第二十五話 紙分身と拷問
出入口の周りの連中に聞こえるように、魔法で声を拡声する。
紙 「聞け!人攫いを行う屑世界の住人ども。これから、ここにいる魔物と戦闘を行う。出入口の周りに影響が無いように結界を張ってやる!死にたくなければ、俺と魔物に近づくな!お前らは目撃者として守ってやる。但し、結界から出たら、自己責任だ。俺が倒した魔物に手を出すなよ。手出ししたら、盗人として殺す!言っておくが、王都は守らんからな。戦闘に巻き込まれても俺に責任は無い!本来は、この世界の連中が戦うのが筋だが、騎士団も魔導士団も王族も来やがらねぇ。よく見ておけよ!この世界の権力者は、いかに無責任かを!まあ、この国は竜と亜竜に対抗手段を持っていないだろうがな。俺の能力の一端を見せてやる!城の連中を複製するから、竜どもと戦ったらどうなるか見せてやろう。」
前座として、城の連中を武装させて複製する。勿論、命令に絶対服従でだ。メイドとかもおまけで複製したぞ。
武器などは、城にあった装備で良い物を複製して装備させている。宝物庫にあった魔剣ほどでは無いが、付与魔法で性能が強化されている物だ。俺は行かなかったが、武器庫に有った奴。
死体の山を見せるのが、良いだろう。城の戦闘職は一応精鋭だろうから、特撮物でサクッとやられる防衛軍的役回りをして貰おうか。
紙 『おい!元魔族の代表。竜種に戻したから、取り合えず竜と呼びぞ。先ずは前座だ。城の連中を王族を含めて複製した。街は破壊しても構わんが、城に影響ない程度で複製どもを皆殺しにしろ!城は俺のだからな、壊すなよ!先ずは、お前ら名乗ってから攻撃開始だ。』
竜 『承知した。亜竜どもよ、先ずはお前たちが力を見せるのが良いだろう。しかし、人を複製できるとは、我が主は、とんでもない存在だな。この世界の者は、錬金術で魔法生物は生み出せても、知的生命体を複製は出来ないぞ。』
亜竜A 『了解した。だが主よ、我ら魔物に名は無いぞ。群れを作っているタイプでも、力による序列があるだけだ。魔族の時も同じだった。名乗りはどうすればいい?』
紙 『種族名を名乗ればいい。お前らは、亜竜種の飛竜最上位種だろう?話しているのは群れのボスか?』
亜竜A 『いかにも、私がこの群れのボス、所謂BOSSだ。種族名を名乗るのだな?承知した。』
複製した城の連中だが、非戦闘職を盾にするようだな。文官と使用人を前に配置している。
俺は戦闘のみ指示したので、どう戦うかは複製どもの自由だ。王族は中心部にいるな。
複製とは言え、その辺の序列はあるようだ。
亜竜が複製どもを包囲するように旋回する。
俺は複製どもの後方上空で見物だ。
しかし、ボス飛竜の奴、BOSSって言う必要あるのか?この世界の言語でもボスって言葉とアルファベットの様な文字はあるけどさ。
ボス飛竜 「矮小なる人族よ、聞け!我らは、亜竜種・飛竜最上位種である至極の飛竜なり。我らの力を見るがよい!」
ボス飛竜も出入口の連中に聞こえるように声を魔法で拡声している。
亜竜(飛竜)は魔族の能力などを引き継いでいると言っても、元の能力がアップしている形なので、竜よりは能力が落ちる。
データシートで確認したが、亜竜は竜と違って大規模破壊魔法は使えないようだ。まあ、群れで行動する特性もあるからだろう。竜より保有魔力が小さいし。
俺に従属した飛竜は、竜より能力が落ちるとは言っても、中位の竜種よりは強いし知能もある。上位の竜種の下の方と同等だな。魔族の能力を引き継いでいなかったら、中位の竜種の中間ぐらいの強さだ。
この世界の竜種の説明をしておこう。
最上位種は後で説明するとして、上位竜から説明しよう。
上位竜は鱗がメタリックな感じで、発光している。この世界のファンタジー金属は、ほんのりと発光しているが、それに似た感じだ。
竜帝種と竜王種と呼ばれるものが上位種になる。
竜帝種の方が能力が高い。
