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第十四話 火属性の魔剣

宝物庫をあさります。

寝込んでいたせいで、リアルの仕事が溜まってしまい、更新が遅れます。すみません。

風邪がぶり返して治りません。

皆様もお気を付けください。

今回は、少し長めです。


宝物庫まで来たが、神域で確認した情報だと扉が魔法で閉じられてるんだよね。

メソポ王国の王族かその血筋じゃないと、開けられないようになっている。地球の成体認証より高度な感じだが、武装に剣を使うレベルのこの世界に、何故高度な魔法技術が存在するのかは、機会があれば説明しよう。

まあ、魔法で閉じられていると言っても、俺はデータシートを改変すれば開けれるけど。魔法を解除して開けることも可能だし。

この世界の連中が魔法を解除する場合は、魔法の術式を解析可能な能力を持ち、干渉できる魔力を持つ高位の魔法使いでないと無理だけど、クリミナルの力を引き継いだ俺は、一瞬で処理できるから。

説明していて、人外になったのを実感するので嫌になる。

さっさと宝物庫へ入らないとね。


…何と言うか、見た目は宝物庫と言うより倉庫っぽいな。扉とかシンプルな両開きだ。変な装飾とか無い。蔵みたいな感じで、鏝絵(こてえ)(鏝と漆喰で作られたレリーフ)でもあるかと思ったんだけどな。まあ、見た感じ扉は、日本の土蔵の奴みたいに厚みがあって、頑丈な造りだけど。

警備の兵士が二人いる。


兵士A 「止まれ!ここは立入禁止だ!」


兵士B 「待て!隷属の魔道具を付けられているが、姫様だ。貴様、姫様達に何をした?宝物庫へ何の用だ!」


紙 「ああん?何だよ。白髪頭から連絡来て無いのかよ。俺は、勇者召喚とか言う人攫いにあった被害者だ。この城の財産は既に俺の物になっている。そこをどけ!宝物を没収する。屑女!説明しろ。」


屑女 「ご主人様の言う通りです。父上の許可も出ています。そこをどきなさい!」


屑女妹 「勇者様と姉上の言う通りです。死にたくなければ、どきなさい!」


兵士A 「し、しかし、姫様達は隷属されて、無理矢理言わされているのでは?」


兵士B 「将軍から勇者殿の行動に手出し無用の連絡はありましたが、勇者殿とは言え、勝手は許されません。」


紙 「あのなあ、俺はお前らの味方じゃない。この世界の連中に、隷属も従属もしていないの。逆に人攫いするような屑どもを隷属してるの。分かるか?その意味。」


兵士A・B 「我らが世界に、仇なす者を通すわけにはいかない!」


兵士は腰の剣に手を掛けた瞬間、平伏した。


紙 「お前ら馬鹿だろう?この国の王や王族も隷属してるんだぞ。俺に逆らえるわけ無いだろう。命令だ。お前らは外に行って、殺しあって死ね。」


兵士は命乞いをしながら、外に向かっていった。


兵士A・B 「勇者殿、お許しを!死にたくない!」


後で分かったが、こいつらはお互いの首を切って死んだ。


紙 「ふむ。こういう対応も使えるな。しかし、王族が人質だというのに、攻撃するかね?丸腰だから舐めてるのか?人に攻撃するなら、返り討ちになる覚悟ねーのかよ?それとも自惚れてんのか?丸腰に負けるはずないってよ。俺は、お前らの言う召喚勇者なのに。この世界の連中は、死ぬ覚悟も無く攻撃して、負けると命乞いするとか無責任で身勝手だな。」


隷属は自動で行うようにしたが、会話が終わるまでは、行動が普通になるようにしたんだ。勇者に対してどう対応するか、反応を観察するためにさ。俺に攻撃は出来ないけどね。そうそう、俺の特殊能力の効果を無効にされたりするのか根神さんに確認したら、存在力の大きさの関係で、この世界の連中には無理だそう。俺が解除しない限り永続効果があるってさ。クリミナルも存在しないし、根神さんは味方だから、俺はこの世界で無敵ということになる。だからこそ、恐怖を植え付けるのが難しい。人知を超えた力は、自然災害と同じで、恐怖よりも諦め状態になってしまうからだ。手加減が必要になる。良く言われるヤクザが殺さずに痛めつけて、恐怖で支配するのと同じようにね。ヤクザと知り合いじゃないから、この辺の詳しいことは、良く分からんけど。

