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東方創生判  作者: オリーブ油
脱獄犯in紅魔館編
20/38

第二十審 脱獄犯捕獲作戦決行

4月になりました。

北国にも春が来たとわかるようになりました。

だって上着着てたらあっついもの。


 映姫様は仕事が忙しいからという理由で、弾幕は雁来と一緒に小町さんに教わることになった。

「あーあ、また映姫様に教わりたかったなぁ!まったく気分下がるぜ」

 弾幕を無意味に飛ばしてみる。

「ん~、四季様に教えてもらった分上手だね。特に教えることもないよ。あとは実戦練習かな」

 思いがけずほめられた。できることなら映姫様に言ってほしいものだ

「じゃあ、いいや。映姫様のところ行こっと。

「それなら、俺も付いていくか」

「生徒がいないんじゃしょうがないや。アタイもついてこ」

 結局みんないっしょに行くことになった。2人きりが良かったんだがな.....。じゃまが入る......。

「映姫様!失礼致します!」

 ドアを開け、中に入る。ただこれだけの動作なのだが自分にとってはけっこう重要な事なのだ。愛する人の部屋に足を踏み入れるというのは、国境を越えるみたいなものだからな。

「茨戸、小町に雁来も。練習は終わったんですか?」

「はい、四季様。アタイが何もかも教えてあげました。大丈夫です」

「あなたの大丈夫はいつも不安です」

 笑いが巻き起こり、いつもの風景になった。4人で仕事して、話して、こういう日常もいいかもしれない。

「四季様!大変です!」

 扉が開いて、1人の死神がやってきた。たしか連絡部員だったか。

「どうした、死神ガール?」

「茨戸さんに雁来さんも!それが...1人...地獄から脱走した男が......」

「「「「脱走!?」」」」

「一体何が起こったんですか!?」

 死神ガールが事情を話し始めた。ひどく慌てていた様子だったが、話はよくまとめられていた。話の最後に写真を提示した。

「この男か?逃げたヒキョウ者はよ」

黒麻明(くろあさあきら)(28)。無職。入獄はおよそにして58年前。好きなもの、チーズ。嫌いなもの、ごま。女性関係、生涯なし」

「え?そんなこともわかるんスか?」

「亡者のことは全て把握できます。私の権限です。もっともあなた達2人は外の人間なので無理ですけど」

「はあ。(あっぶねぇ~~、オレのことも知られてたらと思うと恐ろしいぜ......。)」

 それにしても地獄をぬけ出すなんて、どうやったというんだ?牢獄とかムショとかならよく聞くが、ここは地獄だ。獄のレベルが違うぞ。

「で、どうするんだ?閻魔さん。連れ戻しに行くのかい?その男」

「四季様の判断に任せます」

「考えるまでもありません。すぐに探しだし、地獄に再連行します。茨戸に雁来、それに小町も準備ができ次第向かってください。私もすぐに後を追います」 

 小町さんと映姫様が出ることになるとは事件の重要性がひしひしと伝わってくる。2人がいれば心強い。小町さんも頼りになるし、何より映姫様の実力は圧倒的だ。映姫様の力もあればもうにらみつけるだけで勝てるぜ。不安......と言えば1つあるが。

「り、了解です。映姫様。すぐに向かいます......」

さっきの不安というのは能力のことだ。ここ最近生きているものに触れると生物の肉体が変化し始めるのだ。それも普通の生物の形でなく例えるなら胎児になりかけているようなヒトのような不気味て気色悪い感じだ。普通に生き物を生み出すことは出来るし短い時間なら何も起こらないので支障はないのだが......。

「クソ!コレが天才にたま〜に表れるというスランプっつうやつなのか?ろくなもんじゃねぇ!ただの不調じゃねぇか」

扉を叩かれ、玄関に向かうと雁来が不機嫌そうに立っていた。オレのことを待っていたらしい。

「わ、わるいな雁来。待っててくれたのか?優しいなぁ」

「ハァー、やっぱり俺1人で行けばよかったか......」

雁来に嫌味を言われながら命ある世界(こう呼ぶことにした)に向かった。

向こうでは映姫様と小町さんが話し合っていた。

「犯人はあの建物にいます」

指を差した方向に首を120°曲げると紅いレンガの建物が......。

「......紅魔館スか?いい思い出ないんスよねぇ~、オレ。来た途端にナイフメイドに会うし、吸血鬼と遊ばされたしな!」

「ということは奴は紅魔館メンバーを敵に回したということになる」

 あの連中に喧嘩売るとは、鼻で笑った。一人間があそこへ足を踏み入れるなんざ≒地獄行きだぜ。

「あの妖怪たちに殺されては面倒です。一刻も早く確保にうつります」

「了解ッス!ま、こんなとこに長くいたくないし。ささっと終わらしてどっか食事にでも行きましょう!映姫様!」

「早く終わったらですよ......4人でね」

 よっしゃあ!やる気スイッチ入ったぜ!おまけがついてこようが関係ねぇ!食事の誘いをOKするとかもう結婚できるんじゃないか……とか思ったりして。

「え〜っと、まず二手に分かれて捜索しましょう」

「じゃ、アタイと雁来君で。イイですよね四季様?」

「え?ええ構いませんけど......。それでは私は茨戸と組みますか」

 小町さんありがとうございます。今度飯おごります。

「では、2人は正面から。私達は裏手から入ります。見つけ次第連絡を。質問が無ければすぐ行動してください」

 誰の手も上がらなかったので作戦にうつった。走って裏へ向かい、外壁を殴って植物に変えて中に入る。裏庭は表の方とは違い地味な感じだ。例えるなら金閣寺に対する銀閣寺って感じだろうか。

