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第三十五話 懐古趣味?とヤヴァイモノ

神域へ転移してきた。


…良かった。根神さん、取り合えず服着てる。

でもあれって、バブル時代のデスコと呼ばれた場所にあった”お立ち台”って奴じゃねーの?ミラーボールとかもある。

俺は”クラブ”とか”デスコ”とか行ったこと無いんで、映像資料でしか知らないんだけど。踊りとかナンパ出来る人間じゃ無いから、”ナウなヤングの遊び場”のような場所へは近づかないんだよ。

おっさん何で、昔の言葉で説明してみた。

今時使わない死語を使うのは、スゲー滑稽だな。


…ヤヴァイ。ミュージックがスタートして、踊り始めたぞ。あの当時ノーパンで踊ってた女性がいたらしいが、ご開帳の演出ってコレか!?


紙 「根神さん!やめてください!ご開帳してくれとか、無茶振りはもうしませんから!すみませんでした。」


速攻で土下座した。

衝撃的な光景だったようで、魔剣どもは絶句している。大人しくていいけど。お面は見なかったことにするつもりだな。実に俺の一部らしい反応だ。関わってはいけないことは、無関心を装うのも大人の対応だ。俺も見なかったことにしたいよ。


根神 「えーっ。折角、演出考えたのに。嬉し恥ずかしのノーパン・チラリズムですよ?衣装は懐かしのミニスカ・ボディコンも用意したのに。ワンレンボディコンスタイルで、バブリーなファー付き扇子も小道具で準備したんですよ?」


そんなこと言わずに勘弁してよ!


紙 「お願いですから!時代を感じる太い眉毛とかもいらないです!根神さんは、神々しくて美しい女神様です!私の無茶振りに律義に応えなくて良いんですよ!止めてください!!」


根神さんが笑いだして、いつもの姿になってくれた。

”見た目は自由に出来る”ってのは、本当なんだな。


根神 「あははは!創平さんは真面目ですからねぇ。別にご開帳しても責任取れとか言わないんですけど。見られて減るもんでもないし。…演出を間違えたかな?同じノーパンなら、ノーパン・シャブシャブが良かったですか?」


紙 「根神さんは女神様なんですから、自分をもっと大事にして下さい!」


ノーパン・シャブシャブとか、かなり前の官僚の接待で問題になった奴じゃん。懐かしすぎる。

根神さんって懐古趣味なのかなぁ?


根神 「知的生命体だった時に、立場上無茶できなかった者が多いので、女神はハジケテル者が多いんですよ?私も性女(せいじょ)的な感じで、堅苦しくて嫌だったなぁ。」


ケラケラと笑いながら、根神さんが答える。

…聖女?何か字が違う感じがしたけど、突っ込まないと不味いよなぁ。


紙 「お願いですから!根神さんは傾奇者では無いでしょう?やめてくださいよ。後、聖女って言いましたけど、字が違うでしょう?」


根神 「…傾奇者。その手があったかぁ!あ、ボケたの分かりました?」


”その手があったかぁ!”じゃないよ。打ち合わせに来たんだから。

それにボケなくても良いよ!発音からすると”性女”って言ったな?

全く、なんてことを言うんだ!この女神様は。見た目は美少女だと言うのに、残念すぎる。


紙 「やめてくれないと神代さんへ報告して、日本に帰りますからね。仕事できる環境じゃないって報告しますから!」


根神 「ま、待ってください。もうやりませんから。創平さんの研修の時に、うふーんな行為はしますので!」


何で”うふーんな行為”することになるんだよ。


紙 「嫌ですよ!何で根神さんとしないといけないんですか?」


根神 「えっ?それはやっぱり、”研修のご褒美”的な感じ?ほら、昔の巫女さんは売春的なことをしたって説もあるじゃないですか?私も知的生命体だった時は聖女的な立場でしたから。まあ、したこと無いんですけど…。」


そんなのいらない。

したこと無いなら、自分を大切にしなさいよ!後、巫女さんに失礼だから、そう言う説があっても言わないの!

