第64章:知友の再臨と転生者の系譜
第64章:知友の再臨と転生者の系譜
初秋のからりと澄み切った冷気が、ルーセンの街並みを包み込んでいた。
ライネス川を遡る定期船が汽笛のような魔導ホイッスルを鳴らして港へと接岸し、下船口から大勢の商客や旅人たちとともに、一人の若者が石畳の桟橋へと降り立った。
その青年は、粗末な旅装のマントを羽織り、肩から分厚い革の旅行鞄を下げていた。
年の頃は二十代前半。痩せぎすの体躯に、少し神経質そうな銀縁の眼鏡をかけ、黒髪を後ろで無造作に束ねている。
胸元には、ゲスハルト帝国最高の学府――ゲスハルト帝国大学理学部の学生証章がひっそりと光っていた。
彼の名は、マルクス。
マルクスは桟橋を抜け、駅前広場へと歩み出ると、視界の先にある光景に息を呑んだ。
白く磨かれた路面電車のレールが規則正しく走り、電柱と架線が整然と空を区切っている。そして何より、街の中央――大聖堂の裏手に天を突くようにそびえ立つ、二十階建ての校舎タワーと三十階建ての複合メガタワー。
太陽の光を反射して青白く輝く巨大なガラス窓と、完璧な直線美を誇る鉄筋コンクリートの摩天楼群。
「……信じられない。中世ファンタジーの地方都市に、なぜこれほどの近代建築が立ち並んでいるんだ……」
マルクスは震える手で旅行鞄を開け、中から何十回も読み返して端が擦り切れた数編の羊皮紙の写本を取り出した。
それは、ゲスハルト帝国大学の地下書庫にひっそりと保管されていた、ルーセン工科大学から流出してきた幾つかの学術論文であった。
『高炉スラグ微粉末を用いた早強ポルトランドセメントの硬化機構と水和熱解析』
『三相永久磁石同期発電機におけるコギングトルクの低減とベクトル制御の魔導工学的応用』
『ダルシー・ワイスバッハの式に基づく管路網の流動損失計算と都市上下水道網の最適設計』
マルクスは眼鏡のブリッジを指先で押し上げ、論文の序論と結論の文末表現を指でなぞった。
『――以上の実験結果より、微細構造の相変態が巨視的な降伏応力に及ぼす影響は極めて有意であると結論づけられる。なお、本研究の遂行にあたり、助言をいただいた研究室の諸兄に深甚なる謝意を表する』
マルクスの乾いた唇が、微かに震えた。
「この論文の構成……客観的な事実の積み上げ方……そして、この独特の持って回ったような堅苦しい謝辞の言い回し。間違いない。……絶対に、あの人だ。あの人が、この世界のどこかで生きているんだ」
マルクスは論文を大切に鞄へしまい込むと、迷うことなく路面電車へと乗り込み、終点たるルーセン工科大学のキャンパスタワーへと向かった。
正午を少し回った頃。
地上二十階建ての校舎タワー正面玄関の前で、マルクスは柱の影に身を潜め、固唾を呑んでエントランスを見つめていた。
行き交う学生たちは、黄色い安全ヘルメットを小脇に抱えたドワーフの若者や、三角定規と製図ケースを持った人間の青年たちで活気に溢れている。
その時、自動ドア――ではなく、精密な油圧クローザーで静かに開閉するガラス扉から、一人の小柄な人物が歩み出てきた。
身長百二十センチほど。がっしりとした分厚い肩幅に、硬く引き締まった丸太のような腕。濃褐色の髪を短く刈り込み、作業用の白衣を羽織った、典型的なドワーフの男。手には、講義用のチョークケースと関数電卓代わりの計算尺が握られている。
カロンであった。
マルクスの心臓が、早鐘のように激しく脈打った。
外見はどこからどう見ても、前世の記憶にある「あの人物」とは似ても似つかない。種族すら違う。
しかし、その歩き方――右肩を少しだけ落とし、何か深い数式を反芻するように視線をわずかに斜め下に落として歩くその独特の癖。