「茨戸、まだ生命探知は反応していないんですか?」

「はい、最近ちょっと探知距離が伸びたんスけどノミの生命も感じないっス」

「使用人のひとりにも出会わないとはどういうことなんですかね。気配すらもないなんて」

 確かにそうだ。前来た時はすぐにメイドが来たし、ていうかこっちが気配を感じるより、住人が不法侵入者に気づくのが先だと思う。

「ていうか、不気味な静寂っスね〜。オレあんまりこういうの得意じゃないんスよ。音がないと気分下がるというか」

「あなたがしゃべってると少しはマシですね。けっしてこころよいものではないですけど恐怖が紛れます」

 会話をしながらも映姫様はあたりをキョロキョロと見回している。そういう自分も能力に全神経を集中させているのだが。

 そう言えば雁来達はどうしたろうか。うまくやってるだろうか。小町さんがいるから心配はないが。

 〜雁来サイド〜

「......」

「......ねぇ、ちょっと」

「どうした。見つかったか?」

「いや、全然しゃべらないからさ。真剣だね」

 言われて気が付いた。ここに入ってから一言もしゃべっていなかった。

「ああ、悪いな。さっきから何か変なんだ。誰にも会わない。このバカでかい屋敷でだ。それに廊下が石だらけだ。ここらへんの落ちてない石がころがってる。屋内なのにおかしくないか?」

「ん〜、言われてみれば。メイドが仕事サボってるんじゃないの?」

「......お前じゃあるまいし」

 茨戸達も気づいているはずだ。いや、あの閻魔ならすぐに気づくだろう。しかし……なんだこの胸騒ぎは。

 砕かれたような石片を手にとり目を近づけてみた。球のような部分があることがわかる。

「まるで人間の目とまぶたのようだ。薄気味悪い」

「......いや、まるでじゃないみたいだよ。こっちのパーツの割れ目が......ほら、ピッタリ。間違いないよ。これは人間の目の部分だよ。信じられないけどこれは、誰かの眼ということになる......」

「ますます気分が悪くなる......ということはこの散らばっている石は、この眼の持ち主、というわけなのか......?寄せ集めて、のりか何かでくっつけるか」

 思った通り組み立てていくと、足やら腕の部分が出来上がった。粉になっている部分もあるから、思うようにはいかないが、大まかなパーツを合う部分にあてがっていく。まっさらなジグソーパズルというのはこんな感じなんだろうかな。

 点々と続いている石片を追って部屋の中へ入っていった。少し大きめの部屋だが物が多く狭苦しい。

「......ここだ。ここで石は無くなっている。ここで何かがあったんだ」

「空くん、探偵っぽいね。理論派?ここにあるのは......え~と魚のかぶりものに、重箱、加湿器.....」

「特別な物置っていう訳じゃないようだ。季節的な物置き場か」

 考えられる事は2つ。石像を何かの理由があってバラしたか。それとも......石みたいな人をバラしたかだ。

「このことは閻魔に(ついでに茨戸に)知らせた方がいい。やはり、ただごとじゃない」

「ああ、知らせに行きたいさ。ついでに助けを呼びにね......」

 死神が指差す方向を向くと、扉が石になっていた。さっきまで年代物のドアって感じだったのが、冷たくざらざらした岩肌になってしまっていた。

「ドアノブが!セメントで固められたように、微動だにしない!」

 出口を封じられた。逃げられるのは......窓くらいか?

「窓から逃げられる......と思えるだけでも幸せに思えるぞ。お前さん達はここで砕かれ、そのまま自然と還るんだからな」

 上から気だるい声が響いた。天井を見上げると男がこちらを見下ろしニヤついていた。

「お前だな。明とかいうフザケた男は」

「へへへ、その服、地獄の人間だな。明様を追って来るとは......いままでの苦痛のお礼はさせてもらう!」

明は言い終わると、途端に床が石になった。飛んで避けたがあのままであれば足と床がいっしょになっていただろう。

「これがお前の能力......。モノを石に変えていく。やはり、廊下に散らばっていた石はお前の能力で変えた物か」

「そうさ、あの女が殺そうとしてきたからさぁ、返り討ちにしてやったのさぁ。みぃ~~~~んなねえ」

 女......と言っても男はいないか。誰かは特定はできないが足は長かった。ドラキュラ姉妹じゃない。

「ここに住みたいな〜と死ぬまえから思ってたんだ。邪魔するものは砕き撒いてやるぞ!」

「空君、弾幕の用意しな」

「ああ、とっくにできてる......」

ついに20話となりました。

20といえば、タロットの大アルカナで「審判」の番号ですね。

審判は英語でジャッジメント、そう映姫様です。

正位置で、再生や復活という意味で人生が大きく変わる。

逆位置で、挫折、再起不能という意味で過去に縛られる。

映姫様が周りに与える影響ということなんでしょうかね?ぴったりじゃないか。

今回の話はそこんところすこ~し意識したんだけど......出番が少ないッ!

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