それぞれの種に同じ色合いの竜種がいるが、竜帝種の方が体が大きく、色合いも美しい。パール系カラーの艶がある感じかな?竜王種は、光沢はあるがパール系カラーでは無い。
中位の竜種は、メタリックな鱗を持つ種がいるが、発光はしない。他に黒みがかった深みのある艶を持つ鱗(色の種類は結構ある)を持つ竜種がいるが、メタリックな鱗の竜種と能力的には、ほとんど変わらない。
下位種は原色系と中間色の鱗を持っている種だが、メタリックな鱗を持つ種はいない。
色合いはくすんだ感じだな。竜種の中では、小型種になる。まあ、小型種でも一部の種以外は人より大きいけどね。
竜種は、大型種の方が能力が高い傾向がある。個体差があるので、絶対では無いが。
最上位種は、ここにいる竜の種の一種類しかいない。
話を戻そう。複製どもが弓や魔法で攻撃を始めたが、上空にいる飛竜には届かない。一応、この世界にも銃や砲の技術知識はあるが、亜人国の特殊な種族が知識を持っているだけだ。金属が貴重な資源だから、実験的に作られた物はあるけど、実戦では使えないな。例外で、特殊な生物が肉体を変化させた形で持っているけど、あれは体の一部だからなぁ。
至極色の飛竜どもが、複製どもに急降下して霧状の毒ガスを撒き散らす。あ、至極色と言うのは、極めて黒に近い深い赤紫色のことだ。深紫とも言う。 飛鳥時代には”黒紫”との表記もあったみたい。
急降下による衝撃波で複製どもはひっくり返り、毒攻撃を受け悲鳴を上げ、のた打ち回っている。わざと長く苦しむように、毒の強さを調整しているようだな。殺ろうと思えば瞬殺できるのに、分かってるじゃねーか。
非戦闘職の連中が、バタバタ倒れて死んでいってるね。
複製どもも攻撃しているが、飛んでいる飛竜には全く当たらない。反対に魔法で切り刻まれている。あれは、風属性の魔法だな。威力は押さえているのが分かる。城に影響が無いようにしろって指示の関係で、爆発や雷系統の魔法は使わないようだ。あれは周囲に影響が出やすいから。毒は自前で合成する方が使いやすいのだろう。
戦闘開始から15分程したところで止めだ。麻痺毒を噴射した後、強酸を撒き散らしたぞ。動けなくして、止めとかえげつねーな。
複製どもの抵抗は全く届かず、全員酸で溶けてぐちゃぐちゃだ。武器とか装備もドロドロに溶けてる。おまけに臭いし。
嬲り殺しだったな。魔族だった飛竜は、魔法も無詠唱で使えるが、元々強力な魔物だし、複製どもは精鋭とは言え魔法も詠唱が必要だし、無詠唱で可能な魔法は威力や効果が落ちるから、飛竜との戦闘では無意味だ。人が対抗可能な飛竜種は下位種位で(それでも勝つのは困難だ。)、最上位種のこいつらとでは勝負にならない。因みに俺は、無詠唱で魔法使っても威力や効果は落ちないよ。
出入口付近の連中は、恐怖で震えるもの、吐き出すもの、逃げだすものと様々だ。
紙 『飛竜ども、よくやった!次は俺の出番だ。ちょっと待ってろ。』
地面に降りたが、汚いので魔法で綺麗にしておくか。
浄化魔法は、清潔・衛生的にする魔法であり、汚物の除去も可能だ。まあ、本来の使い方とは異なるがね。(この世界には、アンデット系の魔物も存在する。本来は、それに対応する魔法だ。傷を治すときにも使用するけど。そっちは水で洗い流す方が一般的だがね。後は、泥水などを浄水して飲料水にも出来るけど、この世界では、そういう使い方はしていないな。)科学世界よりもこの辺は魔法が優れていると思う。この世界の基になった消滅した世界には、ナノテクで物質を分解する技術はあったみたいだけど、ナノマシンを用意する必要があるし。
複製どもを片付けたが、”特殊能力:紙”を使った複製だから、”破棄”すれば良かったことに後で気付いた。
結果が同じなら、どっちでもいいか。
紙 『待たせたな。いつでもいいぜ。今度は、竜が名乗ってから戦闘開始だ。』
