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第十八話 告げ口

グダグダです。

神域に転移してきた。

一応魔剣も持ってきた。ちなみに、剣の状態だと話しにくいので、妖精もどきの状態で一緒だ。

貴賓室でデータシートを改変してから、不可視にしていたんだよ。(不可視と言っても認識阻害効果で見えなくしているだけなので、俺は見えるんだけどね。光学迷彩みたいな感じで、光を透過することも可能だってさ。それも俺は認識できてしまうんだけどね。”在るモノ”でもある俺は、存在自体を認識するからさ。どういう状態なのかも分かるけど。こういう力を持つってのは、色々つまらないね。手品のネタバラシされてるみたいでさ。)ガリヤーンが来る前にね。王女どもは、俺の能力に関して話せないから、テストしたんだ。刃物の種類を変えるテストをしようかと思っていたところに、ガリヤーンが来たから、テストは中断したんだよ。

ま、それはどうでもいい事だけど、魔剣に色々説明しておかないと、後々面倒な事になりそうだから持ってきたんだ。

あ、知的生命体の従者とかが出来ても神域には連れてこないよ。と言うより、この世界の生命体は、神域に入れない。地上の管理システムの空間には、関係者以外立ち入り禁止だから。連れてきても入れずに、自動で地上に戻ってしまう。時間軸調整されて、連れてきたこと自体が無かったことになるよ。

おっと、そんなことを説明している場合じゃなかった。


紙 「根神さん、お疲れ様です。」


根神 「創平さん、ごきげんよう!」


根神さん元気だな。こっちは微妙な気分だと言うのに。

”ごきげんよう”とか挨拶されるの初めてだ。

見た目は清楚な美少女だけど、中身は香ばしいからなぁ。

ハイソな演出は警戒せざるを得ない。


紙 「行動予定にあった魔剣の没収は行いましたが、こいつらが火属性最大攻撃力を持つのは、本当ですか?美的感覚がずれてますし。」


赤熱 「主!ここは一体どこだ?」


白熱 「主よ!そこの女性から、凄まじい力を感じるぞ!何者だ?」


魔剣どもは火属性の力を持っている為(この世界には、魔力等の魔訶不可思議な力が存在する。魔剣の持っている火属性の力は、その一つだ。)、この世界の神である根神さんの力を感じることができるのだろう。

俺も感じる。力では無く、いやらしいサディスティックな感じをだけど。

そう言えば、魔剣も地上の連中と違って、根神さんは女性と呼ぶんだな。


根神 「創平さん、失礼なこと考えましたね?私は見た目通り、容姿端麗、才色兼備の窈窕淑女(ようちょうしゅくじょ)の女神ですよ!失礼なことを考えると折檻しますよ?」


紙 「根神さん、それって、自画自賛と言うんでは?根神さんは綺麗ですけど、その言動はどうかと思いますよ。思考を読まないで下さい。考えただけで折檻は勘弁ですよ。俺が死んだらどうするんですか!」


根神 「ふっ、事実を認めてこそ、神なのです!人とは違うのだよ、人とは。創平さん、甘いですねぇ。私が手加減出来ないとでも?それに、創平さんは死にませんから!」


どこかで聞いたような台詞だなぁ。しかし、ヤヴァイ。このままでは、理不尽に折檻されてしまう。俺は不死身だから、地獄と同じで、死ぬほどの拷問がエンドレスで続いてしまう。

…仕方がない。我が日本の誇る伝統芸を披露しよう。


紙 「すみませんでした。折檻は勘弁してください!地上の調整頑張りますからぁ!!」


そう言って、スーパーエキセントリックで、ダイナミックかつスタイリッシュな土下座を披露しつつ、日本の酒屋でデータ保存した、特級純米酒の角樽一升入りと盃を複製して差し出す。勿論、”特殊能力:紙”を持つ俺は、熨斗紙、水引付きで、豪華に装飾した!