こっちの連中を間引く対応も色々試して、恐怖を植え付けるのに効果的な方法を模索することになってるし、勇者召喚が危険な行為だと認識させる必要あるから、この世界の連中の思考パターンを理解しないといけないんでね。

この世界でも地球でも同じだが、人は危険なことや恐怖などの記憶は、危機回避の関係から覚えているのだが、自分が体験したことじゃないと他人事で済ませてしまうんだよ。戦争を体験していない世代に悲惨さを訴えたところで、そう言うモノか程度でね。500年も経てば尚更だ。歴史の一つになってしまう。まあ、軍人など危険な仕事をしている連中は、認識するだろうがね。ここは、魔物と言う危険生物がいる世界でもあるから。

話がずれたな。


…ん?屑女どもは、兵士に出した命令で顔を伏せている。(感情を出せるように、隷属の魔道具を設定済みだ。)

同情してるわけでは無く、明日は我が身だからだろう。他人の命は、そこらに落ちてる石ころ程度の認識なのが権力者だからな。

国の為、民の為なんて無責任に口にするけど、一番死ぬ覚悟が無いのが権力者だ。

神輿で担がれているだけの場合もあるけど。

しかし、人攫いを行ったくせに、攫った相手が自分達よりも強い相手で、返り討ちに遭うとか考えないのかね?犯罪者の持ち物は、討伐したものが自由にして良い世界なんだから、兵士も舐めてるよな。日本だと過剰防衛で、被害者が罪に問われたりすることが多いが、この世界では、襲ってきた連中を殺すのは正当防衛で当然の権利なのに。


話がずれたついでに説明しよう。神域で確認したが、この世界は、封建制度がある地球の中世の仕組みに近い世界だ。絶対王政で貴族や騎士などがいる。共和制に近い国もあるが、民主主義では無いな。多少合議制の仕組みがある感じだ。知識階級が少ない影響もある。

騎士がいる世界ということで、騎士道精神溢れる連中がいると勘違いされると困るので説明するが、地球でもこの世界でも物語の騎士と違って、実際の騎士は虐殺、略奪、凌辱とかやるのが当たり前の連中だ。自分達の欲望や都合で人々を蹂躙する。『正々堂々?ナニソレ、オイシーの?』だもん。地球の十字軍の記録とか見ると、ロクデナシを集めて遠征してたりする。それが聖戦に赴く聖騎士とか笑うしか無い。騎士が高潔と程遠い連中だってのは、分かるだろう。

この世界の連中は、平気で勇者召喚と言う人攫いをする連中だ。少数民族ならぬ少数種族の亜人を差別しているし、異世界人を下等な生命体とするとかロクデナシの集まりだ。自分達で魔族対応できない能無しの癖にさ。

さて、ズレた話をしていても仕方がない。宝物庫へ入らないと。


紙 「扉を開け。お前ら王族じゃないと開かないんだろ?無理やり開けても良いが…。」


屑女 「開けますので、お待ちを。」


屑女が扉を開いた。情報を持っていても疑問に思わないようだな。まあ、特殊能力と考えているのだろう。

中に入ったが、宝物庫は結構広い。

王族しか扉を開けないが、実は掃除用の鍵がある。王族が定期的に魔力を込めることで、扉を開けることができる鍵になっている。その鍵を使って掃除しているので、宝物庫は埃だらけと言うわけでは無い。鍵は王族が管理しているし、監視の兵士が居て、入退出管理も行っている。収蔵品の台帳もあるので、掃除で入れるからと言っても宝物を盗まれたりはしない。

