第67話― 二度目の呼びかけは応えられた
ロダニアの首都の夜は、めったに本当の闇に包まれることはない。狭い通りや港の路地は、一貫しない影と光に満ち、目を惑わせる光と闇の舞を形成していた。夜風が海の方から吹き寄せ、塩の匂い、腐った魚、朽ちた木材の香りを運んでくる。雪の部隊の巡邏が掲げる油灯が、石畳の表面に震える黄色い光の線を描くが、闇は常により優勢で、輪郭を曖昧にし、脅威を隠していた。
腐った木箱の山の陰で、サーシャはしゃがみ込んでいた。その身体は弱り、震えていた。ダリアンが巻いた包帯は、肩と太腿の傷からの血で既に濡れており、冷たい石の上に赤くきらめく跡を残していた。呼吸は重く、息を切らすばかりで、一瞬一瞬が胸を針で刺すように痛んだ。ダリアンの膝の上で、ミーシャは青ざめて見えた。その顔はひび割れた陶器のようで、目は半分閉じられ、唇は声もなくかすかに動いていた。
「埠頭は……もう少しだ」ダリアンが声を震わせて囁いた。「だが、正面の検問所が……すべてのアクセスを封鎖している。数十人の兵士だ、俺たちの正面に厳重な包囲網を敷いている。見つかれば……俺たちは……死ぬ」
サーシャは前方を見つめた。鉄のバリケードが道を塞ぎ、数十の黒銀の制服を着た兵士が整列し、手を剣に置き、鋭い目を光らせている。隙間はない。希望もない。
彼女は深く息を吸い込み、全身を貫く痛みを飲み込んだ。その目はミーシャを見た——彼女の虚弱で小さな、しかし生への希望に満ちた妹を。その瞳は松明の光の下で輝いていた。
「ミーシャを連れて行け」サーシャは言った。その声は平坦だが深く、呪文のようだった。「私が囮になる。奴らが私を追いかけたら、船へ走れ」
ダリアンは彼女を見つめ、口を開けたままだった。「正気か! お前、立ってもいられないんだぞ!」
「それは命令だ!」サーシャは遮り、うつむいて、熱を持ったミーシャの額に口づけをした。「行け……私はすぐに追う……夜明けの向こう側で」
答えを待たずに、サーシャは闇から飛び出し、缶や木箱をわざと倒して耳をつんざくような大きな音を立てた。路地の反対側から、数人の兵士が振り返るのが見えた。
「そこだ! 侵入者だ!」
数十の兵士とシャドウハンドが彼女を取り囲み、古い倉庫の行き止まりの広場で密な円陣を組んだ。サーシャは中央に立ち、その剣は血に濡れた手の中で震えていた。膝はかろうじて立っているのがやっとだったが、その目はまっすぐに前を見据え、決意が燃えていた。
そしてその時、群衆の中から、その場の空気を一変させる人物が現れた。
ケイラン・ヴォルスング公爵。
黒いマントには、六枚の翼を持つ竜を象った金の刺繍が施されていた。その歩みは落ち着いていたが、捕食者のような気配が、鷲が獲物を追い詰めるかのようにサーシャを圧倒した。その笑い声が響き渡り、冷たく、嘲るようだった。
「騎士サーシャよ」ケイランが言った。その声は金属の擦れるように響く。「お前は自分の命を、お前のことを覚えてもいないかもしれない少女のために犠牲にするのか。なんと無駄なことだ」
サーシャは膝をつき、剣を地面に突き立て、今にも崩れ落ちそうな身体の最後の支えとした。彼女はポケットに手を入れ、ミーシャのマントの切れ端を握りしめた。その青い布は、身体が触れ合った温もりをまだ残していた。
彼女の目は閉じられ、唇が動いた——ケイランに話しかけるためではなく、攻撃するためでもなく、自分自身よりもはるかに古く、はるかに強力な何かを呼び寄せるために。
「星なき夜の女帝……フロスティーヌ……」
