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第三十九話 プリチー?

3階層へ向かっているが、気になる事があるのでゴンちゃんに確認する。


紙 「なあ、ゴンちゃん。アンデットモンスター化した魔物が結構いるけど、この辺には多いのか?」


ゴンちゃん 「いないわけではありませんが、多くは無いです。スカベンジャーに食われますから。スカベンジャーにとって、魔力剥き出しの食材ですからね。集団で集られて食われますよ。スカベンジャーどもはエナジードレインを無効化しますし。」


瘴気と空間の魔素量が暗黒大陸は多い為、生物の死骸がアンデットモンスター化しやすいのだが、大抵はスカベンジャーがなりかけの状態で捕食する。スカベンジャーどもは、世代を重ねることでエナジードレイン無効化能力を身に着けている。アンデットモンスターの瘴気も取り込んでいる為、耐性が強化されているんだよ。元々不衛生な場所にいるから、抵抗力は高い生物だし。


紙 「そうなんだ。魔物の情報はそれほど気にしなかったから、ここのダンジョンに何が出るのか良く分からんのだよね。何が出てきても俺はノーダメージだからさ。現地確認で良いかって思ったし、余計な労力も掛けたくないんでね。錫杖の関係で特に力のあるアイテムは確認したんだけど。ここまでの階層で出たアイテム程度なら、回収した探索者から取り上げれば大丈夫なレベルだ。ヤヴァイのは、いきなり暴走するタイプのアイテムだよ。」


お面 「ある程度の力がある探索者で、魔剣達の様な自我があるアイテムだと問題でやすからね。アイテムに所有者として認められると力を解放可能ですし。」


そうなんだよねぇ。


赤熱 「主よ、ここのダンジョンは今回の探索で消滅するかもしれん。」


白熱 「それはあり得るな。主に反応して出来たダンジョンだ。役目が終われば無くなるだろう。」


ゴンちゃん 「ダンジョンが無くならない場合は、魔物の種類が変わるかもしれませんね。魔物の補充用として残るかもしれません。この近くに精霊が発生する場所もありますから。魔族は星が調整して生み出していますが、妖精が遊びで虐殺行為をしますからね。魔物の補充は必要だと思います。」


それはあるかも知れない。妖精が多くなって問題ありそうなら、魔族を星が生み出して処理するだろうけどな。

あ、暗黒大陸でも精霊は生まれるからね。獣は生存競争で負けてほとんどいないけど。

ダンジョンは星が必要無いと判断すれば無くなることもある。周辺の環境変化で生息する生物などに変化があった場合などでね。生み出す魔物の種類の変更を行うこともあるが、生態系に問題が無い場合は意味が無いし。


紙 「まあ、それは様子見だな。現状より問題になることは無いと思うけど…。取り敢えずは賢者の石の回収だ。」



◇◆◇◆◇◆



3階層に上がって来たので、探索済みの階層同様処理を行う。


紙 「ん?岩虎(がんこ)?これって、ガーゴイルみたいな奴だよな?無生物型の魔物だっけ?」


ゴンちゃん 「いえ、生物ですが岩の性質を持っています。石の性質を持つ植物があるのですが、それを食べるんです。金属生命体の様に普段は普通の食事をします。まあ、肉食ですけど。」


神域の情報であった、あれかぁ。金属生命体が食べる魔氣化宜草(まきかぎそう)と同じで、石竹とか言う植物を食べるんだ。あ、石竹と言っても地球のナデシコ科の植物とは違うぞ。字の通り石の性質を持った竹だ。それの筍を食べるんだよ。石竹は季節関係無く筍が生えるから。岩虎は神社の狛犬みたいな感じでジッとしていることが多い生物だ。大人しくしている時は石の彫刻の様な見た目になる。動き出すと普通の虎で色が灰色の虎になるけど。ガーゴイルは無生物型の魔物だけど、動く時はトカゲっぽい質感の肌になる。それとガーゴイルは限定的なエナジードレイン能力を持っていたっけ?倒した相手の生命力を魔力に変えて吸い取るんだったな。無生物型の魔物は、この限定的なエナジードレイン能力で動いているのが多かったはずだ。


