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東方創生判  作者: オリーブ油
風神録編
32/38

第三十二審 性格ゆえの弱点の巻

投稿遅れました(謝罪)

「四季映姫・ヤマザナドゥ。地獄の最高裁判長。おっと、部下のあなたには説明なんか必要ないですか」

 写真の右下に赤字で日付が焼かれてある。つい先日、そう映姫様がこっちに、現世に来ていた日だ。写真に写る映姫様は目線がはずれている。映姫様が撮られることを意識して撮られたわけではないということだ。つまり...。

「盗撮写真か?この鳥よくも!写真よこせコラ!オレが健全に使用する!」

「そうはいきません。これであなたに対して私は無敵になれるんですからね」

「無敵......そういうことは死んでから映姫様の前で言ってもらおうかッ!?」

 不意に手刀を食らわせようとする。

「控えい、これが目に入らぬか?」

 瞳に映姫様が映りこみ、手の動きが止まる。力が抜けていくのではない。何かに動きを止められている感覚だ。ピクピクと震えているのが自分でもわかる。

「ほらほら、呑気にしてるとあの2人を風で服ごと体を切り刻んでもいいんですよ?」

「この腐れトリカラスがッ!写真ごときでオレを攻略したと思うなよ!目をつぶってしまえば精神的には大きいがなんとかなる!」

「......そうですか、じゃあ......」

 そう言うと、天狗はハサミを取り出し写真にはさみかけた。

「おああああ!!やめろッコラァー!何しようとしてんだテメェーッ!」

「首と顔、どっちから切ってほしいですか?目をつぶったほうがいいかもしれないですね~。最愛の人がビリビリに破かれるところを見るのはつらいですからね~!」

「テメエ!本当に殺されたいか!」

 ハサミが重なり、「サクッ」と普通ならなんてことない日常的な音が響いた。音はなんでもない、なんでもないのはその音を聞く者だ......。

「ううああああっうううやめろぉおおおおおおおおおおおお!!ひぎいあああああ!」

「茨戸!よく見ろ!今切ったのはただの白紙だ!閻魔は無事だ!」

「チッ...余計なことを。ま、助言ぐらいでどうなるわけではないですが。頼みの綱がこのアリサマですからね!」

 追い打ちとも言うべきか、写真を足で踏みつけた。怒り狂ったらいいのか悲しんだらいいのか、それよりも前に体中に痛みが駆け巡っている。

「もうゆるさん......オレはもとい映姫様をおもちゃにして......、(映姫様におもちゃにされるならまだしも)調子に乗んなよ!」

 ボタンをトビウオ弾に生み変え飛ばし、ひるんだスキに背後へ回り込んだ。こいつの羽を組み替えてバラバラにしてやろう。全て木の葉に変えてやるのが映姫様への(ついでにオレへの)償いになる。

「ほー、人間で今みたいな素早い動きができるとは......しかし、私には追いつけますかね?」

 目の前にあった生命反応が消え、気づいたときには後ろからふっとばされていた。背後を取られていたのだ。みすみすやられてたまるかと、足からツタを伸ばし下駄を履いた天狗の足に絡みつく。

「人間とは思えない判断力ですね。恋人の影響ですか?」

「もうしゃべるな。よく見な」

 導火線に火が付けられ、燃える音がかすかに聞こえる。

「そんな火薬兵器まで持ち合わせているとは、しかしそんなもので私が恐れをなすと?(マズい......まさかここまでやってくるとは......)」

「お前なら風で火を消すかもしれない。だから、それを封じさせてもらう」

「自爆する気か!?待て、早まるな!」

 凄まじい風圧と煙が山を覆った。火薬には火をつけた。しかし、火薬とは言っても花火レベルの微量だ。この偽爆弾はあくまで煙と光での威嚇用だ。攻撃力はないに等しい。その代わりに圧縮した空気が詰まっている。人1人は吹き飛ばせるだろうとは思っていたが......まさか傷ができるほどとは。

「ハッタリとは......しかし私に煙で巻こうだなんて、天狗に羽があることを知らないんですか?」

「さすが天狗というところか。その能力さえ...風を操る能力がなければ何の問題もないなぁ!」

 木の皮からツバメを生み出した。こいつを天狗の腕に突っ込ませる。避けられんように、弾幕を打ち込む。弾幕で誘導しツバメ弾を打ち込んでやる。

「弾幕まで使えたとは......やはりネタに尽きない人間ですね。弾幕なら風の影響はない。そう考えたのなら間違いでしたね。シロートの弾幕が幻想郷最速の私にどこまでかないますか!?」 

