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第四十七話 番犬?

11階層に上がってきたが、何か臭い。


紙 「この階層、臭くないか?」


ゴンちゃん 「臭いですね。これはマーキングの臭いですよ、尿の。」


お面 「尿のマーキングという事は、やはり犬系魔物でやすかね?」


赤熱 「精霊達の情報だと犬系だな。」


白熱 「少々厄介な魔物がいる様だぞ。」


雷壁 「確かにな。アレは厄介だ。」


遊弋 「ふむ。あれも犬系と言えるか。」


貪婪 「厄介な魔物とは何だ?」


完成図書で確認すれば分かるが、装備どもに聞いてみるか。

俺が構造を弄っているとは言え、探索前にダンジョン内部にいた存在はそのままだから、精霊がダンジョンに存在している。それにダンジョン内では、精霊からの魔力供給が少なくなるから、精霊自体の長期間存在が可能だ。ダンジョンコアがダンジョン内に魔素や魔力を供給しているから、精霊は属性調整する程度だし。それに星がダンジョン内に精霊を発生させることも可能なんだよ。ダンジョンは地脈の力を受けている場所だからさ。但し、ダンジョン内は星の管理下から外れているから(ダンジョンコアに星が干渉することで間接管理は可能。星は本能で活動しているので、調整は微妙ではあるけど。例えるなら生物の反射反応かな?)、精霊を発生させるつもりで魔族になる可能性が高い。魔物を取り込みやすい環境なんでね。

それほど意識する必要は無いが、装備どもが情報を得やすい場所ではある。精霊は不可視だが、”在るモノ”でもある俺は存在を認識しているからね。空間に光の玉のような感じで存在を認識している。普段は認識しないようにも出来るので、感知しないようにしているけど。(雑音を常に感じるようなものだから、感知を切っておかないとウンザリするからさ。精霊も魔族同様に実体化することも可能だが、それは稀だな。)

この階層に限って、装備どもが情報確認した所を見ると臭いから気を使ってくれたのか?探索開始から時間も結構経っているから、協力してるのかもしれない。

そんなことを気にするよりも魔物の確認をするのが先だな。


紙 「犬系魔物で厄介なのっていたか?攻撃力が高い奴がいるのは知ってるが。」


ゴンちゃん 「…もしかして、アレがいるのでは?」


赤熱 「元は白い犬の魔物なのだがな、合成獣に突然変異している。」


白熱 「今は種として固定化されたので、数は少ないが群れを作っている魔物だな。」


元は白い犬で合成獣だと?もしかして…。


紙 「おい!それって階層ボスだろう?」


雷壁 「そうだ。それに、階層ボス部屋に他にも強力なダンジョンボスクラスの魔物がいくつかいる。」


遊弋 「主は知っているか?階層ボスは”諦聴(ていちょう)”と言う魔物だ。」


諦聴(ていちょう)だとう?

…地球だと地蔵菩薩の足元に伏せている犬に似た神獣だったな。この世界では魔物の一種だが、確かに厄介だ。西遊記にも登場するから読者さんもご存知かもしれないが、ドラゴン並に強力な魔物だぞ。強さは中位の竜種に匹敵する。別に処理するのに問題は無いが。


紙 「まあいい。階層ボスは後回しだ。問題無く処理できるしな。他の階層同様に処理してしまおう。」


他の階層同様に完成図書と施工図を使って処理を行う。

あ、この階層は洞窟型だ。通路の広さが大きいがね。犬系魔物の階層なので群れで行動する関係かもな。

階層ボス部屋の魔物は群れでは無いけど、強力な魔物が色々といたぞ。

通路にいた魔物は以下の通り。


羽犬(はいぬ):ドロップアイテムは、魔石。福岡県筑後市に伝わる羽を持つ犬。この世界では、”筑後志”と言う文献に出てくる人畜を襲う獰猛な怪犬と同類の魔物だ。飛べるので立体的な攻撃をしてくる。


