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東方創生判  作者: オリーブ油
永夜抄編
19/38

第十九審 地獄の弾幕修行の巻

 今回は修行編です

 でも修行感はないです

 多分茨戸がフルスロットルです

 間違いなく茨戸が平常運転です

 永夜異変から数日後のある日......。

 オレは映姫様に呼び出しを受けた。何をしたわけでもないんだが。もしやアレか?ちょっと仕事サボって合コン行った件。あれは小町に来いって言われて仕方なく......。

「映姫様、アレは小町さんが!」

「小町?何のことです?私は茨戸に教えることがあるから呼んだんです」

「教える...こと...。あ、じゃあ合コンのことはいいんスね」

「教えること、と言うのは『弾幕』と呼ばれるものです」

 そう言うと映姫様が小さなカードを取り出した。

 すると、まばゆい綺麗な光が走り鮮やかで美しい光景が出来上がった。光に触れようと手をかざすと痛みが刺した。

「イッてぇぇー!!何スか?これ、レーザーとか超高圧縮物質とかっスかぁ?」

「これが弾幕です。科学の塊、決勝とかいうものではないんです」

 この幻想郷ではメジャーな決闘とか戦闘方法。何でも強者と弱者の差を無くすために作られたとか。弾幕と呼ばれる弾を使い相手を攻撃するという、シンプルだが奥深いゲームだ。

「私ってばついうっかり、言うのを忘れていました。茨戸、あなたはこの弾幕を訓練しなければなりません」

「面白そうっスねぇ~!やりましょう!」

「あの...映姫様...ハァ...ハァ...」

「どうかしましたか?」

「いや、本当に弾幕の訓練なんスよねぇ、コレ......」

 剣山地獄の針の上で静止したまま12時間、自分は何をしているんだろうと言う気分を通り越して、自分の存在意義を疑い始めたくなる。

「弾幕勝負で一番重要なことは落ち着くことです。精神を集中させ気を沈め、相手の弾幕を避けること。それがまず大事なのです。所詮は遊びですが死人は出ます。あなたのような人間は、それが大事なのです」