竜に念話で指示を与えてから、魔剣を抜いて構えた。今回は、双剣として使用する。
魔剣が俺のみに聞こえる形で念話してきた。
赤熱 『主よ。ここにいる竜や亜竜は高温に耐性があるぞ。』
白熱 『赤熱の言う通りだ。魔法耐性や物理耐性も高い。どうするのだ?』
紙 『この世界の連中は、竜や亜竜は魔法攻撃や物理攻撃を無効にしているように思っているようだが、耐性が高いだけでダメージが通らないわけでは無い。お前ら魔剣に高魔力を供給して切断力を高めれば、簡単に切れる。付与魔法で強度も上げておくから安心しろ。お前らが破損しないことを保証してやるよ。俺の特殊能力で対応しておく。後は火属性の魔法を併用するか。首を切り落とすから、胴体側が切られたら、爆発四散して燃え尽きるようによ。俺は手刀でも切断可能だし問題は無い。』
赤熱 『切断した胴体が派手に積み上がる方が、見た目的に効果があるだろう?胴体を処分するのは、後でも出来るからな。』
白熱 『赤熱の言う通りだ。竜や亜竜の素材は貴重な物だからな。出入口にいる連中が戦闘が終われば、寄ってくるだろう。商人や冒険者がいるようだ。こちらに来たら、主の指示を無視したのだから、虐殺理由になる。冒険者には、”盗賊”と言われる斥候や罠解除を担当する連中がいるから、素材を盗もうとするかもしれん。』
なるほどね。この世界は未開拓の場所が多いので、冒険者と呼ばれる連中がいる。
地球の冒険者と違って、ファンタジー小説に出てくるような仕事をしている連中だ。地球で言うと探検家で戦闘職、素材採取家、何でも屋を合わせた感じか。
冒険者の盗賊は、地球で言うところの鍵屋と斥候、探偵が合わさったような仕事だな。情報収集なども担当するから。情報収集は他の職業の連中もするけど、斥候に必要な能力を使う方が効率が良い。
紙 『わかった。お前らの方針で行こう。』
こちらの方針が決まったところで、竜達の戦闘方針も決まったようだ。
竜が名乗りを上げる。魔法で声を拡声しているな。俺も受け答えする時には、魔法で声を拡声しよう。
竜 「前座は終わりだ。召喚勇者よ、我らを解放したことは間違いだったと教えてやろう!汝は強きモノだが、その驕りで滅ぶと知れ!矮小なる人族よ、聞け!我は、竜種最上位種である混沌・始源竜なり!竜種の根源種であり、最大最強種だ。覚悟せよ!」
竜が名乗った竜種最上位種混沌・始源竜は、この世界の基になった消滅した世界の竜種最上位種を統合した種であり、最大最強種なのは間違いないが、竜種の根源種では無い。但し、この世界の全ての竜種の能力や特性を併せ持っている。根源種だと思っているのは、そのせいだ。
鱗が漆黒のメタリックカラーで虹色に発光しているように見えるが、見る位置によって色合いが変化する。漆黒の玉虫色って感じだが(どんな色だよ?作者も良く分からない。摩訶不思議な色と思って欲しい。きっとサイケデリックな色だ。)、全ての色合いを持っているかのようで、美しく輝いているドラゴンだ。
おっと、口上を言わんと。
紙 「ドラゴンよ、簡単に捕まったくせに、威勢が良いな!俺は、”紙 創平”だ!因みに、”紙”が家名だからな。俺は、勇者召喚と言う人攫いをしたこの世界を絶対に許さん!人攫いの被害者として、この世界を蹂躙し、虐殺を行ってやる!歴代の召喚勇者は、全て俺の同胞だ!この世界は、俺の世界に侵略行為を行った。お前ら、この世界の最強生物の一種であるドラゴン・ワイバーン最上位種をサクッと降してやるからな!暴言を謝罪するなら、今の内だぞ?」
俺の言葉が終わったのを確認して、飛竜どもが各種毒攻撃をしてきた。
麻痺毒・致死毒・石化毒・腐食毒など各種毒を全力で浴びせてきたが、俺の周囲半径1メートルで無効化・分解されて消滅してしまう。
無効化範囲から外れた毒は、周囲を汚染しまくっている。王都の城壁が多少溶けたな。
毒に効果が無いと分かった飛竜たちは、物理攻撃に切り替えてきた。
