第二十八審 緑髪は天使の巻
初弾幕試合ですよっと
えーと.....この弾幕勝負の5分間を1言で表すと......。1言では難しいので2言で表すと、「完全」に「勝利」。
「フー、別に霊夢ちゃんに任せるほどの相手じゃなかったようだだな......」
「ええ、初心者の上に才能なしって感じね」
「で、この二人はどうするんだ?弾幕を出せたってことはただの一般人じゃないようだぜ」
魔理沙ちゃんのいうとおりだが、とりあえず確かめてみないとな。
「そうだな......ちょいと失礼」
「お...おい茨戸!何してんだ!?」
「ほっぺた触ってるんだ」
「ちょっと...あなたは...何を......」
生命は人間のでも、妖怪のでもない。というか生きているが、生命があるというのかも怪しい。映姫様と似た感じだ。ということは......。
「お前らは神の種族ということかな、図星か?」
「...!なぜわかったの!?」
「わかったのはそれだけだ。わからねえのは、なぜお前らが攻撃してきたのかだ」
女はかたくなに口を閉ざしていた。しかし、言わなければ何をされるのだろうという恐怖に負けたのか喋り出した。
「あ...秋を邪魔されると思って、ちょっと懲らしめてやろうと思って......」
「......くだらねー理由だねー。何かを隠してるわけじゃないのかい?いいか?これから山に入るが止めるなよ。強いのは今のでわかったろ?心配いらねーからな」
「は...はい」
後でわかったが女2人の名前は秋静葉秋穣子。やはり姉妹で神様だったようだ。霊夢ちゃんが激弱と言っていたあたり、戦いはあまりしない温厚な神様なんだろう。
山に遊歩道なんて便利なものはない。ゆるやかな坂というだけでも十分だと思わなければならないのだ。2人は飛べる(というか浮ける)から楽チンでいいなあ。
「魔・理・沙ちゃ~ん♡ちょっとだけさぁ、ほうきに乗せてくれるかなぁ!」
「悪いな茨戸。このほうき1人用なんだ。ま、茨戸をのせるなんてもったいないよ」
「くっそ〜......。霊夢ちゃま〜!」
「ごめん無理」
「畜生......」
いいか、諸君!イケメンにも無理なことはあるんだぞ!メモしとけよ!
「なぁ、ホントに休もうぜ。お前ら能力ずっと使ってるのに疲れないのか?」
「平気よ」
「まだまだ元気だぜ!」
「頼むから休憩させてください......」
水筒の水はやけに旨くて、まるで体が蘇ったみたいな気分だ。
「ぷはー!やっぱりイイねー!こういうところで飲む水ってのは!」
「終わったらさっさと行くわよ」
霊夢ちゃんに急かされ飲むのをやめた。これからまた飲むことを考えたら、ここでストップしたのは正しかったのかもしれない。
「そういやこの山って妖怪がいるって聞いてたんだが、まだそれらしい奴を見てねーぜ。気配も、いや生命すらもだ」
「あなたはわかるんだったわね。近くの命を探知できる」
「あまり遠いとぼんやりとなるがな。過去に生きていたもの、木材とかもわかるよ」
この事は生きてた時には吉とも凶ともでた。周りに人がいるかどうかすぐわかったが、都市に出た時は命の数に翻弄されて頭が痛くなった。幼稚園の頃、迷子になった時には助けられたが、人が死ぬ瞬間は人よりも酷だ。この力はオレには有り余る程の喜悦であり災いだった。
「あまり強い期待はするなってことだな。あくまで『あそこらへんに誰かがいる』とわかるぐらいだ」
「それなら十分よ。何か見つけたら言いなさい」
「了ー解ー(言いなさい......?)」
言いなさいとは言われたが......それがないからこの話を立ち上げたんだぞ?まず、言われなくても何かあったら教えるし。
体にゆっくりとある感覚が伝わってきた。いつもの命を感じる感覚。こんな樹の海と書くような場所に1人。いや1人じゃないな。種族が違うから。
「......そこで止まれ。妖怪さん」
「出たのか!」
「ゆっくり出てきなさい。何を考えているの?」
節のある草たちの中から出てきたのはワリと可愛めの女性だった。髪をまとめるのにリボンを使っていて、服はメイド服というか......ゴス系って言うんだっけか。髪は緑だ。特別に説明する必要もないが、緑髪ということは重要だ。例えるならバーベキューでの肉、いや、それ以上の炭とか火だ。髪が緑=うちの嫁(未確定事項)と自分の頭では設定されている。つまりは緑髪=可愛い、最高、ヒュー!ってな感じなのだ。
