第三十一審 射命丸記者のワンショットの巻
久しぶりの投稿です。こうなる事は予想してました(ノストラダムス)。
「なあ、にとり。あーにとりちゃんって呼んでいいか?」
「いいよ、なんだい?」
今の今まで忘れていたが、オレは巫女と魔法使いと一緒に来ていたのだ。2人と別れてからかなり時間が経っちまってるからな。雛ちゃんとお話してた時間+にとりちゃんと1戦交えた時間で1時間半。ついさっきまで、映姫様の入よ......おっとまたぶっ倒れるところだった。
「ここらへんを紅白の服着た黒髪の子と、白黒の服着た金髪の魔法使いが通らなかったか?」
「見てないな~。そんな目立つ服着てる奴を見てたら忘れるはずないよ。こんなとこにやってきた人間は茨戸くんだけだけどね」
やっぱりな。薄々と感じてはいたが、やはりもっと奥に行ってしまったか。
「それなら、さっさと合流しなくちゃな。道はあっちだな?ずいぶん迷惑かけたな。また会いに来るぜ」
「ああ!気を付けてなー!」
渓流を過ぎ、もとの獣道を歩いて行く。たとえ遊歩道が作られたところで、ここには誰1人来ないだろう。理由は、自然の恐怖というものをビンビン感じるからだ。
人は得体の知れないもの、例えば幽霊(知りあいにいるけど)なんかに恐怖する。未知のものに警戒するからだ。
しかし動物や自然災害相手などにおいてはまた違う。人間のわずかに残る動物の本質で恐怖する。こっちの恐怖の方が強いものだと、オレはずっと思っている。サメ映画なんかはよく見ていた。
何の話をしてるんだ。そうだ2人探すんだ
「おーい!魔女ー!巫女ー!返事しろー!」
冷たい風が周りを避けて通り過ぎる。
「ダメみたいだな。さて、どうしたもんかね?」
床、もとい地べたに座る。またネズミの大群でも作ろうか、いや、地区林のときとは違う。この山は広すぎて朝までかかる。仮に見つけても動いてるあいつらを特定はできない。
「あー、もう帰ろっかな?日を改めて来ますかね」
方向を確認し、空へ飛ぶ。
「じゃあねーおふたりさん!アディオス!」
『シュバッ!』空を切る音が聞こえた。なんらかの道具を使った音だろう。
「一体どこからだ?素振りでもしてんのか?ん〜?」
見回してみてもそれらしい原因は見つからない。木が倒れたのがたまたまそう聞こえただけなのか?ヌカびっくりしたぜ。
安心して振り返ったその時だ。向かってくる光が見えた。
「何ッ!?矢だとッ!いったいどっから!?グゥッ!」
左腕に矢が突き刺さった。いや、今は両腕が翼だから、レフトウイングか?いや、そんなこと考えてる場合じゃない!レフトがやられたらライトがあっても墜落する機体なんだ、オレは!
「ぬ、木か...。細胞の一部を組み換えて...網状にする!」
木の皮をハンモックのようにして、なんとか墜落は防いだ。
「返しがついてやがる...。オレには関係ないがね」
刺さってる部分を微生物にした。すっと抜いて、矢を真っ二つに
割って木に突き刺した。
「流れ弾だったとしても許さないが...十中八九この矢は、このオレを狙っていただろう」
ここで何も考えず木から降りるのは危険だ。今はここで様子を見よう。もし、そのスナイパーがこの付近に落ちたことを測れたとしても、どの木に潜んでるかは分からないだろうから。その分謎の敵に対して有利なスキを作れる。今度は逆にスナイプしてやる。
息を殺し、心臓も落ちつかせ、来たるべきやつを待つ。撃ち逃げ、という事は流石にないだろうとは思うが、少し気がかりだ。
鳥を撃ち落とす遊びなら動物保護が叫ばれる前から平気で世界各国で行われていたし、今でもやってる国は多い。そういう遊戯の下で撃たれたのなら、腹は立つがおびえる必要はない。自意識過剰だったならいいが。
この仮設が思い過ごしである内に逃げよう。折れそうな枝だが体重を分散させればなんとかなりそうだ。
「うおっあぶねー。あと3キロ重かったら地面にドーンだったぜ」
ーバギィッ!