マルクスは衝動を抑えきれず、門の前へ飛び出した。
「――中山教授ではないですか?」
ピタリ。
歩いていたドワーフの足が、まるで見えない壁に激突したかのように完全に静止した。
カロンは思わず、弾かれたように振り返ってしまった。
「中山教授」――その四文字は、この異世界に転生してから十七年間、誰からも呼ばれることのなかった、自らの魂の真の学名であったからだ。
カロンは瞠目し、周囲を素早く見回した。
学生たちが怪訝そうにこちらを一瞥して通り過ぎていく中、自分の真正面に、息を切らして立ち尽くす痩身の若い人間の男が一人。
カロンが警戒を露わにし、眉をひそめた瞬間――
その青年は、眼鏡を直しながら、ひどく懐かしそうに、そしてどこか照れくさそうに口角を上げた。
「……中山教授。私です。生物の佐藤です」
「………………!?」
カロンの脳内で、落雷が炸裂したような途方もない衝撃が走った。
生物の佐藤。
それは、前世の国立大学工学部で材料工学科の中山教授として教鞭を執っていた頃、同じ理学部キャンパスの隣の棟――生物学科の研究室から、毎日のように「中山先生、また学術会議の予算折衝で文科省がケチをつけてきましてねえ」と、白衣のポケットに両手を突っ込んで愚痴を言いにやって来ていた、あの腐れ縁の同僚――佐藤准教授(のちに教授)の、決まりきった自己紹介のフレーズであった。
「さ……佐藤……君……なのか……!?」
カロンの口から、無意識のうちに日本語が漏れ出た。
「ええ、中山先生。……お久しぶりです。まさか、ドワーフの姿になっておられるとは思いませんでしたが……論文を読んだ瞬間、先生だと確信しましたよ」
青年――マルクスは、涙で潤んだ目を細め、胸に手を当てて深く一礼した。
二人は、大学キャンパスの裏手にある、学生たちがあまり寄り付かない静かな純喫茶の奥のボックス席へと移動した。
カロンが注文した二つのアイスコーヒーが運ばれてくると、カロンは身を乗り出し、改めて目の前の青年を凝視した。
「本当に……佐藤教授なんだな? いや、外見があまりにも違いすぎる。君は確か、前世では五十を過ぎて頭頂部が随分と涼しくなっていたはずだが……」
マルクスは苦笑いを浮かべ、アイスコーヒーのストローを弄んだ。
「ひどい言われようですねえ。まあ、否定はしませんが。……あの後、大変だったんですよ、中山先生」
マルクス――前世の佐藤教授は、遠い目をして語り始めた。
「先生が研究室の徹夜明けに心不全で突然倒れて、そのまま帰らぬ人となった後……大学中が大騒ぎになりましてね。先生の遺された未発表論文の整理やら、大学院生たちの引き継ぎやらで、私は連日徹夜続きでした。そうしたら、私の方も昔から患っていた持病の狭心症が悪化しましてね。先生の葬儀からわずか半年後……研究室のデスクで倒れて、そのままあっけなく息を引き取ってしまったんです」
「そうだったのか……。すまない、私の死後処理で君にまで過度な負担をかけてしまったのだな……」
カロンが痛恨の表情で俯くと、佐藤は首を横に振った。
「いえ、元々先のない心臓でしたから。……で、問題はその『後』ですよ」
佐藤は声を潜め、額を押さえた。
「死んだと思ったら、目の前に眩い光が満ちた神殿が広がりましてね。そこに、金髪碧眼の、とてつもないスタイルの絶世の美女が立っていたんです。『慈愛と豊穣の主神メリス』と名乗る女神でした」
カロンの眉間がピキリと跳ね上がった。
「……メリス様、だと?」
