都市の下の子どもたち
5: 都市の下の子どもたち
Kaelはすぐには、その道を下りなかった。
彼は裂け目の縁に立ち、片腕で子どもを抱きながら、都市の下に広がる闇へ耳を澄ませた。何百もの声がまだ彼の名を呼んでいた。だが今度は、すべてが同時に響いているわけではない。声は幾重にも重なり、まるで扉の前で自分の順番を待つ人々のように、辛抱強く並んでいた。
「Kael」
すぐそばから声がした。
「Kael」
もっと深い場所から、別の声がした。
「Kael、お兄ちゃんは約束した」
腕の中の子どもが震えた。
その身体は重くなかった。あまりにも軽く、服を着せた空白を抱いているようだった。ただ、心臓の鼓動だけは本物だった。遅く、冷たく、都市の鼓動とはずれている。
Miraはナイフを地面に突き立て、立ち上がった。顔は青ざめ、片手で脇腹を押さえている。
「そこへ下りないで」
「あなたは走れと言った」
「都市から逃げろと言ったの。都市の奥へ進めとは言っていない」
「では、あの子どもたちは?」
Miraは彼を見た。
その瞬間、Kaelは彼女の胸の中に恐怖とは別のものを聞いた。
羞恥だった。
「あなたは、あの子たちが誰なのか知っている」
「知らない」
彼女の鼓動が速くなった。
Kaelは腕の中の子どもを見下ろした。
「おまえは知っているのか?」
子どもはすぐには答えなかった。都市の下へ開いた黒い道を見つめていた。裂け目の壁から階段が生えている。一段一段は窓ガラスの破片で組まれ、その下には眠る顔が浮かんでいた。
「お兄ちゃんが連れて帰らなかった人たち」
Miraは目を閉じた。
「あなたのせいではないわ」
「それを決めるのはあなたじゃない」
Kaelは最初の段へ足を置いた。
足がガラスに触れた瞬間、都市全体が息を吐いた。冷たい空気が裂け目を這い上がり、湿った金属の匂いと、あまりにも長く燃え続けた光の塵の匂いを運んできた。
追跡者が後ろに立った。
「時間がない」
Kaelは振り返らなかった。
「おまえも来るのか?」
「行かなければならない」
「命令だから?」
「行かなければ、あれらが道を上へ開く」
Miraが彼を見た。
「“あれら”とは誰?」
若い男は残った仮面を完全に外した。顔立ちはKaelに似ていたが、もっと年を重ね、もっと疲れていた。首には赤い光の筋が絡みつき、露出した血管のように鎧の下へ走っている。
「選ばれなかった版だ」
Kaelは足を止めた。
「版?」
「機械が失敗するたび、子どもを一人作る。人々がその中から一人を選んで連れ帰るたび、残りはここに残される」
男の声がかすれた。
「都市は彼らを養っているのではない。彼らを生かしたまま、置き去りにした者が戻るのを待っている」
腕の中の子どもがKaelの服をつかんだ。
「彼も、あの中の一人だった」
男は子どもを見た。
「私は連れ出された」
「違う」子どもが言った。「押し出されたの」
Kaelは追跡者の鼓動が一つ、途切れたのを聞いた。
彼は歩き続けた。
深く進むほど、叩く音がはっきりした。遠くから反響しているのではない。一つ一つの音がガラスの段を通り、足の裏から背骨を伝い、頭蓋の内側へ響いてくる。
コツ。
Kaelは壁の小さなガラス窓を見た。
中では、少年が膝を抱えて座っていた。顔はKaelに似ていたが、目を固く閉じている。少年は両手で耳を塞ぎ、外からの呼び声を聞かないようにしていた。
コツ。
小さな少女が石の床で丸くなっていた。髪は焼けた電線のように光っている。左の手首には、弧を描く傷跡があった。
コツ。
別の子どもは壁に顔を向けて立っていた。背丈はKaelとほとんど変わらない。肩はすすり泣きに合わせて震えているのに、声は一つも出ていなかった。
Kaelは三つ目の窓の前で止まった。