爪で切り裂く攻撃や尾を槍の様に変化させての攻撃などを行うも、俺に触れた瞬間、触れた部分が粉々に砕け散る。
肉体が砕け散った飛竜は、即座に回復魔法で再生していくが、激痛で悲鳴を上げている。
紙 「無駄無駄無駄無駄!俺に攻撃は通じない!ワイバーンは理解したようだぞ?来いよ、ドラゴン。怖気づいたか?」
飛竜と竜が協力して魔法を放ってきた。雷系の魔法だ。電撃と爆発が組み合わさっている。
毒攻撃同様、魔法は俺の周囲半径1メートルで無効化されて消滅してしまう。毒の時同様に、無効化範囲から外れた魔法は、周囲を破壊した。王都の城壁が結構壊れた。巻き込まれて死んだ連中もいるようだな。よしよし、多少は人的被害が無いとな。
紙 「ほれほれ!どうした?お前らは、この世界の最強生物だろう?これで終わりか?」
竜がブレスを吐いてきた。火や電撃、毒は効果が無いと判断したようだな。冷凍光線の様な冷却ブレスだ。
当然無効化される。竜の物理攻撃を受けても良かったが、これ以上時間をかけるのが馬鹿らしくなったので、終わらせよう。拷問もあるし。
紙 「お前らの攻撃は意味が無い。反撃させて貰うぞ。」
魔剣で竜と亜竜の首を順番に落とす。
出入口にいる連中には、スローモーションで俺が分身して、竜と亜竜の首を落としたように見えているだろう。光を操る魔法を使って、連続写真のように見える演出したからな。
今回魔法攻撃はしなかった。俺の魔力だと演出する間もなく倒してしまうので、恐怖を植え付ける目的の為にね。
上空にいた竜と亜竜の胴体は、地響きを立てて地面に落下した。地面が血で染まる。
切断された首から、竜と亜竜の胴体が再生していくが、竜と亜竜は激痛で悶絶して動けない。
紙 「さて、行動不能にさせて貰おう。お前らには、俺に喧嘩を売った罰を与える。拷問の時間だ!」
診断書を使い行動不能にする。体も回復させ、激痛も無くした。
魔物どもが恐怖を感じているな。表情は分からんが、怯えた目をしている。
竜 「止めてくれ!我は、貴殿に従魔として従属し、忠誠を誓う!主よ!拷問は勘弁してほしい!」
ボス飛竜 「我らもドラゴン同様、貴殿に忠誠を誓い、従魔として従属する!拷問は止めてくれ!」
紙 「んん~?従属するくせに、その言葉遣いはどうなんだ?主人に使う話し方じゃねーぞ?これは、罰を与えんとなぁ~。」
どう拷問しようかと考えていると、隠密系の能力(不可思議系の力で持っている奴がいる。魔道具などにもある。”今日から君も暗殺者?!これさえあれば、おやつの盗み食いも大丈夫!”とか言う子供向けの隠密系魔道具資料があったな。認識阻害系の力だったはず。俺の場合”特殊能力:紙”にある、段ボール箱に隠れる能力になる。普通の段ボール箱じゃないが(相手には段ボール箱があるって認識されるけど、実際には俺がいるだけ。例えるなら俺が幻覚で段ボール箱に見える感じか?相手は段ボール箱が無いような場所であっても変に思わない。脳に伝達する情報を書き換えるんだよ。)、かなり特殊な処理なのに間抜けすぎる。まあ、クリミナルから引き継いだ能力で、普通に認識阻害も光学迷彩のようなことも出来るけど。)を使って、魔物の切り落とした胴体に近づいている者が5人ほどいる。
付与魔法を魔物の切り落とした胴体に掛けて、胴体に触れたら感電させて行動不能にしてやろう。
「ぐわっ!」っと悲鳴を上げて、姿を現した。
紙 「おいおい。俺の魔物に手を出すとか、舐めてるのか?戦闘前に説明したはずだよな?この盗人が。」
マジックバッグからロープを取り出し、縛り上げる。(神域で用意した、この世界の奴だ。結構丈夫。)
こいつらは後回しだ。
紙 「邪魔が入ったな。数が多いから分身でもするか。紙分身の術。」
コピー分身よりも忍者が分身する時に影とか砂とか水とかの分身があったのを思い出して、俺のは”特殊能力:紙”の能力だから、紙分身と呼ぶことにした。