「ええ。その女神が言うにはですね、『あー、間違えて予定より早く魂を回収しちゃったわ! まあいいや、お詫びに別の世界へ生まれ変わらせてあげるから許してね!』と、信じがたいほど軽いノリで言い放ちまして。抗議する間もなく、頭をポコンと叩かれて……気がついたら、ゲスハルト帝国の帝都グランツにある、中流貴族の三男坊『マルクス』として赤ん坊からやり直す羽目になっていたんです」
「………………………………」
カロンは深々と天を仰ぎ、胃のあたりをギュッと押さえた。
あの駄女神は、前世の同僚の魂までも、そんな適当極まりない理由で拉致転生させていたのか。
「それで、君はどうやってここへ?」
「前世の記憶を保ったまま成長しましたから、神童扱いされてトントン拍子でゲスハルト帝国大学の理学部へ進学しました。そこで生物学や植物生理学を細々と研究していたんですが……先日、大学の地下書庫で、ルーセンから提出されたという異様な論文の数々を見つけたんですよ。ポルトランドセメント、ベクトル制御、流体損失計算……どれもこの世界の文明レベルを数百年飛び越えた、現代工学の数式ばかりでした。そして、その論文の論理展開の癖が、昔隣の研究室で散々見せつけられた中山先生のものと完全に一致していたんです」
佐藤は眼鏡の奥の目を真っ直ぐにカロンへと向けた。
「居ても立ってもいられず、大学を休学して早馬と定期船を乗り継ぎ、このルーセンへやって来たというわけです。……まさか、本当に会えるとは思いませんでしたよ」
カロンは熱いものが胸に込み上げてくるのを覚えた。
異世界に転生し、ドワーフとして孤独に近代工学の旗を掲げ続けてきた十七年間。
もちろん、ハインリヒ侯爵やボルト教授、ガイルやリアリスといったかけがえのない仲間には恵まれた。しかし、「前世の文明と学問の記憶」を真に共有できる知己は、世界中で自分ただ一人だったのである。
「元同僚と、この異世界で再び会えるなんて……。なんと言えばいいか、言葉が見つからないな」
カロンは武骨な手を差し出し、佐藤の手を固く、固く握りしめた。
「中山先生……いえ、カロン学長」
佐藤――マルクスは居住まいを正し、真剣な眼差しで切り出した。
「単刀直入にお願いがあります。私を、このルーセン工科大学で働かせていただけないでしょうか?」
カロンは目を瞬かせた。
「帝国大学を捨てて、うちの大学に来るというのかい?」
「もちろんです! あんな帝国大学の古臭い貴族主義と、魔術至上主義の閉鎖的な講義など、退屈で反吐が出ますよ! このルーセンの街を見ました。鉄とコンクリートのタワー、路面電車、そして何より先生が実践されている『科学工学による社会の変革』……! これこそが、私が前世で夢見ていた真の学問の姿です。私も、この街の発展に自らの知恵を捧げたいのです!」
前世で熱心にフィールドワークと遺伝子解析に打ち込んでいた、佐藤教授の情熱がそのまま宿っていた。
カロンは迷うことなく、即座に力強く頷いた。
「喜んで歓迎するよ、佐藤君! いや、むしろこちらから頼みたいくらいだ。工科大学は現在、機械、材料、電気、土木の四専攻が急成長しているが、衛生工学、バイオテクノロジー、そして農業収率の改善といった『生物学・農芸化学』の分野が圧倒的に立ち遅れていたんだ。君さえ良ければ――新設する『応用生物・農芸化学科の初代学部長』を、君に引き受けてもらいたい!」
「が、学部長ですか!? 私のような若輩の姿の者に、いきなりそんな大役を……!?」
「何を言っているんだ。君は前世で百本以上のインパクトファクター付き論文を執筆し、いくつもの国家プロジェクトを率いた歴戦の教授じゃないか。適任どころか、お釣りが来るよ」
二人が満面の笑顔で合意を取り交わした――まさにその時であった。
バターンッ!!