王族の血を引いていない者が王族に加わった場合は、扉の魔法に登録する魔道具がある。登録する魔道具も王族じゃないと動かせないようになっている。登録する魔道具は、地球の成体認証の仕組みに似ているな。実は、登録する魔道具を使わなくても扉の魔法は反応するんだけどね。扉は鑑定の魔法も付加されているので、王族を判別できるようになっているから。血筋を判別する特殊な魔法もあって、その魔法も使われている。(この世界の連中は、扉に使われている魔法の仕組みを理解していない。遺跡やダンジョンから発見される魔導書などの魔法をコピーして使っている。血筋判別と鑑定の魔法がどの魔法か知られていない。使用例として載っている魔法をそのまま使用している。魔導書に使われている言語が、使用されていない言語で、断片しか解読できていない為でもある。魔法の研究はされているが、開発力がそれほど高いわけでは無い。人や亜人で鑑定の魔法が使える者はいない。召喚勇者の同胞は使用できたようだ。”クリミナル”が魔法の知識を与えていた。勇者召喚魔法陣に魔法知識付与などの効果が掛けられていたよ。取り込む前に死なれるのは困るからだけど。”特殊能力:魔神”の勇者は、与えられた魔法知識と陰陽師の知識を活かした魔法を使っていたようだ。俺は魔法の知識とかクリミナルに貰ってない。根神さんが確認したら、勇者召喚魔法陣の使用条件が揃っていないのに無理矢理召喚したので、魔法陣の魔法が正常に発動していなかった。クリミナルも監視していたので知っていたようだが、干渉するか様子を見ていたんだよ。まあ、干渉される前に日本に戻っているし、存在力の関係で干渉しても無駄だっただろうけど。俺は”データシート”が使えるから、かなり特殊だ。クリミナルの力を引き継いでいるから、俺も鑑定の魔法使える。そうそう、魔法が発見される遺跡は、この世界の知的生命体が造ったものでは無い。この辺は、機会があれば説明しよう。あ、言語に関しては、勇者召喚魔法陣は次元管理局のシステムの一部なので、異世界言語の会話や読み書きなどが相互翻訳(日本語で筆記しても異世界言語に自動で翻訳筆記される。会話も同様だ。まあ、翻訳されない物もあるけど。地球には無い物とかはね。)されて、意思疎通できるんだと。詳しい仕組みに関しては、教えられないそう。この辺は、データシートに詳細が無かったけど、制限が掛かっていた。神代さんが教えてくれたよ。)

細かい事はどうでもいいな。


紙 「絵とか彫刻など美術品もあるが、そんなのはいらん。石があるが、宝石か?美術品は、この世界の宗教的な物か?」


石は魔石だな。紫色でアメジストに似た見た目だ。普通の石と違って、魔力を感じる。(神域で色々確認してるから判別出来る。魔石のサンプルなども見たし。これ魔族のだな。魔物の魔石は、オニキスみたいな黒い石だ。)

美術品は没収しても意味が無い。モデルが王族関係なのは知っているが、知らないふりをするのも予定行動だ。ある程度隙を作って、油断させる必要あるしな。


屑女妹 「美術品は王族関係です。式典などで飾ったりします。その石は魔石で、魔族から採取した物です。」


紙 「ふーん、これがそうか。何故、俺を攫う魔法陣の儀式で使わなかったんだ?」


屑女 「ここは、王族でも王の許可が無ければ入れませんので。」


紙 「あっそ。使えそうだから、魔石は貰っておく。しかし、良く分からん道具ばかりだな。」


屑女妹 「歴代の勇者様の亡命先との戦の賠償で、使える物や価値がある物は、売却されるか戦利品として引き渡したので、曰く付きの物しかありません。魔道具なども旧式で価値がありません。歴史資料として、保管しているようなものです。」


紙 「価値が無い物は、いらねー。曰く付きの物って何だ?それと、魔石は戦利品として渡さなかったのか?」


屑女 「魔族の魔石には魔物や魔族を引き寄せる性質がある為、各国でそれぞれ保管しているのです。危険な性質を持つ為、うかつに使用できません。運ぶ場合、結界魔法を付与した専用の運搬用魔道具に入れる必要があります。宝物庫は結界魔法を使用して、魔石の性質を封じ込めています。」


屑女妹 「曰く付きの物ですが、そこの剣がそうです。魔剣なのですが、剣が所有者を選ぶ性質があるようで、所有者として認めないと鞘から抜こうとした瞬間に、黒焦げにされます。危険なので、国で管理しています。剣を所有するべく、挑戦した者もいましたが、全員黒焦げで死んでいます。今では挑む者はおりません。戦利品として接収しようとした他国の者が剣を抜こうとして黒焦げになったので、他国も事故を恐れて持って行きませんでした。」