「やあやあやあやあ、お嬢さん......。君...とても可愛い目をしてますね...。名前は何というんだい」
「か...鍵山雛...です...(何だこの人間!さっき私を呼び止めた声と本当に同じ声なのか?うう、鳥肌が...)」
雛ちゃんか......いい名前だ。この娘には何か優しくしてあげたくなるなあ。
「雛...かわいい名前だね。君はどうしてここにいるんだい?」
「ええ、え、えっと...その私ここに住んでて、ちょっと散歩して...ました...」
雛ちゃんは目を泳がせながら質問に答えていた。答えるので精一杯といった表情であった。
「おっと、自己紹介がまだだったな。茨戸秀だ。ヨロシクね」
「ば、茨戸ォ!?ひょ、ひょっとしますとあの最近話題の......?」
「ん?まだ顔公表してなかったっけか?確かな本物だぜ。能力見せようか?」
目をキョトンさせて雛ちゃんは遠くを眺めている。腕はダランとしていて、よっぽどびっくりしたんだとわかる。
「その茨戸...さんがどうしてここに?」
「勝手についてきたのよ。頼んでもないのにね」
失礼な。付き添いって言え。あるいは護衛と言え。
「博麗霊夢ッ!あなたまで、なぜここに?」
「どーも、私も勝手についてきた人でーす!」
「霧雨魔理沙...あなたも...!大物が...こんなに...この山に何が起こっているの?」
「オレらは、緑の巫女さんを探している。身長はこの巫女と同じか高いくらいで、髪は君のような緑色、ナイスバディの17歳だ。見覚えないか?」
しばらく考え込んだものの、答えはNOであった。山に人間が入れば、すぐにわかるのに未だに噂すら無いからだと。んじゃ、一体誰なんだろうか。住んでいる妖怪がわからない?相当なモグリってことになるぜ、これは。
「チッ......まだ振り出しだぜ。サイコロすら触れやしねー」
「あの、ここから奥に進むんですか?この先は危険ですよ。やめておいたほうが......」
「かまわんよ、オレをなめとったらケガするぜ。ひ・な・ちゃん?」
「そう言われても、ここで黙って行かせてケガでもされたら、私の気が収まらないし......。そうだ!弾幕で私に勝てたら行っていいですよ」
まるでRPGの「ここを通りたくば私を倒していくがいい!」だな。ここは当然『→はい』を選ぶのが常識だがね。
「......クドいね〜雛ちゃん。それとも心配症かい?いいぜ、やってやんよ」
「ん、また私がやる?」
「イーヤ、待ちなさーい。雛ちゃんは正々堂々、オレが敗者席へと叩き込んでやる!」
ポケットから束ねてあった自分だけのスペルカードを取り出した。スペルカードは自分で作らなくてはならないから名前とかどんな弾の軌道にするかとかもかなり悩んだ。その結果がこの3枚のカードだ。
「雛ちゃんにはこの3枚のカードのうち、2枚しか使わないことを先に言っておく!これは君への敬意とオレへの願掛けだ!」
「男らしいわね。それじゃ始めましょうかっ?」
弾幕勝負というのは目で追えない、数えられないほどの量の弾が放たれる。ここで大概のやつらはビビって逃げることだけを考える。『弾幕勝負で一番重要なことは落ち着くことです』映姫様はそう言っていた。
「この弾は...1発の威力は低いようね...」
「私の3分の1ほどと見えるわ。茨戸め...あの時私がやるって言ったのに......」
弾が当たり負けている。やはり言われた通りだ。『あなたの弾幕は人よりも一段弱い。したがって何か違うところで相手を上回らなければならないのです』
「ああ、映姫様。考えましたよ」
「マズい、茨戸!避けろ!」
「審判『アウトジャッジメント』!」
太く打ち出されるレーザー弾幕!その周りにも短めのレーザーが左右に3本ずつ!放たれる!
「この威力はさっきのとは比べ物にならない威力...!キャアッ!」
「1枚目......使用したぞ......!」
「今のはまるで......あの閻魔の!」
「さすがはあの説教閻魔の部下ってことだね」
次回も主人公がなんとかしてくれるよ!(ネタバレ)