神様何だから史実を知ってるくせに!

…まあ、研究やってる人もいるから、俺に史実をそのまま言う訳にはいかないんだろうけど。


紙 「根神さんは美女ですけど、別にご褒美とか要らないんで。打ち合わせに来たんですから、状況確認から始めてくださいよ。」


根神 「むう。美女のご褒美がいらないとは、さては男色の趣味が…。」


紙 「男色じゃ無いです!地上を覗いていたんだから、王女との行為を見たでしょ!文句も言われたし。」


根神 「…見ましたよ。ズルしましたね?」


紙 「アレは、ズルでは無いです。効率化を図りました。」


根神 「効率化を図ってはいけないものってあると思います。」


紙 「それはもういいですよ。打ち合わせしましょう!」


根神 「…まあ、仕方が無いです。あまり創平さんをからかうと日本に帰っちゃいますしね。」


やっと根神さんが仕事モードになってくれたよ。

やれやれだ。



◇◆◇◆◇◆



仕事モードになってくれた根神さんと打ち合わせだ。

魔剣どもはいつもと違って大人しい。根神さんを刺激したくないんだろうな。力がある変な存在は何するか分からんから。

…きつい仕事だよ。気合い入れないとね。


紙 「根神さん、この世界の状況はどうですか?恒星とか安定して、私がいる星以外の惑星系とか出来ました?」


根神 「うーん、まだ安定しないですねぇ。恒星は出来るんですけど、質量が足りなかったりして、消滅と再構築している感じです。まあ、創平さんのいる原初の惑星系に影響は無いので、気にしなくても良いですよ。」


紙 「小惑星の隕石でも降るかと思ったんですけど、大丈夫そうですか?」


根神 「影響がある様な隕石とかは、今の所ないです。隕石が降っても大抵は海に落ちますし。あ、ゲームとかにある隕石落とし、”メテオ”みたいな魔法が使いたいとかですか?」


紙 「いえいえ、勇者召喚が危険だと言う歴史的事実を残す為に、”石化”の魔法や石化毒を使う感じで考えていますから。それに”隕石落とし”なんて使ったら、後が大変ですよ。派手さが必要なら、従魔のドラゴンにブレスでも吐かせますので。」


根神 「そう言えば、従魔たちと相談してましたね。”石化”は良いと思いますよ。」


紙 「現状、優先度が高いのは、魔族対応の会合に来る各国の連中の状況なんですけど、どうですか?」


根神 「当初予定の者達は、明日の夕方に全員到着予定ですね。追加で勇者の子孫が各国の依頼で出発してます。急いでいるので、三日で来ますよ。緊急事態と考えた様で、各国とも金に糸目をつけず、特殊な移動用生物の精霊馬に魔石を大量に提供したようです。亜人国は機竜(きりゅう)を使うみたいですね。」


紙 「亜人国は、あの機密になっている奴を使用するんですか?当初予定だと、メソポ王国に駐在している大使が対応だったはずですけど…。」


根神 「ええ。創平さんの環境整備の影響で、力を見せる必要があると考えたようです。各国が亜人に何をさせるか分からないとの判断のようですよ。」


なるほどね。あ、機竜(きりゅう)と言うのは、ドラゴンを改造したものでは無いよ。亜人国のある大陸には、地球で言う恐竜が生息している。その中に機人と同じような金属生命体の恐竜がいる。今回使用するのは、小型の旅客機位の大きさの翼竜(プテラノドンみたいな感じだ。翼竜だけどワイバーンじゃないよ。金属生命体の獣の扱いだ。機力回路を元々持っていて、機人と意思相通が出来る。)で、特殊な移動用生物の様に内部に搭乗することが可能だ。乗れる人数は六人程度だったかな?機人と意思相通が出来る事から分かるように、知能が結構高い生物だ。話しているのを聞くと耳障りな音に聞こえる。読者さんはパソコンのダイヤルアップ接続で使う、音声モデムの接続音をご存知だろうか?丁度あんな感じだ。