涙がこぼれ落ち、ぼろぼろの布地を濡らした。彼女の心は沈黙の中で叫んでいた。《私はただの人間だ……私は全てを捧げた……だがそれでは足りなかった。どうか……この闇にミーシャを呑み込ませないでくれ。私の命を取ってもいい、だが彼女を救ってくれ》
静寂が広場を飲み込んだ。ケイランが手を上げ、処刑を命じる合図を送った。
「始末しろ!」彼は叫んだ。
しかし、空気が突然変わった。気温が急激に下がり、骨の髄まで凍りつく寒さが襲った。兵士たちの吐く息が白い湯気となり、燃え盛っていた松明が一つまた一つと消えていった——まるで燃えることを恐れているかのように。
冷たい霧の向こうから、一人の女性が歩み出た。
長い紫の髪は、夜の中を流れる紫の光の川のように広がり、薄い浴衣がそのしなやかな身体を包み、感じられない風に合わせて揺れていた。その瞳は紫で、永遠の氷のような鋭さでケイランを見据えていた。
フロスティーヌ。
サーシャは言葉を失い、その場に釘付けになった。身体が震えた。フロスティーヌが一瞬だけ彼女の方へ振り返った——言葉はなかった。しかしその眼差しの中で、サーシャは夜の冷たさと身体中の傷を貫く温もりを感じた。
「お前は私を呼んだ」フロスティーヌの声が響いた。優しく、しかしその場にいる全ての者の魂に共鳴するように。「そして私は来た」
フロスティーヌは振り返り、ロダニアの兵士たちを睨みつけた。彼女の一歩一歩が足元の地面を凍らせていった。近づきすぎた兵士は瞬時に凍りつき、その顔は永遠の恐怖の表情として透明な結晶の中に閉じ込められた。
「わ、我が主よ! アズラエル……お助けを!」ケイランは震えながら叫び、倉庫の壁にぶつかるまで後退した。
ケイランの背後にある影から、より濃密な闇が炸裂し、対照的な二枚の翼を持つ姿を形作った——一枚はぼろぼろの黒、一枚は枯れ果てた白。その目は赤と青で、不気味に輝いていた。
アズラエル。
「フロスティーヌ……」その声は重く嗄れ、空間全体に反響した。「ついにお前は、こんな取るに足らない人間のために隠れ蓑を出てきたのか?」
フロスティーヌは右手を掲げた。彼女の周囲の空気が凍りつき、無数の氷の針となって、刃のようにきらめいた。
「我が物に手を出したな」フロスティーヌの声は凍りつくほど冷たかった。「その代償として、今夜オニキスグラードは氷の墓場と化す」
紫の雪が降り始めた。毒の結晶の破片のように空中で舞い、息をする全ての生き物を刺し貫いた。氷は急速に広がり、あらゆる足跡を覆い、動こうとする者全てを絡め取った。
サーシャは、その混乱の只中で、全ての痛みと疲労が一瞬にして消え去るのを感じた。彼女の呼吸は一瞬止まり、その目はフロスティーヌを見つめ、心の中に一つの古代の希望が響いた。
《ありがとう……あなたが来てくれた……》
一方、ダリアンはミーシャをしっかりと抱きしめ、氷の戦場の中央にいるサーシャの身体を見つめていた。彼はフロスティーヌのオーラを感じ取ることができ、それは彼らを包み込む守護の毛布のように思えた。しかしアズラエルは侮れない敵だった——その影は素早く動き、一つの翼が一掃して木箱や柱を粉砕し、木片を空中に舞い上げた。
フロスティーヌとアズラエルの戦いは、血と涙、そして人間の魂を貫く冷気の上で、まさに始まったばかりだった。ケイラン、兵士たち、そしてシャドウハンドたちはただ見守ることしかできなかった——小さく、弱く、無力な存在として——彼らをはるかに凌駕する力が、ロダニアの夜空で舞い踊るのを。