「弾幕で勝とうだなんて思っちゃいない。賢いって言われるカラスに頭の良さで勝つ」

 ツバメを天狗の手首へ飛ばす。左腕に持っていた団扇が宙に舞った。腕をツタに組み換えロープを使うように拾い上げた。

「コレがなきゃ、お前は何もできない!今、お前へ向かい風!オレへ追い風がやってくる!」

「状況が飲み込めていないようですね。その団扇を返してください。さもないとまたこの写真をビリビリに......」

「恋符『マスタースパーク』!!」「霊符『夢想封印』!!」

 凄まじい破壊力に木が揺れ、風向きがねじ曲がる。幻想郷の最強弾幕コンビには映姫様でもかなわないだろう(映姫様が弱いのではない、こいつらが強いんだ)。

「なるほどね。団扇を使って、風の拘束を解いたのね。しばらく動けないでしょうけど、一応縛り上げておきなさい」

「こいつ、閻魔の写真こんなに持ってたぜ。一枚じゃ何かの拍子に取られたら危ないからだろうな。ほとんど同じ写真だが......茨戸、お前いるか?」

「全部くれ」

 同じようにヘビで何重にも縛り上げておいた。このヘビの力なら肋をすべて肺の中に押し込める。誤差はあるが10日はこのままだろう。

「ほー......さすがは写真のプロ。写真写り最高だぜ」

「閻魔のことが好き......射命丸の言っていたことは嘘ではないようね。けど、全く何に引かれたんだか......。説教好きで口うるさい、あんたはそういうタイプが好きなの?」

「......そうかもな、映姫様は命の恩人でもあるし、人間である自分にも隔てなく接してくれる。けど、優しいだけじゃない。ちゃんと叱ってくれる。そういうところに惹かれたのか、それとも一目惚れか、自分でもよくわからん」

「よく恥ずかしがらずに今の台詞言えるわね......。聞いてるこっちが気分悪くなるわ」

「そうか?私は好きだぜ。そうだ、もしお前が閻魔とそういう仲になったらあいつに、私は善人だって吹き込んでおいてくれよ」

軽いを返事をしながら、傷を治した。この前閻魔帳を(盗み)見たが、罪状は窃盗関連だらけだった。死ぬ時刻やら寿命やらは読めなかった。小町さんに聞いたが、これはアタイたちにしか読めないし、そもそも見えないらしい。特殊な経歴だから文字だけ見えたんじゃないか、そう言っていた。

「よし!傷も治ったし、ぼちぼち行くか!」

「そう言っても行くあてもないのよ?」

「おいおい、私を誰だと思ってる?手がかりはあるぜ、ほら」

 ポケットから取り出された写真には神社が写っていた。感覚だが博麗神社より大きいし、手入れもされている感じだ。何人かだが参拝客らしき人もいる。

「天狗が持っていた写真のなかに混じってたんだ。いや、混じっていたというよりはほとんどがこれだった。新聞のネタにする気だったんだろうな」

「......何か知らないか?なあ、狼剣士くん?コレなんだが...。答えたら開放してやる」

 写真をちらつかせた。最初は口をつむんでいたが、状況を考えたあと、ようやく自供した。

「名は守矢もりや神社だ。私の他にいる監視からの情報だと、見慣れない人間の女が1人いるそうだ。それに加え『神』がいる」

「神...だと?そんなものがいるのか?茨戸、こいつの話を信じていいのか?」

「一応映姫様も分類すれば神の領域に含まれる。別に不思議な話じゃないな。それにだ。神様ってなら、そこに神様に詳しい巫女さんがいるだろ?」

霊夢ちゃんはもう既に戦闘準備を終えたようだ。お祓い棒を振る姿もいつになく気合が入っているように見える。(使い方はあっていないが。)

「情報提供どうも。拘束はもう解いたぜ。どっかに消えな。それとも、やろうってんなら、またやるか?」

「3対1は無謀だ。情に流されるような戦いはしない」

「......お前はいい妖怪だな。わかるんだ、悪いやつじゃないってな。さっきの取り引きのとき、少し迷っていたがすぐに吐いただろ?もし吐いても、オレの気分次第でお前を拘束したままにもできたんだぜ。それでもお前は話してくれた。初対面の人間をお前は信じたんだ。それも、殺されかけた相手をな」

「...完敗だな。何十年と年の離れた人間に、返す言葉も見つからん...。茨戸秀、お前には名を明かそう。犬走椛いぬばしりもみじだ」

「椛ちゃんか。オレはもう出るぜ。連れが早くしろってうるさいんでな」

振り返った途端肩を掴まれ、何かを頬に添えられた。

「地図だ。目印を辿れば守矢神社にたどり着ける」

「プレゼントか?ありがたくもらっとくぜ。やっぱりいいやつだな、椛ちゃんは。じゃあな!」

しばらく後ろ歩きしながら手を振った。いつまでやってんだと2人にツッコまれている内に、自殺スポットとでも形容しようかという薄暗い森の中を歩いていた。

茨戸の精神はほとんど映姫様で作られています。(既成事実)

映姫様の姿(写真、人形など)が切られる、折られるといったようなことは茨戸にとって精神的なダメージとなります。

切られている、折られている部位には当然精神と肉体がリンクして痛みが走る。

なんの矛盾もないですね!

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