表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/51

第二十八話 街の味付けと打ち合わせ

城に戻って来た。

明日、謁見の間で責任追及をする段取りを案内役に指示して、国賓用の客室へ。

ゴンちゃんとヴァンちゃんも一緒だ。

人払いをして、消音効果を持つ結界を展開する。

冒険者ギルドで没収した食料と酒を出してやる。データ保存済みなので、複製可能だ。

厨房にあった料理も没収したので、それも出す。

ゴンちゃん達の餌が必要と説明したが、実は名付けしたゴンちゃんとヴァンちゃんは、神使になって事情が変わっている。


紙 「お前たち、変化している時は人と同じ量の食事で大丈夫なんだよな?名付けの儀式で命名したから、食事しなくても大丈夫な筈ではあるが…。」


ゴンちゃん 「…そう言えば、のども乾かないし、腹も減りません。これは一体?」


ヴァンちゃん 「確かに空腹を感じません。人に変化していると言ってもおかしいです。主様が何かしたのでしょうか?」


紙 「俺の特殊能力の影響だ。空間の魔素から水分や必要な栄養素を創り出して、肉体を保つことが出来る俺の能力を分け与えているんだ。俺が行った名付けの儀式は、一種の能力貸与なんだよ。他の連中に、この能力を知られるのは問題だ。他言無用だぞ。お前らに念話能力を付与してやったろ?それと同じようなもんだ。普通に食事も出来るから、食事にしよう。あ、先に環境整備で分身を各国の権力者どもに送っておこう。メソポ王国に認めさせたのと同じ権利を確保して、行動の自由を認めさせないとな。権力者のリストもあるし。」


従魔たちに神使になったことは言えないので、それらしいことを説明する。ゴンちゃんたちは、俺の説明に納得したようだ。摩訶不思議の力のある世界の生物だけあって、適当な能力とかをでっち上げても”そういう力もあるのか”程度の認識みたい。

次元管理局の神が使う神使は、肉体や能力が強化されるし、食事が不要になる。使役する神の力によって食事しなくても肉体を維持出来る。これは、高次元の存在である神は食事不要であり、神と共に行動する神使に食事などが必要だと行動に制限が出る為だ。俺も次元管理局の仕事をしている関係で、”神(仮)”みたいな立場になっているんだよ。まあ、こいつらの場合、普通の従魔で十分なんだけど、能力の仕様の関係でね。

各国の権力者のリストは、根神さんに頼んで作って貰っている。地図連動型になっているので、どこにいるのかもリアルタイムで分かる。

メソポ王国の様に首都に上位貴族は居住義務がある国もあるが、その場合は領地に代官がいる。今回は、貴族とその家族を領地に強制的に転移させて、串刺し刑にした屑ども同様に、以前説明した歴代勇者関連の事実を正確な情報の資料を与えて発表させる。各国のせいで俺が人攫いにあった理由も合わせて発表だな。俺に認める権利も発表させる予定だ。各国の代表が発表する時が楽しみだな。俺が敵対しているのを発表させるから。勇者関連の事実を発表するまで一時的に隷属するが、発表後は自動で解放する。但し、発表した内容は撤回できない呪いを掛けるとしよう。一時的な隷属にとどめて、刺客を送られたりする方が、虐殺理由の強化につながるからね。分身と俺はシステム的に繋がっているので、データシート改変などの能力も分身を経由して使用できるから、本体の俺はこっちで状況整理でもするとしよう。

メソポ王国に関しては、貴族だけで良いな。屑王には明日命令すればいいし。

…そうだ!同胞の契約で亜人を差別しないというのがあるが、盗賊や野盗、人攫いと結託した貴族や奴隷商のリストと犯罪の証拠も神域で確保しているから、こいつらを捕らえて各国の権力者に証拠付きで引き渡して追及するかな。俺の行動に文句が言えないようになるだろう。