今回使うのは翼竜タイプだが、地上活動型の金属生命体の恐竜もいたはずだ。他にも水棲型がいるな。温厚な性格の機竜(きりゅう)と機人は共生関係だが、凶暴な機竜(きりゅう)もいる。数は少ないけどね。

餌の関係で機人と共生関係にある。精霊核を移植していないので、地脈を利用する高速移動は使えないが、翼竜タイプは地球のジェット戦闘機並みの高速飛行と大型輸送機以上の長距離移動が可能だ。機人同様に生体武装でビームを発射する攻撃などが使用できるんだったか?皮膚である金属を弾丸として発射するのは別のタイプだったかな?金属生命体は人の爪みたいに体表の生体金属が伸びると言うか皮膚が新陳代謝する感じで内部から、新しい金属と入れ替わる。人で言う古い角質みたいな古い生体金属を弾丸として貯めることが出来る能力を持つ奴がいて、その弾丸を射出する生体武装を持っている。火薬じゃなくて機力で発射するみたいだけど、原理としては電磁砲、レールガンに近い物らしい。弾丸が古い皮膚に相当する物なので、それ程撃てるわけでは無くて、すぐ弾切れするみたいだけど。

話がそれたけど、翼竜タイプは高速飛行と長距離移動が可能な分、餌として魔氣化宜草(まきかぎそう)を大量に消費する。普段はそれ程食わないんだけど。エルフが同行するだろうから、精霊魔法にある収納魔法が使えるので(収納魔法自体は無属性なんだが、精霊の力を借りれる精霊魔法には標準であるんだよ。他の魔法体系には収納魔法の魔導書が未発見のせいで、使える連中がいないんだったかな?付与魔法に”空間拡張”の魔法はあるけど、強力な魔物の素材が必要になるんだったか。)、魔氣化宜草(まきかぎそう)は確保できるだろうけど。エルフは魔力量が多いし。ドワーフと閉鎖空間で一緒にいるのは厳しいから、交渉役としては同行しないはずだ。無理矢理風呂に入らせるって手もあるけど、そこまでしないだろう。獣人は脳筋で交渉には向かないし、機人に”量子化格納”とか言う能力もあったはずだ。機力を消費するから、捻子魔木(ねじまき)を使うかもね。魔氣化宜草(まきかぎそう)より、金属生命体にとってカロリーが高い食料になるからね。正確にはカロリーじゃないけど、イメージとしては、ガソリンで言うレギュラーとハイオクの違いみたいなものかな?…多分違うな。

”機力”自体良く分からんエネルギーだし、金属生命体の生命力っぽいけど微妙に違う感じだから。

そう言えば、水棲型は華羅駆理草(からくりそう)というワカメの様な見た目で、魔氣化宜草(まきかぎそう)と同じ性質の水草を定期的に摂取する。地球のワカメ同様養殖が出来るので、機人が養殖しているが、ワカメと違って淡水・海水両方で育てることが出来る。


紙 「なるほど。同胞の子孫を寄越して、私を説得するつもりですかね?既に同胞の因子は失ってますけど…。」


根神 「泣き落としでは無いですか?間引かれていた自分達に力を貸してくれとか言いそうですし、同じ召喚勇者の血を引く者の(よしみ)で、とか言いそうです。」


紙 「私の力で同胞の因子を失っていなくても、既に因子は無いに等しい状態ですから同情とかしませんよ。同胞が死んでから世代交代が進んで、血を引いていても既に他人です。この世界の連中でも、その程度は理解できるでしょう?それに間引いた連中の血の方が濃いじゃないですか。同胞は、契約を守らせるように遺言していたのに、それも無視してますからね。」


根神 「まあ、そうですけど。感情に訴える連中は理屈じゃ無いですからね。その辺は機人もいるから、説明するでしょう。生体科学に関しては、地球よりも知識や技術を持ってますから。」