 耳に正論を叩きこまれた。映姫様は指導者としても超一級品だ。やはりこの人に一生ついていこう。

「......わかりました。けど、あとどれくらいこのままなんスか?」

「12時間です。夜食は運んできてあげます」

「う......聞いただけで意識が......」

「わかってると思いますが倒れたら、そのまま地獄に落ちますからね」

 こういう時は気の持ち用で変わる。映姫様は『茨戸は大丈夫』と信じているからこういったんだ!あ、やっぱりだめだ、足が辛い......。

「茨戸、もう限界ですか?」

「な、なんてこと......ないっスよォー。ちょっち、クラっときたんでね」

 こういう極限の状況だと今まで見えなかったものが見えてくる。今もそう、映姫様にちょっとSなところもあったというのがわかった。そそるぜ。

「グファッ!」

「吐血するほど辛いですか......。でも、頑張ってください。あなたならできます。終わったら食事作ってあげますから」

「マジっスか!よっしゃ意識完全回復だぜぇ!うおっしゃああああ!」

 ~そして12時間後~

「ゼェー...ゼェー...ハァー.......頭がグワングワンするぜ......」

「はい、第一練習合格です。ご飯は作っておいたので食べていいですよ」

「はい...ありがとう...ございます......」

 うまい、うまい。やっぱり米だよ、白米。味噌汁に米!これが世界の理だぜ。

「よっしゃ、映姫様。次いきましょう、次!」

「いいですけど、寝なくて大丈夫ですか?」

「必要ありません!映姫様の料理のおかげで目が冴え渡りまくりっスから!」

「元気でいいことです。では、撃ち方を教えましょう」

 そう言って、映姫様が後ろに回りこみ自分の腕を掴んで上げてきた。

「うおぉぉぉ!映姫様ァ、何を!?」

「いいですか、まず、手を広げて、そのまま自分の向いている方向に向けるんです」

「ハ、ハイ......(なんて近い......しかも、手が柔らかい......)」

「そのままの姿勢で、手の前の空間に意識を集中させるんです」

「こ、こうですか......?」

 言われたとおりにすると、空間に小さな光球が出来上がった。

「できたじゃないですか。最初はここまでが難しいんですよ。茨戸は筋が良いです」

「ハ、ハハ、それは...どうも......はぁー、ハァー」

「ここで気を緩めると暴発しますからね。このまま真っ直ぐ直線上に飛んで行くように意識して」

「はいぃ......(頭が暴発しそうだ......)」

 知らないということは恐ろしいことだ。身にしみてわかった。黙っていても息があがる。

 意識が何回か飛びそうになるなか、かすかな意識をかき集め手に力を込める。弾幕を出しているという感覚というものはないが、そこにあるということは感じ取れる。

 真っ直ぐ飛んでいけ、そう弾幕に訴えかけるようにすると飛んでいった。ゆっくりだし、弾道もぶれているが。

「基本はこの弾幕です。初めてでこの弾幕は優秀です。よくできました」

「ァ、アリガトゴザイマス......。ソ、ソノ前ニチョット寝カセテクダサイ......」

「眠くなりましたか?いいですよ、しっかり体を休めてください」

 本当にヤベぇ......。横になりたい。幽々子に殺されかけた時よりヤヴァイかも知れねぇ。これ以上近寄られたらぶっ倒れるのは、虫が光に集まるより確実だ。

「復ッ活ッ!!映姫様!!この茨戸、もう弾幕のコツは掴みましたよ、ほら!」

 弾幕を辺りに飛ばしてみせた。基本は丸だが楕円形や四角にもできる。別に丸でいいけど。

 映姫様は避けようとせず、弾幕に触れようとしている。

「まあ、威力は中の上ってところですね。まだ伸びしろはありそうですし」

「ふ~ん。そういえば、映姫様。最初に見せてくれたのものは何なんスか?」

 そう聞くと、また映姫様がポケットからカードを取り出した。

「なるほど!この紙切れを使うんスね」

「いいえ、このカード自体はただの紙です。力も何もない、ただ今から激しい攻撃をする、そういうことを教えるカード。名前はスペルカード」

 思っていたものと違い、肩すかしをくらった。ということは、あのレーザー放射も自分の力でやっていたのか?なんてこった......。

「スペルカードのことを説明する手間が省けて助かりました。それでは茨戸、最後の訓練です」

「あの苦行に比べれば、な~んてこた~な~いっスよ~~んっ!」

「ほう、じゃあ私を打ち負かすことなんて余裕だと言うんですね?」

「そりゃあもう......え?な、ななななんですってぇーッ!?」

 映姫様と戦えっていうのか?無茶だぜぇ!!まだ教わったばかりだっつうーによお!

「ちょちょちょちょ、映姫様!オレはまだ初心者さんなんスよ!?」

「大丈夫です、ある程度の手加減はしますから!でも、茨戸が勝つまでやりますよ!」

「いやいやいやいや、ぜんぜん無理、ぜんぜん無理!」

「男の子が弱音を吐かない!さっそくいきますよ!」

「ちょ、映姫様っ!いきなり激しすぎ、優しくして、やさしくっ、ああああああ!」

 ~一方、雁来側~

「イタタ......。大分強くなったねぇ。アタイの負けだよ」

「ふん、弾幕......か。もうすべて理解した。大したことはない。それで、茨戸は誰に教えてもらってるんだ?」

「四季様がついてるはずだけど。あの人なら大丈夫だと思うよ。秀が心配だけど......」

「あいつとあの閻魔とまともに戦えると思うか?まあ、戦うのはいいとして勝てるとは思えない。茨戸の精神が崩れ落ちるのが先だろう」

 茨戸のことは信じている。だが少し、いや少しじゃないが変わっている。ただ、茨戸は真っ直ぐだ。曲がらない何かを持っている。そこだけは目標にできる。

「私がどうかしましたか?」

 振り返るとそこに閻魔が立っていた。後ろには茨戸もいる。

「だ~れが映姫様に勝てねえってぇ~!?雁来クンよぉ~!」

 今ので宣言撤回だ。目標にはしたくない。

「......勝てたのか?なんか、大分やつれてるが」

「1勝、130敗、5引き分け。全136試合だァァァァ!」

「もういい。うるさい」

 次回はちょっとオリジナリティーあるようなことしようか、なんて考えております

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