屑どもを捕らえる時は、”特殊能力:紙”のあの機能を使ってみるかな。地図連動の”お取り寄せリスト”ってのがあって、指定条件で”発注伝票”を使い、まとめて転移することが出来る。転移条件も”行動不能”で転移させるとかの条件付けも可能だ。紙変換するとかもね。クリミナルから引き継いだ力も馴染んできたようで、俺の”特殊能力:紙”も自由度がアップしているんだよ。まあ、今回は勇者関連の事実何かの発表だけで良いかな?小出しで嫌がらせするのも効果ありそうだし。


…分身を送り込んだので食事にする。

城の食事と違う味か確認しようと思ったのと、神域の情報で気になっていたことがあるのだ。食事しながら状況確認は可能だしね。

魔剣を人型にしておく。ゴンちゃんとヴァンちゃんには説明済みだ。人族や亜人の一般常識などの情報は、魔物より知っているから。

お面に関しては秘密だ。必要以上の情報開示は良くないからね。データシート改変で制限すれば問題は無いけどさ。


紙 「飲み物は、こっちの世界の物だと酒しか無いが、水が欲しければ魔法でお前ら出せるだろう?魔族だった時の魔法知識で”浄水”の魔法使えるよな?”生活魔法”に関して、この世界の知的生命体は知識が無いが、魔族は魔物を使役する関係で持っているからな。あ、そう言えば、魔法で水は作れるのに酒を造る魔法は無いんだっけ?」


赤熱 「主よ、気にする必要は無い。魔物の胃腸は人よりも遥かに強靭だ。野生生物だからな。それに、敗者に情けを掛ける必要は無いぞ。」


白熱 「そうだぞ。人型の魔物でも調理などをするのは稀だ。火を使うモノはいるが、食事は生肉を食ったりしているようだし、気にすることは無い。」


味方に対して酷いな。まあ、竜種最上位種と飛竜最上位種だから強靭だけどさ、多少は優しくしてやろうよ。拷問したから、飴と鞭の飴だ。

魔物でも人型は知能がある程度あるので、火を使ったりもするが、生肉の方が肉に含まれる魔素を吸収しやすい為、生肉で食うのが普通だ。調理が出来ないわけでは無いがね。調理をする魔物もいるし。獣型は食性による。草食なのは肉食わない。

この世界の人族などは、地球と同様に調理は必要だ。特に生物には強力な寄生虫が居たりするので、生肉や生魚を食うのは危険だ。寄生虫型の魔物だったりするしな。この世界の寄生虫や寄生虫型の魔物は熱と言うか温度変化にとても弱い。プラスマイナス3度を超えた温度変化で死ぬ。

魔物は寄生されても共生なので問題無い。魔物以外は共生出来ない寄生生物だと病気になる。最悪は死ぬから。


お面 『旦那、魔剣の言うことも事実でありやすが、竜種や亜竜種は酒や甘いものが好きだって神域の情報にありやした。酒蔵を好んで襲うドラゴンもいやすしね。気にしないで大丈夫でやすよ。酒を造る魔法は無いですぜ。発酵を促進する魔法はありやすがね。錬金術で酒は造れるからじゃねーですか?』


お面が情報をくれたが、この世界の一般的な酒はエールやシードルのような物だ。ワインもあるけどね。蒸留酒もあるけど一般的では無いな。酒で飲むよりは消毒薬の扱いだ。冒険者ギルドで没収したのは、エールとワインだ。シードルの様なものは無かった。地理的な関係もあると思う。この辺では、リンゴや似た果物を栽培していないようだから。

なるほど。酒を造る魔法が開発されないのは、錬金術があるからか。魔法がある世界だと錬金術がセットになってるって神域の情報にあったからな。わざわざ嗜好品を造る魔法は要らないって事か。発酵促進の魔法は威力を抑えた腐食の魔法の劣化版だしな。消滅した世界で攻撃用途で開発したけど、効果が微妙だから用途変更したんだっけ。腐食の魔法をそのまま使うと自分が腐食するリスクが高いから。まあ、神の同類である俺なら酒を造る魔法も出来るけど、魔法で酒を造るとしたら酒の味をイメージする必要があるからなぁ。俺は酒嫌いだから、わざわざ魔法作らんぞ!それに魔法世界に無いってことは利権絡みで禁忌になってる可能性もある。宗教とかと酒は絡んでいる場合もあるし。

