第二十六話 命名
竜と飛竜たちを引き連れて、王都の出入口へ向かう。
全員飛べるので一瞬だ。盗人の冒険者は紙変換した。今回は破れても良い(破れれば死ぬ)と思っているので、わら半紙A6サイズだ。
A判B判で迷ったが、A判にした。因みに、A判は元々はドイツの規格だが、現在は国際規格サイズになってる。B判は、日本の美濃紙をもとにした国内規格サイズだ。
紙の寸法の規格は他にも色々あるけど、俺が使うのはA判がほとんどで、B判を多少使う程度だ。印刷関係の仕事では、色々使うんだろうけど。
こっちの世界には、決まった規格は無いけど、遺跡やダンジョンから発見される資料のサイズで本などは作られている。
何故かA判B判サイズだった。地球のある世界に隣接している影響かもね。重要情報じゃないから、聞き流したので良く分からん。それと神域の情報も閲覧制限が含まれているモノは、占領下では無いけど検閲された感じで、変な感じにしか分からないから。紙の規格は、科学世界の情報絡みなので、根神さんに説明してもらっても制限事項がある場合は聞こえなくなったり、俺の記憶がその部分だけロックされたりするんだよ。この世界で活動するのに必要な情報は、科学文明が発達した世界の情報でも一時的に開示されるけど、地球に戻った時に記憶がロックされるそうだ。
まあ、厄介ごとの種でしか無いから、記憶が開示されても地球では話さないけどね。自分が実験動物にされかねないし。悲しいことに歳のせいか物覚え悪いんだよ。元々暗記は苦手だしね。クリミナルを引き継いだから能力は上がってるんだけど、苦手意識があるモノは勝手に制限が掛かるみたいなんだよ。逆に無意識下で知らないはずの知識や技術が出てきたりもするんだけどね。神域の情報を勝手に参照したりするせいなんだけど。俺が中途半端な”一応人であり、在るモノ”と言う存在の為だって、根神さんは言っていたけど。
話がそれたな。
紙 「道を開けろ!邪魔だ!」
出入口にいる連中が、一斉に道を開ける。顔が恐怖で引きつってるな。
俺の都合で戦いはしたが、感謝もしないってのはおかしくないか?”虐殺する”発言したから仕方ないとはいえ、今回は助けた形だぞ。
召喚勇者の実態も串刺しどもに説明させたんだがなぁ。異世界人の怒りを買う勇者召喚は危険だって認識より、俺に対する単なる恐怖になりそうだ。
まあ、俺を恐怖の対象として噂を拡散するのには効果があったと判断して、王都以外の街や他国の権力者に、勇者召喚の実態と歴代勇者との約束や契約を破棄したこと、同胞の子孫を間引いたことを平民どもに情報公開させる段取りをすれば、状況的には変化があるだろう。
だけど、次元管理局の仕事とはいえ、小市民で目立つのが嫌いな俺も頑張っているよな。まあ、逆に考えれば、俺が嫌な目立つことをやれば、この世界対応になるともいえるか。
圧倒的な力を持つってのは、厄介ごとを呼び込むってのを実感するよ。美男美女が、実力以上の成果が出せて当たり前と思われて、辛いって何かの記事にあった気がするが、目立つってのは敵を作るからな。普通が一番だよ。優秀でも落ちこぼれでも敵が増える。出る杭は打たれるが、無能の烙印を押されれば、村八分の様な扱いを受けたりする。理不尽ないじめとかな。犯罪を犯したわけでもないのにさ。まあ、いじめでも本人の態度が悪かったり、他人に不利益を与えるような行為をしているせいで排除されるのは自業自得だけど。まあ、いじめをする連中を擁護は出来ないがね。問題があれば、正規の手続きをすれば良いんだし。日本では私刑禁止だから。法治主義は、法に禁止されていなければ何をやっても良いことにはなっているがね。あ、法は弱者の味方じゃないよ。勘違いしている人がいるけど。
変な方向に話がそれた、戻そう。