お面 「石の性質を持つ魔物には石化は効果が無いですぜ、旦那。」


赤熱 「出番だな。」


白熱 「ああ、存分に働こう。」


いやいや、取り合えず”石化”してから、他の処理するよ。”特殊能力:紙”の能力使うかな。


紙 「待て待て!取り合えず”石化”。残ったのは、”特殊能力:紙”の梱包を使うとする。”包装紙”で敵魔物を梱包、折り畳み。」


石化が効かない魔物の岩虎を”包装紙”で梱包し、折り畳んで処理を行った。”包装紙”で体全体を梱包するだけでも生物なら窒息死するのだが、圧縮・折り曲げを行うことで迅速に処理したんだよ。

本来は拘束的な目的で使用する能力だが、こういう使い方も出来る。この能力は梱包対象を生かしておく場合、呼吸可能にしておく必要があるんだよ。

俺は石の性質を持つ魔物も強制的に石化することも可能だが、効率を優先した。魔力の調整面倒だし、空間に余計に魔力が増えすぎるとダンジョンが活性化するからさ。後始末が増えそうなんでね。

魔法を使うと魔法効果が切れた後、空間に魔力になって拡散するんだよ。この世界の連中が魔法を行使した時は普通に拡散されるけど、俺の場合は処理が終わったら魔力になって拡散するイメージも含めて処理する必要がある。そうしないと魔法効果がそのまま残るからね。

それ程気にしなくても大丈夫だけど。無意識で処理できるから。

問題が発生すれば根神さんもいるからね。最悪は時間軸調整して処理も出来るし。…仕事増えるから、やりたくないけど。


魔剣ども 「何故我らを使わんのだ?主よ。」


紙 「宝箱に影響出ると困るから。」


お面 「そうでやすよ。それに魔剣使ったら、時間が余計にかかりやす。」


そうなんだよね。文句は無視してアイテムを回収した。

通路にいた魔物は以下の通り。


岩虎:ドロップアイテムは皮、爪、牙、魔石。アンデットモンスター化した魔物はいなかった。こいつの皮は石化耐性がある防具に加工できる。物理耐性も高い。但し、急激な温度変化に弱い。加熱してから急冷するとかは、石と同じで砕ける。普通の毛皮と触った感じは変わらないけど、妙な特性があるのが魔物の素材だ。


人虎:ドロップアイテムは皮、猫手、魔石。虎以外に豹、ジャガー、山猫の人型の魔物がいた。獣人に似ているが、こいつらは2足歩行のネコ科生物の魔物だ。それにこの世界の獣人の手足は、人の手足と変わらない。ドロップアイテムの猫手と言うのは、暗器の一種だ。アンデットモンスター化した魔物はいなかった。


(てい):ドロップアイテムは皮、骨、牙、魔石。アンデットモンスター化した魔物はいなかった。見た目は虎だが、尻尾は牛の尾で鳴き声は犬。こいつは肉食で人食いだ。中国の”山海経”にある怪物の同類みたいだ。虎の骨は薬の材料だったな。地球にも活絡丹(かつらくたん)って漢方薬に入っているんだったか?現在は販売されていないけど。


羅羅(らら):ドロップアイテムは皮、骨、牙、魔石。アンデットモンスター化した魔物はいなかった。見た目は青い虎。こいつも肉食で人食い。これも”山海経”にある怪物の同類みたい。


宝箱は1個。中身はドーピング薬で瞬発力アップの薬が入っていた。


紙 「うーん、使えるアイテムが無いな。ドーピング薬も副作用が凄いし。効果時間は5分で、薬が切れると1時間動けないって、使えないぞ。瞬発力も3割アップするだけだし。暗器も使い道無いぞ。材質は黒鉄(くろがね)だけどさぁ。」


黒鉄(くろがね)と言うのは普通の鉄では無く、黒光りする鉄で魔力伝導率が高い。地球の黒鉄(くろがね)とは別物だ。魔鉄と違って魔力は帯びていない。黒鉄鉱石(くろがねこうせき)から精錬するファンタジー金属だ。鈍い鉛色の光を放つ。