…ん?待てよ。コーヒーとかお茶とかコーラみたいな飲み物も魔法で作れるって事か?俺は”特殊能力:紙”の複製機能で同じことが出来るから魔法は作らんけどさ。そんな魔法作ったら、良いように利用されるだけだし。あ、この辺が魔法の開発しない理由かぁ。魔法使いも知識階級だから利用されるのは避けるわな。複合的に属性を混ぜる必要もあるだろうしね。植物系因子を使うから五行系の木属性とかが水属性以外に必要だろうし、加熱や冷却も必要だろうね。ん?発酵には微生物が必要だから魔法で酒は造れないのか?木属性の魔法で植物を生み出しても疑似的に生み出すだけだったな。時間経過で消滅するし。土属性で石を造っても暫くすると消えるしね。固定するには周りの元素を集めて使用する必要がある。植物の場合はすでにある植物を弄る必要がある。この制限があるから、水以外は魔法で出せないか。水は何故か制限が無いんだよね。回復魔法とかも物質を再生と言うか欠損部分を創ってるけど(高位の回復魔法に限るけどね。一般的な回復魔法は傷などを塞いだり、自然治癒能力を高める程度だ。)制限的には外れているな。この世界では無いけど、魔素が基本因子になっている世界だと物質なんかも魔素が変化したものだから、魔法の自由度が高いらしいけどね。…魔道具なら素材自体に因子が含まれているからお茶や酒とかを出すモノとかも可能か。少し微妙ではあるけど、空間にある元素を吸収するようにすれば可能ではあるな。菌も共生させれば良いんだし。地球の蔵付き酵母みたいな感じでね。この世界の魔法単体では酒とかを造るのは難しそうだな。生命因子を作るには”在るモノ”でもある程度存在力が必要だし。…あれ?もしかして俺も生命因子作れるんじゃね?物質創造とかもさ。気にしても仕方が無いけど、根神さんに確認するか。酒とかお茶とかの魔法はどうでも良いけど。空間の元素を弄ってアルコールを作るようにすればいけそうだけど、かなり高度な魔法になるな。恐らく人体再生魔法レベルだな。嗜好品にそこまでするのはアホだろう?話がそれたな。戻そう。

食材で魚もあったが、消滅した世界の残滓だろう。異常にデカい鮭のような魚だった。鑑定したけど、これで魔物じゃないんだからな。(大サケモドキって魚だ。海水・淡水両方で生息可能だって。没収したのは、生では無くて新巻鮭みたいな塩漬けだったけどね。)地球でも日本では規制されていたのか見たことは無いが、遺伝子組み換えで成長が早く、巨大になるサーモンを創っていたが、あれと同じ感じだと思う。川魚だろうから鮭と言うより、ニジマスとかの仲間で鱒になるのか?切り身を焼いた料理を没収したから、確認しようと思っているんだ。

神域の情報だと、この世界の基になった消滅した世界でも、何でもかんでも改良しているわけじゃないし、残滓として取り込んでいないものも多いから、当たりハズレはあるらしいけど。植物なんかは、味よりも荒れ地や厳しい環境でも育つ品種が栽培されている方が多いようだ。

ワインも現代の地球の奴と違って、大昔(ローマ時代の前期位まで)と同じでアルコール度数が低く、甘いと神域の情報にあったのだ。酒は嫌いだが、確認しようと思ってね。

甘すぎる味わいを和らげるため、ワインは水割りにするのが主流の飲み方なのは、地球の昔の状況と同じだし、砂糖の生産量は少ないので甘味料が割高なのは以前説明したが、上流階級は蜂蜜、平民は果汁を煮詰めたものを甘味料として利用することが、この世界では多かったりするようだ。この世界でも果物は比較的作っているからね。

