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第十話 痛い人?

さて、日本に戻ったのは良いが、どうするかな。

取りあえずは、”クリミナル”の存在を引き継いだので、お面と相談しながら決めるしかないか。

畑仕事もあるのに、めんどくせえ。

そんなことを考えながら、お面を呼び出した。


紙 「お面よ。出てきてくれ。」


お面 「旦那、焦らなくても大丈夫ですぜ。畑仕事する余裕はありやすよ。」


紙 「ん?お面って、俺の思考を読めるのか?」


お面 「読めるわけではありやせんが、状況判断は出来やすから。」


紙 「俺の一部の癖に、俺より優秀な気がするぞ。」


お面 「あっしは旦那の実体じゃありやせんから、その分状況を俯瞰的に見れやすので。」


紙 「そうなのか?まあ、それはそれで有難いけど。話は変わるが、クリミナルは地球と言うか、この世界に影響は無いのか?俺、自我以外引継いでるけど…。これだけは先に確認しておきたい。」


お面 「大丈夫でやすよ。旦那が完全に制御していますからね。」


紙 「それなら良いけどさ。」


お面 「異世界のせいで、ひでー目に遭いやしたから、気分転換も必要でやすよ。特殊能力も効果範囲を任意で変更できるようになりやした。距離制限もありやせん。」


紙 「今回も異世界間を移動したせいか?能力が大幅アップしたようだが…。」


お面 「それもありやすが、クリミナルを引き継いだせいでやすね。データの処理速度なども大幅にアップしやした。」


紙 「そうなの?ところで、クリミナルっていうか”在るモノ”って何なの?」


お面 「世界を管理する存在でやす。神とか呼ばれる場合もありやすね。いなくても問題は無い様でやすよ。」


紙 「神様なの?英語の犯罪者の意味っぽいのに?世界って、管理者がいなくても大丈夫なのか。」


お面 「犯罪者でやすよ。データシートの情報だと、平行世界ってのは、無限に存在する様で、相互不可侵らしいんでやすが、それを管理するのが、”在るモノ”って存在でやすよ。”クリミナル”は、それを無視して、次元に穴をあける勇者召喚魔法陣をあっちの奴らに授けやしたから。地球の神々が、次元の穴の影響で迷惑を被って、苦情を入れた様でやすよ。他の平行世界の神々にも情報共有されて、あの世界は孤立しているようでやす。神と呼ばれるように、高次元の存在のようでやすが、他の世界の神々が、あの世界から”クリミナル”を移動できないように、封じ込めている様でやすよ。だから、いなくても大丈夫でやす。」


紙 「それって、不味いんじゃ?俺、引き継いでるし。俺が犯罪者になるわけ?」


お面 「旦那の特殊能力は、世界に影響が無いようになってやすね。”在るモノ”を引き継いだ関係で、データシートに今まで表示されなかった情報が見れるようになりやした。”特殊能力:紙”を取得した時点で、旦那自体が一つの世界みたいなもんになり、異世界に行ってもバランスをとるような作用がありやす。旦那がいるだけで、世界をメンテナンスするような感じでやすね。だから、犯罪者にはなりやせん。こっちの世界の神々が、仕事させようとするかもしれやせんけど。勇者召喚による影響は、旦那のおかげで、両方の世界が正常にメンテされましたぜ。」


紙 「えー、何それ。すっげえ面倒くさいことになりそうだけど。大丈夫かな?」


お面 「気にしても、なるようにしかなりませんて。」


紙 「まあ、そうだろうけど。じゃあ、あっちの世界へ行って、責任取らせるために、虐殺とかしない方が良いのかなぁ?世界の管理者もクリミナルのデータから、まともな奴創るとかする必要ありそうだし。」


お面 「見せしめは必要でやすよ。旦那以外に日本の同胞が攫われてやすからね。魂は地球の神々が回収したようでやすが、メソポ王国程度は滅ぼさないと。管理者を創るのは、様子見する方が良いと思いやす。」


紙 「気が重い状況だなぁ。あれ?地球の神々は、相互不可侵をちゃんと守ってるんだよね?どうやって召喚勇者の魂の回収したの?」


お面 「苦情入れた時に、回収した様でやすよ。次元の穴の影響対応で、クリミナルの所へ行ったようでやす。穴はすぐ塞がっても、歪が残るようですぜ。歪を治さないと世界が融合したりする場合があると記述がありやした。世界が融合するのは、大問題らしいですぜ。勇者召喚魔法陣の破棄も要求したようですが、クリミナルは無視したので、旦那が召喚されたんでやすよ。まあ、今日は、気分転換に畑仕事しやしょうや、旦那。」


紙 「わかった。そうするよ。」


そう言って、畑仕事をして休んだ。



◇◆◇◆◇◆



一夜明けて、朝食後どうするか考えていると、来客のようだ。


紙 「客が来るとか珍しいな。ハイハイ、今行きます。お待ちください。」


玄関を開けるとスーツ姿の20代前半と思われる女性がいた。

誰だ、この人?


紙 「何か御用ですか?」


女性 「早朝にお伺いして、すみません。紙 創平さんは、いらっしゃいますか?」


紙 「創平は私ですが、ご用件は何でしょうか?」


女性 「申し遅れました。私、このような者です。折り入ってお話がありまして…。」


女性は名刺を差し出した。

確認すると…。


ん?んん?