コボルト:ドロップアイテムは、魔石。元々はドイツの妖精や精霊だが、ファンタジー小説などに出てくる定番の魔物。二足歩行の犬だ。前足が人の手の様に変化しており、生体武装のダガーの様なモノで武装している。犬の獣人に似ているが、知能が低く見た目が違う。この世界の獣人の手足は人間と同じ手足で動物の様に毛皮で覆われてはいない。手足以外は動物と変わらないけど。


(こう):ドロップアイテムは、魔石。中国の山海経に出てくる怪物の魔物。見た目は普通の犬だが、豹の斑紋がある。頭の上に角があり、牛の角に似ている。木属性の魔法を使う。


蜪犬(とうけん):ドロップアイテムは、魔石。中国の山海経に出てくる怪物の魔物。見た目は普通の犬だが、青い体色で人食いもする肉食の魔物だ。


通路にいた魔物は石化耐性が無かったので、石化魔法で処理した。宝箱は無かったぞ。


紙 「宝箱が無いってのも寂しいもんだな。」


お面 「別に必要な物は無いでやしょう?」


紙 「まあ、そうだけど。」


ゴンちゃん 「群れタイプの魔物を生み出すのに、ダンジョンが余計に力を使うからでは?」


そう言うのはあるのかもね。俺がダンジョンの構造を弄っているのも影響してるかもしれん。

強力な魔物を用意するのも余計に力を使うはずだ。

一応問題無いのは確認済みではあるけど…。時間経過や装備品が増えて、俺の魔力発散量が増えているからな。(装備品との魔力パスの関係でね。)それにクリミナルを引き継いでいるから、この世界に溶け込んだクリミナルの存在に影響しなければ良いけど。俺が吸収出来れば良いんだろうけど、どんな影響があるか分からんし。神代さんとか高位の存在ならできるかも知れないけど、担当以外の世界に来ると神代さんとかの影響の方が大きくなるだろうからなぁ。

取りあえずは、問題無いレベルではあるんだろう。根神さんから連絡無いから。

この辺は今処理している地上の調整とは別案件で、神代さん達と要相談だな。

現在処理中の”賢者の石”の錫杖回収も追加案件だし。


紙 「気にしても仕方が無い。俺たちの目的は”賢者の石”の錫杖回収だからな。」


行動理由を再確認し、階層ボス部屋部屋へ入る。


紙 「いるなぁ、団体さん。本来は縄張り争いする種なんだがなぁ。」


貪婪 「主よ、打ち合わせ通り我が対応で良いのだな?」


紙 「ああ、打ち据えるぞ。貪婪よ、魔物の力を吸い尽くせ!」


貪婪を使い、階層ボス部屋の魔物を打ち据え、エナジードレインを併用し倒した。


貪婪 「少し食い過ぎだ。次も我を使うなら、目から怪光線を撃たせてくれ。」


紙 「了解だ。」


階層ボス部屋にいた魔物は以下の通り。


(かん):ドロップアイテムは、微塵(みじん)、魔石。中国の山海経に出てくる怪物の魔物。見た目は犬に似ているが、輝く隻眼を持ち、尾は三つある。山海経では声を聞くと病気になるとされるが、この世界の(かん)の声を聞くと状態異常を起こす。ドロップアイテムの微塵(みじん)は分銅鎖と呼ばれる投擲武器の一種で、中央の輪に三本の分銅鎖が付いた武器。黒鉄製だな。


クー・シー:ドロップアイテムは、靴、魔石。スコットランドの犬妖精の魔物。暗緑色の毛と長い尾を持つ牛並みの大きさの犬。人間も襲う。無音で滑るようにして移動する。ドロップアイテムの靴は、この犬の素材で作られたもので、無音で滑るようにして移動することが可能なアイテムだ。”妖犬の足”と言うマジックアイテムみたい。サイズ自動調節などの魔法が付与されている。