それに確認しようと思ったのは、この世界の食材が、基になった消滅した世界で改良された植物や生物が統合されているはずなので、素材自体は地球の物より味や栄養が良い筈なのだ。…当たればだけど。

城の調理の関係で、微妙な味なのか確認したかったんだよ。食肉に関しては、食用可能な魔物の肉の方が味は良いような情報はあったけど、現状持っているのはゴンちゃんの肉とヴァンちゃん達ワイバーンの肉(データから出せる。)だし、これは最上位種の肉だから比較対象にならないだろう。魔物の肉は強力な魔物の方が栄養があり、味が良いらしい。


ゴンちゃん 「主様、お気遣いは不要です。これでも最上位種です。変化していても胃腸などの強さは、私の場合ドラゴンのままですので、毒のあるものを食べてもほんの少し気分が悪くなる程度ですから、そう簡単に死にません。それに毒のブレスも吐けるので強力な耐性を持っていますから、解毒も出来ます。魔法もありますし。」


ヴァンちゃん 「そうですよ。私の場合、ワイバーンは毒を生成できるので、毒を無害化も出来ます。胃腸の強さもドラゴンとそれ程変わりません。その辺の雑魚と一緒にしないで下さい。」


お前ら、毒は入ってないぞ。何で毒入り前提なの?


紙 「毒は入ってないよ。確認したから。食事不要なのがこの世界の連中に知られるのは、行動に支障があるかもしれないし、味の確認の為だよ。どうせ食べるなら不味い物は食いたくないし。お前ら知らないだろうけど、城の食事は酸っぱいんだよ。俺は、酸っぱい味付けは好みじゃない。街の食事は塩味だって聞いたから確認だ。お前らは魔族の時も俺と戦うつもりは無かったろ?俺は魔族がどういう存在か知っているしな。従魔になったんだから、お前らは敵じゃない、協力者だ。協力者に食事させるのは、この世界でも普通のことだろう?俺の世界の食い物もあるけど、お前らが食う場合は調整する必要がある。こちらの世界とは(ことわり)の違う世界の食い物だからな。俺は両方の世界に適応しているから問題無いが、他の奴がそのまま食うのは問題があるんだよ。あ、食事不要の体になっても、食ったら排泄行為は必要だからな。人の状態で排泄するのに問題あるなら、変化を解いて街の外で済ませろよ。便所の使い方は分かるよな?紙が必要なら出すけど。」


ゴンちゃん 「…主様、魔族だったので、それぐらいわかりますよ。食事するのに、そんな話しないで下さい。」


ヴァンちゃん 「別に排泄行為は、人の状態で問題無いですよ。そんなに心配しなくて大丈夫です。お気遣いは有難いですが、食事前に話すことでは無いと…。」


従魔どもは、困ったような何とも言えない表情をしている。

だって、一応確認は必要だろう?野生生物なんだからさ。

トイレットペーパー要らないのか?俺は召喚された時、特殊能力の使い方が良く分からなくて、無意識に周りの連中を”紙変換”したけど、意識すれば紙製品は出せるんだ。

この世界の便所では、古代ローマじゃないが海綿を使ったり、木べらだったり、東南アジア的な水洗い(ウォシュレットじゃないぞ!)なんだよ。こいつらの場合は、生活魔法で問題無いけど。


…まあ、食事にしよう。


紙 「話は食いながらしよう。冒険者の食い物だから、味がどうかは分からんが。」


実はデータシートで食材の情報を確認しても味に関しては不明なんだよ。”味に関しては、個人の主観による”って表示になってさ。食用可能かどうかの情報しか無いんだ。要加熱とかの情報は、あるんだけど。どうやら、俺は毒物を摂取しても無害化してしまうので、その影響らしい。この辺は根神さん達も同じらしいんだ。主観に影響されるタイプの事象は、高位の神の感知能力でも甘いとか辛いとか酸っぱいなど味の傾向は分かるけど、美味いか不味いかは分からないんだって。確認するには食べるしか無いそうだ。