”次元管理局 地球担当女神 神代”


これだけ書いてあった。

…もしかして痛い人かな?

普通名刺には、連絡先があると思うんだ。所属と名前だけって、おもちゃかよ?

異世界のこともあるけど、追っ払う方が良さそうだ。


紙 「えー、これは、”かみしろ”さんとお読みするんでしょうか?恥ずかしながら、人名とか読むの苦手なんですよ。」


いきなり、失せろとか言うわけにもいかないからな。

宗教の勧誘とかの可能性もありそうだし。


神代 「はい。かみしろです。あの、中に入れて貰えませんでしょうか?」


紙 「いやいや、面識のない方を家に入れるわけには、行きませんよ。最近は物騒ですし。そのような無理を言われるなら、お引き取り下さい。」


これでどうだ?


神代 「そこを何とか、お願いします。異世界に召喚された勇者様?」


神代と名乗った女性は、唇の端を吊り上げて、にやにや笑いながらそう言った。

神代は、”クリミナル”の同類なのか?

…いや、妄想癖のある痛い人かもしれん。


紙 「何ですか?それは。頂いた名刺に女神とありましたが、宗教はお断りですから、お引き取り下さい。」


これで、退去要請二回だ。三回言って、帰らなければ、不退去罪だよな?確か。


神代 「宗教の勧誘ではありませんよ。良いじゃないですか、中に入れてください。」


紙 「新聞もいりませんので、お引き取り下さい。」


そう言って、玄関を閉めようとすると足突っ込んできた。


神代 「ちょ、ちょっと待ってください!怪しい者じゃありませんよ。中入れてくださいって。無茶言いませんから、話聞いてください。」


紙 「能力開発セミナーとかネズミ講の類もお断りですから、お引き取り下さい。買取に出すような貴金属やブランド品もありませんので。廃品回収も出すものありません!家には、テレビも無いですからね。電気もガスも通信関係も切り替えるつもりは無いですから。押し売りはお断りです!既に不退去罪の要件が成立しているので、通報しますよ?」


神代 「そう言うのでもありませんから!紙 創平さん、女性を無碍に扱って、評判を落としますよ!中に入れてくれないと、乱暴されたって、冤罪を被せますからね!」


こいつ、とんでもないこと言いやがった!

だがな、こんなこともあろうかと家の玄関には、ボイスレコーダーを置いてあるんだよ。

来客時には、録音して対応しているのさ。

押し売りとかもあるからな、一人暮らしの知恵を舐めるなよ。


紙 「人に冤罪を被せようとする方を、家に上げるわけにはいきません。会話は録音してますので、お引き取り下さい。」


突っ込んだ足を押し返して、玄関を閉めた。

騒ぐかと思ったら、静かだな。気配も無くなったし。

朝っぱらから、ああ言うのは困るよな。

そう思いつつ、居間に戻ると神代が座ってやがる。

農家で家が古いため、土間なので良いけど、土足で人の家に入るな!


紙 「…どこから入った?不退去罪に追加して、不法侵入だぞ。犯罪者め、出ていけ!」


いつでも特殊能力を発動できるよう警戒しつつ、警告する。

言葉遣いが乱暴だが、犯罪者に礼儀は不要だ。


神代 「ふふ。警戒しなくても大丈夫ですよ。何なら、全裸になりましょうか?」


紙 「美人局までやるのかよ。犯罪者が、舐めるなよ。」


紙変換して、データシートから神代の情報を確認しようとしたが、特殊能力が発動しない。

…これは、女神だという信憑性が増したな。地球の時間なども管理できるなら、俺の特殊能力を制限出来るだろうから、俺に対処は無理だな。特殊能力を取り上げることも可能かもしれない。


神代 「ご理解していただけましたか?」


紙 「…ああ、厄介ごとを押し付けられそうだな。大嫌いな、タダ働きの臭いもプンプンしやがる。」


神代 「ふふ。報酬は十分出しますので、ご安心を。話を聞いていただいてもよろしいですか?」


紙 「この状況では、拒否できないだろうに。良い性格してるな、女神様よ。」


神代 「神代で良いですよ。紙 創平さん、あなたは、”在るモノ”を引き継いで、我々の同類ですから。人でもありますけどね。」


紙 「そうかよ。俺のことも、紙でも創平でも好きなように呼べばいい。もう諦めた。」


神代 「では、創平さんとお呼びします。それとも紙様と呼びましょうか?我々神の同類ですから。でもそれだと、クリミナルの世界の者が、”呼び出したのは、”紙”様でした。”ってオチが付きますね。ふふっ。」


紙 「そう言うのは、いらないから。話を進めてくれよ。ああ、神様に対して不敬か。敬語で話した方が良いよな?不法侵入してるから、敬意は払いたくないけど。」


神代 「そのままで結構ですよ。じゃあ、話を聞いてもらいますね。」


そう言って、神代が話し始めた。

話聞くだけなら良いけど、それで終わらんよな。

だって、タダ働きの確認したら、報酬のこと言いやがったし。

神様とは言え、信用できるのかよ?クリミナルの例もあるしな。

だけど、力関係で逆らえないだろうし。

困ったもんだ。

俺は、平穏に暮らしたいだけなんだけどね…。

やれやれ。



紙以外に名前を持ってる登場人物が、やっと出ました。


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