魔物どもの前にスタンバイした俺と分身は、拷問を開始する。
出入口の連中は恐怖しているが、野次馬根性なのか見物人が増えているようだ。
紙 「”梱包資材:強力ガムテープ”で魔物を梱包!」
これは、”特殊能力:紙”の機能の一つだ。対象を封じ込める能力で”梱包”と呼ばれる能力の機能だ。
粘着力は、この世界に存在するモノより強力で、剥がせるのは俺のみだ。他にも”包装紙”とか他の”梱包”の機能もあるけど、今回はガムテープだけで良い。
ベタベタに梱包された竜と飛竜は、既に涙目で泣きそうだが、拷問させて貰うぞ。”特殊能力:紙”の機能の確認もあるしね。
紙 「さてと、先ずは皮を剥がないとな。せーのっ!」
ベリベリベリと激痛を与えながら、ガムテープを剥がして皮を剥ぐ。
首の部分の皮は手刀で切り込みを入れたよ。ガムテープを剥がすと言っても、実際はガムテープに接着された皮と皮膚が無理矢理剥がされるんだけど。
「ぎぃゃあああああああああああああああああああ!」
魔物どもの悲鳴が周囲に絶叫となって響き渡る。
至近距離で絶叫を聞いた盗人は白目をむいて倒れた。
おいおい!これからが本番だぞ。
紙 「さてと土属性魔法で棒状の石を創り出して、加熱しないとな。」
竜と亜竜は熱耐性があると言っても皮を剥かれた状態では、意味がない。
焼肉をやるのに丁度いい温度にした、熱せられて遠赤外線を発する石の棒を魔物に押し付ける。勿論持ち手部分は熱くない。「じゅう~。」っといい音と美味そうな匂いがする。
「ぐわぁあああああああああああああああ!!」
魔物どもが悲鳴を上げ、一部は気絶した。
無視して、加熱された石の棒を今度は、肛門に突っ込む!
「だぁああああああああああああ!!」
「アッー!アッー!アッー!アッーーーー!!」
竜と飛竜全てが絶叫と共に気絶した。
魔法を解除し、石の棒を消す。分身も解除する。
魔物に回復魔法を掛けてやり、回復してやると恐怖で怯えて、目から涙を流して泣いている。
この世界の最強生物が泣くとはな。
行動不能も解いておく。
紙 「さて、お前らには仕事をして貰おうと思うが、どうする?ん?」
竜 「私は、”紙 創平”様の従魔として忠誠を誓い、身命を賭してお仕えいたします。」
飛竜ども 「我ら飛竜も”紙 創平”様の従魔として忠誠を誓い、粉骨砕身の覚悟でお仕えいたします。」
竜と飛竜は、従属の言葉を伝え頭を下げた。
予定外だったが、便利な連中が手に入ったな。取り合えず、大きいままだと邪魔だ。魔族の説明をした時に少し触れたが、確か人化じゃなくて、”変化術”と言う高度な術を元魔族のこいつらは使えたはずだ。人化は変化術の一つだったはず。御伽噺で狐とかが良く使う妖術の術の一つだ。狸が茶釜に化けたりする昔話が有名だよね。あの術だ。葉っぱはいらないけどね。あ、この世界の魔法の一つに妖術ってのがある。特殊な魔法なので、使える連中は限られるけど。
紙 「お前らは、そのままだと大きくて邪魔だ。人に変化しろ!俺は、切り落としたお前らの胴体などを処理する。」
切り落とした胴体と飛び散った鱗や、拷問時に剥いだ皮などを魔法で腐食して素材として使用できないようにした。駄目押しで酸の魔法で溶かしてやったぞ。酸液を生み出すのは水属性だったかな?俺の場合属性を考えないで、イメージすれば魔法が具現化するんだよね。ま、結果が出れば問題無いから気にしないでおこう。魔力を使うから魔法ではあるんだし。あ、竜や亜竜の皮などは魔法に耐性があるが、俺の魔法には耐えられない。肉とかも別に要らないから。必要ならデータから複製できるし。それなら解体も必要無いし、必要な部位を複製も出来るから。ガムテープは”破棄”で消滅させたぞ。
出入口の野次馬から、「勿体無い。」とか「ああ~!」とか聞こえる。
人攫いをするような世界の連中に、素材を与えるわけないだろうが。馬鹿なのか?
