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第十一話 引き渡し

説明回です。

不法侵入した神代は、俺の基準だと犯罪者だが、地球の管理者の女神だから、法の概念から外れるので無罪ということである。

納得いかないが、仕方がない。

見た目20代前半の美女で、俺からすれば娘みたいな年齢だから、嬉しいというよりも怪しいという感じしか抱けない。

まさに、冤罪まっしぐらの状況だろう。

勘弁して欲しい。


紙 「ちょっと待ってくれ!話は聞くが、聞いた時点で何らかの契約事項が発生するとかは無いだろうな?そう言うのは反則だぞ!神代さん、その辺はどうなの?」


逆らえないとはいえ、不利にならないように確認しておかないと。


神代 「んもー、心配性ですねぇ。平行世界の調整をしてくれた者に、無茶言わないですよ。安心してください。我々の同類になった創平さんに、神がどういう存在か説明するんです。あ、もしかして、美女と二人きりで緊張してるとか?」


何とも言えない表情で神代さんを見る。(地球の管理者の女神様だ。敬意を払うことにした。)

美女と二人きりでもね、緊張するような年齢じゃないから。

それと悲しいことに、性欲は減退しているんだよ。


神代 「な、何ですか!その目は。痛い人を見るような表情は、止めてください!」


そうは言っても、神代さん女神様でしょうけど、はたから見たら痛い人だよ。


紙 「はぁ~。神代さん、話は聞きますので、お願いですから無茶ぶりは止めてくださいね?美女なのは認めますが、人に冤罪を被せるような言動があったことは、忘れていませんので。」


神代 「うっ。あれは、言葉の綾ですよ。冤罪を被せるようなことはしませんので、ご安心ください。神に誓います。」


神に誓うって、あんた自身だろう?


紙 「神に誓うって、神代さんが地球を管理している神様でしょ?その言葉に意味あるの?無茶ぶり誤魔化したでしょう?」


神代 「そんなことはありませんよ。じゃあ、キスしてあげるので、信用してください。」


紙 「遠慮します。」


食い気味で答える。


神代 「何で食い気味なんですか!しかも拒否してるし。」


紙 「取り合えず、話してくださいよ。無茶ぶりしても内容次第ですからね。拒否しても文句なしですよ。」


神代 「分かりました。美女のキスを拒否するのは、納得いきませんけど…。」


そう言って、神代さんが話し始める。

内容としては、こんな感じだ。


・在るモノ、所謂”神”と呼ばれる存在は、神話にあるような存在では無い。人間などの敵でも味方でもない。

・無限にある平行世界の相互不可侵を保つ存在である。

・人間の言葉や概念で説明するのは困難だが、エネルギー体が自我を持つようなものである。

・俺と話している神代さんは、俺と話す為に地上活動用肉体を用意した物であり、神代さんの本来の姿では無い。ただし、物質であり、構成は人間と変わらないので、子供を作ることも可能!(ウインクしながら、これを強調された。しかも肉体が処女であることをアピールしてきた。アピールしても当方、美人局は、お断りです!)

・神と呼ばれる存在は、高次元の存在で、平行世界(正確に言うと”平行次元世界”って呼ぶそうだ。)の調整をしているそう。

・低次元の知的生命体は、精神力と存在力が高まると高次元の存在に変化するそうだ。仙人の伝説なんかで、白日昇天して仙人になるとかあるが、一部の者は物質世界から高次元の存在に移ったらしい。ただ、感じとしては、地球のある次元が、バージョン1.00だとすると、バージョン1.01ぐらいだそう。うーむ。ほとんど変わらんよな。

・高次元の存在が平行世界の管理を行うのは、世界は産まれたり、消滅したりが自然に行われるが、隣接する世界に影響がない状態に保たないと、神々の自我に影響があり、最悪自我が無くなる為だそう。

・俺は人間でありながら、在るモノ”クリミナル”を引き継いだせいで、微妙な存在になったらしい。バージョンでいうと13.04とか変な感じだって。異世界に召喚された時点で、10.06ぐらいになってたそう。他の召喚勇者は、1.01とか1.02程度の超人レベルで、力や能力が高いだけで、生物の域は、超えていなかったらしい。魂を回収した時に確認したそうだ。バージョン的には微妙だが、高次元の存在では無かったそう。俺が特殊みたいだ。まあ、他の召喚勇者と違って、おっさんだし。

・クリミナルは、在るモノで高次元の存在だが、バージョン3.07ぐらいで、時間軸の調整は出来ない程度の存在で、星の成長を見守る程度の力しかなかったそう。まあ、地上に多少干渉できる力は、あったみたい。俺が引き継いだけど、自我分の存在力などが減少したらしい。力が馴染めば、俺のバージョンは上がるだろうと言われたよ。