喫茶店の木製スイングドアが、乱暴に跳ね上がった。
「あーっ! カロン、こんなところでサボってる! ずるいわよ、私を置いてお茶するなんて!」
入ってきたのは、両手にテイクアウトの紙袋を提げ、黄金の髪をなびかせた絶世の美女――駄女神メリスであった。
紙袋からは、甘いシナモンロールの匂いが漂っている。
その姿を目にした瞬間。
「………………ッ!?」
マルクスの全身が硬直した。
眼鏡が鼻腔からずり落ち、持っていたアイスコーヒーのグラスを取り落としそうになる。
その瞳に宿ったのは、恐怖と驚愕、そして魂の奥底から蘇ってきた「死の瞬間の記憶」であった。
「め……め、め……メリス様ぁぁぁぁぁぁっっ!?!?」
マルクスの絶叫が、静かな喫茶店に木霊した。
「え? なになに? 誰この人間? 私の熱烈な信者かしら?」
メリスは首を傾げ、シナモンロールをモグモグと頬張りながら、怪訝そうにマルクスを見下ろした。
その顔には――カケラほどの心当たりも浮かんでいなかった。
「お、覚えておられないのですか……!? 私です! 国立大学理学部生物学科の佐藤です! 予定より早く死なせてしまったからって、神界で私の頭をポコンと叩いて、この世界へ放り投げたでしょうが!!」
必死に身振手振りを交えて説明するマルクス。
しかし、メリスは指先を顎に当て、「う〜〜ん……」と天井を見上げるばかりであった。
「さとう……? シュガー……? えーっと、誰だっけ? 私、毎日何十万人もの魂を右から左へ流してるから、男の魂の顔なんていちいち覚えてないのよねぇ〜」
「じ、自分の不手際で早死にさせた人間の魂を『右から左』って……!!」
マルクスはショックのあまり白目を剥きかけた。
カロンが額を押さえ、深いため息をついた。
「佐藤君。諦め給え。この女神は、そういう『究極の駄女神』なんだ」
「だ、駄女神とは何よ! 失礼ね!」
メリスが頬を膨らませるが、カロンはそれを完全に無視し、これまでにメリスがルーセンで巻き起こしてきた数々の惨状を、淡々とマルクスに解説し始めた。
「聞いて驚くなよ、佐藤君。この女神はな、ダンジョンの最深部で魔力を暴走させてスタンピードを引き起こしかけ、救出されてからは私の部屋に居候して食費を食い潰し、帝都の大司教と大学総長を神罰で石像に変えて領主邸の地下に千年間封印し、私怨で帝都近郊の山を噴火させて火山灰を降らせ、国王一家をルーセンに避難させ、さらには風の神シルフ様をエルフの姿に変身させたまま設定ミスで二十年間神界に戻れなくして、昨日もカフェでパフェを百二十杯食い散らかして私にツケを回してきたんだ」
「………………………………」
マルクスの口が、あんぐりと開いたまま塞がらなくなった。
背筋に冷や汗が滝のように流れ落ちる。
「……な、中山先生。……先生、この世界に来てから、工学の研究どころじゃない凄まじい地獄を生き抜いてこられたんですね……」
「ああ。胃壁が何度融解しかけたか分からんよ」
カロンが乾いた笑いを漏らすと、マルクスは心底からの憐憫の眼差しでカロンの肩に手を置いた。
その横で、ようやく記憶の糸が微かに繋がったらしいメリスが、ポンと手を叩いた。
「あーっ! 思い出した! あの時、心臓麻痺で運ばれてきた、頭の薄かったおじさんね! なんだ〜、ちゃんと立派な若いイケメンに生まれ変わらせてあげたじゃない! 文句言われる筋合いはないわよ、感謝しなさいよね!」
「薄かったとか余計な一言を付け足すなァァッ!!」
温厚だった佐藤教授の魂が、理不尽の極みに達してついに吠えた。