紙 「まあ、魔族対応の会合時にメソポ王国の王族の処刑もしますから、様子見で行こうと思います。会合の日程もズレそうですし。同胞の子孫とは言っても証明できないでしょう?同胞の武具は消滅してますからね。相変わらず誤魔化していますけどバレバレですし。…あ、メソポ王国の第二第三王子はどんな感じですか?」


根神 「あの双子ですか?人質になっていた国の影響をかなり受けていますね。」


げっ、妙なことしそうだなぁ。コウガー帝国では汚職や賄賂が当たり前だし、インダース教国は宗教国家でヒンドゥー教のカースト制みたいな身分制度があるんだったか。確かスゲー身分差別を行う制度なんだよ。

他の国の貴族と平民どころでは無い感じでね。

まあ、馬鹿やらかしたら、問答無用で石化で良いだろう。どうせ殺す必要あるし。

一応どんなタイプか聞いておくか。


紙 「王子どもは武闘派ですか?それとも頭脳派ですか?馬鹿やりそうなら、隷属しないで対応しようかと思うんですが…。」


根神 「両方とも武闘派では無いですけど、プライドが高いタイプです。人質になって性格も歪んでます。人質に出された国がアレな国ですから。アクチノ王女と同じように、創平さんを下等な異世界人扱いするかもしれません。武闘派では無いですが、二人共武術を修めています。コウガー帝国もインダース教国も勇者が伝えた武術を王族などが学ぶので。」


剣術使いと槍術使いか。同胞は武術の基本的なことだけは教えているんだよね。魔法に関しては教えていないけど。魔法に関してはクリミナルが制限を掛けていたし。生活に役立つ魔道具に関する付与魔法は、制限が無かったかな?ただ、魔道具は作るのに特殊な素材が必要になるからねぇ。魔物の核とか魔石とか色々とね。入手しやすい素材で作るとすぐ壊れるし、錬金術専門の魔導士は少ないから、魔道具は高価になるしね。比較的入手しやすいのは、照明用魔道具ぐらいか。

同胞も保護してもらった関係で、武術の基礎は教えたんだよ。この世界では、漫画みたいな技が使えるんだったかな?魔力を使う技で”魔武技”とか呼ぶ技だ。同胞の特殊能力の技で、この世界の連中でも使えそうな基本技を教えたはずだ。元々”氣”を使う武術を持っていたコウガー帝国と”オーラ”を使う武術を持っていたインダース教国だから、相性がいい。

だけどプライドが高いのか。自尊心が高くても良いけど、傲慢なタイプの場合が多いからねぇ。まあ、自尊心自体が『自己の考えが正しくて、他からの干渉を排除する態度。』って意味もあるから。

考えが正しいかどうかなんて、結果次第で変わる物だから、何とも言えないと俺は思うけど。ま、主観の問題だね。

気にしても仕方が無い。アレを確認しておこう。


紙 「根神さん、確認したいんですが、クリミナルから引き継いだ力や知識がある程度分かるようになったんですが、私の存在力の大きさだと生命因子の作成とか物質創造が可能ですね?次元管理局のシステムで、現状は制限が掛かるようですけど。」


ぼんやりとだが、この辺の情報が分かるようになったんだよ。

次元管理局のシステムで閲覧制限のある情報だけど、引継いだクリミナルの知識から何となくは分かるんだ。”出来る感じがする。”みたいな感じでね。俺は、普通こう言うことは思わないんだよ。現実主義者だからさ。


根神 「あー。力が馴染んできて分かっちゃいました?そうですよ。創平さんが物質創造が可能なのは、何となく分かっていたかもしれませんけど、生命因子のことも分かっちゃいましたかぁ。」


紙 「まあ、”特殊能力:紙”で紙製品を創り出せますからねぇ。物質創造が可能じゃないかとは思ってました。複製は現状でも可能ですから。物質創造は管理上問題があるから制限があるんですよね?生命因子は元々作ろうと思わないです。必要無いですから。」