ガルム:ドロップアイテムは、鎖鎌、魔石。北欧神話に登場する番犬。見た目は狼犬に似ているが巨体である。ドロップアイテムの鎖鎌は黒鉄製。


オルトロス:ドロップアイテムは、円盤刃鎖(えんばんじんくさり)、魔石。ギリシア神話に出てくる怪物の魔物。見た目は黒い双頭の犬で、(たてがみ)と尻尾が蛇。ドロップアイテムの円盤刃鎖(えんばんじんくさり)は鎖の端に円盤刃を付けた武器。隠し武器の一種。黒鉄製。


ケルベロス:ドロップアイテムは、三角刃手裏剣分銅鎖、魔石。ギリシア神話に出てくる怪物の魔物。見た目は三つ首で、竜の尾と蛇の鬣を持つ巨大な犬。ドロップアイテムの三角刃手裏剣分銅鎖は鎖の端に手裏剣と分銅が付いた武器。中国発祥の暗器”縄鏢(じょうひょう)”に近い見た目だ。これも黒鉄製。


諦聴(ていちょう):ドロップアイテムは、宝箱、魔石。地蔵菩薩の足元に伏せている犬に似た神獣の魔物なのは説明したが、見た目は虎の頭と一本の角、犬耳、龍の体、獅子の尾、麒麟足を持った魔物だ。魔眼の一種”鑑識眼”を持つ。知能が高く人語も話すことが可能で、魔法も使うので危険だ。この魔物が階層ボスだ。ダンジョンの様な閉鎖空間でなければ倒されそうになった場合、変異する前の白い犬に変身して隠れたり、逃走しようとする。ゲームとかと違い、こいつの第二形態は逃走用だな。真の姿になって強化されるわけでは無い。


紙 「妙なアイテムばかり出たな。」


お面 「犬の魔物でやすからね。鎖が多いのは仕方が無いと思いやす。地球の伝承だと番犬だったりしやすし。」


ゴンちゃん 「階層ボスの宝箱の中身は何でしょうか?」


あまり期待はしないが、宝箱を開けてみた。

…ん?何だこりゃ。


紙 「こりゃ何だ?妙なモノが出てきたぞ。」


お面 「旦那、これは禅杖でやすよ。西遊記の沙悟浄が持ってるタイプでやす。」


紙 「ああ!そう言えばそうだな。”月牙鏟(げつがさん)”とか言う奴だっけ?」


お面 「沙悟浄のは”降妖杖”とか”降妖宝杖(こんようほうじょう)”とか呼ばれるモノで、素材が月に生える桂の木という設定でやすけど、こいつはアダマンタイト製ですぜ。」


紙 「月に関連する武器が出るとはなぁ。意志を持つ武具では無いが銘があるな。月牙鏟(げつがさん)咆哮(ほうこう)”か。魔力を通すと力が一点に集中する効果があって、防具や防御を破壊することが出来るのか。まあ、敵の防御が多重魔法結界とかだと防がれるみたいだ。攻撃力を高めても相殺されれば無駄だわな。攻撃が通れば敵がダメージを受けて悲鳴を上げるから”咆哮”か?”断末魔”の方が良さそうだが…。」


ゴンちゃん 「犬や狼は遠吠えしますから。月夜には特に吠えるので、そのせいでは?」


紙 「なるほどね。俺の世界でも狼が月と関連している伝説とかあるな。」


でも月牙鏟(げつがさん)の鏟って、スコップが原形の武器だよな。禅僧が護身用や遺体の埋葬に持ち歩く武器でさ。

誰の墓穴を掘る為なんだろうな?この武器は。

俺は、この世界対応で虐殺はする予定だが、”石化”魔法で処理するから墓穴は掘らないんだけどねぇ。

俺は死ねないから墓穴は必要無いし。

ま、気にせず次の階層へ行くとしよう。

仕事が増えなければ良いんだけどね。

案件が増えても応援が無いからさ。

困ったもんだ。




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