人に変化した竜と飛竜が、俺に跪く。
竜と飛竜 「創平様、ご命令を。」
人に変化した竜とボス飛竜を見て、お面に確認する。
紙 『お面よ。竜とボス飛竜って女に変化してるけど、こいつら雌なの?』
お面 『そうでやすよ。必要ない情報だと思って、伝えやせんでしたが。何か問題でもありやしたか?』
紙 『問題は無いが、驚いた。口調がおっさんみたいだったし。人になってから声も変わってるしな。魔族の時は、男だったし。』
お面 『あ、そう言うことでやすか。こいつらは人族や亜人よりも長命種でやすから、口調は人とは違いやすよ。神域の情報に有りやしたぜ。旦那、忘れてやしたね?声が変わるのは、変化した関係でやす。発声器官も変わりやすから。魔族は戦闘用でやすから、男に変化したんだと思いやす。』
流石、摩訶不思議の力の存在する世界だ。ご都合主義的なことが起こる。
お面の言った神域の情報も聞いたような気もするけど、覚えていないな。(関係なさそうな情報は聞き流してたし。お面はサポート能力なので、俺の一部の癖に情報を覚えているんだよね。不思議な感じだが、存在自体が摩訶不思議のモノだから気にしない。害は無いし。)
竜と飛竜どもは服を着ているが、鱗が変化したものだな。服の色が鱗の色だ。でも発光していないから黒っぽい色で艶があるシルクみたいな感じ。(魔物で武装しているタイプがいるが、人や亜人から奪う以外に肉体の一部を変化しているタイプがいて、生体武装とか生体装備と呼ばれている。肉体の一部が変化した装備品は、普通に取り外しが出来たりもする。強力な魔物の生体装備は、品質も良くて強力な品が多い。特殊な効果を持っている場合もある。データシートで確認すると、竜と飛竜の服も生体装備の一種みたいだな。見た目とか形状は変更可能みたいだけど。)飛竜は雄雌が半々だな。ボス飛竜が雌だから、雌が一匹多いか。魔族の時は革鎧のような姿(スケイルメイルみたいな見た目だ。)だったが、今は燕尾服の様な上着とキュロットの様なズボンとブーツ姿で、乗馬服っぽい姿をしている。帽子は被っていないがね。何故か白いシャツ着てる。(生体装備の色って変更できるのか?)この世界の貴族の礼服に似た感じだな。あれは、ズボンは白くてシルクハットも被るから、地球の馬場馬術用の乗馬服と同じ感じだけどね。女性はドレスだし。まあ、ガリヤーンが着ていた感じの服に似た、詰襟の礼服もあるんだが、あれは組紐じゃなくてボタンで止める服だったな。見た目は学生服っぽいが、ズボンに側章が付いている。
まあ、竜と飛竜の格好はどうでもいいや。取り合えず、盗人の確認をしよう。
冒険者だったら、冒険者ギルドと言うのがあるから、責任者に文句を言ってやる。
嫌がらせを考えないといかんな。
竜と飛竜は、取り合えず待機させるとして、名前で呼ばれるのは不愉快だから、主と呼ばせよう。
しかし、戦闘開始から一時間半程度だが、騎士団も魔導士団も結局来なかったな。手出しするなとは言ったが、見にも来ないとはな。街の騎士団位はすぐ来れるはずなのに。城は距離あるけどさ。(城は王都の中心にある関係で出入口の門まで距離がある。)
俺が対応するからって無責任な連中だぜ、全く。恐らく門番が関係部署に連絡したんだろうが、防衛体制として酷すぎる。住民の避難誘導とかは必要な筈だよね?俺が結界を張っていたから、出入口が一番安全だったけどさ。(出入口の周りにいた連中は、一番安全なのを理解していたから逃げなかったんだろう。)城に戻ったら文句言ってやる。
俺の目的の恐怖は与えたと思うけど、これでは勇者召喚するわけだよ。納得した。
他国の連中は記録を取っていたから、まだマシだ。
メソポ王国の連中は、屑で無責任すぎて、あきれるばかりだぜ。
やれやれだ。