紙 「なるほど。俺が魔石を持ってる分には問題ねーな。魔物とかが襲ってきて、この世界の連中が死ぬのはウエルカムだ。剣は二つあるが、両方とも魔剣か?」


屑女 「はい。両方とも火属性を持つ魔剣です。鍔の所に石が嵌めてありますが、魔晶石と言って、魔石と違い、魔力を使っても無くならず、時間がたてば魔力が回復する石です。鉱山から、極稀に採掘されます。その魔剣の魔晶石は、火属性の物です。ダンジョンの宝箱から出た魔剣と言われているので、人や亜人などが造ったものではありません。鑑定の魔道具によれば、魔剣”赤熱”と”白熱”と名が付いています。」


紙 「ほお、作成者がいなくても名が付いているのか?これが魔晶石ね。歴代の勇者は、欲しがらなかったのか?それに、鑑定の魔道具って何だ?」


屑女妹 「勇者様に”特殊能力:剣聖”を持つ方がいたと伝わっておりますが、”刀”と言う神剣を持っておられたと言われています。魔剣の性能を遥かに超える剣だと伝わっていますので、必要なかったのだと思います。”特殊能力:魔神”を持つ勇者様は、”蛇行剣”と言う特殊な剣のような物を使用する魔法使いだったと言われていますし、”特殊能力:槍聖”を持つ勇者様は、”薙刀”と言う神槍を使っていたと伝わっていますので、魔剣は必要なかったのでは無いかと思います。それぞれの武具は、今も子孫が勇者様の遺品として、祀っていたはずです。勇者様、魔剣をお使いになられるのですか?鑑定の魔道具は、極稀にダンジョンなどから出る物で、個人の能力や資質、物品の鑑定ができる石板のような魔道具です。城にもありますが、性能にばらつきがあり、目安にしかなりません。」


紙 「なるほど。歴代の勇者は、リスクを避けたんだな。あるいは、自分を下等な異世界人として扱ったこの世界の連中が、事故で死ねばいいと考えたか。一通り見たが、他に使えそうな物が無い。俺はお前らの言う召喚勇者だから、この世界の者よりは強力な筈だからな。魔剣を使うのは問題無いだろう。鑑定の魔道具はいらね。お前らに俺の能力を教える必要は無いからな。」


魔剣は両方没収するが、取り合えず”赤熱”を持ってみる。大きさは、兵士が帯剣してるやつより少し短い。片手剣だな。かなりの重量もあるようだが、何故か重さを感じない。魔剣の摩訶不思議の力かもね。

俺はクリミナルの力を引き継いでいるから、この世界のモノは全て問題無く使えるはず。根神さんも調整しているはずだし。…悪戯は仕込んでいないだろうな?

あ、結界魔法だが、宝物庫には魔法陣が描かれている。宝物庫の扉は付与魔法で閉じている。これらは儀式魔法で、発動にある程度魔力が必要になるが、永続効果は空間に存在する魔力を利用する。空間の魔力を利用するには、触媒が必要になる。この世界では、魔導士が杖を使ったりするが、それは魔法の触媒だ。錬金術によって、自身の魔力を起爆剤として、空間の魔力を利用できるように作成している。触媒となる素材は、魔物素材や特殊な鉱物など貴重な物だ。空間の魔力を利用するにも制限はあるので、万能ではない。魔力の元である魔素の濃度が薄い場所などでは、空間の魔力は利用できなかったりする。魔法によっては、空間の魔力を利用できない種類もある。肉体強化魔法とかね。この世界の生物は、呼吸や食事などから魔素を取り込み、魔力を生きている限り発生する。例外的な連中もいるけど。

俺は、触媒が無くても魔法が使える。神域の記録では、同胞の召喚勇者は、持っていた武器が魔法の発動媒体になっていたよ。俺はこう言った面でも特殊だ。まあ、丸腰で魔法が使えるのは便利だけどさ。

