第四十四話 食人木とレアアイテム
短いです。
8階層にやって来たが、7階層と似てる。
フィールド型っぽい洞窟エリアだな。7階層と違うのは、草原のみだ。
…8階層入口のここからでも見えるが、中心に巨大な植物がある。アレが階層ボスだろう。
紙 「…ゴンちゃん、アレって外の草原にもあるのか?」
巨大な植物を指差して聞いてみる。
ゴンちゃん 「ありますけど、あそこまで巨大では無いです。アレは実が羊系の魔物みたいですが、他の肉が生る食人木もありますよ。実で肉食の魔物をおびき寄せて捕食するんです。実の魔物は本来の魔物よりも魔力が少なくて魔石が無かったりするんですよ。普通の獣の実が生る食人木の方が多いです。外だと他の植物系の魔物と養分の取り合いになってたりしますよ。」
お面 「旦那、石化が効かない連中がいやすよ。」
紙 「アレだろう?取り合えず完成図書と施工図を使って処理しよう。7階層で時間が掛かったから、今回は”特殊能力:紙”の”吸い取り紙”を使おう。」
そう言って迅速に処理を行う。装備どもも文句は無いようだ。
この階層にいた魔物は以下の通り。
羬羊:ドロップアイテムは、脂、魔石。中国の山海経に出てくる怪物の魔物。見た目は一般的な羊で馬の尻尾がある。羬羊の脂は皮膚のひび割れによく効く。
猼訑:ドロップアイテムは、毛皮、魔石。中国の山海経に出てくる怪物の魔物。見た目は羊に似ているが、9本の尾と4つの耳を持ち、眼は背の上にある。こいつの毛皮を着ると恐怖心が無くなる効果がある。この毛皮の効果は一種の状態異常なので、使いすぎると廃人になるから注意が必要だ。
土縷:ドロップアイテムは、角、魔石。中国の山海経に出てくる怪物の魔物。見た目は普通の羊で4本角。人食い羊の魔物で肉食よりの雑食。
ここからは食人木の周りにいた魔物だ。
羵羊:ドロップアイテムは、土属性の魔晶石、魔石。中国の捜神記などに出てくる怪物の魔物。素焼きの甕に入った羊だ。土属性の魔法を使う。こいつの魔晶石の元はジェット(和名は黒玉)だな。ジェットは樹木の幹の化石だから、鉱物や宝石では無いな。色は黒い。
石羊:ドロップアイテムは、毛皮、魔石。名前の通り石の性質があるので、”石化”を無効化する。こいつの毛皮は石綿と同じ性質を持っているので火や熱などに耐性がある。吸い込むと危険なので、こいつの毛皮は回収しないでおこう。
羊角風:ドロップアイテムは、角、魔石。羊角風・羊角はつむじ風の別名で、つむじ風の様子を羊の角に例えたものだ。但し、この世界では渦巻き状の巨大な角を持つ羊で風属性の魔法を使う。
地生羊:ドロップアイテムは、肉、宝箱、魔石。こいつが階層ボスの魔物だ。食人木の一種で、別名バロメッツ。実として羊が生る植物だ。普通は実が生るまで時間が掛かるのだが、階層ボスのこいつはポコポコ産みやがる。実の羊は一種類ではなく、各種羊が生る。枝や根などで攻撃もしてくるので危険だ。
紙 「石羊の毛皮は回収しないでおこう。使い道が無い。耐熱素材ならゴンちゃんの鱗の方が高性能だし、病気の危険も無い。」
お面 「中皮腫は嫌でやすからね。旦那は病気になりやせんけど、従魔に影響が出やすよ。」
ゴンちゃん 「主様が不要なら、回収しないで良いと思います。」
紙 「取り合えず宝箱の中身を確認しよう。この階層は回収対象品は無かったはずだけどな。」
宝箱を開けて中身を確認する。今回は階層ボスの宝箱しか無かったのでショボイけどな。
出てきたのは…。
紙 「…なんだこれ?小汚いマント?違う!デカい。これ絨毯か。」
宝箱から出てきたのは、小汚いペルシャ絨毯みたいな奴だ。マジックアイテムだな。模様が魔法陣になってる。飾りみたいな感じで風属性の魔晶石が沢山付いている。羊角風の羊毛製みたいだ。
お面 「旦那、小汚い絨毯でやすが、レアアイテムでやすよ。こいつは空飛ぶ絨毯でやす。空中停止も可能な仕様ですぜ。」
紙 「ほお。この大きさでか。積載可能重量はどの程度だ?」
絨毯の大きさは4メートル×6メートルと言ったところだ。地球のペルシャ絨毯だとリビング用の大きさか?まあ、大きくても積載可能重量が小さいのでは意味が無い。
お面 「データシートの情報だと1,000トンでやす。飛行速度は最高時速500kmまで出やすね。」
紙 「おお!使えそうだな。空から屑どもが殺されるのが見物できるぞ。」
俺の装備どもは所有者が重さを感じないようになっているが、実際はかなりの重量があったりするからな。魔力を供給してやれば、重量軽減の魔法効果も発揮できるし、俺が所有している分には必要魔力は常時供給されてはいるはずだから大丈夫だとは思うけどね。
地上では何とかなる重量でも空中だと問題になったりするし。…俺と従魔は飛べるから問題は無いけど、考慮は必要だと思う。
ゴンちゃん 「飛行速度は私やヴァンちゃんの方が速いですが、空中から見物するのは良いですね!」
見物するのに酒樽を置いたりすれば、結構な重さになるはずだ。屑どもに嫌がらせで、上から何か落とすにしても重い方が良いし。
紙 「色々魔法も付与されているみたいだし、便利なものが手に入ったな。大きさもデカいし、使えるぞ。…小汚いのは後で対応しよう。ちょっと臭いし。」
この空飛ぶ絨毯は小汚いだけではなく、臭うのだ。
ゴンちゃん 「私がやりますよ。”浄化”」
絨毯が綺麗になった。臭いも消えたな。
”浄化”魔法を掛けたけど、絨毯の性能に影響は無いな。よしよし。
紙 「ゴンちゃん、ありがとうな。」
ゴンちゃん 「いえ。私も乗るのに、小汚いのは嫌ですから。」
あ、そういう事。
まあいいや。気にしないで次の階層へ行くとしよう。
この階層も魔法陣式のエレベーターか。
次は予想だと猿かなぁ?
この世界の猿の魔物って知能が高いやつがいるんだよな。
いきなり襲ってこなけりゃ良いけど。
ま、ダメージは無いから良いか。
糞を投げてきたりしたら激怒するかもしれないけどさ。
そんな事を考えながら、注意しつつ次の階層へ向かった。