王都に入り、案内役と騎士団と魔導士団の責任者を呼ぶ。王都に入る時に、門番も何も言わなかった。それどころか敬礼されたぞ。怯えていたけど。
串刺しどもは多少時間が経ったから、悲鳴を上げ無くなって、苦痛で唸っているが、その内静かになるだろう。こいつらのおかげか、城壁の破壊で負傷した連中が助けてくれとは言ってこない。普通は勇者に縋りそうだけどな。俺は助けないけど。
紙 「おい!案内役どもと騎士団・魔導士団の責任者、こっちへ来い。」
案内役の娘どもと騎士団・魔導士団の責任者(団長と呼ぶらしいが、この世界で団長と言う役職は、役職名の癖に敬称の意味合いが含まれるのを思い出したので呼ばない。地球の軍隊の大将とかへの敬称は閣下だけど、この世界では団長ぐらいの役職だと閣下の敬称を使わない影響らしい。一応団長職は貴族がやっているようだけどね。ガリヤーンとかの将軍には、閣下を使うそうだ。他の王族や貴族は地球と同じ感じだ。陛下とか殿下、貴族だと爵位持ちは閣下が敬称だったかな?貴族の敬称と被るせいもあるんだろうね。貴族の夫人や子弟に対する敬称は様だったかな?俺はこっちの世界の連中に敬意を払うつもり無いから、どうでも良い。人攫いの屑どもに敬意は不要だろう。表記は面倒だから、騎士責・魔導士責としておく。)が、前に来て跪く。
別に跪けとは、命令していないが…。
紙 「…跪いて何のつもりだ。」
騎士責 「勇者様、ドラゴンとワイバーンを王都に入れるのは、お止めください。」
魔導士責 「人の姿になっておりますが、強力な魔物であり、魔族だった生物です。勇者様の従魔になったようですが、魔族は妖術も使えると記録にあります。魔族がわざと負けて、ドラゴンとワイバーンに化けただけかもしれません。治安維持の都合上、我々の指示に従ってください。お願いいたします。」
俺の戦闘を見て、様付けに呼び方を変えたか。まあ、年甲斐もなく俺TUEEEEE展開をやってしまったし、力の差と自分達の立場が分かったんだろう。竜と飛竜を従魔にしたしな。魔導士どもには、攻撃が無駄なのを見せたが、実際の戦闘を見せるのは今回が初めてだし、俺が強くないんじゃないかと疑っていた連中もいるだろうからね。
だけど従魔を疑われたか。まあ、この世界にも魔物を従える連中はいるが、これほど強力な魔物を従えている者はいないし、従魔を持っていたとしても普通は一匹だ。この世界の基になった消滅した世界で、家畜に改良された大人しい草食系の魔物は多少飼育されているようだが(魔物だからと言って、無暗に知的生命体を襲うわけでは無い。基本的に魔石の生成能力があるだけの生物だからだ。ゲームのような世界の残滓の影響で普通の生物と違う部分もあるけど。(ダンジョンなどで勝手に発生するとかね。これも星の特性によるものだ。))、戦闘に使える魔物を従魔にしている者は極稀だ。竜と飛竜は強力な魔物だが、それ以上に魔族は危険で、俺が従属させたのを信じられないという事だろう。
まあ、天災と同じような存在を従えるとか普通ありえないからな。俺がこいつらの立場なら、同じように考えるよ。それに、これだけ大量の魔物を従えた事実を認めたくないんだろう。竜と飛竜は、確実に人族や亜人を絶滅させることが出来る戦力だから。俺一人なら、説得や懐柔も出来ると思っていたんだろうし。
しかし、竜と飛竜の首を一瞬で刎ねたのは見てるのに疑うのか。まあ、俺の回復魔法で竜と飛竜が再生したのは知らんから、竜と飛竜の能力と判断すれば、俺に従属しているのはポーズと考えても仕方が無いか。
本来は、竜も飛竜も首を刎ねれば死ぬけどね。魔族が持っている回復魔法でも俺の回復魔法程効果は無いし、魔法の発動媒体の心臓にある魔石と切り離しているからね。
ドラゴンやワイバーンの素材を加工すれば魔法の発動媒体として使えるが、加工しないと使えないので、首を刎ねれば本来は死ぬ。
話がずれた、戻そう。