お面 「この階層のアイテムで貴重なのは岩虎の皮でやすよ。」


ゴンちゃん 「我々に必要なアイテムは基本的に無いですよ。酒をドロップする植物系の魔物なら別ですが。」


魔剣ども 「我らに出番を作らんからだぞ!主よ。」


それは違うな。完成図書の情報通りだからね。


紙 「まあいいよ。皮は毛皮だし、ゴンちゃんやワイバーンの巣で敷物代わりに使ってよ。」


ゴンちゃん 「別に要りませんけど、不要なものはスカベンジャー・スライムに与えれば処理してくれますよ。」


お面 「アイテムの処理は後にしやしょうや。階層ボス部屋へ行きやしょう。」


そうするか。

さっさと処理しよう。

そう言えば、2階層から魔物の種類が同種の奴しか出ないなぁ。管理しやすいからかもしれないね。気にしても仕方が無いけど。



◇◆◇◆◇◆



階層ボス部屋へ入ったが、魔物の数が少ない。

…だが、予想外の魔物の見た目だった。ナニコレ。

確かに虎と言うかネコ科なんだろう。体は虎だもんな。神域の情報にあった強力な魔物の一つだけど、実際の見た目はこれなのかぁ。

”石化”を使って迅速に処理した。


倒寿(とうじゅ):ドロップアイテムは皮、牙、魔石。アンデットモンスター化した魔物はいなかった。大型の虎だが人面で長い牙を持つ。人面のサーベルタイガーと言う感じか。肉食で人食いだ。人面がとぼけたおっさん顔だ。中国の”神異経”に出てくる怪物の同類みたいだ。


開明獣(かいめいじゅう):ドロップアイテムは皮、爪、魔石。アンデットモンスター化した魔物はいなかった。大型の虎の体で人面なのだが、首が九つある。頭部は全部人面。十一面観音菩薩と言うのがあるけど、それの体が虎バージョンと言った感じか?中国の”山海経”に出てくる怪物の同類っぽい。


陸吾(りくご):ドロップアイテムは皮、爪、魔石。アンデットモンスター化した魔物はいなかった。大型の虎の体で人面なのだが、尾が九つある。これも中国の”山海経”に出てくる怪物の同類みたい。


白虎:ドロップアイテムは牙、魔石、宝箱。アンデットモンスター化した魔物はいなかった。巨大な白い虎の魔物だ。本来は知能が高く人語を話すことが可能だが、ダンジョンの魔物だと会話できない。地球の神話で西を守る聖獣とされているモノの魔物だ。肉食で獰猛。俊敏で素早い。


宝箱の中身は、白虎の毛皮のマントでフード付きだ。魔法・物理耐性が高い物だな。だけど柄がねぇ。白い虎柄かぁ。色々魔法も付与されているし、良い物だけど微妙な気分になるなぁ。おばちゃんファッションのヒョウ柄みたいな感じがするう。パンツじゃないだけマシだけどさぁ。俺は鬼じゃ無くて、一応神の同類だし。虎柄パンツはねぇ。


…ん?マントのフードが虎の頭部になってるな。フード被るとプロレスラーのマスクマンっぽい感じだなぁ。猫みたいに夜目が利くようになったりする効果があるようだ。ある程度鼻も利くし、耳も良くなる効果が付与されてる。俺には意味が無いんだけど。それにこのマント意思を持つ装備だ。俺を拒絶しないかな?と言うよりも俺が装備を拒否したい。


紙 「…マントよ、お前を装備するの嫌だ。」


マント 「我は普通のマントでは無い!”雷壁”の銘を持つマントだぞ!魔力を使用することで、雷属性の魔晶石から障壁を生み出し装備者を守ることが出来る!我は自身を犠牲にしても、主を守ろうでは無いか!他にも魔法効果が色々と付与されている!」