魔晶石についても説明しておこう。魔晶石は、地脈の力を受けて、鉱物や宝石が魔石化したものだ。魔石と違う性質なのは、この為だ。例えて言うなら、魔石は一次電池で使い切り、魔晶石は充電できる二次電池と言った感じだ。魔物は魔素を魔石として心臓に生成する能力がある。魔物によっては、自身の魔石の魔力を利用して、上位種になったりするのもいる。魔法を使う魔物は、発動媒体で使用していたりする。病気の結石と違って、魔石は魔物の病気の産物ではないぞ。それに魔石は魔力の塊で、魔晶石と違って属性は無い。まあ、他にも地球には無い妙なモノが、この世界にはあったりするけど、それは機会があれば説明しよう。

さて、魔剣を鞘から抜いてみるか。


赤熱 「ヒッ、ヒッ、フゥー、ヒッ、ヒッ、フゥー、ヒッ、ヒッ、ヒート、ヒッ、ヒッ、ヒート。」


魔剣から変な声がする。一瞬妊婦の呼吸法かと思ったが、なんか違う。ヒートとか言うなら、”赤熱”じゃなく”過熱”だろう?オーバーヒートってね。剣は赤く輝き、熱を放っている。デザインはシンプルだ。片刃で、サバイバルナイフを大きくしたみたいな感じだ。鞘と柄頭の部分は深紅で、魔晶石は金色だな。宝石や鉱物に詳しくは無いが、元は金では無さそうだ。見たことある鉱物標本で似ているのは、パイライトっぽいかな?魔晶石は魔石と違って、呼吸しているような感じを受ける。実際に呼吸しているわけでは無いが。魔石はそう言うのは無い。両方魔力を感じるのは同じだけど。直径が、5~6cmぐらいの大きさで、鍔の所に嵌っている。見ていると火とか炎のイメージを何となく感じる。熱を発しているわけでは無いが、火属性というのは感覚で分かる。…抜剣したけど、別に黒焦げにはならないね。魔剣が俺の魔力量を測ったみたいだな。変な感じした。自動で計測拒絶したから、所有者として認めたのかもね。(俺を鑑定や解析しようとしたら自動で拒絶するように、データシート改変で対策してある。)この手の測定系の力は、測定側より被測定側が魔力や能力が高くないと拒絶できない。

神域で確認した情報だと、魔剣が所有者と認めないと、抜剣しようとした瞬間黒焦げにされて、鞘から抜くことができないんだよな。持ち運ぶことは可能だけど。

細かい事は気にしなくていいけど、悪戯仕込まれて、手品みたいに花とか出なくて良かったよ。神代さんなら悪戯しそうだけど、根神さんは人使いが荒い女神様だからな。ふざけて足引っ張るタイプじゃないし。神代さんはやらかしてから、力技で元に戻すタイプだ。

話がそれたな。


紙 「何だよこれ?喋るのかよ。騒がしいぞ!熱放ってるけど、手入れできるのかよ?普通に刃物として使えないんじゃ、安物の包丁より価値ねーぞ!」


喋るだけあって言葉が分かるようだ。魔剣が熱を放たなくなった。この魔剣は、赤熱鉱とか言う魔力と反応して、高温を発生することができる特殊な金属製だ。硬度が高く、比重も金と同じぐらいあるはずなんだけど、重さは感じない。希少金属で、鉱山では産出しないファンタジー金属だ。ダンジョンなどで稀に発見されるのみの鉱物だな。錬金術を使わないと加工できないはず。まあ、そんなのはどうでもいいか。

ここでは試し切りできないから、確認は後だな。


紙 「”赤熱”は、別に問題無いな。”白熱”は、どうだ?」


魔剣”白熱”も”赤熱”同様に試してみる。


白熱 「フィ、フィ、フィ、フィーバー、フィ、フィ、フィ、フィーバー!!」


これも同じかよ!この世界の魔剣て騒がしいな。神域で確認した時に、生物では無いけど、付喪神的な自我を持ってると情報にあったが、これがそうか?戦闘用の道具の癖に、騒がしいのはどうなんだ?