根神 「そうです。創平さんの場合、地球由来の物質を創ることになりますから。科学的な処理で作り出せる物質なら、他の世界の物質でも持ち込んで問題は無いのですが、この世界と地球のある世界では、お互いに存在しない物質もありますから。ファンタジー金属とかは地球には無いですし。」


紙 「まあ、私の地上での行動に影響は無いので、問題は無いですよ。神代さんからも言われていますしね。こちらの世界の鉄とかは、地球の第二次世界大戦以前の鉄と同じで、放射線の影響が無いやつですし。」


根神 「まあ、核兵器が無いですから。放射線自体はありますけどね。こっちの世界の物質は魔素の影響を受けていますよ。」


紙 「大丈夫ですよ。道具などもこっちの世界の奴をデータ化してますから、基本的にそれを使いますので。性能自体はデータシート改変で調整出来ますから、地球の物は使わないですよ。最悪、私の力を使えば、こちらの世界のモノと置き換わりますので。」


根神 「そうして貰えますか?あ、調味料などは使っても良いですよ。地球の調味料の原料と同じ動植物は、こっちの世界に存在するので。…あ、そう言えば暗黒大陸に植物系の魔物で調味料が採れるのがいましたよ。果汁が醤油とかウスターソース等と同じ成分の実が生るやつ。」


紙 「え?そんなのいるんですか。魔物に関しては、あんまりチェックして無いから、知りませんでしたよ。強力な奴と代表的な奴はチェックしましたけど。」


根神 「ほら、酒を造る植物系の魔物がいたじゃないですか。アレの仲間ですよ。醤油の奴は常在菌で麹菌と共生関係にありますね。日本酒と同じ成分の酒が採取できる魔物がいますけど、アレの同類ですね。海岸の近くとか土地が塩分を多く含んでいる場所にいます。暗黒大陸の生物は、塩分補給で舐める実が生る魔物と言う認識で、調理に使っていないです。酒は飲みますけど。あ、実以外に竹のような中が空洞になっている植物の魔物もいて、節の間の空洞部分に酒とか醤油があるのもいますよ。ジュースの取れるのはいたかしら?」


紙 「ああ、魔物は調理しませんし、こっちの世界の食肉は旨味が強いから、塩だけで十分食えますからね。乳製品もありますし、野菜とかも旨味が強いので、肉などと一緒に煮るだけで十分ですから、調味料の果汁が採れても使わないんでしょう。暗黒大陸にしかいないのも原因でしょうけど。人の活動域には、酒の採取できる魔物はいましたっけ?…でも城の味付けは、酸っぱくて嫌ですね。ああ、ジュースとか気にしなくて良いですよ。飲みたくなったら、データから複製しますので。」


根神 「あはは。神域で必要なモノは用意して持って行ってください。創平さんは異世界人ですから、嫌いな味付けを我慢しなくて良いですよ。人の活動域にも酒の採取できる魔物はいますよ。調味料の実が生る魔物はいませんね。酒の採取できる魔物はダンジョン限定ですけど。ドワーフが攻略してますが、採取できる量が少ない為、自分達で同じような酒を再現しようとしてます。閉鎖空間のダンジョンにドワーフですから、他の種族は探索しないんですよ。ドワーフも魔物対策でダンジョン探索時は身綺麗にして探索するんですけどね。臭いで魔物に見つかって殺されるのは避けますから。」