しかし、当の駄女神は「まあまあ、細かいことは水に流しましょ〜☆」とウインクを飛ばし、何食わぬ顔でカロンのアイスコーヒーに手を伸ばして勝手に飲み干すのであった。
喫茶店を出た頃には、夕暮れの茜色の光がルーセンの街を黄金色に染め上げていた。
カロンはマルクスを連れ、新工房区の目抜き通りにある、工科大学の提携宿屋へと案内した。
エアコンが完備され、清潔な白いリネンとデスクが整えられた快適な客室。
「とりあえず、今夜はここに泊まって旅の疲れを癒してくれ。手持ちの路銀も心許ないだろう」
カロンは懐から、ずっしりと重い革袋を取り出し、マルクスの手へと握らせた。
中には、当面の生活費と支度金に十分すぎるほどの帝国金貨が数十枚入っていた。
「な、中山先生! こんな大金、受け取れませんよ!」
「遠慮するな。これは学部長としての正当な就任支度金であり、大学からの先行投資だ。……それに、君が無一文で野宿でもしたら、私の寝覚めが悪いからね」
カロンが穏やかに微笑むと、マルクスは眼鏡を外し、目頭を強く押さえた。
「……ありがとうございます、中山先生。……いえ、カロン学長。この御恩は、必ずやルーセンの産業と学問の発展でお返しいたします」
「期待しているよ、佐藤教授。……あ、大学では前世の名は伏せ、マルクス学部長として通してくれ。私もカロン学長だ」
「承知いたしました。……じゃあ、明日からよろしくお願いします、カロン学長!」
二人は固い握手を交わし、夕暮れの宿屋の前で別れを告げた。
翌朝。
抜けるような秋晴れの青空の下、ルーセン工科大学の全校集会が開かれた大講堂の壇上に、カロンと並んで立つマルクスの姿があった。
「諸君、紹介しよう。本日付で、我が大学に新設される『応用生物・農芸化学科』の学部長として、帝都大学より卓越した俊英、マルクス教授を招聘した!」
何百人もの学生たちと教員たちから、割れんばかりの拍手が巻き起こった。
教壇の前に進み出たマルクスは、銀縁の眼鏡をキリリと光らせ、黒板に向かって力強くチョークを走らせた。
「諸君! これまでのルーセンは、鉄とコンクリート、そして電気という『無機の工学』によって驚異的な発展を遂げてきた。しかし――真に豊かな文明を築くためには、土壌の微生物、作物の品種改良、そして病原菌を制圧する『生命の科学』が不可欠である! 我々は本日より、魔法薬学の迷信を打破し、有機化学と細胞生物学に基づいた新たなるバイオ産業を、この地から世界へ向けて発信する!」
その堂々たる熱弁と、前世で百戦錬磨の講義をこなしてきた圧倒的な教授法に、学生たちの目は瞬時に輝き、ノートを取るペンの音が講堂中に心地よく響き渡った。
講堂の後方で腕を組み、その光景を見守っていたカロンは、満足そうに深く頷いた。
(素晴らしい講義だ。彼がいれば、土壌改良による穀物収量の倍増、ペニシリン等の抗生物質の早期開発、さらには人造蓄電魔石のバイオ電極への応用など、工科大学の研究領域は一気に立体的になる)
機械工学の中山と、生物工学の佐藤。
前世で志半ばで倒れた二人の科学者が、異世界の地で奇跡の合流を果たし、手を取り合った瞬間であった。
窓の外では、シルフの優しい風を受け、エレン見晴らしの丘の風車が規則正しく回転を続けている。
そして、どこからか漂ってくる香ばしいパンの匂いと、大食堂で「お腹空いたわ〜!」と騒いでいるであろう駄女神の笑い声。
カロンは空を見上げ、頼もしい友の背中を見つめながら、これから始まる新たなる科学の躍進に、静かに胸を躍らせるのであった。