・勇者召喚魔法陣は、高次元の存在なら次元管理の関係で使用はできるが、隣接する平行世界と調整が必要になる物だそう。その場合も異世界から知的生命体を召喚するのではなく、世界の狭間から存在力を創り出して、管理している世界に補填するシステムであり、クリミナルが行ったことは、平行世界の均衡を乱す行為の為、禁止されている。勇者召喚魔法陣は、存在力補填システムと本来呼ばれるもので、管理システムの一部である為、クリミナルから取り上げることができなかったそうだ。次元管理局は、クリミナルの”名”を取り上げて、あの世界に閉じ込めるしかできなかったそう。高次元の存在を消滅するのは、影響が大きすぎる為だ。クリミナルは、異世界の知的生命体を取り込むことで、自身の存在力を上げようとしたらしい。結果としては、取り込めなかったので、無駄な行為だったようだけど。地球へ俺が召喚された世界の連中を送り出すことは、存在力の関係で無理なんだそう。もし、それを行ったら、神代さんが、異世界を破壊する権利があるらしい。管理上、許可の無い侵入者は、消滅させるそうだ。俺が異世界間移動できるのは、召喚された時点で、両方の世界で、存在を許可されている形になるかららしい。

・異世界間を知的生命体が移動すると、自身の存在を保つために、特殊能力を持つようになるが、ある程度の存在力が無いと知的生命体は、異世界間を移動中に存在を保てずに消滅する。勇者召喚の対象に選ばれるのは、異世界間移動に耐えられる資質を持つ者が、自動で選ばれたそう。(比較的神経が太い者って言われて、ムッとした。それなら、召喚されるべきは、無神経なおばちゃんが適任だろう?)異世界召喚で日本人が召喚されるのが多いのは、お人好しが多いのと日本の学校は、軍隊の訓練と変わらない部分が多いので、召喚対象になりやすいそうだ。まあ、教員は軍隊とか反対しているけど、学校って元々軍隊教育の一環だからな。行進とかモロだし。異世界に移動した知的生命体は、移動した異世界と元の世界の適性を併せ持つ存在となる。ただし、存在力の大きい世界の影響を余計に受ける。俺の場合、地球世界の方が、クリミナルの世界より存在力が遥かに大きいため、クリミナルの影響下にならず、俺自身の存在力もクリミナルより高いため、クリミナルをデータ化できたそう。他の召喚勇者が、クリミナルに取り込まれなかったのもこの適性による影響みたい。

・ちなみに、神代さんをバージョンで表すと、1800越えになるそうだ。地球のある世界出身だそうだが、銀河系よりもずっと古い惑星の知的生命体出身だそう。俺と話している神代さんは、本来の姿では無いが、知的生命体だった時の姿だそう。本当かなぁ?神様も存在力の大きさで、立場が変わって来るそうだ。クリミナルは、下っ端なんだって。クリミナルは、俺が召喚された世界とは別の魔法が存在する世界の知的生命体出身らしい。その世界は、寿命で消滅しているそうだ。ちなみに、神代さんの星は、その星の惑星系の恒星が超新星爆発して、惑星系全体が巻き込まれ、もう無いらしい。地球に似た環境だったらしいけど、詳細は話せないそう。

・神様は、エネルギー体の存在なので、年齢とかは無いんだって。(俺より年齢とかずっと上だよね?って聞いたら、怖い笑顔で言われたよ。失言だった。)

・俺の特殊能力が発動しなかったのは、神代さんの力が大きいというのもあるが、時空間に干渉できるので、特殊能力の発動自体が無かったことになるそうだ。


説明は聞いたけど、俺にどうしろと言うのかね?


紙 「神代さん、クリミナルの力なんかを渡せってことですか?別に渡すのは良いですけど、神代さんの力で、ちょちょいと出来るんですか?俺の特殊能力で受け渡しができるかは、確認しないと不明なんですけど…。」


神代 「いえ、それはすでに創平さんのモノですから。クリミナルの自我は、分離してありますよね?それは、一応回収しておこうかと。力などは失っても知識などは、自我に残ってますから、影響があるといけませんので。」


紙 「別にいいですけど。あっちの世界は、どうするんですか?管理者不在みたいですけど、俺に管理しろとか止めてくださいよ?」


神代 「大丈夫です。その辺は、我々が調整するので。創平さんは、既に高次元の存在と変わりませんが、存在を変化させますか?」


紙 「寿命までは人間として、平穏に暮らしたいんですけど…。」


神代 「あ、それ無理です。すでに普通の人間じゃないんで、寿命の概念は無くなりました。存在としては、”一応人でもある”と言う感じです。」


紙 「ええっ!?嘘でしょ?じゃあ、俺は、死ねないってことですか?」


神代 「死なないと言うか、生物の概念から外れているので、存在自体が消滅するというのはあっても生死というのは、関係無くなっています。」


紙 「んん?どういうことですか?」


神代 「肉体が活動停止したのを死と呼びますが、創平さんは肉体が破壊されたりして、所謂死亡状態に肉体がなっても、肉体を再構成して活動することが可能ですし、高次元の存在としては肉体とか関係無いですから。」