紙 「なるほど。調味料などは、そうさせて貰います。」


根神 「あ、そう言えば、ヌットリヤ食べるのに怯えてましたね?」


紙 「仕方ないですよ。初めて食べる物は、警戒しますって。」


根神 「創平さんは死なないですから、色々チャレンジして大丈夫です!病気にもなりませんので。」


紙 「嫌ですよ!神域で調整して、変なことしないで下さいよ?」


”うふふ”と笑ってごまかされた。やめてくれよな。

能力の確認は済んだけど、地上のことで確認することがある。


紙 「根神さん、私の従魔のワイバーンの巣の近くに出来たダンジョンなんですが、回収しないとヤヴァイ武器とかありそうですか?」


根神 「ちょっと待ってください。…あ、ちょっと回収してもらう方が良さそうですね。ワイバーンの巣の近くだけでは無く、創平さんの従魔のドラゴンの巣がヤヴァイです。あちゃ~、アレが取り込まれていたとは…。」


紙 「え?何ですか。」


そう言って、管理システムの画面を見せて貰う。


紙 「げっ。ゴンちゃんの巣がある山って、全体がダンジョン化しているじゃないですか。」


根神 「それは問題無いですよ。この世界のダンジョンは亜空間ですから。山が崩れるとかは無いです。問題なのは、コレです。回収お願いしても良いですか?」


紙 「…錫杖ですか。杖の頭部の形が変わってますね。私の魔剣と同じように、意志を持っていて人型にもなれるんですか。大きさは任意で変更可能…。んん?何ですか、コレ。」


根神 「その材質が問題なんですよ。それが存在した世界が消滅した時に、本来は無くなる存在なんです。それを生成したせいで、それが存在した世界は消滅したようなモノですから。」


紙 「…ヤヴァイですね。クリミナルの知識だと、生成するのに星全体を必要とするようですが?」


根神 「ええ。”賢者の石”の生成は禁忌なんですよ。星全体を圧縮して生成するので、その空間はブラックホールになるんです。最終的にブラックホールが世界を飲み込んじゃうんです。錫杖の奴は魔導士や錬金術師が生成実験を強行して出来たものです。自分達も巻き込まれて”賢者の石”の一部になってますけど。」


紙 「この世界に残滓として取り込まれていたんですか?」


根神 「…生命因子の一つとして取り込んでいましたが、あそこまでの存在では無かったです。あくまで因子の一つでした。勇者召喚の影響のようですね。星のコアの因子の一つになっていたんですが、勇者召喚で世界の狭間と繋がる時に地脈が影響を受けて、勇者召喚魔法陣の存在力補填システムから存在力の供給を受けたようですね。強力な存在である創平さんに反応して、武器として生成されたんです。…アレ以外は、この世界に存在しませんね。」


あちゃ~。こりゃあ、回収しないわけにいかんなぁ。


紙 「これって、分身じゃまずいですよね?私自身が回収しないと。」


根神 「そうですね。分身でも大丈夫だとは思いますが、意志を持っているので、駄々こねそうです。」


そうかぁ。仕事増えたなぁ。


紙 「私以外の者が近づくのは、ちょっと無理そうです。ゴンちゃんの巣にあるようですね。結界で触れないようになってますけど。」


根神 「ダンジョンボスのドロップアイテムになりますね。私や創平さんなら、ダンジョン攻略しなくてもドラゴンの巣から結界解除して持ち出せます。…持ち出しても影響は、特になさそうですね。山が噴火するかもしれませんが。星は地脈の力で影響を抑えてますから。あ、ドロップアイテムはランダムですが、大丈夫ですか?」


噴火?それは不味いだろう。ゴンちゃんは俺の従魔で協力して貰うんだから。


紙 「噴火は不味いですよ。ゴンちゃんの巣も出入口に結界があるので侵入はされないようですし、取りあえずは大丈夫ですけど、後でダンジョン攻略しますよ。それほど時間はかかりませんから。ドロップアイテムも気にしなくていいですよ。データシート改変で対応しますから。」