紙 「…ふざけるな。お前らは何を言っているのか分かっているのか?魔族がわざと負けた?ありえんだろう。戦闘を見ていたくせに、そんなことが良く言えるな。俺が手を抜いて戦っていたのは分かるだろう?それでも一瞬で片付いたが…。今回は俺の都合で仕方なく戦ったが、俺はお前らの味方では無いぞ。俺の持ち物である城を壊されるのは迷惑だから処理しただけだぞ。手出しするなとは言ったが、騎士団も魔導士団も王族も冒険者ギルドの連中も非常事態なのに、出入口に来なかったよなぁ~?手出しするなと言っても、普通戦闘職なら手伝うって言わねぇか?アホ王子は俺を賊扱いして、生意気なことを言って向かってきたのに、出て来やがらねぇし。臆病者がよぉ。本来は先頭で戦うべきだろう?俺の創った複製が簡単に殺されたから、本人どもが戦ってもああなるけどな。他にも王都の住民を避難させるとか、街の被害を抑える為の配置もされなかったよなぁ~?結局俺に処理させたなぁ~?戦闘をわざと長引かせて、王都の被害を増やしても良かったんだがなぁ~。それに、別に王都の中で戦っても良かったんだぞ!城に結界を張れば問題無かったが、わざわざ王都の外で処理してやったんだぞ!何度も言うが、俺はお前らの味方じゃない!お前らに従属も隷属もしていないし。お前ら自分の仕事を放棄したくせに、治安維持とかふざけているのか?竜と飛竜に近づかせるなと命令したのに、盗人が来たのはどうなんだ?お前らの指図は受けない!文句を言うなら、ワイバーンに命令して、王都中に毒を撒き散らしてやるぞ。ドラゴンのブレスでもいい。メソポ王国は滅ぼす予定だし、今から始めても良いんだぜ?おい!下僕ども!お前らなら簡単だよなぁ?それと、お前らに確認だ。わざと負けたのか?」
竜と飛竜 「勿論です!ご命令下されば、即座に実行いたします。わざと負けるなどあり得ません。自ら進んで、拷問を受けようとは思いません!」
竜と飛竜が跪いて答える。何故か涙ぐんでいる。拷問が余程効いたか。
まあ、強力な魔物だから、拷問など受けたことが無かったせいもあるんだろう。
紙 「聞いたか?こいつらは、下僕として従属している。俺に反抗するのは、無意味なのを理解しているぞ。拷問されるしな。お前ら人よりも、こいつらの方が知能は高いんだ。俺の力を十二分に理解している。人攫いの屑の癖に、二度と下らんことを言うな!それよりも冒険者ギルドへ案内しろ!盗人の処理がある。騎士団と魔導士団の責任者も一緒に来い!誰かの指示での盗みなら、指示した奴を捕まえろ!そいつも処理してやるからよ。分かったな?ボス以外のワイバーンは、俺の分身を連れて巣に戻れ!大人数は邪魔だ。必要な時は呼び出す。あ、亜人国の連中がいる厩舎はどこだ?ここから近いなら、寄っていく。」
紙分身を発動して、飛竜の巣へ向かわせる。暗黒大陸までは俺の転移魔法だ。細かい巣までの道案内は、暗黒大陸へ行った後させれば良い。分身と俺は感覚などが繋がっているので、情報は分かるし、分身経由で魔法も使える。
飛竜どもは、必要なら”発注伝票”で転移しても良いし、俺に隷属や従属している連中は、”召集令状”って呼び出し機能が”特殊能力:紙”にあるから、それで召喚魔法みたいに呼び出せるからね。
騎士団と魔導士団の責任者は、何も言えなくなり沈黙した。
騎士見習い 「亜人国の者達がいるのは、反対側の出入口に近い場所にある厩舎です。」
魔導士見習い 「勇者様、従魔を識別するための鑑札が必要です。どういたしますか?」
紙 「特殊な移動用生物は反対側か。見物は後にしよう。鑑札なんかいらん。俺の持っている書類は知っているだろう?行動の自由は保障されているはずだ。文句を言うなら、即座に滅ぼすぞ!冒険者ギルドへ行く、案内しろ。場所は知っているだろう?」
メイド見習い 「勇者様、場所なら私が知っています。ご案内いたしますので、滅ぼすのはお待ちください。」