「生きている」
「死ぬことを許されていない」追跡者が言った。
「違いがあるのか?」
「ここでは、大きな違いだ」
腕の中の子どもは、ガラスの向こうにある顔を見つめた。赤い涙が、また頬を伝った。
「長く見ないで」
「なぜだ?」
「見られたと、あの子たちが知ってしまうから」
小さな手がガラスを叩いた。
爪が割れる音を、Kaelは聞いた。
彼は振り返った。
ガラスの向こうの少年が、まっすぐ彼を見ていた。
少年の唇が動いた。
声は届かなかった。それでもKaelには読めた。
兄さん。
Kaelは近づいた。
Miraはすぐに彼の肩をつかんだ。
「ガラスに触れないで」
「あなたは、以前そうした」
「そして一人を失った」
「誰を?」
Miraは答えなかった。
腕の中の子どもが彼女を見て、静かに言った。
「お姉ちゃんに一番よく似た声の子」
Miraの手がKaelの肩から離れた。
その後の沈黙は、叩く音よりも痛かった。
Kaelは左手をガラスに当てた。
手首の傷跡はもう弧ではなかった。皮膚の下で小さな光の破片が動き、新しい形を結ぼうとしている。
ガラスは凍るように冷たかった。
向こうの少年も手を上げ、彼の手に重ねた。
二つの掌の間には、透明な壁が一枚ある。
Kaelは少年の声を聞いた。
耳からではない。
傷跡の内側からだった。
「遅かったね」
「すまない」
「その言葉は前にも聞いた」
「今度は扉を開ける」
少年は首を横に振った。
「開けられない」
「壊す」
「一つの檻だけ壊したら、ほかの檻が死ぬ」
Kaelは廊下を見渡した。何百ものガラスの檻が、暗闇の中へ続いている。その一つ一つに、異なる時期のKaelの顔を持つ子どもがいた。
まだ幼い子もいた。
もう大人に近い子もいた。
人の骨格を失い、光の骨だけになって座っている子もいた。
「どうすればいい?」Kaelは尋ねた。
ガラスの向こうの少年は、腕の中の子どもを見た。
「最初の一人を心臓へ連れて行く」
腕の中の子どもが、すぐに顔を上げた。
「だめ」
「心臓の場所を知っているのか?」Kaelが聞いた。
「知っている」
「なら、行こう」
「僕じゃない」
声が崩れた。
「最初の一人は、お兄ちゃんだ」
頭上で、岩を砕くような音が響いた。ガラスの階段が激しく揺れる。天井の裂け目から赤い光の筋が這い出し、壁を伝って下りてきた。
追跡者が上を見た。
「あれらが都市へ入った」
Miraは出血で震える手にナイフを握り直した。
「何人?」
「走れない子どもたちを殺すには十分だ」
Kaelはガラスの向こうの少年を見た。
「待っていろ」
「十年もそう言われた」
「今度は、信じろとは言わない」
Kaelは腕の中の子どもを抱きしめた。
「戻ってくる」
少年は長い間、彼を見つめた。そして微笑んだ。その笑顔は、腕の中の子どもの笑顔とは違っていた。もっと静かで、もっと悲しかった。
「まだ分かっていないんだね」
「何が?」
「僕たちは、もう連れ帰ってほしくない」
Kaelは問い返すことができなかった。
天井を赤い槍が貫き、目の前の階段に突き刺さった。追跡者はすぐに前へ飛び出し、次の攻撃を受け止めた。金属と金属がぶつかり、耳を裂く音を立てる。
MiraはKaelを下へ引いた。
「行って!」
「彼は?」
「全員を救いたいのか、それともここで彼が死ぬのを見ているのか!」追跡者が叫んだ。
Kaelには近づいてくる呼吸が聞こえた。一人ではない。何十人、何百人もの鎧が、都市の床を進んでいる。
彼は子どもを抱いて走った。
Miraも隣を走った。一歩ごとに痛みに息を詰まらせている。背後では、追跡者が狭い廊下で敵を食い止めていた。勝てるはずがない。それでも彼は退かなかった。
Kaelは鎧が折れる音を聞いた。