騒がしいので不愉快だが、魔剣”白熱”の見た目は、白い輝きなだけで、デザインは赤熱と同じ。大きさもね。違うのは、鞘とかが、月白(げっぱく)色だ。月白とは、薄い青みを含んだ白色だ。白熱も文句言ったら、熱を放たなくなった。この魔剣も、ファンタジー金属の白熱鉱って奴で出来ている。特性は、色が白いだけで赤熱鉱と同じだ。鉱山で産出しない希少金属なのもね。

しかし、話せるなら役に立つこと言えよ!


紙 「問題無いから魔剣は没収だ。他に使えそうな物は無いのか?呪いが掛かってるような奴とかよ。屑王は、呪われた武器でやられて、人面瘡になったんだろう?(神域で確認したが、国王とは言え、男の王族が通常一人の為、視察などで移動が多く、その時に襲われている。魔物は逃げたので、呪いの武器は回収できていない。)武器以外のマジックバッグのような便利な魔道具とかは?あ、使える物は無いんだったな。」


屑女 「呪いの品は、隣国のインダース教国が戦利品として、持って行きました。」


紙 「呪いを解けるのか?」


屑女妹 「解呪できるかは不明ですが、呪いの品には、魔物化する仮面などがあったようですから、罪人などに装備させ、神に敵対する者として倒すなど、自分達の宗教の正当性を示すには丁度いいですから。槍聖の勇者様は、インダース教国に亡命しましたし、異世界の僧兵だと言っていた勇者様をインダース教国は、神の遣わした聖人として祭り上げています。」


なるほど。神域で調べた通りか。薙刀を使う僧兵で、戦国時代の終わりの時期の人物らしいからな。剣聖の勇者も戦国時代の人物で侍だ。魔神の勇者は、江戸時代の人物で神職みたいだが、陰陽師も兼任していたようなんだ。兼任できるのか良く分からんが、記録ではそうなっている。俺以外の勇者の時代なら、元服してる年齢で大人だし(他の勇者は全員17歳だった。)、メソポ王国の人攫いを信用しなかったのも理解できる。

勇者召喚魔法陣は、地球に繋がる時間軸が一定では無く、不安定なのは神域で確認している。

根神さんが、スゲー怒っていたよ。不安定な勇者召喚魔法陣のような物を使うと、平行世界に不安定な力の影響が波及するんだそうだ。今は、俺の世界の存在をメンテする力で安定したらしいけど。俺の力が無ければ、神代さんやその上司が調整する必要があったらしい。

そうそう、地球の方がこちらの世界より存在力が大きいから、数打ちの武器でも強力な存在になったみたい。確認した限り、勇者の武器は数打ちの品だ。魔神の勇者の蛇行剣も儀式用の複製で、それほど価値のある物じゃない。

勇者の遺品は、亡命先の国で祀られてたけど、俺の世界の存在をメンテする力の影響で消滅してる。いきなり消滅したので、祀ってあった場所では、パニックになったようだ。

それに、子孫に残っていた勇者の遺伝子何かの因子は、こちらの世界の者の因子と置き換わっている。つまり、すでに子孫じゃなく他人だ。無意識でこんな力が発揮されるとか、びっくりだよ。まあ、子孫と言っても、それぞれの勇者に女性子孫が一人居ただけだがな。男の子孫は、事故なんかに見せかけて殺されていたよ。勇者が死んだ後に血を引く者は、代々一人を残して間引かれていた。ひでー世界だよ。