知ってるよ。神域の情報にあったから。火鼠のローブ同様馬鹿装備だってね。魔晶石は元が琥珀だな。

雷属性って風神雷神の雷様かよ。俺は鬼じゃねーっての。


紙 「別に有害な攻撃などは、俺は無効化するので防具必要無いんだよ。」


雷壁 「そんなことを言うな!主が我を装備するに値する力の持ち主なのは判明している。我を装備せよ!魔剣よ、お主らも意思を持つ装備だな?主の説得に協力せい!」


赤熱 「マントよ、諦めろ。」


白熱 「赤熱の言う通りだぞ。主に防具は必要ない。我も主の戦闘を見ているからな。」


お面 「旦那、そのマントは魔剣の様に形状が変化できるはずでやす。」


ゴンちゃん 「私が使いましょうか?」


雷壁 「ドラゴンは触るな!人型でも分かるぞ。お主には必要ないであろう。竜種はネコ科にとって敵だ!お主ら竜種は虎も捕食するでは無いか!」


ゴンちゃん 「攻撃してきたら、返り討ちにするだけだ!ネコ科の肉は不味いからな。」


ゴンちゃん食ったことあるんだ。マントも装備しないと何時までも駄々こねそうなんだよねぇ。


紙 「マントよ、お前は雷を纏うことが出来るだろう?それだと周りの者が危険すぎるんだよ。」


このマントは魔晶石に魔力を供給することで、SFの電磁バリアの様な障壁を展開する。超高電圧で展開する為、周りのモノは危険だ。装備者には影響無いけど、金属製品などは問題になる。気を付けないと絶縁体も絶縁破壊が起きる馬鹿装備なのだ。俺が装備する場合はデータシート改変で対応する必要がある。他の装備品が影響を受けるからね。普通の魔力障壁を展開する設定が必要だろう。


雷壁 「雷壁と呼べ!主よ。無暗に雷は纏わんから安心せよ。…分かっている、我のプリチーなモードを見せれば嫌とは言うまい。」


マントが魔剣同様に変な形になったぞ。…おい!神域の情報だと猫になるんじゃなかったか?ナニコレ。


紙 「…お前、それがプリチーなのか?人面猫って何だよ。」


体は白地に虎縞の猫だが、頭部が人面で猫耳が付いている。顔はとぼけたおっさんで、猫の髭がある。あ、目が猫のだ。眉毛は人と猫の両方ある。


雷壁 「ふっ、余りのプリチーさにショックを受けたか。これで装備されるのは確実だな!マントの時もフードをこの顔にできるから、変装もばっちりだ!」


馬鹿言うな!御免だわ。

ゴンちゃんが笑ってるぞ。俺が装備した所を想像しているな?


紙 「嫌だよ。マジックバッグに仕舞っておこう。」


雷壁 「ま、ま、待て!普通の猫の頭にもなれるから。」


マントは普通の白い虎猫になった。やればできるじゃねーか!


紙 「お前、ふざけてんのか?後でスカベンジャー・スライムに食わせるぞ。」


雷壁 「それは勘弁を!」


紙 「まあ、いいや。装備するけど、ダンジョンは狭いから猫モードで付いて来いよ。マントの時はフードをおっさん顔にするなよ?目立ち過ぎて変装にならんからな。」


そう言うと白い虎猫に羽が生えた。羽は猛禽類の翼に似てる。

マントの能力をデータシート改変で調整した。雷壁は調整前に俺専用装備になっていやがったぞ!宝箱から出した時に魔力量を測りやがったからなぁ。魔剣の時と同じ様に測定拒否を自動で行ったので、俺を所有者と認識したんだ。本来は装備しようとしたときに、能力不足と判断すると電撃を喰らわせるんだよ、このマントは。


紙 「雷壁よ、お前飛べるのか?」


雷壁 「勿論飛べる。白虎は飛虎と呼ばれる能力もあるのでな。我もその力を引き継いでいる。それほど速くは飛べんが、マントの時に装備者を飛行させることも可能だ。」


紙 「ふーん。ゴンちゃん、そうなの?」


ゴンちゃん 「私も見たことは無いのですが、白虎は飛べますよ。羽で浮かんで、低空を走る感じだったはずです。」


そうなんだ。飛虎と言うよりも中国の神話に出てくる四凶の一つ、窮奇(きゅうき)みたいだが…。

まあ、気にしても仕方が無い。ここは摩訶不思議の力が存在する異世界だからな。

別に自分で飛行できるから要らない能力だけどね。俺の場合厳密には飛行しているんでは無く、空中に存在している(・・・・・・・・・)んだけどね。

飛行魔法も使えるから飛べるのは間違いないんだけど、”在るモノ”としては微妙に異なるんだよ。特殊な存在なんでね。気にしても仕方がない事ではあるけど。


ま、次の階層へ行くとしよう。



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