これは食事不要の影響と言ってたな。


エールを飲んでみる。…水っぽい。アルコール分で保存がきく為、移動時などの水代わりにされているのは情報にあったが、納得だ。地球のビールよりずっと薄くて、生温かい感じと言えば分かるだろうか?地球のビールと同じようなモノもあるらしいが、アルコール分が高くなっているようだ。エールなので常温だけどね。

ワインも飲んでみる。…なるほど。かなり甘い。葡萄ジュースにアルコールを少し添加した感じだ。水で割る理由が分かる。原料の葡萄自体も糖度がかなり高いと情報にあったからな。

酒が嫌いな俺でも飲みやすい感じだ。個人的にはお茶や珈琲の方が良いけど。

地球の酒で俺が飲んでも良いと思ったのは、アンズ酒とかの果実酒だな。中国酒なんかに面白い物がある。白ワインに金木犀を漬け込んだ酒とか陶器の入れ物に入った林檎酒とかね。中国では高級酒の偽物が出回ったりするが、果実酒は安酒だから偽物を掴むのは普通は無いだろう。アンズ酒なんかは日本でも作っているしね。

従魔どもはワインを水で割って飲んでいる。…美味そうに飲むな。神域の情報通りだ。

だけど魔法って便利だよな。”浄水”の魔法は衛生的だし。日本の水道水は井戸水では無い場所は、川の水だからな。下流域だと上流域の下水を処理した水を川に戻されているのが混ざったのを処理して飲料水にしているんだし。魔法はそんな手間がいらないからね。


紙 「なるほどな。俺の世界の酒に比べて、酒精が高くなくて飲みやすい。甘みを強く感じる。エールは水と変わらないな。そう言えば、ゴンちゃんは宝を集める習性があるドラゴンだろう?俺の行動に役立ちそうな、武器や魔道具の様な物はあるか?」


話していたら、ワイバーンの巣にいた分身の地脈の確認が終わった。

各国の権力者どもに放った分身も六割程度処理終わったな。今夜中には環境整備出来そうだ。

後で話すとしよう。


ゴンちゃん 「あるかも知れませんが、確認しないと分かりません。力を誇示する為に他のドラゴンから取り上げたので、どんなものがあるのか知らないんです。すみません。主様が欲しいなら、全部持って行って構いません。別に無くても困りませんから。一度集めると見ることも無いので、邪魔ですし。」


うーん、何だろう。手に入ると興味が無くなるタイプの収集家みたいだな。

ドラゴンの大型種は収納魔法では無く、”インベントリー”と呼ばれる収納能力が使える種も多い。魔法では無いが、魔力量に容量は左右される。巣に食料を溜め込む種がいる為だ。竜種は冬眠の様に寝ている場合も多いからね。小型種で使えるのはいないけど。


紙 「そうか?じゃあ、地脈の確認もあるから、予定を調整してゴンちゃんの巣を確認しよう。魔力溜まりになった場所は、ダンジョンの一部になっている場合もあるからな。その場合、ダンジョンコアが妙なものを生み出す可能性もある。あ、ヴァンちゃん。ワイバーンの巣だけど、巣が地脈の流れの上にあって、地脈の力が強くなった時に魔族化したようだぞ。巣からそれ程遠くないところに、フィールド型のダンジョンが出来たようだ。ダンジョンが出来る時の魔物の因子を取り込む地脈の流れの影響だな。巣は魔力溜まりになっていないから、そのまま使って大丈夫だぞ。巣の連中にも教えたから、安心して良い。」


ダンジョンは誕生する時に周囲の魔物の因子などを取り込んだりする。

この世界のダンジョンは、ダンジョン以外の魔物が少なくなると周辺に魔物を補充する性質がある。これも星の性質の影響だ。ダンジョン内の魔物が増えすぎて溢れるスタンピートとは違う。