マジかよ。とんでもない人外になってるよ、俺。


紙 「えーと、普通の人間に戻るのは、不可能なんですかね?」


神代 「無理です。」


ニッコリと良い笑顔で、神代さんが答える。


紙 「マジかよ~!!俺の平穏を返してくれー。」


神代 「まあまあ、そんなこと言わずに、クリミナルの自我を出してください。」


データ保存してあった、クリミナルの自我を紙変換して渡した。紙出力なので、保存データは残っている。データは、破棄すれば消滅できるけど…。


紙 「神代さんは俺より高位の存在なので、それから情報とか取れますよね?」


神代 「ええ、大丈夫ですよ。有難うございます。」


紙 「保存データもありますけど、破棄した方が良いですか?」


神代 「一応、上の者がどうするか決定しますので、持っていてください。既に力が無い存在ですから、私や創平さん、地球世界に影響は無いので。」


紙 「あっちの世界の身勝手な連中を虐殺して、勇者召喚をしないように、恐怖を植え付けてやろうかと思ったんですが、止めた方が良いですか?」


神代 「うーん、そうですねぇ。勇者召喚の関係で、本来存在しないはずの者達もいますから(先祖の者が、本来は魔族に殺されていて、子孫がいないはずの者達など)、間引くのは良いかもしれませんね。私は、相互不可侵の関係で動けないですけど(問題発生時に苦情を入れに行くなどは可能)、創平さんが行うのは問題無いです。それに、地上への余計な介入になるので、召喚された者達の魂は回収しましたが、蘇生させるとかは行っていませんしね。」


紙 「一応、神代さんの上の方たちに、話を通した方が良いのでは?」


神代 「そうですね。そうします。あ、報酬どうします?」


紙 「報酬って、何もしていませんけど?」


神代 「平行世界の調整とクリミナルの自我の引き渡しの分ですよ。お金が良いですか?それとも、わ・た・し?」


神代さんがウインクしながら、アピールする。


紙 「貰えるなら、お金が良いですけど、税金とかで大変なことになりませんか?」


神代 「ちっ、ちっ、ちっ。坊や、神様を舐めちゃいけねぇ。問題無いようにできるから、心配無用だ!」


神代さんが、指を振りながら、おっさんみたいに答える。


紙 「そんな演出必要なんですか?」


神代 「だって、セクシー・アピール無視するんですもん。100億円ぐらいで良いですか?」


紙 「そんなに貰ったら、確実に問題になるでしょう?」


神代 「大丈夫ですよ。創平さんが生活に困らないようにしますので、安心してください。足りなければ、追加しますし。」


紙 「まあ、寿命が無くなってますから、お金がある方が助かりますけど。」


神代 「細かい調整は、こっちでやりますから。また連絡しますね。あ、私に連絡する時は、名刺を出して呼んでください。」


紙 「分かりました。あ、そうだ。向こうの世界の人とか物に少し触ったんですけど、これって問題無いですか?」


名刺は紙だからな。俺の特殊能力で管理できる。それは問題無いけど、気になっていたことは、確認しよう。


神代 「大丈夫ですよ。触ったりしても問題無いです。食べ物も食べても支障無いです。それにアダルトな行為しても大丈夫ですよ!創平さんは、両方の世界に適応していますので。まあ、地球の因子を向こうの世界に与えるのは、出来れば止めて欲しいですけど。あ、アダルトな行為するなら、データシート改変などで対策してくださいね。地球世界では、相互不可侵の関係で、異世界の病原菌その他は、存在できないように管理してます。創平さんが、気を使ってくれたのも知っています。お気遣い有難うございます。」


俺が考えること程度は、神様だけあって、ちゃんと対応しているんだな。

クリミナルは、ちゃんと管理していなかったけど。


紙 「向こうの世界で、特殊能力使って、こっちの食べ物食べたりするのは、大丈夫ですか?」


神代 「大丈夫ですよ。創平さん自身が、一つの世界みたいなものなので、向こうの世界に影響ないです。向こうの者に食べさせても大丈夫です。ただし、存在力の関係で、地球の一人前が、向こうの者には、千人前分とか一万人前分とかとんでもないことになりますから、注意が必要です。特に見た目は変化しないですから。食べさせる必要がある場合は、データシート改変などで対応してください。あ、あっちの世界の物質をデータで持ってますよね?こちらの世界で具現化は出来ないので注意してください。物質は持ち込めないので。創平さんの特殊能力のデータなら、持っているのは可能です。」


紙 「分かりました。やはり、管理上問題ですか?」


神代 「それもありますが、世界自体の存在力の関係で、力が小さい世界のモノは、力が大きい世界で存在できないんですよ。逆は大丈夫ですけど。」


紙 「そう言うモノなんですね。分かりました。」


神代 「じゃあ、お金は振り込んでおきますね。いつも使っている口座で良いですよね?振込名義は、次元管理局になりますので。向こうの世界で、暴れるのは良いですが、上と調整したら連絡するので、それから行ってください。失礼しますね。」


そう言うと神代さんは消えた。

俺が認識できないだけで、存在しているんだろうけどね。

まあ、面倒ごとをさせられるかと思ったけど、クリミナルの自我を引き渡しただけだし、良かったよ。

向こうの世界に関しては、連絡待ちだ。

畑仕事でもしよう。

朝から疲れたけど、頑張らないとね。

はあ、正式に人外の仲間入りか。

嫌だなぁ。



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