紙 「…まあいい。他国の対応もあるから、さっさと案内しろ。竜とボス飛竜よ、ついてこい。」
メイド見習いの案内で冒険者ギルドへ。
◆◇◆◇◆◇
冒険者ギルドへ行くまでに戦闘時の記録を確認すると(魔法で記録した奴ね。王都周辺1km四方を記録していたんだよ。魔力で作った水晶っぽい結晶にすることが出来る。意識的に魔石のようなものを作ってる感じかな?記録を再生しかできないけど、必要な部分の切り出しなども出来る。魔力によるビデオデータのような物が、パソコンのデータファイルみたいな感じで保存されている。魔力で作ったデータ保存領域みたいなものがあるんだよ。この辺は、摩訶不思議の力なので、俺も理解していないから説明できない。兎に角、そう言うモノだと思って欲しい。)、盗人どもは誰かの依頼で竜と飛竜の素材を盗ろうとしたんじゃなかった。
王都から離れていて、隷属していない奴らだったよ。仕事帰りみたいだ。まあ、王都にいた連中なら隷属と呪いで、俺の命令に従わなかった時点で、牢にいた貴族連中と同じように、もがき苦しんで死ぬはずだから。
まあ、王都の出入口だし、こういう連中がいるのは不思議では無い。
依頼人がいない分、手間が多少省けたし、冒険者ギルドの対応も出来るから結果オーライだ。戦力を減らせるのは、後々楽だ。あ、ギルドの責任者の隷属設定と呪いを調整しないといかんな。忘れんうちに処理しておこう。喧嘩吹っ掛けるのに、戦闘できないのは問題だしね。演出を考えるとか面倒くさいがね。
あ、そうだ!王族の連中が芸をした時に罰を与えるけど、今回の件(魔族対応処理関連ね。)も含めれば良いな。あいつらは、この国の責任者なんだから。
そうそう、冒険者ギルドは国際組織で連携している。同業者組合ではあるが、地球の感覚だと国際企業に自営業者が加入している感じかな?そう考えると農協とか漁協の方が近いか?各国から、ある程度活動の自由と移動の自由など優遇措置が認められているが、その代わりに冒険者の管理と有事の際、戦力提供をする義務がある。但し、亜人国には無い。ある理由があって、普通の人族はあの国に入国できない。鎖国しているわけでは無くて、生命にかかわるからだ。別に亜人国の連中が人族を殺すとかじゃないぞ。理由は、亜人国の連中を見物する時にでもしよう。
それは置いておくとして、竜と飛竜に名前が無いと呼びにくいな。ドラゴンとワイバーンって呼ぶのも問題あるし。どうするかな。
紙 「竜とボス飛竜よ、お前らを呼ぶのに名前があった方が良いな。呼んで欲しい名があれば言ってみろ。長いのは駄目だぞ!俺は人の顔とか名前を覚えるのは苦手なんだ。」
竜 「特にありません。主様が名付けてください。」
ボス飛竜 「群れではボスと呼ばれるだけです。主様にボスと呼ばれるのは問題です。群れの他の飛竜は、序列の番号で呼んでいるだけなので問題はありませんが、私も名付けていただきたく存じます。」
ふむ。飛竜は序列ね。数的にトランプと同じなんだよね。群れの方はキングに当たる隊長格を作って、序列にするか。
キングを隊長、クイーンを副隊長、ジャックを班長みたいな感じで、後はエースから順番で良いかな?ボスをジョーカーは不味いから、何か考えよう。
先に竜からだな。
うーん。竜…、ドラゴン…、龍…、辰…。
はっ!閃いた。”鳴きの竜”と書いて、”鳴竜”で良いや。拷問した時、泣いていたし。
麻雀の漫画で同じ読みの作品があった気がするが、アレは字が違うからね!背中は煤けないよ。…あ、ブレス吐かれたら煤けるかも。と言うよりは、跡形もなくなるかな?ブレスの種類にもよるだろうけど。
大体”鳴竜”ってのは、多重反響現象によって、手を叩くとかした時に、天井とかで特有の残響が聞こえる奴だ。日光東照宮薬師堂のとかが有名だろう?