根神 「仕方ないですねぇ。私は優しい女神ですから、許しましょう。」


紙 「もしもし、神代さん?根神さんがいじめるんですよ。」


神代さんの名刺は、通信機能があるのだ!神域からなら、異世界でも通信可能だと教わったので告げ口だ。


根神 「ちょ、ちょっと!創平さん!何してるんですか!?」


紙 「神代さんのこと破廉恥とか言ってましたよ。」


神域に、四角いモニターっぽいのが現れた。

神代さんだ。


神代 「根神~?私がそちらへ行けないからと言って、悪口言うのはどうかなぁ?創平さんは協力者ですよぉ~?無茶させるのは駄目でしょう!!」


神代さんは根神さんの先輩だが、上司でもあるのだ。問題ある場合は告げ口(報告)しろって、言われてるんだよ。


根神 「先輩すみません!もう言いません!創平さんに無茶振りしませんので、許してください。」


神代さんは結構立場が上で、人事権を持っているから、問題あると判断すれば、根神さんをこの世界担当から異動できるのだ。その場合、大人数で管理する、糞忙しい世界担当に飛ばされるとか言ってたよ。


神代 「創平さん、問題あったら連絡くださいね。」


紙 「神代さん、ありがとうございます。根神さんが自画自賛したので白い目で見たら、危うく折檻される所でした。助かりましたよ。」


神代 「折檻は駄目ですよ。スパンキングのようなプレイは、OKですけど。」


そっちの話題に振るのかよ。まあ、いいや。


紙 「神代さん、召喚勇者が鬼畜で危険だと認識させるのに、根神さんの提案で、どうせ殺すから、女どもを凌辱するのが効果的と言われたんですよ。私はそう言う趣味無いんですよねぇ。仕事ですから、やりますけど、参考資料とかありますか?」


神代 「資料無くても大丈夫ですよ!ユー、テキトーに強姦しちゃいなよ!」


変なポーズで言われた。

軽いノリだな。


紙 「神代さん、無茶苦茶言いますね。」


神代 「適当でいいんですよ。地球の因子対応しましたよね?それで問題ありませんから、後は根神と相談してください。問題があれば、連絡お願いします。それでは、ご機嫌よう!」


通信切られた。名刺も仕舞っておく。

俺の知り合いの女神様は色々アレだ。何と言うか、しょっぱい。

根神さんが恨めしそうな顔で見ているな。


根神 「創平さん、告げ口はずるいですよ!」


紙 「神代さんの指示ですから。話し戻して良いですか?この魔剣に関して確認です。あ、赤熱と白熱よ、ここは神域だ。そこの美女は、この世界を管理する女神様だよ。前任の神は消滅した。色々問題を起こしたからな。魔剣のお前らは、神域や神のこと、俺に関することは他の者に話すことが出来ないよう制限を掛けている。理由は分かるな?」


赤熱・白熱 「何と!女神様だと?神域と言うと天界と言われる場所か?神々が住む場所の。主は神の一柱なのか?」


根神 「魔剣よ。お前たちの主は人であるが、我ら神と同等の力を持つ存在だ。主の為に、その力を使い助けとなるのだ!良いな?」


根神さんが、神様らしい言葉で魔剣に命令した。


赤熱・白熱 「はっ、神の御心のままに!」


魔剣も素直に従っている。


紙 「根神さん、この魔剣は、確かに高温を発生可能ですが、ここの情報にあった広範囲攻撃が可能なのですか?個人携帯装備で、火属性最大攻撃力を持ってるような感じは無いですけど…。」


根神 「うーん。ここでは、情報と記録しか見れないですからねぇ。その魔剣は使用実績が無いですから、記録が無いんですよ。次元管理局の者が創った物ならすぐ分かるんですが、地上のダンジョンで発生したものですから。私や創平さんの方が攻撃力もありますから、判断できないんですよ。魔剣よ、どうなの?」


赤熱・白熱 「我らが火属性最大攻撃力を持つかは、他の火属性を持つ武具と比べていないので不明だが、広範囲攻撃に関しては、我らを双剣として使用する必要がある。”灼熱火炎殺”と言う、超高温の熱波を広範囲に放つ技を使う。威力は使用者が魔晶石に与える魔力に比例する。現在魔晶石に充填されている魔力だと、500m四方を焼き尽くせるな。温度は、2,000度と言ったところだ。熱耐性が高い相手以外なら、消し炭になるだろう。温度を上げるには、火属性の魔法を併用する必要がある。」


紙 「2,000度か。鉄を溶かす温度が、1,500度(1,530度だったかな?)ぐらいだから、生物を焼き殺すには十分だな。火や高温に耐性がある魔物がいるんでしたっけ?」


この世界の温度基準は、セルシウス度と同じだ。水基準の所謂摂氏温度だ。


根神 「ええ。水棲の魔物などは、冷却能力があったり、水属性の魔法が使用出来たりするようです。岩石系の魔物や火山地帯などに生息する魔物は、耐性がありますね。」


紙 「まあ、魔物退治が我々の目的では無いですし、”特殊能力:紙”もありますから、問題は無いです。」


根神 「まあ、我々は戦闘が目的では無いですからね。そう言えば創平さん、金品を巻き上げるとか芸をしろとか考えましたね。効果ありますよ!次は、ハッスルタイムです!神域から見物しますので、楽しみにしてますからね。」