続いて、彼の叫びを聞いた。
「心臓の扉に触れさせるな!」
爆発が起こり、階段全体が傾いた。
Miraが倒れた。Kaelは戻って彼女を支えようとしたが、子どもが突然、両手で彼の首にしがみついた。
「止まらないで」
「彼女を置いていけない」
「お姉ちゃんは、行ってほしいと思っている」
「彼女が何を望んでいるか、おまえには分からない」
「分かるよ」
子どもはMiraを見た。
「お姉ちゃんは、僕たち全員にそう言ったから」
Miraは腕で身体を起こした。
「Kael、あの子の言うことを聞いて」
「あなたも、私を置いていけと言うのか?」
「違う」
彼女は彼を見た。その目に、初めて隠し事がなかった。
「あなたが今度こそ、自分が何者なのかを自分で決められるまで、生きていてほしいの」
Miraの背後から黒い影が階段を覆った。
金属が引きずられる音がした。
KaelはMiraをガラスの壁にもたれさせ、闇の方へ振り向いた。
子どもが小さく尋ねた。
「何をするの?」
Kaelは左手を見下ろした。皮膚の下の光の破片が、何百もの呼び声に合わせて震えていた。
「全部の扉を開ける」
「できない」
「なら、できると都市に思わせる」
Kaelは階段に手を置いた。
命令するのではなく。
願うのでもなく。
ただ、耳を澄ませた。
ガラスの下で、何百もの心臓が乱れていた。弱い鼓動もあった。鼓動の仕方を忘れた鼓動もあった。子どものものではなく、人間のふりをする方法を覚えた何かの鼓動もあった。
Kaelは最初の鼓動を探した。
遅い鼓動。
孤独な鼓動。
最も深い場所で打ち続けている鼓動。
彼はそれに触れた。
都市全体が沈黙した。
迫っていた者たちの足が止まった。
ガラスの檻が一斉に光った。何百人もの子どもが目を開いた。
Kaelは彼らの声を聞いた。初めて、それは囁きではなかった。
「兄さんが戻ってきた」
手首の傷跡が、完全な円へ閉じた。
廊下の果てに、赤い扉が現れた。
扉には取っ手がなかった。
ただ、光で刻まれた一行だけがあった。
一人だけが通過できる。
子どもはその文字を見て、それからKaelを見た。
「分かったでしょう?」
「分かった」
「それでも、選ばなければならない」
Kaelは扉の前へ進んだ。
背後でMiraが息を止めた。頭上では戦いの音が消えていた。追跡者の声も、もう聞こえない。
ガラスの檻の中で、すべての子どもが壁に手を当てていた。
Kaelは扉に手を置いた。
向こう側から声が響いた。
Seranの声だった。
「Kael、扉を開ければ、全員が自由になる」
彼は目を閉じた。
Seranは続けた。
「だが、第一の次元では、代わりに一人が失われる」
Kaelは母が自分の名を呼ぶ声を聞いた。
その呼び方を思い出すことはできなかった。それでも、残った感触は分かった。額に置かれた手。雨の匂いがする部屋。果たされないまま残った約束。
子どもが彼の肩に頭を預けた。
「怖い?」
「怖い」
「じゃあ、誰を選ぶの?」
Kaelは目を開いた。
彼は子どもを見なかった。
Miraも見なかった。
扉に刻まれた文字を見た。
「一人だけが通過できる」とKaelは言った。「だが、その一人が生きていなければならないとは書いていない」
手首の円が赤く変わった。
扉が開き始めた。
向こう側で、何千もの叩く音が一斉に止まった。
一つの声だけが響いた。
「Kael、誰を選んだ?」
彼は扉をさらに押し開いた。
そして都市の心臓から、一人の男が歩み出た。
その顔はKaelの顔だった。
だが身につけているのは、十年前に焼け焦げた灰色の外套だった。
男はKaelを見、腕の中の子どもを見、そしてMiraを見た。
最後に、彼は微笑んだ。
「今度は」男が言った。「私を引き出さないでくれ」