日本酒にも銘柄であった気がするけど、俺は酒嫌いなんで詳しくないんだよ。舌や喉を焼くアルコールの味は嫌いなんだ。それに勤め人の時工事屋だったから、付き合いで無理して飲んで体壊したのも酒が嫌いな理由だ。俺は胃腸が弱いんでね。今は毒だろうと無害化されるから、関係ないけど。
さて、竜に名付けてやろう。
紙 「よし!竜よ、名付けてやろう。お前、拷問した時泣いてたからな。字は違うが、”鳴竜”だ!」
竜 「嫌です!そんな不名誉な意味が込められている名は、主様が授けると言われても拒否します!」
従魔どもは、俺に不利益を与えない限り自由な状態で従属しているので、この程度の反抗的発言は可能だ。
紙 「良いじゃねーか。”鳴竜”って、俺の世界では建築で珍しい奴だぞ。」
日光東照宮の奴とか漢字の説明をするが、拒否された。
紙 「じゃあ、どういうのが良いんだよ?」
竜 「もっと、竜種の最上位種である私に相応しい名をお願いいたします!」
我儘だなぁ。
どうしようか?
ええい!面倒だ。
紙 「もう面倒だ!お前はドラゴンだから、”ゴンちゃん”だ!儀式で命名してやる、そこに跪け!」
竜 「主様!嫌です!ああ!体が勝手に。そんな子供みたいな名は止めてください!」
強制的に跪かせて、命名する。
紙 「汝、”混沌・始源竜”よ。我が名”紙 創平”の名において命名する。汝が名は、”ゴンちゃん”なり。」
儀式で命名した従魔は、俺の神使扱いになるので、能力などがアップする。特に防御力がね。俺の攻撃は防げ無いけど。
”在るモノ”の能力の一部として、使用許可が出ている。見た目の変更などは行わないタイプで使用可能だって、根神さんに聞いたので使うことにした。
人族や亜人の魔族との戦闘時に魔物をけしかけようかと思ってたから、役に立つんじゃないかと考えたんだ。群れを作るやつとか蟲の魔物を操るのが効果ありそうだからさ。まあ、今回従属した飛竜どもに魔物を追立てさせれば良いかな?
竜の奴は、”ゴンちゃん”が名前になってしまったので、落ち込んでいる。良いじゃねーか、防虫剤みたいな感じで変な蟲が寄ってこなくなるかもよ?
案内役と騎士団・魔導士団の責任者が何とも言えない顔でゴンちゃんを見ているな。
ゴンちゃん 「主様酷いですよ!恥ずかしいので、主様の鎧に変化して良いですか?私が変化すれば、格好いいドラゴンアーマーですよ!飛べますし。」
紙 「駄目だ!そもそも俺に鎧何ぞ不要だ。戦闘したんだから分かるだろう。俺は手刀でもお前を切ることが出来るんだぞ。そんなのは防御力を高めることにならん。それとドラゴンアーマー”ゴンちゃん”かよ。そんな恥ずかしい鎧を装備するのは嫌だ!後、俺も飛べるの知ってるだろう?」
ゴンちゃんは、ムッとしている。鎧に変化していたら、自分が哀れんだ目で見られないと考えたんだろうな。俺が変な目で見られるはずと予想して。
もう名前決まったんだから、諦めろ。
さて、飛竜はどうするかな?