「...この時期の木ってもろくなるのもあんのよね...」
墜落。そして打撲。結局こうなるのか。
「いてて...まったく、何の因果で...」
体を起こし辺りを見回す。振り返ったその時だ。首筋に刃物が添えられていた。
「動くな。さもなくば首が飛ぶぞ。そこの木に手をつけろ」
コイツ人間ではない。人よりも犬とかに近い妖怪だろう。それにしてもアメリカンな抑え方するねぇ。
「オーケーOKオーケー。ほら、手はつけたぞ。あんたの願いを叶えてやったんだからオレの望みも聞いて欲しいんだ。テメェは何者だ?」
この女、目の色も変えない。動きもしない。肝が据わっていて鉄の意思を感じる。
「監視だ。お前を含め4人の様子を見ていた。その内ふたり、博麗霊夢と霧雨魔理沙は先ほど捕まえた。これ以上山に入らないように。そして、お前、茨戸秀。顔写真が無かったから特定は苦労したぞ。唯一顔を知っている者も知りあいにいるが...あまり頼みたい相手ではなくてね。苦労させられたよ、全く」
監視?何のために。それに4人だと?このバカ犬数も数えられんのか?それともオレ達の他にもう1人人間が...!いや、その前に...。
「あの2人が捕まった!?バカな!?」
「事実だ。この目で見た。別に殺したりはしない。ただ山から追い出すだけだ。過程まではわからんがな」
あの時別れて正解だったか。誰の運がよかったのか。それとも、こいつらの運が悪かったのか。
「悪いな、お前にはもう少し喋ってもらう。2人はどこにいる」
まだこの木には枯れ葉が付いている。この枯れ葉を蛇に変えた。
「何だ!うく...首を、絞め...られ」
「さーて、ヘビくんたち。全ての首を締めろ。足首と手首は血が止まらない程度だ。首は息ができる程度にやれ」
女を拘束し、手に持っていた剣と盾を奪う。足を縛られ倒れる女を数10匹の蛇で受け止めさせた。
「何をする気だ...解放しろ!グッ...!」
「あんまり噛みつくなよ、首に圧がかかるぞ。このヘビくん達は毒こそないが絞め殺して獲物を丸呑みにするんだ。そしてこいつらにオレは命令できる。逆らうとどうなるかわかるかね?私も鬼じゃない、さっきも言ったがあの2人、霊夢と魔理沙の所へ案内しろ。そうしたら、解放しよう。オレも君も助かる。何を遠慮する?」
「くぅ...不本意だがわかった...必ず解放するんだな?私とて命は惜しい。仕方あるまい...」
「よし...それじゃあ、頼んだぜ」
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「ここにいるんだな?ウソだったらヘビ飲み込ませて内面からお前の体を食い破るぞ」
「間違いない、それにあいつは『ここに』来て欲しかったみたいだ」
生物探知すると検知できた。しかし、生命は2つではない。3つあった。
「やあやあやあや、こんにちは。茨戸...秀さん」
聞き覚えのあるムカつく声。そしてこの風。間違いないあの新聞屋の...。
「テメェ!烏天狗!何してやがる!?」
「え?何ってこの2人が逃げないように見てるんですよ。明日の朝刊はこの1面で決まりかな。いや、あなたを1面にした方が読者が喜びそうかな。ほら、お2人も何か話したら?同じ人間同士で」
「茨戸ーッ!早くこいつを殴ってでも倒せ!急げ!」
「くやしいけど茨戸あんたしか頼れないからね。早いとこ、この天狗を叩きのめしてやって!」
2人の周りの空気が揺らいで見える。風か?風とは何か違うように見える。
「おっと、これが気になりますか?射命丸特製カマイタチ式拘束衣でーす!少し動くと猛烈な勢いで体を切り刻むんですよ。2人は体をずっと動かさずに1時間ってとこですかね。さて、人間の限界はどのくらいまで耐えられるんですかねぇ?」
「野郎ォッ!」
「いいぞ、茨戸!やっちまえ!」
「殴れるものなら殴ってみなさい」
体が動かない。腕がこれ以上前にいかないのだ。心はこの天狗を殴ってやろうとしているのに。精神と肉体が分離されたみたいに。
「おやおや?どうしました?茨戸さん?さっきの威勢のいい『野郎ォッ!』はなんだったんですか?」
「おい茨戸!何してんだ!今まさに攻撃しようとしてたのに!」
「射命丸!あなた今何をしたの!」
天狗が後ろを振り返った。チャンスは今しかない。
「何って...これを見せたんですよ。この『写真』を」
「う!?」
「これは!?」
「......」
「『四季映姫・ヤマザナドゥ』の『写真』ですよ。この茨戸が愛し、ぞっこんフォーリンラブな閻魔様のベストショットをね」
次は早く出します(不確定)。