星がダンジョンコアを調整して行うモノだ。通常の生物と魔物が異なる存在である理由の一つだな。無生物型の魔物も存在するし。この世界には、ゴーレムやアンデット、それから飛んでいる本の魔物などもいるんだよ。ダンジョンは、クローンの様に取り込んだ因子で魔物を生み出すことが出来る。後はフィールド型だと植物とかも生み出せるけど、魔物以外の生物は生み出せないね。

ダンジョンには、普通の虫とか蝙蝠とかがいたりするけど、こいつらは勝手に入り込んだ奴だ。探索する冒険者と同じでね。


ヴァンちゃん 「有難うございます。我々の群れの規模だと巣に使える場所も限られるので、助かりました。その内、群れ分けしないといけないのですが、強い個体と同じ群れにいようとする性質が、我々にはあるので…。」


紙 「礼はいらんよ。権力者が歴代勇者関連の事実を発表する時にワイバーンに乗って、俺のことを知らしめようかと思ってるしな。各国の代表が発表する時は、ゴンちゃんを複製して威圧するか。この手の演出した方が良いだろう?ワイバーンも足りないようなら、ヴァンちゃんを複製して対処しよう。メソポ王国は魔族対応しなかった文句を明日言うから、屑王に発表させよう。ゴンちゃんに乗るから、ヴァンちゃんは周りで警戒を頼む。そうそう、名付けの儀式の効果で、ゴンちゃんとヴァンちゃんは睡眠をとらなくても大丈夫だ。俺も睡眠は不要だ。食事同様眠ることも可能だけどな。この城の連中は隷属しているから、襲うようなことは無いと思うが、眠る場合は交代で見張りをするか?俺はこの能力を知られないように、意識して寝ているが…。まあ、俺は襲われたところで無傷だが。ゴンちゃんとヴァンちゃんも普通の攻撃ならダメージは無いと思うが、痛みは感じるだろう?」


ゴンちゃん 「分かりました。我々の主であることを強調しましょう。主様、我々は別に寝ていても大丈夫ですよ。眠っていても、敵を察知するぐらいできますから。夜目も利きますし。」


ヴァンちゃん 「そうですよ。竜種や亜竜種は、人が聞けない音も聞こえる耳を持ってますから、敵が来ても対応できます。」


紙 「そうか。巣のワイバーンには、分身から説明しておくから。眠るのに問題ありそうなら、結界を張っても良いけどな。寝ていても効果は切れないから。見張りは魔剣も出来るし。俺も夜目は利くから。」


赤熱と白熱がサムズアップした。この世界では、地球と同じ意味のジェスチャーを使ってるんだよ。

…話していて、食うのを忘れてたな。

食材の味の確認をしないとね。


紙 「まあ、話は後で良いか。権力者への対応も終わったようだ。明日が楽しみだな。冷めるから料理を食べよう。…うん?塩味だが充分美味いぞ。やっぱり、城の味付けが悪いんじゃねーか。何なんだよ。」


魚の塩焼きと塩味の焼き鳥を食ったが、普通に美味い。城の料理は何で酸っぱいんだ?あんまり食わないようにだろうか?


赤熱 「店で出すなら、不味いと客が来んからでは無いか?」


白熱 「恐らく、赤熱の言う通りだ。城の料理が酸っぱいのは、わざとでは無いか?軍が戦う場合、兵糧確保は重要だが、普段から酸味が強い物を食っていれば、多少古い物でも平気で食えるだろう。訓練の一種では無いか?」


肉体労働なら酸味は必要だろうけど、古くなって酸っぱい物食うのは危険だろう。漬物じゃないんだし。


紙 「白熱の予測が正しいなら、問題だろう。古くなって酸っぱいって、食中毒になるぞ。」


ゴンちゃん 「主様、不味ければ、兵士もあまり食べないでしょう。予算の削減では?今食べている料理は、肉自体の味は暗黒大陸の魔物のモノより落ちますが、調理してあるので美味しいですよ。」