根神さんいやらしいな。楽しみにするなよ。


紙 「面倒なので、さくっと終わらしたいんですけど。仕事ですからやりますが、性欲は減退してるんですよねぇ。」


根神 「ダメダメ!鬼畜な行為的演出を希望します!盛り上げてください!」


紙 「駄目だしされても困りますよ。私はモテないおっさんですから、そんなの無理です。」


根神 「そんなぁ、つまらないですよぉ~。」


紙 「まあ、善処します。ところで、魔族に関して分析できましたか?」


根神 「ええ。やはり、クリミナルが介入してましたね。地脈をいじってました。次の攻撃は、半年後です。イレギュラーは、あるかもしれませんけど。創平さんの力に、星が反応する可能性が高いです。」


紙 「やっぱりですか。歴代の召喚勇者の時も調整していましたからね。同胞がこの世界に馴染んで、取り込みやすくなるように介入した記録ありましたし。結果的に無駄でしたけど。魔族に関していじるのは、不味いですよね?やっぱり、私に星が反応しますか。私は微妙な存在ですからねぇ。高次元の存在なら大丈夫なんでしたっけ?存在を変化させるのは、不味いですけど。」


根神 「はい。この世界にとって、魔族はシステムの一部ですから。分析した結果、創平さんが召喚されたのは、クリミナルの力が小さくなって、事象に介入出来なくなるのを恐れて、干渉した結果でした。周期を無視したのはそのせいです。創平さんに星が反応するのは仕方が無いですよ。特異な存在だって、星も直ぐに判断しますから問題無いです。」


紙 「なるほど。想定していた通りでしたね。クリミナルもやらかさないで、真面目に管理すればよかったのに。そうすれば、何かあっても手助け出来たんですよね?」


根神 「勿論。クリミナルはプライドが高かったんで、自分で何とかする考えだったようです。存在力の大きさで可能なことは、決まっているんですけどね。『単独で管理任される自分スゲー』とか思って、何でも出来ると勘違いしたんでしょう。一応、優秀と言える能力はありましたし。」


紙 「ああ、人間でもいますよ。優秀ではあるけど、専門外で知識も技術ないのに、何でもできると勘違いして、顔突っ込んで問題起こす人。問題起こして、無責任に逃げて、処罰されても逆恨みするタイプ。関わりたくないタイプの人です。」


根神 「クリミナルは、そんな感じでしたね。反省させる為に、この世界担当になったんですよ。やりたいことをするのに、存在力が足りないからって、やらかすとか理解できませんが…。」


紙 「根神さんは?」


根神 「え?」


紙 「え?じゃないですよ。」


根神 「私は問題起こして無いですよ?」


根神さんの目が泳いでいる。


紙 「どうせ仕事さぼって、担当していた星の知的生命体のウフーンな行為でも、見ていたんでしょう?」


根神 「仕事はやっていましたよ。監視の一環で、ウフーンな行為は、見て良いんです。問題にされたのは、音声をちょっと…。」


紙 「大人数で管理しているところで、大音量にしたとかですか?」


根神 「いや~、仲間で批評していたら、騒がしいってクレームが…。」


紙 「それで、クリミナルの後始末という、面倒なこの世界担当になったと。」


根神 「まあ、それもありますけど、この世界担当になったのは、私も魔法がある世界出身ですからね。そっちの理由のが大きいですよ。」


…根神さんは、痛い女神様だ。聞いた話が事実なら、次元管理局には根神さんのような好き者の神がいるって事か。

地球のある世界が寿命になっても所属したくねぇ。普通の人間に戻りたい。


紙 「まあ、詳しいことを聞くのは不味いでしょうから、行動予定の相談をしましょう。調整した方が良さそうな事もありますし。」


根神 「そうですね。えーっと、現在の状況は…。」


現状報告と情報確認、行動予定などを決めていった。

直近の予定が決まったので、部屋に戻って来た。時間軸調整しているので、問題は無い。

普通に寝たけど、イベントは起こらなかった。

しかし、気が重い。根神さんが監視してるんだよね。神代さんもあのノリだし。

色々忙しいけど、気持ちを切り替えて頑張るとしよう。



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