うーむ。…飛竜、…翼竜、…ワイバーン、…尾から毒を出す、…毒竜?
駄目だ、毒のブレスを吐くドラゴンがいたはずだ。それと被るな。…毒、毒ねぇ。…猛毒、…劇毒、…毒液。難しい。
何かないか。…あ!”毒気”があったな。どっちの読みにするかな?…どくけにしよう。意味的に面白いから。
まあ、一応先に”鳴竜”でどうか確認しよう。
紙 「ボス飛竜よ、お前も泣いていたから”鳴竜”でも良いんだが、どうする?」
ボス飛竜 「嫌です!ゴンちゃんが嫌がっていたように、私も嫌ですよ。」
紙 「じゃあ、どんなのが希望だ?」
ボス飛竜 「群れの中で、一番強く美しいのが私ですので、それにふさわしい名をお願いします!」
自画自賛しやがった。やはり毒気で良いだろう。
あの意味もあるし。
紙 「分かった。ボス飛竜は毒気だ。意味的にもあっている。」
ボス飛竜 「主様、どんな意味でしょうか?」
紙 「ん?それ聞いちゃう?仕方がない。毒気と言うのはな、”毒の成分”と言う意味と”いやらしい感じとか、悪意”を表す言葉だ。お前らは毒を生成するからな。丁度いいだろう?」
ボス飛竜 「何ですか!それは。嫌ですよ、そんなの。」
こいつも我儘だな。
もうワイバーンだから”ヴァンちゃん”で良いや。トルコの地名っぽいけど、北欧神話の神族にいるし。
紙 「お前も我儘だなぁ。面倒だから、ワイバーンのお前は”ヴァンちゃん”だ!儀式で命名するから、跪け!」
ボス飛竜 「そ、そんな!もうちょっと考えてください!主様止めて!あああ!体が言うことを聞かない!」
ボス飛竜も強制的に跪かせ、命名する。
紙 「汝、”至極の飛竜”よ。我が名”紙 創平”の名において命名する。汝が名は、”ヴァンちゃん”なり。」
案内役と騎士団・魔導士団の責任者が”ゴンちゃん”の時と同じように何とも言えない顔で”ヴァンちゃん”を見ているな。
”ヴァンちゃん”は、不満そうな顔をしている。
紙 「何が不満なんだよ。俺の世界の神話で、北欧神話ってのがあって、そこに出てくる神族にもヴァン神族って言うのがいるんだぞ!神話では美麗な巨人族として、普通の巨人族と混同されたりもするようだけどな。」
ヴァンちゃん 「…それなら良いです。主様が事実を話している確証はありませんが。」
ヴァンちゃんが疑いの目で俺を見ている。
ゴンちゃん 「…まあ、我々の世界では、”ヴァンちゃん”は適当に付けたと思われるだろうけど。」
ゴンちゃんが余計なことを言う。
ヴァンちゃん 「…主様、私は変化術でローブになりましょう!主様を飛んでくる馬糞から守ります!」
紙 「いらん。害があるモノは、俺に触れられん。たかが名前だ、気にするな!」
ヴァンちゃんもゴンちゃんと同じような事を考えたか。ローブと少しは考えたようだが、別に要らないし。
この世界では、馬車を使うのが一般的なので、乾燥した馬糞が風で飛んだりする。馬糞風って昔の北海道にあった感じか?俺は、そこまで昔の人間じゃないから知らんけど。
ゴンちゃんとヴァンちゃんは納得がいかない顔をしていたが、名前何ぞ識別で必要だから付けただけなんだから、気にするなよ。
盗人冒険者の対応で冒険者ギルドに行くんだから、足引っ張るなら拷問タイムだぞ!我儘言うんじゃない!
仕事増やしたくせに、反省しろってんだ。
…根神さんが笑ってそうだなぁ。
神域行ったら、からかわれそうだが、さっさと冒険者ギルドへ行くとしよう。