紙 「俺が異世界人のせいなのかなぁ。城の食事の味が変に感じるのは。城の料理は王族も食ってるんだよな。ゴンちゃん達、城の食事も複製できるから、食ってみるか?貴族の家でも同じような味付けだって言ってたぞ。俺は自分の世界で嫌いな物でも食えるようになる拷問の様な訓練(学校給食)を子供の時にしたし、アレルギー持ちじゃ無いので、一応何でも食うけどよ。」


ヴァンちゃん 「昔は何か意図があったかもしれませんが、ずっと続けて慣れてしまったのでは?長く続けると”伝統”で済まされますし。城の食事はいらないです。不味いと言われたものを、わざわざ食べたくないです。人を襲って酒や料理を奪うのは、竜種も亜竜種も下位種になりますから、最上位種の我々に料理の味付けが変なのか判断できないです。我々は他の魔物や下位種から、酒などを取り上げますが、調理させたりはしませんし。」


それはあるかもね。変なことでも長く続くと”伝統”になって、普通になったり特別扱いになるからなぁ。

違う味を試してみると言うのは、あまりやらないのか。

これは俺の主観だが、学校給食で無理矢理食わせようとする教師って、普段個性が大事とか言うくせに、子供の食の細さとか体調とかを考えていなかったり、放課後まで残して食わせようとするとか、いじめの原因になる様な強制を行ったりするけど、アレは躾とは言えんよな。アレルギーは甘えとか言って、無理矢理食わせて事故で処理したりして、責任取らないし。明らかに犯罪行為なら、大人なんだから責任を取らないと嘘だろう?栄養摂取が目的なら、摂取方法を考える方が合理的だ。家畜じゃないが配合飼料の様な粉末状の味が無いような物でもいいわけだし。確か、外国で開発された水で溶くようなのがあったりするよね?完全栄養食とか何とか。話がそれたな。


何でも食おうとする日本人が変わってるのか?中華の広東料理とかの方が色々食うと思うけど。

確か中国の諺で、「生在蘇州、穿在杭州、食在広州、死在柳州」と言うのがあるんだっけ?

「子の誕生を喜び盛大なお祝いを行う蘇州で産まれ、杭州の上質な絹織物を身に着け、広州の美味い食事を食べ、柳州の材木製の棺に入って死ぬ一生が中国人にとって最高の人生」と言う意味だったか?

名産品を並べた感じで、人生とかは関係なさそうだけど。

ヴァンちゃんが他の魔物から酒を奪うって言ったけど、猿系の魔物が猿酒の様なものを作ったりするんだよね。地球だと猿が溜め込んだ果物が自然発酵してできるみたいだけど、猿系の魔物は自分達で作るんだよね。知能がある程度高いからさ。それと植物系の魔物で酒を生み出す奴もいるんだよ。酒を生み出すように遺伝子組み換えした植物が、魔物と統合されている。暗黒大陸には、この植物の魔物も多いようだ。植物の魔物は、蜂の魔物と共生していたりするので、この酒を入手するのは結構危険だ。


紙 「そうかも知れないな。まあ、この世界の食材自体は不味くないことが分かったから、良かったよ。王都での処理が終わったら、物見遊山しよう。次の魔族の攻撃は、メソポ王国南部のはずだ。今回のパターンだとな。星は俺の目的を知っているから、魔族の攻撃予定でも教えてくれるかもしれない。予定が分かれば、行動計画も立てやすいしな。」


皆、頷いていた。明日の対応が終わったら、魔族対応の会合対策だな。

…何か忘れているような気がする。あ、王族に芸をさせるんだった。

忘れる所だったよ。

まあ、順番に処理するとしよう。

分身の権力者への指示も終わったな。明日、各国で勇者関連の事実を発表させれば、環境整備は大丈夫だな。あ、隷属は俺の権利を認める正式な書類が出来てから解いた方が良いな。

うん、そうしよう。

まあ、各国の連中が俺とゴンちゃん達が戦った記録を確認すれば、隷属していなくても拒否できないだろうけどね。

難しく考えなくても良いだろう。

物見遊山はどうしようかなぁ。

取りあえずは、予定をこなしてからだ。頑張ろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