勇者の嫁は、王族とか偉いさんの娘だけど、男の子孫は平気で殺しているんだよ。権力争いもあってね。

男の子孫しかいない時は、子供を残した時点で暗殺されたりしている。

女性子孫も洗脳されて、代々傀儡状態だ。(精神干渉系の魔法の使い手が、従者として洗脳しているようだ。アクセサリー型の魔道具を使用していると情報があった。代を重ねているので、現在は洗脳と言うより監視だが。)まあ、勇者の嫁自体が政略結婚していて、子供にこの世界の常識(亜人を差別するとかね。各国の法では平等に扱うことにはなっているようだが、実態は違う。)を植え付けていたから、同胞の血を引いていたとしても助けようとか思わない。大体血が薄くなっているからね。この世界の者と同一と考えて問題無いレベルだ。(日本人でも移民として代を重ねた日系人は、血を引いているというだけで、その国に同化して、日本人ではなく外国人に心身共になっているだろう?それと同じ状態だと思えばいい。)最初の召喚勇者の子供から2,000年以上経っているし、3人目の子供でも500年以上経過している。(500年周期で魔族の攻撃があって召喚されたが、前回の攻撃では、召喚しないで対応して、被害が甚大になっていた。今回は攻撃周期が短かったのと、前回の被害の大きさで焦ったんだよ。確か前回の攻撃から300年だったかな?まあ、どんな理由があろうが、俺を召喚したことは許さんけど。排便中に攫われて、俺は尊厳を喪失したし。)同胞は俺と違って情報源が、一緒に行動していた奴隷にされていた亜人達だったから、亜人を平等に扱うよう各国に要求したんだ。手を貸す代わりにね。持ち物や装備品には付与魔法で、自分以外が使用できないように制限を掛けていたっけか?この辺は、もう存在しないから聞き流したんだよね。

しかし、魔物化する仮面か。付ける時は、『俺は人間を辞めるぞ!』とか言うのかな?


紙 「ふーん。その宗教とやらは、何を祀っているんだ?」


屑女 「良く分かりません。世界を見守る”神”を祀っているとしていますが、教義などは不明です。人質の弟が戻れば、詳細が分かるはずですが、まだ戻っていませんので。わが国では、魔法の基本となる四大元素(地水火風)を祀っているので、他国の宗教までは…。」


紙 「ただ”神”か…。」


この世界の神は、根神さんに変わったけど、教える必要はない。クリミナルのこともね。

インダース教国は、自分達に都合のいい、”神”を創ったっぽいな。

…世界を見守る”神”か。根神さんや神代さん達の立場に近いな。クリミナルが、干渉したのかもしれない。ただ、神代さん達は、知的生命体の味方でも敵でも無いからなあ。気にしても仕方が無いか。


この世界の情報は、大まかにしか確認していないから、細かい情報は知らないんだよ。クリミナルから引き継いだ情報もあるけど、多すぎて処理できない。処理能力は大幅にアップしているけど、一応人の俺は、制限があるから。次元管理局関連の情報などは、神代さんに閲覧制限を掛けられてるしね。この世界の情報に関しては、根神さんに頼んで情報の整理を多少したので、ある程度は分かるんだけどさ。それと神域の管理システムから直接情報を取れるように、根神さんに調整して貰ってはいるんだけど、こっちも情報量が多いから、負担になるんだよ。処理に時間もかかるし、頭が痛くなる。管理システムの最適化が終わらないと、必要な情報だけ閲覧するとか融通効かないんだ。根神さんが対応中だよ。高次元の存在になれば、普通に処理できるらしいけど、完全に人間じゃなくなるから、地上への干渉が問題になるし。必要な情報は、個別に教えて貰っているんだ。


同胞の坊さんは、良いように利用されたみたいだな。記録では、亡命先に神に遣わされたのではなく、人攫いにあったって説明しているし、下等な異世界人として、酷い扱いされたのも説明しているはずだからな。同胞を保護してくれた国だから、多少手加減しようかと思ったが、必要ないよな?

勇者の亡命先がメソポ王国を亡ぼそうとしたけど、他国の干渉もあったせいで、領土などの割譲とか無かったようなんだ。勇者の戦力と勇者召喚魔法陣の独占を許さなかったから。勇者は、魔法陣の破壊が目的だったしね。それぞれの思惑で均衡が取れて、今の状態らしい。クリミナルが干渉した可能性もある。(これは未確認だ。)

まあ、どうでもいいね。俺が行うことは、変わらないから。

宝物庫にこれ以上いても得るモノは無いな。

(一応、データとして全部保存したから。)

魔剣は、鞘に腰に下げるベルトが付いているので、装備した。

でも足に当たって、歩きにくい。ハッキリ言って、邪魔だ。腰回りもベルトだらけで邪魔だ。

付喪神みたいになってるなら、邪魔にならないよう人化するとかねーのかよ?

まあ、いいや。必要ない時は、マジックバッグに入れておこうかな。

そんなことを考えながら、宝物庫を後にした。

金庫室へ向かうとしよう。



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