさんもか。実は俺も番をしているときかなり怖かったんだよね・・・自然を舐めてたよ」
「野宿をしてみて街のありがたみがわかりました・・・」
「そうだねえ。拠点を作って早く安心して眠れるようになりたいね。今日は食料を探しながら拠点に適した場所を探すのはどう?」
「賛成です。あまり眠れない日が続いてしまうと良くないと思いますので」
浜辺を歩きながら拠点について計画を立てる。
「拠点なんだけど海が荒れても影響が出ない場所がいいと思うから浜辺から少し離れたところがいいと思うんだ」
「そうですね。あとは水場から比較的近いところが良いと思います」
「水場が近いことは必須事項だね。それとやっぱり開けていて安心できる場所がいいね」
「海が見える場所であればそこから船を探すことができるので良いと思います」
「そうだね。よし決定!じゃあ沢の近くの開けた場所を探そう!」
二人は夕方までの時間を拠点の候補地探しに費やしついに拠点を作る場所を決めた。
「ここなら話した内容に合致しているね。ここにひとまず明日から簡易的な小屋を立てよう」
拠点が決定した。
その日の夜。
二人の今日の夕飯はもちろん魚介類である。主に貝だ。
さらに今日は磯でタコを見つけて捕獲した。
貝はいつも通りに、焼いて食べるだけ。
だがタコはそこそこ大きいので焼くだけとはいかないため短刀で細切れにして串焼きにすることにした。
「うまいっ!」
ただのタコの串焼きだがこの島に来てから貝と蟹しか食べていなかったトーマ達はタコの美味さに感動した。
コリコリとした食感に加えて噛めば噛むほど旨味が滲み出てくるタコはやはり食べ応えがあり二人の胃を満たした。
「貝とはまた違った旨味があって美味しいです!結構大きいのでお腹も膨れて良いですね!」
久しぶりに満腹になった二人はまだ何もできていない拠点で寄り添いながら眠りにつくのだった。
次の日からは大忙しだった。トーマは倒れている大きめの木を見つけたり短刀で程よい木を切り倒し、ミーアは食料調達、小屋を立てるのに必要な植物のツルの採取、などなど・・・
小屋の建設開始から2日後、ついに小屋が完成した。小屋と言えるかもわからない簡素なものだが。
床は地面のまま、三角屋根の屋根の部分をイメージして木を組み合わせ、大きくて頑丈そうな葉を重ね合わせて雨対策をしたものだ。
サイズは人がなんとか4人くらい横になれそうな大きさだ。これで最低限雨風は凌げるだろう。
「できたー!すごい簡易的だけどこれで雨風は凌げるはずだ!」
「おぉー!私が思っていたよりがっちりしています!」
「それなりに頑丈じゃないと強風とかで壊れちゃうかと思ってできるだけ頑丈になるようにしてみたんだ!まあ実際もつかはわからないけどね」
トーマは照れ臭そうに頬を掻きながら言った。
「これで安心して眠れそうです!」
「ついに安心して眠れるぞ!やったー!」
「やったー!」
二人は嬉しさのあまり抱き合いながら喜んだ。それはそうだろう、この島にきてから二人は野ざらしで寝ていたのだ。
過酷な環境を二人で過ごしてきたためミーアの接し方が若干フランクになってきていることにトーマは嬉しく思いながら抱き合ったことを後から振り返って鼻の下を伸ばすのだった。