根神 「そうですか?噴火させても、あのドラゴン種は創平さんの従魔だけでは無いので、別に絶滅の心配は無いですけど…。」


紙 「ダンジョン攻略は私自身が行って、人の活動域に分身を残せば問題は無いです。噴火させた場合、暗黒大陸の広範囲に影響ありそうですし。」


根神 「創平さんがそう言われるなら、構いませんが。」


紙 「まあ、従魔に案内してもらいますよ。他に探索するモノがいないですから、特殊能力で対応すれば良いだけですし。すぐ終わります。」


根神 「すみませんが、お願いします。担当している世界の地上に降りるのは、あまりしない方が良いですから。」


紙 「了解です。」


他の行動予定や情報の確認をして、城に戻った。

だけど厄介なモノが生成されたなぁ。

下手に使うと地脈に影響を与えて、星が崩壊する場合があるようだ。”賢者の石”だけじゃなくて、錫杖の素材の関係でね。土属性の武器になるようだけど、属性関係無く、この世界が取り込んだ魔法をほとんど使用できるみたい。錫杖自体が魔法の知識を持っている一種の魔導書だな。所有者に魔法知識を与える機能が付いている。…召喚勇者には必要無いけど。俺もいらないなぁ。

後は、神域の情報だと属性変化が可能となっていたから、入手時に確認する必要がある。”賢者の石”の関係で材質などが変化するかもしれない。陰陽五行説系の武器かもね。

魔力の増幅作用が半端じゃない性能で、錫杖自体も独自で魔法が使用できるようだ。地脈の力を魔力に変換する機能が付いているし。この錫杖、所有者が俺や根神さんみたいに魔力量の制限が無い者が使わないと危険すぎる。魔力が不足すると空間の魔力も吸い取るし。

俺の魔剣と同じように、力があると判断されないと殺されるみたい。エナジードレイン・システムも持ってやがる。まあ、俺には効果無いけど。吸い取った生命力も魔力に変換する。でたらめな性能だ。

伝承にある卑金属を金に変換する触媒にもなるようだな。ただ、その使い方をすると賢者の石自体が消滅するようだ。後は、不老不死の薬の触媒か。これは、存在力がそれほど高くない次元管理局所属の神が訓練する世界で”箱庭”ってのが、あるそうだけど、そこの生命体のみ効果がある物らしい。”箱庭”の生命体の魂を担当する世界に持ち込む神がいるそうで、そのせいで不老不死の薬の触媒の記憶を保持した魂が、伝えた情報みたいだね。賢者の石も生成物では無くて、そう言う性質を持った物質と言う形で”箱庭”に極々少量存在させるそうだ。しかも不老不死と言うのは、世界に同化することであって、自我も徐々に無くなるので死ぬのと変わらない。肉体が素粒子になって、自我が暫くあるだけだって。死ぬのと違って苦しみや痛みは無いそうだけど。

仙人の仙丹って呼ばれる不老不死の薬は存在しないそうだ。万病を治癒する薬はあるそうだけどね。

次元管理局にも仙人出身の神がいるそうだけど、全員精神力や存在力を高める修業を修めたそうだ。

普通にいなくなると問題な場合に仙丹を飲んで仙人になった幻覚を見せる対応をしたことがある神がいて、不老不死の仙丹があるって伝説は、そのせいらしい。

話がずれたな。

こっちの世界に来る前は、観光気分で大丈夫って言ってたんだがなぁ。当初予定と大分違うよ。

魔族対応の会合対応とダンジョン探索の同時進行か。星が俺に反応したから仕方が無いけどね。

ワイバーンの巣の近所のダンジョンとゴンちゃんの巣のダンジョン両方に、錫杖以外の強力な武器や道具もドロップするリストにあったんだよ。全部回収する必要あるよなぁ。絶対回収しないと不味いのが錫杖で、後は回収しなくても一応大丈夫ではあるんだけど。強力でも俺の魔剣と同程度の性能だからさ。

はあ~。面倒くさいったらないね。

各国が俺に刺客でも送ってこないかな?毒を盛るとかでも良いけど。

そうすれば、虐殺するだけで仕事も早く終わるんだけどねぇ。

…ダンジョン探索かぁ。不快指数が高そうで嫌だなぁ。

仕事だと割り切ることにしよう。

やれやれ。



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